2.5章 #1 Take off for Chiba
「なんかクエストねーかなぁ」
ギルドのクエストボードにて俺は仕事を探していた。いつもなら「働いたら負けだと思っている」と、豪語しているが、今回は事情が違う。
(パフェが食いてぇ!!)
そう、コードの新調、制服(偽)の制作費、諸々で手持ちの金が底を着いたのだ。まだ戦争遊戯が終わって4日というのに、悲しい事だなぁ。
「ん?」
クエストボードの端っこにある羊皮紙が目に留まる。随分と汚い字だが読めないことも無い。なになに?
【マキャキャ遺跡の調査求む!!】
ふざけた名前の遺跡だ。調査だけなら楽だろうか、報酬も悪くない。ん?はじーっこにちーーっさな字が書いてある。
「chiba?ち・ば?千葉!?」
つい大声を出してしまい周りの冒険者達に見られる。恥ずかしい事をした。これは…キニナル…。受けるだけ受けて危険そうだったら途中棄権すればいいか?
「やるだけやってみるか」
エイナさんにその趣旨の報告をしようとすると多数の人影に囲まれた。こ、これは!!
「ヒッキガッヤくーーん!僕のファミリアに入らないかい!!??」
「バカヤローー!はっきゅんは俺のファミリアに入んだよーー!ねっ!?」
「お、おでの…ファミリアに入ると…楽しい…よ?デュフ」
So 神だ。戦争遊戯での経験を得て、俺とベルはレベルアップした。今回は根回しをしてなかった為、神々の目にかかり、執拗い勧誘を受けていた。
「い、いやっ、俺はっ…」
人の波に飲まれ、溺れていると…。
「きーみーたーちー?」
声がした。奇跡を殺す歌を歌いそうな声が。
「やっべ!」
「ヘスティアだ!」
「にげろーーー!」
わあああぁ…と蜘蛛の子を散らすように撤退した神々。ふぅ、助かった。
「ありがとうございます。神様」
「いいんだよ、君が困るなんて珍しい事なんだから。ん?その羊皮紙…クエストを受けるのかい?」
「えぇ…少しその事で相談がありまして。仮住まいで皆と話したいんです」
「分かった。君はアドバイザー君と話してから来るんだよ?皆も今は出払ってないから待ってるよ」
「ありがとうございます」
先に仮住まいに向かった神様を見送りエイナさんの所へ向かう。因みに仮住まいについてなんだが、【ゴブニュ・ファミリア】に新居の改築を頼んでいる間に広めの宿を借りており、そこを仮住まいと呼んでいるわけだ。
「エイナさん」
「ハチマンくん、さっきは見てたけど大変だったね」
「はい、神様がいなかったらどうなってたか」
「フフ…人気者は大変ね。クエストを受けに来たの?」
「はい、これなんですけど」
「これは…ギルドの認可を受けてない…もしかしたら報酬とか踏み倒されるかもしれないよ?あまりオススメはできないかな…」
「それでも…知りたい事がそこにあるんで」
「…深くは聞かないけど、細心の注意を払うこ…と」
エイナさんの言葉のキレが悪くなる。どうしたんだ?
「ハチマン君も罪な男だね…」
「俺が何を…」
エイナさんは俺の後ろを黙って指さす。え?とか言いながら振り向くと羊皮紙を覗き込んでいるアイズ・ヴァレンシュタインがいた。
「ど、どうしたんすか?アイズさん」
「………」
「あの、アイズさん?」
「クエスト…受けるの?」
「ま、まぁ…」
「…私も行く」
「はあ?」
何を急に言い出すんだ?
