ダンジョンに出会いとボッチを添えて   作:テクロス

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暫く書いてない内に下手っぴになった…。取り戻さないと。


#26 帰る場所

 

 

朝だ、とは言え一睡もせずホームの中の植木鉢を手入れしたり寝てる2人を起こさないように掃除をしたりしていた。

 

落ち着かないからだ、どこか嫌な予感がして堪らない。ベオウルフの時の様な死の予感ではない、もっと恐ろしい喪失の予感だ。

 

「んん〜…」「むにゃむにゃ…」

 

仲良さそうにベッドで寝ている2人を見つめるようにいつものソファに腰掛け俺達が手間隙かけてリフォームした部屋をぐるりと見渡す。匠もうんざりするような仕上がりだが皆も気に入っている。リリルカも「素敵なお部屋ですね」って褒めてくれたし、ヴェルフだって「狭くなきゃ100点だな」と評価してくれた。

 

何がなんでも死守せねば…やっとの思いで手に入った他人との繋がりの証なのだから…。

 

「んんん…ハチマン…」

 

寝言を発するベルの髪を手を伸ばして少し撫でる。付き合いこそ短いがベルは俺の弟の様な存在だ。どこに行こうと着いてこようとしたり、お菓子作りの味見役になってもらったりしたなぁ…。

 

『ハチマン!どこに行くの?』

『ポレポレー』(いつもの喫茶店です)

『じゃあ僕も行くよ』

 

『ベル、新作が出来たんだ、甘党じゃなくても食えるチョコだ』

『パクッ うん!美味しいよ!お店開いてもいいんじゃない!?』

『褒め過ぎだ、この』

 

そう、柄にもない感傷に浸りながら俺は2人が目覚めるのを待っていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ベル・クラネル

Lv2

力:C 635 耐久: D 594 器用: C 627 敏捷: B 741 魔力: D 529 幸運: I

《魔法》【ファイア・ボルト】

《スキル》

【英雄願望】・能動的行動によるチャージ実行権

 

ハチマン・ヒキガヤ

Lv2

力:B 788 耐久: C 5694 器用: B 729 敏捷: B 739 魔力: A 899 ソードマスター: C

《魔法》【魔力操作】

《スキル》

【スタイリッシュライズ】

・早熟する。

・敵に攻撃を命中させる程成長する。

・敵の強さにより効果向上。

・戦意を喪失した場合ステータス激減。

 

「神様…なんか俺のだけめっちゃ紙汚くありません?」

 

何かを消した後がびっしりと付いてる紙をヒラヒラさせながら問いかける。だって色々汚いんだもん。

 

「きっ、気のせいだよ!それより全くアポロンめっ、よくも抜け抜けと戦争遊戯なんかっ…」

 

誤魔化された気もするが彼女の言う事も一理どころか千理ある。バイトの用意と出かける用意をしてる2人を見ながら俺も出かける用意をする。

 

「二人共、気を付けてくれよ。流石に昨日の今日で何かをしてくるってことはないと思うけど、アポロン達はこじつけてちょっかいかけてくるかもしれない」

 

「は、はい」「うっす」

 

「それじゃあ2人共、出るのが一緒なんだし、どうせだからバベルまで行こうぜ?」

 

「はい、いいですよ」「分かりました」

 

隠し部屋の地下室を出て階段を上ってく。祭壇が備わった広い屋内は抜けた天井を除けばそれなりに生活に困らない程度には整理させといた。

 

扉のない教会玄関を1番先にくぐる。

 

「ーーー」

 

朝日を浴びた瞬間、周囲の建物の屋根や屋上に佇む、無数の目が俺達を捉えた。正面玄関を囲むように配置された彼等、冒険者は、弓矢、杖を装備している。

ー【アポロン・ファミリア】

 

「ベル!神様!」

 

2人をありったけの魔力を注いで作った魔腕で包んで怪我しないように教会奥に持ってく。

 

ーその瞬間、背後から身を焼く炎と身体中に大量の矢が突き刺さる感触がした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

状況の整理ができずその場に座り込んでいる、今、目の前にいたハチマンが…

 

「ーシャアッ!」

 

