日米が本気を出してしまった   作:静かなるモアイ

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エンマ編一旦終り


夜が明ける

「は?」

 

それは誰の言葉だろうか?アザゼルに心臓を貫かれて死んだ筈のエンマがゆらりと立ち上がったのだ。しかも、先程の激闘で失った筈の手足と負った傷さえも完全に再生してである。

 

「アザゼル様!!後ろ!!」

 

だが、エンマを殺してエンマが立っている方向とは逆の方向を向いているアザゼルは未だ気付いていない。部下に言われてようやく気付き、アザゼルは「なんだよ」と軽く舌打ちをしながら後ろを振り向く。

 

アザゼルは後ろを振り向いた…そのアザゼルの眼前には今正に拳を放ったエンマの拳が数ミリ前に有ったのだ。

 

「ホンゲェェェーー」

 

拳が顔面に直撃し、グチャバキバキと皮膚が抉れ、骨が軋む音が響きアザゼルの右頬の骨は粉々に砕け、アザゼルは真っ直ぐに吹き飛ぶ。

しかも、アザゼルの顔面には術式が現れていた…飛雷神の術式だ。もう、何処にいてもアザゼルはエンマに補足され、絶対に逃げられない。そう、逃げられない。

 

エンマは右手の掌にハンドボール程の大きさの螺旋丸を一瞬で作り出した、飛雷神で消える。勿論、飛雷神での行き先は…アザゼルの真ん前だ。

 

「螺旋丸!!」

 

ゼロ距離で螺旋丸の直撃に飲み込まれ、チャクラの乱回転する塊をゼロ距離でぶつけられたアザゼル。その衝撃で辺りに暴風が吹き荒れ、全身の骨がバキバキに砕かれたアザゼルと無傷のエンマが立っていた。

 

「アザゼル様!?」

 

「アザゼル様!しっかりして下さい!!」

 

総大将の1人であるアザゼルが倒された為か、狼狽える堕天使達。無理もない、アザゼルの力は神に匹敵する。そのアザゼルは僅か一瞬で魔獣創造を宿した生きてはいけない人間に倒されたのだ。本来ならば、有り得ない事である。

 

「ほらよ…」

 

エンマはアザゼルの頭部を掴み、堕天使と悪魔の連合軍に投げ返す。

 

そして、エンマの仲間である青子にライザー、扉間がエンマの側に並び立つ。

 

「ライザー・フェニックス。その男は生きては成らんのだ。何故なら…純血悪魔を殺そうとしたからだ。お前も貴族の端くれなら分かるだろ?

純血の貴族は人間なんぞより、貴重な存在なのだ」

 

貴族の価値は人間や他の種族と比べて遥かに貴重なのだ。何故なら、転生悪魔や民草の悪魔と異なり貴族の純血悪魔こそが正真正銘の悪魔なのだから。

 

「その男は魔獣創造を宿していて、フールフールの嫡男を殺そうとした。

此方側に加勢せよ、ライザー・フェニックスよ。そうすれば、貴様に素晴らしい下僕を与えよう。それか、そこの女をお前の奴隷として与えよう。どうだ?」

 

と…悪魔の1人が言う。しかし、ライザーの返答は…

 

「それは…無理だ…」

 

ギリギリと右手の拳を握り締めるライザー。

 

「エンマと青子は……俺の初めての友達だ。その友達を見捨てられる程、俺は腐っちゃいない!!」

 

悪魔としては間違ってるのだろう。だが、ライザーは友を見捨てられなかった。この時、ライザーは立場と約束された未来よりも、友達の命を選んだのだ。

 

「ほう…そうか。残念だよ…ならば、此処ではぐれとして消えるが良い!!」

 

そう言った悪魔は莫大なエネルギーを秘めた魔力を解き放った。その魔力の性質は滅びの魔力。ベルゼブブとバアルの血を引く選ばれた悪魔しか使えない性質変化の魔力であり、万物を滅ぼせる防御不能の攻撃だ。魔力の障壁も防御の鎧も全てが塵に変わり意味を成さない。防ぐためには避けるしかない、絶対の力。

 

絶対防げない絶望の力。

 

「町を守るために頑張ってた学生の命を奪おうとするとは、ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

 

突如、第三者の声とバイクのエンジン音が聞こえてくる。と言うか、エンマと青子にライザーはこの声を知っている。と言うか、先日に()()()()()()()で聞いたのだ。

 

