ダンジョンからホームに戻りステイタスの更新をする。
俺もベルも凄い勢いで成長していてクラネルのステイタスを見た神様は何故か拗ねてしまった。…クラネルよそーゆーとこだと思うよ?ぼかぁ
神様もバイトの打ち上げがあるらしく俺達は朝に予約?した居酒屋へと向かう。
日は既に沈みかかっており朝とは違う賑やかさ街にはあった。
アブナイ衣装を着た獣人の女性が客引きをしていたり、より布面積の少ない格好をしたアマゾネスは服も恥も脱ぎ捨てて闊歩してる。
メインストリートを歩きながら俺達は目的の場所を探す。
「ここ、かな…」
『豊饒の女主人』?ってどっかで聞いたような…ま、いいか。
「ここがあの女のハウスね」
「ハチマン、なんか口調おかしくない?」
「気のせいだ、さ、入るぞ」
扉を開けると豪傑そうなドワーフの女将らしき人に猫耳生やしたチャンネー、いやニャンネー。見渡す限り店員全員がが女性だ。
「ベルさんっ」
俺は?とか思いながら声のした方にチラと視線をやればフローヴァさんはすぐそこにいた。
「どうも」
「はい、いらっしゃいませ、お客様二名入りまーす!」
カウンター席の端っこに案内してもらい向かい側にはMs.豪傑がいる。なんてプレッシャーなんだ…
「アンタがシルのお客さんかい?ははっ、冒険者のくせに可愛い顔と陰気臭い顔してるねぇ!」
ほっとけ。
「何でもアタシ達に悲鳴を上げさせるほど大食漢なんだそうじゃないか!」
おいおい、フローヴァさん?そんな事言ってませんよ?
笑って誤魔化さないでね?
メニューを手に取り値段の方に注目する。今日の稼ぎは9600ヴァリス。クラネル曰く過去最高の稼ぎらしい。
取り敢えず無難に2人でパスタを頼む。300ヴァリスらしいがサイゼに比べたらもっと良心的なんだよなぁ。
「酒は?」なんて聞かれて遠慮しますと答えてもドンっと酒を置かれる。未成年なんだけど大丈夫?
俺達の間にフローヴァさんが入ってきて何やら話してるが無視だ無視。こーゆーのはクラネルが適任なんだよ。俺が話しても会話が続くどころか関係が悪化するまである。
うへぇこのパスタ…でかい!
ガヤガヤ…
途端に後ろのの方が騒がしくなり何事かと見ると心臓が高鳴るのを感じた。俺のオラリオ生活0日目に助けてくれた…アイズ・バレンタインさんだっけ?フローヴァさんの話を聞くに【ロキ・ファミリア】の宴会らしく陽キャ宜しくのざわめきを見せている。
「そうだ、アイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」
あの日いた獣耳のあんちゃんがバレンタインさんに話を振っている。
「あの話…?」
「あれだって、帰る途中何匹か逃がしたミノタウロス!最後の1匹、お前が5階層で始末しただろ!?そんで、ほれ、あん時居たトマト野郎共の!」
グサッ!!心臓が別の意味で高鳴る。ベルの方を見るとガタガタ震えてる。兎かよ…
「それでよ、いたんだよ、いかにも駆け出しっていうようなひょろくせぇ
俺たちだな…しかし常にクールを心に置いてる俺、こういった陰口には慣れたもんだ。……そこは奴らに感謝かな。
「それでそいつら、アイズが細切れにしたくっせー牛の血を全身に浴びて…真っ赤なトマトになっちまったんだよ!くくくっ、ひーっ、腹痛てぇぇ…」
男の話を聞いた他のメンバーは失笑し、他のテーブルの部外者は笑いを堪えてる。
「それにだぜ?そのトマト野郎、叫びながらどっか行っちまって…ぶくくっ!うちのお姫様、助けた相手に逃げられてやんの!」
「アハハハハハッ!そりゃ傑作やぁ!冒険者怖がらせてまうアイズたんマジ萌えー!!」
「ふ、ふふっ…ご、ごめんなさい、アイズっ、流石に我慢できない……!」
「…」
「ああぁん、ほら、そんな怖い目しないの!可愛い顔が台無しだぞー?」
「ほんと、ざまぁねえよな。ったく、泣き喚くくらいだったら最初っから冒険者になんかなるんじゃねぇっての。ドン引きだぜ、なぁアイズ?」
「……」
「更にもう1人はアイズの気を引きたいのか気付いたらここにいたーとか抜かしてやんの!」
「なんやそいつ、ウチのアイズたんに色目使うなんて100年早いわ!」
仰る通りで…バレンタインさん?すみませんね。迷惑かけちゃって。
「ああいうヤツがいるから俺達の品位が下がるっていうかよ、勘弁して欲しいぜ」
はっ!他者の失敗談をを酒のツマミにしてる奴らに品位もクソもねーだろ。
「いい加減そのうるさい口を閉じろ、ベート。ミノタウロスを逃したのは我々の不手際だ。巻き込んでしまったその少年達に謝罪することはあれ、酒の肴にする権利などない。恥を知れ」
