ダンジョンに出会いとボッチを添えて   作:テクロス

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遅れました!
いやー、物語考えるのって難しいですね!改めて作家さんには感謝しかありません。


#5 参戦

ゴオオオオオオオォォォォ……

 

「朝が来た…繭もそろそろ羽化するのか光が強くなってきた……」

 

「むぐぐ…」

 

しゃがみこんでベルの目を見る。目の前で縛られてるベルは怒りに震えておらず制止するように目で訴えかけていた。他の奴らも同様だ。ベートや葉山も珍しく拘束を解こうともがいてる。

 

「猿轡されて喋れないし鎖でギッチギチに固められて動けなくて不便なのは分かってる…安心してくれ、何も死ぬまでって訳じゃない…全部終わったら雪ノ下さんか材木座が拘束を解きに来てくれる。それまで大人しくしててくれよな」

 

「むーーー!!!(行っちゃダメだ!ハチマン!!)」

 

立ち上がり教室を後にする。廊下を歩いていると壁にもたれかかっている川崎がいた。

 

「アンタが突入したせいであの塔が出てきたんだって外は暴動が起きてるよ…」

 

「だろうな」

 

「ホントは気付いてるんだよ…アンタのせいじゃないって…でも今まで溜まっていたストレスとか鬱憤の矛先がアンタに向かってるだけ…バカみたいだよね」

 

「人らしいな…」

 

「着いてくよ」

 

「…物好きだな、好きにしろ」

 

川崎が一歩前を行く。昇降口を出ると校庭に出ていた避難民達の視線は俺に刺さる。ありとあらゆる罵詈雑言が飛び交う。

 

「お前はここにいろ」

 

「でも…」

 

「気持ちは受け取った…今の俺にはそれで充分だ。これ以上もらったらパンクしちまう」

 

川崎は昇降口に立ち尽くし俺は校門に向かって歩き出す。

 

「お前のせいで…!!」

「どうして…」

「死ね…」

 

しかし誰一人として俺を止めようとしない…否、止められないのだ。避難民達からしたら俺は人の形をした得体の知れない化け物なのだから。

 

「アンタさえ産まなきゃよかった…」

 

材木座が用意してくれたのか校門前にバイクが停めてある。ピカピカに磨かれており、頑張れ、と書かれたメモがハンドルに貼られていた。

 

「………」

 

バイクにまたがりエンジンを着ける。そんな俺に小さな影が幾つも飛んでくる。石だ、頭やバイクに当たりそうになるがギルガメスをほんの少しだけ展開し受け止める。

 

「はぁ……」

 

ホルスターに手をかけ拳銃を取り出し空に向かって一発撃つ。すると罵詈雑言だった雑音は悲鳴へと変わり体育館内に引っ込んでいく。

 

「ははっ…いい大人が恥ずかしくねぇのかよ」

 

アクセルを捻りトップスピードで走り出す。暫く真っ直ぐ走ってると徐にブレーキをかけた。進行方向に対して垂直にドリフトしながら車体を停めた。所謂バイクスライドブレーキだ。進行方向の延長線上に5つの影があったからだ。

 

「残り約2キロってところで…」

 

順に平塚静、三浦優美子、由比ヶ浜結衣、戸部翔、相模南がいた。塔からは蝗害のように悪魔が沸いて俺の方に向かってきた。

 

「さてと…頑張るぞい」

 

さぁ、明日を掴み取ろう。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

窓から紫の光が洩れる。ハチマンが戦闘を開始したのだ。空を埋め尽くさんとする悪魔をビームや銃を駆使して殲滅している。

 

「おーおー、やってるなァ…」

 

「「「「!!!」」」」

 

「なんでこんな所に!?って顔だな…まぁ猿轡位は取ってやるか…ほれ、どうだ喋れるか白兎」

 

「なんでここにいるんですか、アラル神父!」

 

一同の前には初老の神父服を着た男がいやらしく笑って立っていた。

 

「マキャヴェリとは古い知り合いでな、話聞いたら気になったから来ちまったよ」

 

「お願いです!鎖を解いてください!!このままじゃハチマンが死んじゃいます!」

 

しかしそんな要望を嘲笑うアラストル。ベル以外の面子はアラルを睨んでいる。

 

「そいつはできない相談だな」

 

