ダンジョンに出会いとボッチを添えて   作:テクロス

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八幡の元いた世界…まぁ、葉山目線で書かせて貰いました。原作ファンの方々には申し訳ないですがキャラ崩壊してると思います。あっ、アンチ回ではないです。あと、少し持ってき方とか会話とか、色々とアレだと思うんですけどご了承ください。


番外編 幕間の絶望

その日はとても良い天気だった。

比企谷が学校に来なくなって2ヶ月がたった頃だ。担任教師に呼び出された2年F組の生徒は広い多目的室に呼び出された。

 

「突然ですが悲報があります。昨夜未明、不登校となっていた比企谷八幡さんがトラック事故に巻き込まれて死亡した事が発覚しました」

 

ざわっと室内の空気が固まる…一瞬だけ。

 

え?

 

確か昨日トラックの爆発事故があったとニュースでやっていたがそれに比企谷が巻き込まれた?

 

「えー、気持ちの整理がつかないと思うので今日は一日授業はなしということで…」

 

比企谷八幡の死を聞かされた時より大きい喧騒が室内を包む。皆の様子を見てみると大体4パターンの反応が見られた。

 

①戸塚や川崎さんといったほんの少しだけ暗い顔をする者。

②結衣や戸部のように雰囲気を盛り上げようとする者。

③今日一日授業が無いと告げられテンションが上がってる者。

④興味無さそうにしてる者。

 

じゃあ僕はどこに分類されるのか聞かれたらきっと⑤に分類されるだろう。

 

死を受け止められない者

 

どうして…どうして皆はそうしてられるんだ?人が死んだんだぞ?確かに皆にとってはどうでもよさそうな奴だったがどうしてヘラヘラしてられるんだ?戸部、結衣。どうして興味無さそうにしてられるんだ?由美子。なんで申し訳なさそうにしてないんだ?姫菜。大和、大岡、どうしてスマホばっかり弄ってるんだ?

 

比企谷が守ってくれたんだぞ?

 

「葉山、少し良いか?」

 

平塚先生に呼ばれると崩れそうになった感情を持ち直し笑顔を取り繕って向かう。

 

「先生、どうかしましたか?」

 

「いきなりで悪いんだが、比企谷の葬式に出てくれないか?クラス代表として」

 

「それは…どうして俺に?」

 

「学級委員長と比企谷に何の接点も無いからな、少しは彼を知ってる君が良いと思ったまでだ」

 

「……分かりました」

 

二つ返事で了承して元の場所に戻る。

 

「隼人ーどったの?何かやらかした?」

 

由美子がスマホを弄りながら聞いてくる。今はその動作すら頭にくる。

 

「いや、比企谷のお葬式に出てくれって頼まれたんだ」

 

「べーっ!葉山くんヒキタニの葬式とかマジダルいべー」

 

「戸部、冗談でもそういう事言うなよ…な?」

 

少し圧をかけて戸部を諭す。

 

時は巡り放課後

 

部活の休憩時間を縫って奉仕部へと向かう。ドアに手をかけようとした瞬間部屋の中から声が聞こえる。

 

「ねぇゆきのん、ヒッキー、死んじゃったんだって」

 

「そう、目障りな男が死んでせいせいしたわ。あんなやり方しかできない男、死んで当然よ」

 

「そうだよね…そうだよね!ヒッキーマジキモイもんね!」

 

耳を澄ませば聞こえてくる彼への罵詈雑言の数々。聞くに堪えず、俺はその場から走り去って行った。

 

ー【葉山家】ー

 

俺のせいだ…俺が無茶な依頼をしたせいだ。俺が…現状維持なんかを望んだから…比企谷は…。

 

「うっ…うぅ…うわぁぁぁぁ…」

 

その日は久しぶりに枕を涙で濡らした。こんなの初めて雪乃ちゃん…いや、雪ノ下さんに拒まれた日以来だ。

 

取り敢えず明日のお葬式で彼の死について聞いてみよう。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「どーせフラフラしてたら轢かれたとかそんな感じですよ。そんな事より、このお菓子、美味しいですよ!葉山さんもどーですか?」

 

あ…

 

「あのバカ息子、こんなイケメンさんの手を煩わせやがって…すいませんねぇ?学校にも言ったんですけど、形式上行かせなきゃって聞かなくて…マジで迷惑かけんじゃねぇよ…クソガキが

 

ああああぁ…あああああぁぁぁ…

 

「もう本当にいい加減にして欲しいわ。最後の最後にこんな出費…小町の将来に響くかも…」

 

葬式は葬式じゃなかった。唯一真面目なのはお坊さんくらいだった。一通り終わると出席した人達はこぞって喋りだし、彼の事なんて気にも止めてない雰囲気だった。

 

「それじゃあ俺は…学校があるので…」

 

「真面目なのね〜、アイツにも見習って欲しいわ〜」

 