「いや…?」
ふつーにいやなんですけど、と言おうとしたその時、ギルド中の殺気が俺に向く。
“あまり調子に乗るなよ”
それはモテない冒険者達の怨念だった。オラリオ随一の美少女に誘われて断るのは男の恥だ。と言わんばかりの汗臭い殺気。
「まあ、別に…構いやしないけど」
「やった」
小さくガッツポーズをするアイズさん、可愛い。
「じゃあハチマン君、気を付けてね」
クエスト認可のハンコを受け、羊皮紙をしまって仮住まいに向かう。アイズさんにも話そうかと思ったが、俺の過去にもまつわる話の為、南口で待っているように言っておいた。
ー【仮住まい】ー
「皆にこれを見て欲しい」
羊皮紙をテーブルの上に出すとベル、ヴェルフとリリルカ、命さんと神様で回し読みをする。
「よくあるクエストだね」
「こりゃまた変な名前の遺跡だなぁ」
「マキャキャ遺跡、聞いたことありません」
「これがどうしたんだい?」
「むっ!?これは…」
どうやら命さんが見つけたようだ。
「ヘスティア様、この字に見覚えは?」
「むむむ?見た事ない字だ…サポーター君は?」
「残念ながら…」
「うーん、俺もベルも見覚えがねぇ。ハチマンこれがどうしたんだ?」
「…これは俺と葉山の故郷の言葉(少し違うけど)でな、【千葉】って書いてある」
「ハチマンの故郷の!?」
「こんな字なのか…」
「画数が多いですねー」
「それでだ、俺はこのクエストに行こうと思ってる。何かよからぬ事が起こるかもしれないからな」
嫌な思い出しかなくても故郷なのだから。
「一人で行く…なんて問屋が卸さないぜ」
「ハチマンを一人で行かせられないよ」
「こういう時に頼ってくださいね!」
「いつだってお供します!」
「だって僕達はファミリアなんだから!」
「みんな…」
巻き込みたくない思いがあったが、ファミリアだから…か。理由になってしまうのが怖いな。
「千葉案件かい?同行しよう」
「葉山院……」
ガチャりとドアを開けて入ってきたのは花京i…ゲフンゲフン、葉山だった。
「盗み聞きしてたのか?」
「遊びに来たらつい聞こえてね」
「皆、葉山も加わって大丈夫か?」
「「「「「もちろん」」」」」
「留守番は任せてくれよ?」
そんなわけでフルメンバー+αで南口に向かうと…
「あっ…来た」
「雑魚共が群れやがって…」
「なんで?」
そこにはアイズ・ヴァレンシュタインの他にベート・ローガがいた。だからなんで?
「それは…」
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それは私が一人南口にて待っている時のこと。
(ハチマン…まだかな)
金髪を弄りながら気長に待っていたら
「アイズ…何してんだ?」
暇でウロウロしてたベートに見つかり、事の顛末を話すと
「あの野郎のクエストか…面白ぇ俺もついてってやるか」
「え…」
「え、じゃねーよ!!」
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「…って事なの」
「えぇ…」
「んだよ、悪ぃかよ」
壁にもたれかかってたベートさんがこちらを睨む。
「別に…1人や2人増えても驚きゃしねーよ」
行くぞ、と門番のバン・モンさんに挨拶してオラリオから出る。気分はドラクエ、小さい頃やったなー。
「比企谷」
「?どうした」
「そこの2人は誰なんだい?」
葉山がアイズさんとベートさんを交互に見ながら問いかける。知らなかったのか。
「オラリオ一二を争う派閥の幹部だ。アイズ・ヴァレンシュタインさんとベート・んんんさんだ」
「ローガだ!ベート・ローガ!!」
「成程…ていうかどうして2人が?」
それな!!という顔で今まで黙ってたヘスティア・ファミリアの面々がこっちを見てくる。
「かくかくしかじか…こんなことがあってな」
「「「「「成程…」」」」」
納得してくれたようで助かる。
それから1時間近く羊皮紙に指定された方角に歩くと遺跡の入口らしきものが見えた。本練が見当たらないが…地下に続いてるのか。
「こっから先、何があるか分からない。気を引き締めるぞ」
リリルカの指示でフォーメーションを組む。前衛にベルと俺、中衛に命さんとリリルカ、後衛にベートさんとアイズさん。索敵は命さんの便利魔法。中々の陣形だ。
「おい、なんで俺たちが前衛じゃねーんだよ」
「お客人にあまり手を煩わせたくないからです、後から色々言われると面倒ですから」
「チッ…思慮深いパルゥムだぜ、フィンと似てやがる」
しかし一向に進んでもモンスターは現れず、途中の部屋なども無く、あっという間に最深部にたどり着いた。鋼鉄製のドアを潜るとそこは半径20mの円状の床がガラス張りで敷かれており、その下にはいくつもの魔石が敷き詰められている。中央とその上には訳の分からない機械がある。
ガチャン!!