「どうして…」

 

「アイツにはさぁ…強くなって貰わなきゃ困るんだよ」

 

「でもハチマンは十分「黙れ」っ……」

 

「確かにお前らのものさしで計ればアイツは強いのかもしれない。でもな、そんなんじゃ足りねーんだよ」

 

「?」

 

「ま、そこで指咥えながら見てな…あ、縛られてるんだっけな?ギャーハッハッハッハッハッ!!!」

 

「………」

 

電に包まれアラルは姿を消した。

 

「どうしよう……」

 

トン…

 

悩むベルにヴェルフが軽くベルに体当たりする。彼の目は諦めていなかった。

 

「ケプコン!ケプコン!」

 

そこに外からわざとらし過ぎる咳払いが聞こえた。

 

「材木座さん」

 

「んんッ…//さん付けで呼ばれるなど幾年ぶりか…」

 

「解いて下さい…お願いです。ハチマンが死んじゃいます…!」

 

頭を地面に擦り付け懇願するベル。

 

「あ、あ、頭を上げてくれ!…分かったから……我は別に八幡の全てに賛同してる訳じゃない。彼奴の強さを求める姿勢には関心している。だがな…今の奴は追い詰められてる。また自分を犠牲にするかもしれない」

 

意図も容易く拘束を解く材木座。

 

「頼む…八幡を正しい強さへと導いてくれ。あのままじゃ八幡は羅刹になってしまう」

 

「はい…ありがとうございます!材木座さん!」

 

「ハチマンの事は俺達に任せろ」

 

「必ず連れ戻しますから!」

 

「今は安全に務めて下さい」

 

「ハチマン…」

 

「ちっ…飯の借りもあるからな」

 

各々一言ずつ呟きながら窓から飛び降り学校を後にする。

 

「ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!」

 

「「「「「「!!!??」」」」」」

 

突如空気を震わせる咆哮が聞こえた。

その場にいる全員に殺気がビリビリと伝わる。

 

「あの声……」

 

「ハチマン…?」

 

「急ごう…」

 

殺気がした方へと一同は向かう。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「うおおおおおおおお!!!!」

 

背中の化身と共に目に付く悪魔を片っ端から切り刻みちぎって撃ち抜いていく。次から次へと鬱陶しいったらありゃしない。

 

「ぐあッ!!」

 

極めつけはこれだ、雑魚悪魔の相手をしていれば圏外から悪魔と化した由比ヶ浜や平塚先生とかからちまちま攻撃される。

 

「あははは!!ヒッキーどう!?アタシこーんなに強いんだよォ!!」

 

「ふはははははは!!圧倒的じゃなイカ!!ワレラハ!」

 

「海老名さんのかたきぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

「ひぃきぃがぁやあああああああ!!!」

 

「フゥ…フゥ…フゥ…!!!」

 

「チィッ!!!」

 

腕から光線を放つがやはり雑魚悪魔達が盾となって攻撃を塞ぐ。多勢に無勢…俺の魔力は残り僅かとなっていた。

 

「邪魔すんじゃねぇ…!!」

 

フォースエッジを構えて由比ヶ浜の元に飛んでいく。雑魚悪魔がさせまいと飛んでくるのを足場として利用して更に加速する。

 

ガキン!!

 

フォースエッジは由比ヶ浜のでかい爪と衝突して鈍い音を発する。こいつら、薄々勘づいていたが昨日よりも格段に強くなっている。レベルに換算するなら4…か。

 

「あはは!ヒッキーィ、独りぼっちなのに勝てるなんて思ってるのォ!?むりダヨォ!ギャッ!!」

 

ベオウルフで腹に一発蹴りを入れて由比ヶ浜を吹き飛ばす。

 

「衝撃ノォォ!!ファーストブリットォォォォ!!」

 

「がああッ!!」

 

とんでもない拳が後ろから繰り出されモロに後頭部に当たり地面に落とされる。この技…平塚先生か。彼女の攻撃に特化した右手は脅威だ。

 

「もう諦めたらどう?ヒキオォ…戸部はどうだか知らないけど痛くないように殺してあげられるよ」

 

あまり積極的に攻撃してこない三浦に槍を突き付けられる。周りには悪魔達が俺を眺めている。くたばるのを待っている様だ。

 

「君も見れば分かるだろ?詰みだ」

 

そこに平塚先生も現れる。口からダラダラと涎を垂らしてる戸部も虚ろな目で何かしらを呟いてる相模も。由比ヶ浜も。勝ったつもりなのだろう。

 

「悪いな…約束が俺を待ってるんだよ。邪魔するお前達は…消えろ」

 

(開くのか…?)