「「「この声…まさか!?」」」

 

そしてバッタを模したバイクに乗って、ビリー・ザ・キッド三咲町店の店員さんである南光太郎がエンマ達の前にやって来たのだ。

 

「とう!!」

 

光太郎はバイクからジャンプして降りて飛び上がり、その滅びの魔力を蹴りで打ち返した。

 

「バカな!?」

 

しかも光太郎は滅びの魔力を蹴り返したにも関わらず、無傷である。

 

打ち返された滅びの魔力を停めることが当然出来ず、直撃を受けた悪魔達は魂も含めて消滅してしまった。

 

「貴様は?確か、青子とエンマ行きつけのステーキハウスの…」

「俺か?俺はビリー・ザ・キッド三咲町の店員、南光太郎!

そして…変身!!」

 

眩い光が放たれ、光太郎の姿は変わった。

 

「貴様は……いや、貴方は…」

 

その姿を見て扉間は驚き、悪魔達はあんぐりと顎を外しそうになり…何人かの悪魔は逃走しようとする。当然だ、光太郎の正体は2度に渡って地球を救った救世主の片割れであり、聖書の神より強い創世王より強い最強の仮面ライダーなのだから。

 

「俺は太陽の子!!仮面ライダーブラッアーエー!」

 

この地球最強のヒーロー 神より強い創世王より強い超世紀王にして太陽の救世主 仮面ライダーブラックRXである。

 

つまり、悪魔はこの最強の御方が居る三咲町で大規模な日本人殺害作戦を堕天使と共に行おうとしていたのだ。

 

「キングストーンフラッシュ!!」

 

ブラックRXのベルトから眩い光が放たれ、気が付けば扉間達の後ろに一部の下僕悪魔が移動していた。この下僕悪魔は誰もが、無理やり転生されて奴隷のように扱われていた人達だ。しかし、その時…不思議な事が起こったのだろう。彼等は下僕悪魔から元の種族に戻っていたのだ。

 

「私達!人間に戻ってる!」

 

「どうして?」

 

「った…助かったのか?」

 

下僕という身分から解放された為か、安堵する元の種族に戻った彼女達。

 

「貴様!!俺の下僕を!!」

 

と…激怒した人物が居た。エンマに半殺しされた事がある貴族のモーザン・フールフールその人である。

 

「RXキック!!」

 

しかし、モーザン君はブラックRXのキックを受けて爆散した。いや、本当に相手が悪かった。

 

「エンマ…行けるな?」

 

扉間に声をかけられ、エンマは扉間を見る。だが、そのエンマの瞳は変わっていた。その瞳は紅く成っており、瞳には黒い6つの刃が有る手裏剣模様に変わっていたのだ。

 

(万華鏡写輪眼を開眼だと?だが、チャクラの気配は変わっていない。カガミやカガミの孫、うちはイタチのように精神疾患の症状が出なかったようだな。それに…兄者に近い気配も僅かに感じる)

 

そう…エンマはうちは一族の血継限界 万華鏡写輪眼を開眼していた。

 

(グレート・スピリッツで肉体を再生させる時に、変化が起きたのだろうな)

 

と扉間は考察する。

 

「ああ!行けるさ!おっちゃん!」

「元下僕の人達はワシ等に任せろ。お前は仮面ライダーと共に行け!!」

 

扉間に言われ、エンマは敵軍目掛けて走り出す。

 

「オーバーソウル、五大精霊。集え、五大元素よ!!」

 

エンマが告げ、爆炎が堕天使を焼き付くし、雷轟が悪魔を焼き払い、暴風が堕天使を切り刻み、大寒波が悪魔を凍てつかせ、大地の裁きが堕天使を粉砕する。

 

降り立つはグレート・スピリッツが産み出した五大元素を各々司る神クラスの精霊。炎の精霊 スピリット・オブ・ファイア、水の精霊 スピリット・オブ・レイン、土の精霊 スピリット・オブ・アース、雷の精霊 スピリット・オブ・サンダー、風の精霊 スピリット・オブ・ウインド。彼等は全員が全長50メートルを越えており、各々の司る力を使い悪魔と堕天使の包囲網を無くしながら悪魔と堕天使を消し飛ばす。

 

「ギャァァァ!!」

 

「いぐぅぅぅがぁぁ!!」

 

「こんな筈じゃ!!」

 

「ガァァア!!」

 