俺達が入ったのを見計らったのかドアが思い切り閉まる。どうやら閉じ込められたようだ。
「チッ!!洒落せぇ!!」
ベートさんが思い切りドアを蹴り破ろうとするが、ドアはそんな第一級冒険者の蹴りを弾いた。
『ザザッ…ようこそ、マキャキャ研究所に』
何処からか声がする。よく聞き慣れた声だ。
「この声…マキャヴェリか!」
『よう、ハチマン…体内のギルガメスは馴染んでるか?』
「テメェ…なんの真似だ!」
『なぁに、予定してた修行だ。これからお前達は千葉に行き、千葉をめちゃくちゃにしてる混沌を祓はなくてはいけない、やんなきゃ帰れんぞ』
ポチッ…
「おい!今なんか押した音がしたぞ!!」
耳のいいベートが叫ぶ。すると床が淡く光り出す。魔石が共振しているのが目に見える。
『それじゃあ、素敵な旅路を☆』
「ハチマン!どうしよう!?」
「くっ…衝撃に備えろ!!」
床と天井の機械が電気を帯びる。魔石の光も目を開けていられないくらい光、俺達は為す術なく閉じこめられたまま光に包まれた。
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「くっ!!」
「うわっ!!」
「うおっ!!」
「ギャッ!!」
「くっ!!」
「クソがッ!!」
「キャッ…」
「おっと…」
光に包まれた瞬間、次の瞬間地面に衝突して各々が叫びを上げる。しかし全員冒険者、すぐに起き上がって周りの状況を把握しようと周りを見渡す。空は夕焼け時で、カラスが鳴いていた。
「これは…」
ベルが呟く。そう、辺りは墓だった。オラリオで見たような西洋風の墓ではなく日本式の墓だ。
「お墓…ですね」
「随分変わった墓だな…」
「それより…ここはどこでしょう」
「千葉か…」
1つの墓が目に留まり、その墓を見つめながら皆が欲しがる答えを出した。そう、ここは千葉のお寺だ。
「ハチマン…それって」
「あぁ…」
ベルが俺の元に近付く。もれなく全員も俺の近くにやってくる。
「ひき、がや…?」
命さんが震わせた声を出す。どうやら
「そう、俺の墓だ」
『!!!』
俺の墓があるって事はきっとここは千葉の寺が管理する墓地だ。俺は…忌まわくとも愛しい千葉に帰ってきたようだ。
「さっきの声の野郎、お前の知り合いか?」
ベートさんが睨みながら聞いてくる。
「あぁ」
「なにもんだ?」
「名前はマキャヴェリ、研究者兼 銃鍛冶師。俺のルーチェとオンブラを作ったのもそいつだ」
コートをピラリと捲り、二丁拳銃を見せる。
「取り敢えず状況整理だ、マキャヴェリ曰くこの千葉を巻き込んだ混沌とやらをなんとかすれば帰れるらしい…すまん、巻き込んで」
腰を曲げ、頭を下げる。
「そんな!着いてきたのは僕の方だから…ハチマンが謝る事ないよ!」
「ベルと同意見だ。何するにもファミリアだろ?」
「そうですよ、リリもハチマン様の力になりたいですから、この位ヘッチャラです!」
「新参者ですが…私もファミリアの一員です。着いていきます!」
「皆…ありがとう」
ホント、いい家族に恵まれたよ。
「面倒だが…面白くなってきたじゃねぇか」
「私はハチマンの故郷に来れて嬉しい…よ?」
「ブレないな…アンタらは」
頼もしいのかなんなのか…。
「比企谷、ここに居てもアレだ。移動しよう」
「移動ったって…どこに?」
「街に降りようと思う。そこで適当な廃ビルで身を潜めよう」
墓地から離れて道を歩く。