頭に声が響く。

 

「ああ…」

 

……………………………………

……………………………………

……………………………………

 

扉がゆっくりと開かれる。

 

黒くドロドロとした物が俺の体を包む。

 

激しい痛みと苦しみが俺を抱きしめる。

 

意識が遠のいていく……。

 

……………………………………

……………………………………

……………………………………

 

「があああああああああッ…!!!」

 

異変が起こったのは直後だった。比企谷八幡の体に赤い稲妻が走り出すと同時に激しく苦しむ。

 

「あはははは…どぉしたのヒッキー?」

「そこまでして我々を止める気か?」

「ぐふふふ…もぉっと苦しめぇ!比企谷ァ!!」

「戸部ェ…自重しろし…」

「……………」ブツブツ

 

「はァッ!はァッ!はァッ!グっガッ…あ゛ッ゛…」

 

やがて全身のあちこちから黒い泥の様なものが溢れる。やがてそれは身体を包み込み、鋭利な身体を形成する。真っ赤な目が標的をじっと睨む。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛ッ……う゛ぅ…ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛…ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!」

 

叫びか咆哮と共に発せられた黒い波動が空気を走り悪魔を霧散させる。帰天の悪魔達ダメージこそ受けど間一髪彼から離れる事が出来た。

 

「センセー、ナニアレ!?」

「分カラン…禍々シイ魔力…本能が恐怖スル」

 

「調子二乗ルナァァァ!!」

 

激しい歯ぎしりをしながら戸部が比企谷?に飛びかかる。今までの八幡なら止めるので精一杯なのを黒い影は片手でピタリと受け止めた。

 

「ァレ…?」

 

「…………」

 

掴んでいない方の手を思い切り振りかぶり戸部の顔面に拳をめり込ませる。戸部は掴まれていた右腕を残して家から家を突き破りながら吹き飛んだ。

 

「………………」

 

「相手ハ独リ!」

 

「かかれ!!」

 

怯んでいた悪魔達が比企谷に襲いかかろうとした時だった。

 

「ファイアボルトォォ!!」

 

赤と白の稲妻が悪魔を塵に変えた。

 

「ナンダシ!!」

 

「グルゥゥ……」

 

稲妻が出た所には7つの影があった。

 

「比企谷!!」

 

「隼人君…ヤッパリセンセーの言ってた通りだった…」

 

「…ッ…イケ!!アイツラヲ殺セ!」

 

三浦の命令により雑魚悪魔達はベル達のいる所へと向かうが。そんな事を許さない影が一つあった。

 

「…………………」

 

閻魔刀を乱暴に振り回し魔力による斬撃を多数放ち悪魔を切り刻んだ。尽かさず彼の背中からドス黒く大きな手が目にも留まらぬ速さで伸び由比ヶ浜を掴んだ。

 

「グゥッ……」

 

「由比ヶ浜!!」

 

「………………………」

 

黒い手は彼女を引き寄せる。そして比企谷の足のレンジに入ったらミドルキックを放ち塔方面に蹴り飛ばした。

 

そしてとどめを刺すつもりか雪ノ下の元へと向かおうとしているのか比企谷を包んだ影は塔へと寡黙に歩いて行こうとした。

 

「ッ……サガミ!!」

 

平塚の命令により彼の前に立ち塞がる。

 

「…………」ブツブツ

 

虫の羽音より小さい声で呟きながら彼の元へと歩いていく相模南。近付くにつれて彼女の体は泡が沸騰したように膨れ上がり原型すら留めていない不定形の悪魔へと姿を変える。

 

「サガミの中には生きた人間がソノママ入ってる。ヒキヲ、アンタに人が殺せる?」

 

『助けて…殺して…ママァ…アナタァ…苦しいよォ…痛いィ……』

 

「なに…あれ…」

 

「生きたまま取り込まれた人間だ、助かる方法は無い…」

 

「こんな残酷な事ってありますかッ!!」

 

「惨い…」

 

「………」

 

「悪趣味な奴だ…」

 

悲痛な叫びが辺りに響く。

影は黙ってそれを見つめている。

 

『うあああ…殺してェ…ッ!!ぎゃああああ!!』

 

突如相模の体に影がベオウルフを纏った拳をねじ込んだ。大して固くもない相模の皮膚は容易く突き破られ、血飛沫が影にビチャビチャと掛かった。

 

グチャ!