突然上から3人の獣人がロングソードを持って襲いかかってくる。しかし、その刃が僕と神様に届くことはなかった。

 

「ヒューッ、ヒューッ…」

 

ハチマンだ。おかしな息遣いをしてその場に立っている。その体にはロングソードが3本突き刺さっていた。その内の1本は心臓を的確に貫いている。

 

その3人を魔腕で手短に始末したハチマンは僕の所に倒れ込んでくる。反射的にそれを受け止め背中に手を回すと背中には幾つもの矢が突き刺さっているのが感触で分かった。

 

「ハチマン君…?その傷…!」

 

「にげ ろ…み ちは おれが ひら く」

 

乱暴に僕達を立たせて裏道に行かせる。考えたいのは山々だけど目の前のハチマンが危ない。出血が多すぎる、このままじゃ、ハチマンが…。

 

暫くハチマンの誘導で走ってると5名ほどの冒険者が得物を構え突っ込んでくる。

 

「みぎだ」

 

右に折れた道に手をやって僕達を逃がしてくれる。路地に入ると金属のぶつかる音と何発かの銃声が聞こえた後にハチマンも路地に入ってくる。

 

「ハチマン…あの人達は…」

 

「ころしてない」

 

背中に刺さった矢や剣を抜きながら答える。その表情は痛みに歪んでいる。相変わらず変な呼吸は止まらず目も虚ろになっている。敵から奪ったのか手に持っていたポーションを全身に浴びて傷の治癒を試みるが気持ち程度しか回復していない。

 

「っ…もうダメだよハチマン君、これ以上戦ったら死んじゃうよ!?」

 

「家がなくなった、俺達のかえるいえが…せめてお前たちだけでも…なくしたくない」

 

いくぞ、という号令で再び逃走を謀る。道は塞がれている為適当な屋根に飛び乗って辺りを見渡すと

 

「諦めたほうがいいよ」

 

「!」

 

背後から投げかけられた声に、振り返った。同じ人家の屋根に立っていたのは数名の団員を率いたダフネさんだ。小隊の中にはカサンドラさんもいる。

 

「アポロン様は気に入った子供を地の果てまで追いかける。手に入れるまでね」

 

「…!」

 

「ウチやカサンドラも、見初められてずっと追われ続けたんだから。都市から都市、国から国…観念するまで、ずっとね。逃げても早いか遅いかの違いだけだって」

 

ダフネさんが同情の眼差しを送ってる中、神様は表情を歪めた。

 

「アポロンの執着を甘く見ていた」

 

「投降しない?そっちには怪我人もいるから、できれば手荒なことはしたくないんだけど」

 

「…できません」

 

勧告を聞き入れずじりじりと後退していく僕と神様の前にハチマンが歩み出た。

 

「ベル、これ頼む」

 

そう言うとハチマンは肌身離さず付けていたネックレスを外して手渡してくる。

 

「ハチマン…これって」

 

「絶対に逃げ切れ、そして待ってろ、必ず返しにもらいに行くから」

 

大丈夫だ、と震える指でピースをするハチマン。

 

「そうなるよね、じゃあ……かかれ!」

 

指示を出すのと同時に短刀を投擲するがハチマンが振り向きざまに弾いてくれた。

 

「…っ!神様、逃げます!」

 

「わ、わかった!死ぬなよ!ハチマン君!」

 

神様の腰に左手を回し、脇に抱える格好をとる。あまりの姿勢に神様の頬が紅く染まった。

 

ハチマンに背を向けて走る。ただ走る。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「あんた、その傷でウチ達を止めようっての?」

 

相対するダフネが何か言ってるが聞こえない、頭がぼーっとする。右手の感覚がない、でもなんとか動く。

 

正面から迫る槍を右手で受け止めるが力が足らずその切っ先が体に少し食い込むが左手でそいつの腕を掴んで関節が曲がる方向と逆に曲げる。

 

バキャ…

 

鈍い感覚とそいつの苦悶の表情が見えるが気にせず首根っこを掴んで気道を塞ぐことによって酸欠させる。力なく倒れ伏したそいつの頭を踏みにじって他の団員達を見据える。

 

「負ける気が…死ねぇ」

 

