「離せってんだろ!!」
万丈は元格闘家だ。それ故に生身でもそこそこ戦う事が出来、遺伝子的にはエイリアンと人間のハイブリッドである。それ故か仮面ライダーに成る前から身体能力には優れており、生身の徒手格闘で機械仕掛けの警備員 ガーディアンをスクラップに変える事が出来る。
その身体能力と元の世界での格闘家として活動してた経験から繰り出される体術は忍者に匹敵しており、万丈は自分の頭部を掴んだキルバスの腕を掴み…キルバスの中指を反対方向にへし折り、力が緩んだ隙にキルバスを投げ飛ばした。
「ほほう…エボルトの癖にやるじゃないか」
だが、キルバスは空中で何事もなく体勢を整えると軽やかに着地した。それに既に指の骨折も癒えてる。これは大筒木の一族であるウラシキの肉体故の再生力だろう。
しかし、キルバスは万丈からすれば聞き捨てられない言葉を告げた。そう、エボルトと。
「エボルト!?お前…エボルトを知ってるのか!?まさか…お前が並行世界からやって来た侵入者!?」
万丈がそう言うとキルバスは舌で自分の口元を舐め回し、笑みを浮かべた。その反応からすればエボルトを知っているのだろう。
「勿論。なにせ、俺の世界でのエボルトを殺したのは俺だからな。エボルトだけじゃない…この肉体の一族である大筒木も俺が滅ぼした。まあ、俺の世界じゃ大筒木は此所まで強く無かったがな。それでも、この肉体の主は俺より遥かに弱い。
俺はキルバス…エボルトの兄さ。宜しくな、エボルトの力を持った第三惑星人」
此所で万丈は目の前の男の正体を知る事になる。男はキルバス、万丈と戦兎が戦った並行世界での黒幕 エボルトの兄であり、数多の星を滅ぼした存在。彼が滅ぼした星の中にはエボルト達の惑星も含まれており、あろう事か自分の惑星すらも滅ぼしたのだ。
コイツは危険だ。そう、判断した万丈は腰にビルドドライバーを巻いた。
「ふーん。エボルトの物を真似て作った物だったな。俺も借りたが…変身するまで待ってやるよ」
と…万丈に対し、キルバスはかなり余裕だ。今の肉体であるウラシキがどれ程のスペックかは分からない。だが、少なくとも純粋な人間より遥かに強いのは確かだろう。
「変身!!」
直ぐ様、万丈は仮面ライダークローズに変身し…キルバスに殴りかかる。しかし、万丈の拳は当たらず…キルバスはクローズの視界から消えてしまった。
「どこ「後ろだよ」ぐぅぅは!?」
背後から蹴られ、物凄い勢いで地面を転がる万丈。だが、万丈は並行世界とこの世界で様々な戦いを経験し今では歴戦の戦士と成っている。万丈は何とか立ち上がり、先程自分が立っていた所を見る。そこにはキルバスが立っており、キルバスはどや顔で笑みを浮かべていた。
「ううーん…なるほど。チャクラはこう使うのか!」
キルバスはそう言い、ウラシキの記憶から得た知識でチャクラを練り上げ…掌から爆炎を解き放ち…直撃を受けた万丈は吹き飛び…
「ぐぅぅがは!?」
変身が解除され、苦しそうに咳き込んでしまった。
「それじゃあ…お前を殺して、最高のパンドラボックスを作ろうか」
キルバスは腰をクネクネと振りながら、変態的な動きで万丈に近付いていく。このままでは万丈は殺されてしまう。その時…何処からエンジン音が聞こえてきた。
「む?」
「あう?」
その刹那…何処から飛んできた空を飛ぶ車が猛スピードでキルバスに激突し、キルバスは背骨をボキッとやられて物凄い体勢で地面を転がり、ばったりと倒れてしまった。
「く…車が飛んできてキルバスを轢き殺した!?」
その車は華麗にドリフトを決めて、万丈の前に停車した。すると、車から万丈の知らぬ黒人と白人の親子ほど歳の離れた2人組が出てきたのだ。
「K…これ、不法侵入にならない?」
「安心しろJ。Mr.扉間と秋月総理から許可は貰ったさ。しかし、絶滅した筈の大筒木一族にブラッド族が並行世界からやって来るとはな。どちらも母星が滅び、1人も残らずに全滅した筈だが…並行世界とは興味深い」
そう、その2人とは懐かしき登場人物であるメン・イン・ブラックのエージェントであるJとKである。忘れてる人の為に説明するが、黒人の若い方がJで白人のおっさんがKである。
しかし、車から出てきたJとKのエージェントコンビは懐から光線銃を取り出して構える。勿論、狙いは倒れ付したキルバスである。
「蘇生と分離の隙を与えるなよJ!」
「勿論だ、K!」
そして引き金を引き、光線銃からビームが何発も発射され…キルバスの肉体を貫いた。だが、ゴキゴキと骨が修復される音が響き渡り…まるでゾンビが立ち上がるような動きでキルバスは立ち上がった。
「ふっ…」
キルバスの瞳が輪廻眼に変化し、その瞬間…キルバスを支点に莫大な斥力場が発生し…
「ぐぅぅぅわ!?」
「ぬゅゅゅおお!?」
「ほんげーー!?」
万丈、J、Kは吹き飛ばされ2人が乗ってきた車はボコボコに破壊され…吹っ飛ばされた3人は盛大な勢いで地面を転がった。
「輪廻眼とは便利な物だな」
と…今度は白眼に瞳を変えたキルバス。白眼の力で辺りをサーチしてみると、騒ぎに気付いて大勢の人々が去っていく。いや、だが一部の存在は此方に物凄い勢いで近付いていく。その近付いていく人物の中にはナルトやボルト、マダラ等の姿も有り…仮面ライダーと呼ばれる人物の姿も有った。
纏めて全員殺してやろうかと思ったキルバスだったが、直ぐに考えを改める。
「黄金の果実……」
自分でさえも勝てない存在が含まれてる事を理解し、キルバスは不思議な力でその場から消えた。
「貴方だったのね…あの仮面ライダー」
そんな声が聞こえ、万丈は後ろを振り向く。そこには先日、クローズのイラストと共に来店した美女 馬渕由衣が立っていたのだ。
「お前…見ていたのか?それより、怪我は」
だが、返事は万丈が思っていた物と違った。
「心配されたくない。助けてくれない仮面ライダーなんかに」
「仮面ライダーに助けてほしいなんて、2度と思わないから」
――はい?
「だって…あの時、私や子供達の助けてを無視して見殺しにしたじゃない!!
仮面ライダーは正義のヒーローなんでしょ?なんであの時…助けてくれなかったの!!」
そう、先程…キルバスがパンドラボックスに触れた影響で並行世界に関わる一部の人達は記憶が戻った。その中には由衣も含まれており、並行世界での彼女は万丈に助けを求めたが
万丈に声は届かず、その時の万丈は
大いなる責任も果たせず…当時の彼は馬渕由衣という女性とその教え子達を見殺しにしてしまっていたのだ。
その事実が、万丈の心に深く突き刺さった。
次回!情報整理…そして、万丈が真のヒーローとして覚醒していく。
クローズエボル降臨まで…残り2から3話
もし、次回作を書くとしたら?◎は三大勢力繁栄△は三大勢力繁栄だがほぼアンチ×がゆ゛る゛さ゛ん゛(但し、実行するかは未だ未定)
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リアス様男で産まれる◎
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TOBIRAMA△
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MADARA×
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NARUTO△or×