逃げようにも逃げられない。だが、連合軍の悲劇は未だ終わらない。

 

「店員さん!下がってくれ、大技を使う!!」

「うむ!」

 

ブラックRXが下がり、エンマはチャクラを練り上げ大技を使う。

 

「使わせるな!!コイツは必ず此処で殺せ!!危険すぎる!!絶対に世界の為にも殺すんだ!!」

 

復活したアザゼルの声が響く。

 

――木遁

 

「仮面ライダーは後回しだ!!神器の範疇を越えたコイツを此処で!!」

 

数多の魔力砲撃、光の槍がエンマに降り注ぐ。

 

――真数千手

 

その刹那、降り注ぐ砲撃を全てが凪払い。全長1500メートル超えの木遁で作られた千手観音が降臨した。千手観音…真数千手の頭の上にはエンマが仁王立ちしており、万華鏡写輪眼で眼下に広がるアザゼルとフールフール率いる連合軍を見下ろす。

 

「兄者…」

 

真数千手の背中を見上げ、扉間は亡き兄を思い出す。

 

そして…真数千手の手が起動していき、数十の手が振り上げられる。振り上げた拳は勿論、解き放つだけ。振り下ろされた拳は拳の壁となり連合軍の半数を一撃で赤い染みに成るように叩き潰した。当然、その中にはフールフールも混ざっている。

 

「そんな…そんな…勝っていた筈なんだ…俺達は勝っていた筈なんだよ!!」

 

全ての拳が振り上げられる。

 

――頂上化仏

 

そして…千を越える拳が解き放たれ、拳の壁でアザゼル以外(元下僕の皆様は例外)の連合軍は全て最強のオラオラで破壊された。

 

頂上化仏の発動が終り、あろうことかエンマは唯1人で真数千手から降りてアザゼルの元に歩いて向かう。

 

「なあ、1つ聞きたい。なんで俺は生きては行けないんだ?」

 

恐怖で答える事が出来ないアザゼル。

 

「俺が神器を宿したからか?その神器を作ったのはお前達、聖書だろ?」

 

ガクガクと震えるアザゼル。

 

「まあ、良いさ。お前達からすれば俺は存在していけない人なんだろ?だったら答えなくて良いさ。

殺したかったら何度でも来たら良いさ。次は無い。お前には飛雷神のマーキングを仕掛けてある。次はお前の本拠地で真数千手を使う」

 

次の瞬間…アザゼルとエンマの間に、1人の堕天使が降り立った。シェムハザだ。

 

「シェムハザ!」

 

シェムハザは千手エンマ討伐が決まってから暫く行方不明に成っていた。そんな彼の登場にアザゼルは複雑な感情を抱く。この時までは…

 

「辞めます」

 

シェムハザはそう言うと、懐から何かを取り出してアザゼルに渡した。

 

「私はもう…罪の無い子供が死ぬ所を見たくない。もう、お前には着いていけないよ」

 

シェムハザ…スタイリッシュ辞職!!突然の事態にアザゼルは唖然としてしまった。

 

「へ?」

「退職金は要りません。結構だ」

 

シェムハザの離脱を受けて唖然とするアザゼル。

 

「今すぐ帰れ、さもなくば螺旋丸使うぞ」

「チックショオオオオ!!」

 

アザゼルさん…涙ながらその場から撤退した。そして朝日が登り、夜が明けた。

 

その時…エンマは気付く。一度死んだ影響なのか、魔獣創造の神器が身体から無くなっていたのだ。まあ、今の彼はグレート・スピリッツで魔獣創造以上の事が出来るので差程問題はない。

だが、それは新たな魔獣創造を宿した子供が産まれ、三大勢力や五大宗家に狙われる事を示していた。

 

「見えたよ…俺の為すべき事がさ。母さん」

 

朝日を見てそう言うエンマ。世界に居場所が無い人が居るならば、自分がその拠り所を作れば良いのだ。無ければ作れば良い、だって彼は魔獣創造を宿していたから。

 

 

魔獣創造の夜は明け、魔法使いの夜が始まる。

 

 

アベンジャーズ編に続く。




次回!アベンジャーズ編スタート!!

アメリカンな人々が続々登場。

エンマの息子の先生、誰にする?期限は次章のアベンジャーズ編が終るまで

  • イタチ先生
  • 安定のカカシ先生
  • オビト先生
  • ミナト先生
  • 最盛期の肉体、技術老年期のエロ仙人
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