どうやら少なからず【ロキ・ファミリア】には常識人がいるようだ。
「おーおー、流石エルフ様、誇り高いこって。でもよ、そんな救えねえヤツを擁護して何になるってんだ?それはてめえの失敗をてめえで誤魔化すための、ただの自己満足だろ?ゴミをゴミといって何が悪い」
「これ、やめえ。ベートもリヴェリアも。酒が不味くなるわ」
ーズルズルズル。
「アイズはどう思うよ?自分の目の前で震え上がるだけの情けねえ野郎を。あれが俺たちと同じ冒険者を名乗ってるんだぜ?」
「…あの状況じゃあ、しょうがなかったと思います」
ーズルズルズル、ズルズルズル。
「何だよ、いい子ちゃんぶっちまって。…じゃあ、質問を変えるぜ?あのガキ共と俺、ツガイにするならどれがいい?」
「ベート、君、酔ってるの?」
「うるせぇ。ほら、アイズ、選べよ。雌のお前はどの雄に尻尾降って、どっちの雄に無茶苦茶にされてぇんだ?」
「私は、そんな事言うベートさんとだけは、ごめんです」
笑いを堪える為にジョッキで口を隠す。
m9(^Д^)プギャー!振られてやんの!
「無様だな」
「黙れババァッ。…じゃあ何か、お前はあのガキに好きだの愛してるだの目の前で抜かされたら、受け入れるってのか?」
ババァ!?めっちゃ美人だろ!?あれでババァとか…あっ…(察し)
「……っ」
震えるベルに少し詰め寄る。別にそーゆー事じゃないからね?
「ベル、逃げちまえ。嫌な事、どうしようもない事があったら逃げてもいいんだ」
「ハチ、マン…」
「泣くなよ…」
イタイオオカミオトコはまだ続ける
「雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねえ」
ガタッ!
ベルが椅子から立ち上がり店から飛び出してく
「あぁン?食い逃げか?」
「うっわ、ミア母ちゃんのところでやらかすなんて…怖いもん知らずやなぁ」
「女将さん!アイツの飯代!俺持ちなんで気にしないで下さい!!」
人生で1番声を出し混乱を収める。
「あたしゃ金が払われるんならそれでいいんだよ」
女将さんがニカッと笑う。おぉ、おかんかよ、この人。
「ハチマンさん、ベルさんは…ってあれ?ハチマンさん髪の毛の一部が銀色に…」
「男が漢になりに行くんです。安心して下さい。…え、ちょっと何言ってんの?マジ?」
「マジです。…じゃあハチマンさんはどうするんですか?」
「俺はアイツが残した飯を食わなきゃ、出された飯は全部食わなきゃ…女将さんに殺される」
「ハハハッ!アンタも冗談言えんだねぇ!」
いや、最後本気でしたよ?後肩バシバシ叩かないで、砕ける。
ーズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル
「てめぇ!さっきからズルズルズルズルうるせぇんだよ!静かに食えねえのか!?」
さてと、こっからは俺のターンだ。
「すまない、このトマトパスタが美味すぎてな、フォークが止まらなかったんだ」
「あ?てめえ…ギャハハハ!あの時のトマト野郎じゃねぇか!」
「って事は逃げた方の?」
「いや、ブツブツ言ってた方だ」
褐色の肌の女性がベート、いや、イタイあんちゃんに話しかけるが…おい、ブツブツは言ってないだろ、言ってないよね?
「どっかで会いましたっけ?」
「てめぇ!忘れたのか!?」
「はて、アンタみたいなイタイ人は知りませんねぇ」
「喧嘩売ってんのか?いいぜ?買ってやるよ」
ガタッと、俺も立ち上がる。あんちゃんは舌打ちをして扉の先に行く
…のを俺は黙って見てる。
あんちゃんが外に行ったのを確認した俺は静かに席に座り静かにパスタを食う。
後にシル・フローヴァはこう語る
「あそこまで無責任な人は初めて見ました。後パスタを、食べる姿はまるで貴族のように上品でした。だってフォークとかスプーンの音がしませんしジョッキは何故かワイングラスに見え机にはテーブルクロスが敷いてあるように見え、明かりはまるで黄金の蝋燭立てのように彼を照らしていました。こう、上手く言えませんが…スタイリッシュ?でした!」
「てめぇ!!何で表に出ねぇんだ!?」
「え?だって俺は喧嘩するなんて言ってないし…」
「この期に及んでそんな事言うのかぁ!?」
「うぅるせぇなぁ…」ボソッ
「聞こえてんだよ!」
最後のパスタを急いで口に含む。何本かはみ出てしまう。
カウンターにドンと金の入った袋を置く。
「モゴモゴモゴ」(ご馳走様でした!)