比企谷は言っていた。『人間誰しも良い奴とは限らないんだよ』と…。今やっと理解した。俺は馬鹿だ。どうしようもない阿呆だ。楽園だと思っていた学校は最早地獄にしか見えない。人の死を何とも思ってない。そんな奴らの巣窟だ。

 

学校には戻らず真っ直ぐ家に帰って俺は胃の中の物を全部戻した。昨日も今日も何も食べてなかったから胃液しか吐いてない。喉が痛くても嗚咽が止まらない。

 

「うぅ…えぐっ…おぇぇ…」

 

一通り収まり鏡を見るとやつれた男が立っていた。

 

「収まったか?」

 

「父さん…」

 

「話してみろ」

 

俺は昨日あった事…それに至る経緯を包み隠さず話した。いつ以来だろう、父さんと正直に話すのは…。

 

「ふむ、比企谷君は死んだ、それは自分が彼を死に追いやる原因を作ってしまった償いをしたい。そういう事だな?」

 

「はい」

 

「隼人…一つ聞いてくれ、父さんも顧問弁護士なんかをしてるとな?頼まれるんだ。雪ノ下さんの所の汚職とかやらかした事の揉み消しを…そしてそれをこなしてると段々自分の中の何かが壊れていくのが実感する。隼人…お前はそうなるな、学校の人間が…彼の家族が腐っててもお前は、もう腐るな。父さんとの約束だ」

 

真剣な目で見つめてくる父さん。

 

「はい」

 

「ならば休学しろ、そして彼の身辺調査をするんだ。勿論独りで…だ」

 

「分かりました」

 

父さんは休学届を学校に提出すると言い家を出て行った。

 

「俺も…行かなきゃ」

 

メモとボイスレコーダー、スマホに小型カメラを持って家を出る。

 

(先ずは彼の経緯についてだ)

 

再び比企谷家に向かい彼の部屋を見せてくれと言うと二つ返事で了承された。

 

彼の部屋は見た感じ特におかしな点は無かった。AKIRAのDVDが何度も見られた形跡があった。確か昔金田バイクを作って貰ったっけ…机の奥には『絶対許さないノート』なる物があった…取っておこう。クローゼットを開けてみると色々と物が置いてあった。中学の頃のアルバムや小学生の頃の彼が書いたと思われる作文。これも取っておこう。

 

「粗方見たかな…」

 

取っておいた物に目を通す。

 

『絶対許さないノート』はページの大半が破けて損失しており、たった1ページにとある人物の名前が書いてあった。

 

比企谷八幡

 

追い詰められた彼は自暴自棄になって…いやまだ判断が早い。

 

次は中学のアルバム……これでもかという程彼は写ってなかった。

 

次は作文。

 

何の変哲もない作文内容、それでもその内容は嘘だと一目で分かった。作文用紙に水が着いたと思われる点があったからだ。涙…だろう。家族にも構って貰えなかった彼はこの頃からやさぐれ始めたのか…?

 

暗くなってきた。今日の所は帰ろう。

 

ー【葉山家】ー

 

「隼人、警察の知り合いからのタレコミだが…亡くなった比企谷君の遺体は見つからなかったらしい」

 

「え…それじゃあ」

 

「だがその近辺にある血跡と彼の財布が彼の死を証明していたらしい。警察でも気味が悪いと噂になっていたらしい」

 

「そうか…ありがとう」

 

「それと、彼の死ぬ二週間位前に大量の不良が病院送りになったらしい」

 

「比企谷がいなくなってる時期だ…そこから先は俺が調べてみるよ」

 

「励むんだぞ」

 

「はい」

 

比企谷…誰も理解してやれなかったのだからせめて俺だけでも…。さてと、まだ調べる事ができた。

 

次の日

 

ー【病院】ー

 

「失礼します」

 

病室の扉を開けると包帯でぐるぐる巻きにされたリーダー格の不良と思われる青年がベットで寝ていた。

 

「あぁ?マッポじゃねぇな…んの用すか」

 

「この写真の男に見覚えはありませんか?」

 

比企谷の生徒写真を見せる。

 

「このガキ…死んだのか?」

 

見覚えがあるかのように振る舞う青年。隠す気は無いようだ。

 

「ええ…トラックの爆発事故に巻き込まれて…運転手諸共」

 

「クソッ…つまんねぇの」

 

「彼と知り合いだったんですか?」

 

「敵だった」

 

敵?どういう事だ?