「ハチマン様、この石畳とはまた違う地面はなんですか?」
リリルカがアスファルトを不思議そうに観ながら問いかけた。そうか、オラリオにはそういうのとか無いもんな。
「アスファルトって言ってな…地面のあちらこちらに敷いてある。転ぶとマジで痛いぞ」
「私のいた所と違いますね…」
やべ、誤魔化さなくちゃ。
「そりゃ…地域も違ければ文化も違う。巫女さんのいた所は神様とか恩恵とかあったけどこっちにはそんなのなかったから…独自の文化を築くしかなかったんだ…うん」
我ながらそれっぽい言い訳ができたと思う。
「着いたよ…」
「わあ!!」「なんじゃこりゃ!」「大きい…!」「天晴れ…」「見たことない…」「ぶっ壊しがいがありそうだな」
皆にとっては見たことない場所で新鮮なんだろうが俺と葉山は怪訝そうな顔をしている。おかしい…
「人がいない…」
街灯は点いてる…ビルにも光が点いてるテナントはあるが人の気配が無い。無音、車も走ってない。完全にロックダウン状態だ。
「何があった…?」
無音の街の道路を歩いて回る。既に空は暗く、視界は街灯が頼りだ。嫌な予感がする。嫌な匂いもする…この匂い…来る。
「ギギギィィィッ!!」
突如前方5m地点に人間大の大きさで虫のようなモンスター…いや、悪魔が6体程やって来た。歯にあたる部分をガチガチと鳴らして威嚇している。
「やる気みてーだな」
「命様、索敵お願いします。他の皆様は追加で敵が来てもいいように警戒をお願いします」
リリルカの指令に従い、命は魔法で鴉のような動物を飛ばし俺達は武器を構える。
『……け…』
「うっ!」
「ハチマン!?」
何だ!?今のは…一瞬気分が悪く…。
「大丈夫?」
「平気だ…」
アイズさんに心配されて情けない。頭を振ってリベリオンを構え直す。
「うぉらぁ!!」
一気に3体、ベートさんに蹴り飛ばされ、絶命した。危険を察知したのか残り3体は既に逃げの体制に入っているため、ルーチェ&オンブラに持ち替えて取り出し引き金を引く。
BANG!BANG!
2発の弾は虫のような悪魔の頭を的確に撃ち抜き、絶命させる。再びリベリオンを取り出し、残りの一体は思い切り飛び上がって急降下して地面ごと串刺しにして殺す。
「付近に反応はありません!安全…だと思います」
緊張が解け、戦闘態勢を解除する。
「今のはなんだったんだ?」
「魔石も…出ていません。モンスター…だったのでしょうか」
「悪魔さ」
ヴェルフとリリルカの疑問に葉山が答える。俺以外の全員が葉山の方を向く。
「悪魔…」
確かベルはアラストルの悪魔形態(本当の姿)を見たんだっけ。俺がヘファイストス・ファミリアの元団員達に拉致られた時。
「悪魔だぁ?」
「そう、モンスターとはまた違う生き物、あれは低級すぎて考える脳が殆ど無いけど、強くても弱くても極めて危険な生き物さ」
「ここに住んでる奴らは恩恵を持たない…もし悪魔が沸いたならなされるがままだ」
「「「「「ゴクリ……」」」」」
「まぁ、マキャヴェリの言ってた混沌とやらも粗方掴んだ…と思う。生存者の探索は日が昇ってからにするか」
全員が固唾を飲むなか提案する。きっと疲れているだろう。ずっと緊張してばっかだしな。
「取り敢えずそこらのビジネスホテルに泊まるか」
ホテルに入り、女性陣と男性陣に分かれて部屋に入る。従業員数とかはいないが、代金は葉山がついでに寄ったコンビニで飯を買った時におろした金を払ってもらった。人がいなくても金は払わんとな!