その言葉と同時にその他の団員が襲いかかってくる。傷を負いながらも一人また一人と再起不能にしていく。中途半端に相手した所で奥にいるカサンドラが魔法で治癒するのだからやるなら徹底的に…だ。

 

残るはダフネとカサンドラになり2人に閻魔刀を向ける。

 

「あの、ダフネちゃん、やっぱり止めた方が…いいような気がする」

 

「何が?」

 

「あの子達を、刺激する真似…『兎』と『影』を追い詰めちゃいけない」

 

「また夢?どんなの見たの?」

 

「ぅんと、傷付いた影が、強大になって兎と一緒に太陽を呑み込むっていうの…」

 

こちらを注視しながら何かしらの話をしているが敵意がなさそうだからベルを追いかけようとするが足が思うように動かない。閻魔刀も維持できず光となって消える。俺はそこに力なく倒れ込んだ。

 

「あぁ、さむいな…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

走る。ひたすら走り敵と対峙したら戦いそしてまた逃げる。なんとか辛勝してるのはハチマンが体を張ってベル達を逃がしてくれたからだ。

 

「うっ…うぅっ……」

 

「ベル君、泣いてるのかい…?」

 

「違い、ますっ…これはっ…汗です」

 

「大丈夫だよ、ハチマン君が死ぬわけないじゃないか!怪我したって一晩でけろっとしてるようなタフガイだよ!死なない…よ」

 

しかし内心ヘスティアも焦っていた。今までにない程ハチマンの反応が消えかかっているからだ。まるで消えかけの蝋燭のような、風前の灯火という言葉が当てはまる状態だ。

 

しかしそんなヘスティアの内心を無視するかのように立ち塞がる冒険者がいた。冷笑を浮かべ白を基調にしたバトルクロス、腰に下げた長剣と短剣、揺らめく大型のマント。アポロンファミリアの首領、ヒュアキントスだ。

 

「よくここまで逃げたな、ベル・クラネル!私自ら相手してやるー喜べ」

 

「づっっ!?」

 

ヒュアキントスとの戦闘は圧倒的に負け戦だった。ヒュアキントスの前にはベルの力も、反応速度も、そして何より速さでも負けた。

 

「暴れられても困る。どうせ後で治すのだ、腕の一本は斬っておいても構うまい」

 

左手に持つ剣を鳴らし、嗜虐的な笑みを浮かべるヒュアキントス。長剣がベルの肩を貫こうとした直後。幾多もの矢が、ヒュアキントスの立っていた場所に着弾した。

 

「犬人か…」

 

余所見した好きを見てベルは逃げた。ヒュアキントスもそれを追おうとするが遠くの塔から狙撃したナァーザの矢に拒まれた。

 

追っ手との戦闘を繰り返す内に騒ぎを聞き付けて応援にやってきたヴェルフとリリルカ、そしてタケミカヅチ・ファミリアの団員達に応援を呼んでくれたミアハと袋小路にて合流する。

 

「危ない所だったな…おいベル、ハチマンは?」

 

「そういえばお姿が見当たりません…まさか」

 

「ハチマンは…僕達を逃がすために重症の身で…」

 

ハチマンから託された血のついたペンダントを握りしめながら苦虫を噛み潰すような思いで語る。一同が信じられないという表情を見てヘスティアも顔を伏せる。

 

「ならばうだうだしている場合ではない、早急にハチマンを見つけなくては…」

 

ならば私達が…とタケミカヅチ・ファミリアの面々がハチマン捜索に名乗りだしベルとヘスティアの護衛にその他が当たり解散しようとしたその時だった。

 

「見つけたぞォォ!!」

 

見つけにくい袋小路を選んだのが裏目に出て大量のアポロン・ファミリアの団員に追い詰められる。疲弊したベルと神達を後ろにやり桜花とヴェルフを前衛に、その他の団員達は中衛や後衛に廻り迎撃体制をとる。

 

「この量…やれるか?」

 

「関係ない…やるぞ!!」

 

ヴェルフと桜花の漢気溢れる声をベルは後ろで聞いて、とてつもない頼もしさとそれに負けない位の悔しさを感じた。

 