 

「何で対立してたんですか?」

 

「そう、アレは3週間位前だった」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

俺はここらでそこそこ名の知れた不良だった。周りの舎弟からは帝王なんて呼ばれたりもしてる。

 

今日も気に食わねえ奴ボコそうとした日だった。一人の舎弟が因縁付けられてボコられたらしい。そいつはボサボサの髪の毛で腐った目をしてると聞いた。

 

直ぐに他の舎弟達を向かわせたが返り討ちにあった。どうも奴は怒り心頭と聞いた。だからというのもアレだが深夜の千葉港に呼び出してタイマン張ってたら後ろからヤラれたんだよ。オレがな…。訳を聞けば俺以外の舎弟達はヤクのバイヤーやって金を荒稼ぎしてたらしくてな。その隠れ蓑に俺が宛てがわれた訳だ。

 

悔しかった。人生で一番悔しい思いをした。

 

絶望に明け暮れる中アイツ、比企谷だけは奴らに向かって言った。

 

「腐れ外道が、ぶちのめしてくれる」

 

ってな。バカだよ、アイツは…相手が100人以上いても平気そうな顔してんだ。俺もやられっぱなしじゃ性にあわないから加勢した。なんとか勝つ事ができたが取り逃した奴らもいる。

 

そこで奴が俺に言ったんだ。

 

「不良やるのもいいがやるなら『健康優良不良少年』になってみろよ。曲がった奴を全員ぶちのめせ」

 

約束したんだ。俺に悪いと思うならなって見せろ、やって見せろってな。それが俺と比企谷八幡の約束だ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「そんな事が…」

 

「まぁ、死んだら約束もクソも無いがな…」

 

「じゃあやんないのかい?」

 

「やるよ…」

 

礼をして病室を出る。

影ながらこの町に麻薬が蔓延するのを防いだ比企谷…。誰よりも誇れる事をしたんだな…。

 

(後は…)

 

比企谷の家のご近所さんに比企谷の印象を聞いてみよう。

 

「八幡君?偉い子だったわ、小さい頃から一人でお使いに行ったり、妹の面倒を見てたりしてたわ」

 

「でも、小学校低学年の頃ふと笑わなくなったのよ」

 

「親御さんが小町ちゃんに付きっきりになってからかしら…」

 

「見た目は陰気だけど優しそうな子って感じね」

 

これで彼を知る事ができた、誰よりも優しい彼を…。

行こう…。そしてできれば誤解を解こう。

 

ー【奉仕部】ー

 

「失礼するよ」

 

「あ!隼人君!ヤッハロー!」

 

「何の用かしら?」

 

息を深く吸って吐く。そして覚悟を決める。

 

「話があるんだ。修学旅行の件について…」

 

俺は何もかもを話した。比企谷が悪くない事、彼が休んでる間とんでもない事に巻き込まれていた事を。

 

「そう、そんな事があったの」

 

「あぁ…だから比企谷は「それがどうしたのかしら?」えっ?」

 

「彼が死んだから…彼が悪くないから…どうしたの?もう私達にとって彼は敵よ。まぁ、既に死んでるのだし、もはや障害ですらないけど」

 

淡々と、無表情に、雪ノ下さんは告げた。

 

「そうか…分かったよ、知ってくれれば…良かったんだ」

 

精一杯の笑顔を練り上げ教室から出ていく。ふと目を上にやると奉仕部のシールが貼られた表札がある。今の雪ノ下さんや結衣には奉仕部と名乗る資格は…無い。サッと素早く表札を盗る。

 

「これは比企谷に渡してくるよ…」

 

学校を去る。

家に戻り普段着に着替えると宛もなくまた出かける。

 

どうしてだ?どうして比企谷の事を誰も分かってくれないんだ?アイツはこんなにも苦しんでいるのに…いや、もしかしたらもっと苦しんでるのだろう。

 

「あぁ…これが彼の孤独なんだ…」

 

誰にも理解されない気持ちというのをやっと理解できた。

 

(こんなにも冷たいんだな)

 

雨も降ってないのに指先がかじかんでくる。

 

歩くのが疲れればバスに乗り降りてまた乗ってを繰り返していたらとある場所に着いた。

 

(ここは…おせんころがし…)

 

千葉屈指の心霊スポット…断崖絶壁のこの場所は自殺者もいると聞いた。料金を払い崖を登る。暫く道から外れとある崖に行き着く。ここなら誰にも見つかるまい。

 

ポケットから表札を出して見つめていると自然と涙が浮かんでくる。

 

「うっ…うううっ…」

 

胸に表札を抱きしめ、一歩…前に踏み出した。

 

「比企谷ァァァァ!!!」

 

グシャ…

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「っ…」

 

「どうしたの?ハチマン」

 

ベルがこちらを振り返り尋ねてくる。

 

「いや、今嫌な予感がしたんだが…」

 

「不吉だね…気を付けようね」

 

ホント、ゾワっとした。心の臓を掴まれた気分だ。

 

「気を取り直して行くよ、今日は壊れた防具とかを買い直しに行くんだから!」

 

「確か…ヴェルフって人のやつが良いんだっけ?」

 

「うん!軽くて丈夫で着心地も良かったんだ!」

 

「わーったわーったから…行くぞ、バベルはもうすぐだ」

 

ルンルン気分で歩いてくベルの背中を見つめふと思う。

 

(あっちの奴らは上手くやってるんだろうか…)

 

ブンブンと頭を振る。

 

「気にしたってどうしようもないんだ…」

 

今日は天気が良い…きっと今日も変な出会いか事件があるのだろう。どっちもは勘弁だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まぁ、許してください。自分にはこれが限界です。面白く作れなかったのですが許してください。
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