大部屋に入る。俺とベルとヴェルフと葉山とベートさん。ベッドは4つしかない。誰かが床で寝なくてはいけない。しかし全員見知らぬ土地で疲労困憊、譲る訳にはいかない。無論俺もだ。
「これで決めるか…」
『!!』
手をゴキゴキと鳴らす。ベートさんも釣られて肩を鳴らしている。葉山を手を握ったり広げたり余念が無い。ベルもヴェルフも覚悟を決めたようだ。
「「「「「行く(ぜ!)(よ!)((ぞ!))」」」」」
『じゃーーんけーーん…ポンッ!!』
━━━━━━━━━━━━━━━
「そんなぁぁぁぁ…!!!」
隣からハチマンの叫びが聞こえるなか、女性陣は静かにベッドの上で座っていた。
「あちらは仲良さそうにしてますね…」
「そうですね…」
「ベッド…フカフカ…」
一人ベッドの上で軽く跳ねてはしゃいでいるアイズをよそにリリルカと命は神妙な顔をしていた。
「ベート様に遮られてしまいましたが…あのハチマン様のお墓とはどういうことでしょうか…」
「さあ、自分にはサッパリです」
再び沈黙が時を刻む。
「だったら聞こう」
何を思い立ったのかアイズは部屋を飛び出す。
「連れてきたよ」
ハチマンを肩に抱えてアイズは部屋に戻ってきた。一冊の本を手に持ってるハチマンは何が何だか分からないようだ。
「で、聞きたい事ってどうした?」
「ハチマンのお墓の事について」
「あぁ、あれか…そのまんまだ、俺はこの地で死んだ。だから墓が立ってる、以上」
「以上って…どういう事ですか?」
リリルカが恐る恐る聞く。
「街歩ってる時見たろ?車ってやつ」
「えぇ、馬より早く走る鉄の箱…ですよね」
「そう、俺はそれのもっとでかいヤツに轢かれてミンチになった。でも、気が付いたらダンジョンにいた…5階層にな」
「あの時…」
ハッと初めて会った時の事を思い出すアイズ。
「訳が分かりません」
「あぁ、俺もだ。気がつきゃ訳の分からない所で化け物に襲われるわ金髪美少女に助けられるわベルに拾われて冒険者になるし…ホント、色々あったな」
「ハチマン殿はオラリオが嫌い…なのですか?」
「いや、別に…むしろ好きだ。有り得ねぇ位お人好しはわんさかいるしよ、パフェとピザとコーヒーは美味い。そして何より…帰る場所があるからな」
その一言を聞いて2人は納得した。例えハチマンがどうであろうとハチマンはハチマンなのだ、と。
「分かりました…所でハチマン様はなんの本を読んでいるのですか?」
「これか?葉山に渡された運転教本」
「「「うんてんきょーほん?」」」
「まあ、参考書みたいなもんだ、気にするな」
それじゃ、と言いハチマンは部屋を後にする。
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「何話してたんだ?」
女部屋から戻ったハチマンにヴェルフが問う。
「ここについて色々な」
床にどかりと胡座で座り教本を読む。既にその内容は半分は頭に入っていて後はマシンさえあれば熟練者並のドライブテクニックは披露が可能だ。しかしハチマンが望むのはさらにその先、人にはできないような動きだ。バイクで壁を登ったりできないととても戦闘には活用できない。
「えっと…は、ハチマン」
「どうした、ベル」
「もしハチマンが良かったら僕のベッド半分貸すよ」
「おお、ありがとう」
スペースを空けたベルの横に寝転がり教本を読み続ける。ベートはそれを見るなり何やら不思議な感情を抱き、葉山とヴェルフは微笑ましい光景に内心尊んでいた。
如何でしたか?
巻き込む形の里帰り、そこで起こる異変に介入する一同。
さて、どうなるんでしょうね?