「相手は少ない!かかれぇ!!!」

 

押し寄せる敵をヴェルフと桜花が叩きのめす。討ち零したのは命の魔法や千草の援護のお陰でなんとか持ちこたえていた。

 

「ぐぬぬぬ…こうなったら…ベル君!直ぐにアポロンの所へ行こう!」

 

「ええっ!?どど、どうしてですか?」

 

「このままじゃジリ貧だ、ボク達がやられちゃ時間を稼いでくれた皆に顔向けできないっ…」

 

「行ってどうします?」

 

「戦争遊戯に受けて立とうと思う。でも今のままじゃ勝てない…ボクができるだけ時間を稼ぐからベル君はその間に強くなってくれ」

 

「稼ぐって…どのくらい…ですか?」

 

不安そうに問いかけるベル。そんな彼の頬を優しい手つきで撫でヘスティアは告げた。

 

「1週間…」

 

「足りないなぁ…」

 

そんな2人の会話に割り込むように紫電と共に男が現れた。その時生じさせたであろう雷はアポロン・ファミリアの構成員に直撃して戦闘不能にした。

 

「あっ、貴方は…!アラル神父!」

 

「よっ、白髪坊主」

 

「神父君…足りないってどういう事かい?」

 

「戦争をするにしろしないにしろ今のハチマンは弱すぎる。それを仕上げるためにもっと時間が必要ってんだ」

 

「!!…ハチマンはっ、無事なんですか!?」

 

アラルの肩をガシッと掴んでベルが詰め寄る。

 

「あぁ…虫の息だがなんとか生きてる」

 

「そっか…良かったぁ…」

 

安堵のせいか腰に力が入らなくなりしりもちをつくベル。ヘスティアも安心して胸を撫で下ろしている。

 

「神父君、ボクだって時間を稼ぎたいがその方法がないんだ、いくら頑張っても1週間が限界だ」

 

「だったら俺が手伝う、破壊工作なりなんなりしてもう1週間は稼ぐ」

 

「神父らしからぬ発言だね」

 

「手段なんて選んでらんないからな、そうと決まればさっさと戦争遊戯を受け入れにいけ」

 

「色々とありがとうございます、アラル神父!」

 

「頭下げんな、俺は俺の目的のためにやってるだけだ、気を付けろよ」

 

そう言い終えるとアラル神父は再び雷と共に姿を消した。

 

「僕達も行こう!ベル君!」

 

「はい!神様」

 

それから少ししてオラリオ中に【ヘスティア・ファミリア】と【アポロン・ファミリア】による戦争遊戯が決定したという噂が広まった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー【オラリオ郊外のとある山奥】ー

 

森奧にある小屋の中に食卓を囲む3人の男達がいた。

 

「相変わらず人間達は愚か極まりないな。争いを好むなど、まるで悪魔の真似事だ」

 

「その癖に弱っちぃもんな、愚か過ぎて呆れるを通り越して抱きしめたくなるな」

 

「まぁそう言うな、アイツらにはこれといって天敵がここウン千年っていなかったんだ。浮かれるのも頷ける」

 

「そういえば、オラリオにネヴァン様の気配がした。あの方はどうしてるんですか?」

 

「ネヴァンか、最後に会ったのは歓楽街だったな…」

 

「そのような所に…」

 

「なんだ、行ってみたいのか?」メモメモ

 

「メモらないでください!まったく、マキャヴェリ様のメモ癖は…」

 

「ハチマン…起きねぇな」

 

「心配か?アラストル…」

 

「あの程度で倒れるなど…随分と軟弱な!」

 

「そうかっかすんなよ、ベル君☆」

 

「ですが…」

 

「きっと、話してんだろうな」

 

「マキャヴェリ様、一体誰と?」

 

「中身だよ…」

 

三人の目線は近くの備え付けのベッドに寝かされているハチマンに注がれる。あるものは期待と、あるものは心配、あるものは疑問を胸に抱きながら彼の目覚めを待っていた。

 

 

 




Q…仮面ライダーの武器とか出して欲しいんですけど

A…世界観を壊さないような武器なら考えます。御要望があるならコメントにお願いします。
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