「あっち向いて言いな!」
許可も降りた事なのでイタイあんちゃんの方を向く。
「あぁ?んだよその目は…」
「フォフォわほ」(デフォだぞ)
「飲み込んでから言え!」
口の中のものを飲み込み、首を上に向けながら口からはみ出たパスタを啜る。勿論トマトソースはヤツの顔と服に向かって飛んでいく。
食らえ!
当時の状況についてミア・グランドは語る
「あそこまで清々しい嫌がらせは初めてだね。相手が白モノの服を着てることを承知でやろうとする度胸。ソースモノの汚れはこれまた取れにくいんだよ。キレイな楕円を描きながらボウズの口に入ってくパスタ。綿密に計算されたより早くより広範囲に飛ぶように計算されたあの動き。……鬼畜の所業だね。」
「てめぇ〜!またやりやがったな!」
「近くにいたお前が悪いな」
「んだとぉ!?じゃあ別んとこ向いてやりゃいいだろ!?」
「それじゃあ他の人に迷惑が…」
「俺にはいいってか!」
「駆け出し冒険者を間接的に殺しかけたんだ。いやもしかしたらお前の言う雑魚冒険者の処理か酒のツマミにする為にわざとミノタウロスを見逃したのかもしれない。だって…笑えるネタだもんなぁ?」
この一言で【ロキ・ファミリア】ではない冒険者達がざわめきだす。
フフフッこれが俺の狙いよ。
「んだと?舐めんじゃねぇ!!」
逆上した男が殴り掛かる。
「ベート、辞めるんだ」
「フィン!邪魔すんじゃねぇ!」
チッ、下が下なら上も上だと思ったがそこはしっかりしてるらしい。
「部下が失礼した」
「あぁ、初めて居酒屋で飯食おうとしたらこれだ。ったく、オタクのワンチャンは狂犬病かなんか?」
「狂犬…なんだって?」
えっ…この世界狂犬病ないの?
「あー、一種のビョーキとでも思ってくれ」
「俺はビョーキじゃねぇ!」
「ビョーキの奴は皆そう言うんだぜ!」
「ベートも落ち着いて…あまり見ない顔だね、新人かな?」
「だったら?潰すの?勘弁して欲しいが、絶対負けるし」
「じゃあなんでベートに突っかかったのかい?彼のレベルは5、悪いけど実力はハッキリしてるハズだが…」
げっ、レベル5!?マジかよ…
「戦闘だけが全てじゃない、あんたみたいにコッチも使わなきゃ生きてけないだろ?」
頭をコンコンと指でつつく。
「後、その人を値踏みするような目は辞めてくれると嬉しい。正直今朝もされてイラついてんだ」
「待ってくれ、君の名前を聞いてもいいかな?」
「通りすがりのトマト野郎さ…じゃあ女将さん、お騒がせしてすみませんでした、代金には色付けといたんで勘弁して下さい。………後おいワンコロ!」
顔だけベート・ローガの方を向く。
「あ?んだよ」
「絶対追い抜かして吠え面かかせてやんよ」
「……はっ、てめぇにできるもんなら見せてみろ。死ぬなよ…」
「あぁ…」
「また来な!」
「うす」
女将さんに元気良く見送られる。なんだろう…悪い気はしない。
夜風が寒い外に出る。
「うぅ、寒…」
「あの…」
声のした方を向くと夜風に金髪をたなびかせる美少女はそこにいた。
「何か用…でございましょうか?」
「どうして敬語なの?」
「気にしないで下さいませ」
「それにちょっと変…」
「そうか…」
「……」
「……」
沈黙…今はただ夜風の音が騒々しい。
「あの…ごめんなさい」
「何に対して謝ってるのか分からないんだが…」
「ベートさんが私のせいで貴方達を傷つけちゃって…」
「少なくとも俺はそうじゃない」
「そう…なんだ」
「じゃあ俺はこれで…」
「うん…………」
アイズ・ヴァレンシュタインに背を向け歩き出す。目指すは決まってる。ダンジョンだ。
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あの忌まわしき匂いが
購読ありがとうございました!
いやー、最後のは一体なんなんでしょうねー
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