 

グチャ!

 

グチャ!

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぁ!!!」

 

何度も何度も何度も拳を突き出した。

叫びにしっかりと耳を傾けて。

乱暴にではなく、一回一回、自分に戒めるように。

慈悲を以て、命を刈り取った。

 

「ヒキガヤァァァ!!!」

 

そこに突如戸部が現れた。

掴まれた右腕は再生する事はなく、殴られた顔の半分はグチャグチャにかき混ぜられ、胴体には女性のような顔が浮かび上がっている。

醜悪な姿に拍車がかかった戸部はそれでも罪なき命を刈り取っている影へと向かう。

 

BAN!!

Bang!

シュイン!!

 

そんな戸部の頭を捉えた3つの凶弾と1本の剣。

 

「あれは!!」

 

「幻影剣!?」

 

頭に刺さった。見覚えのある魔の力に比企谷八幡の戦いを知る者たちは驚愕する。そして飛んで来たと思われる方を見つめると遠くから鉄の塊が走ってくる。

 

ブオオオオオオン!!!

 

「今度はナンダ!!」

 

「あれは…モーターホーム?」

 

「もーたーほーむ?」

 

「車ってあっただろ?あれとワンルーム位の部屋がくっついた奴さ」

 

「ほー、便利なもんだなぁ」

 

「お二人はなーに呑気に喋ってるんですか!」

 

葉山とヴェルフの会話にリリルカが突っ込む。

 

モーターホームは影の手前10mで横向きに滑りながら止まった。すると横に飾られていたネオンが青々しく光る。

 

「あれは…なんて書いてあるの?」

 

「ぜんっぜん読めねぇ…」

 

「デビル……メイ、クライ」

 

扉が乱暴に開くと3人飛び出してきた。

 

「おいネロ!!もう少しマトモな運転はできねぇのか!?子鹿でももっと上手いぞ!」

 

「うっせぇよダンテ!無免許なんだから仕方ねーだろ!」

 

「お前からも何か言ってやれよバージル、親だろ!」

 

「俺から言う事は無い…」

 

喧嘩しながら出てきた3人組、ネロと呼ばれた青年は青いジャケットコート。ダンテと叫ばれた初老の男性は茶色のコート。バージルと話題を振られた初老の男性は紺色のコート。

 

「ギャアアアアアアア!!」

 

そんなギャグい空間も相模の叫び声によって掻き消された。比企谷が首を引きちぎったからだ。

 

そして3人に一瞥することも無く塔へと向かう。されどさせまいと雑魚悪魔達は群れを成して一帯を囲む。

 

「おいアンタら!ありゃなんだ!」

 

「な、仲間のハチマンです!黒くなって、様子がおかしくて…」

 

「そっちじゃねぇけど、仕方ねぇ、ここは俺達に任せろ!アンタらはお仲間を何とかしろ!」

 

「はい!!ありがとうございます!」

 

「素直に言われると調子狂うな…」

 

ポリポリと頬を掻くネロ。

 

「俺達…ねぇ。言うようになったなぁ」

 

「んだよ、たまには共闘もいいだろ。報酬は前払いでもらってんだからよ、楽できりゃ得だ」

 

「ふん、まぁいい…おいダンテ、どっちが多く倒せるか勝負だ」

 

「なんだ?俺にリードされてんのが気に食わないのか?」

 

「馬鹿言うな!同点だったはずだ。数をちょろまかすな」

 

「へいへい…じゃ、行くぜ!」

 

「セコいぞダンテ!」

 

飛び上がったダンテに釣られてバージルも飛び上がる。

 

「はぁ、仲が良いのか悪いのか…」

 

こめかみを押えながらネロも戦闘に参加するのであった。

 




いかがでしたか?例の3人が参戦です!
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