最近忙しくてあまり執筆出来ませんでしたが冬休みに入ったことですし少しは投稿スピードは早くなるかな〜なんて。
とある日のヘスティア・ファミリア
「なぁベル…馬の獣人っていないのかな…」
「え?どうしたのハチマン」
「女の子ばかり集めてレースさせれば儲かるんじゃ…」
「ハチマン…色々な所から怒られるからこれ以上やめとこうよ」
「そうだよな…」
「!!」
「リリも『その手があったか!』なんて顔しないで!!」
(こんな感じのくだらない小話をちょくちょく書いてこうかなって思ってます)
この先本編です。
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AM11:30
大理石の床、ステンドグラスに囲まれた室内にて半径5mはある円卓を囲むエルフ達の国の重鎮達がある男を一斉に見つめていた。
「さて、オシタランナ卿。ヒューマンであるハチマン・ヒキガヤ氏が来ない内に話をしたいと思っていてね」
「左様ですか、アールヴ王」
「君は最近…良くない事に手を出していると小耳に挟んでね。皆の者これを目に通してくれ」
円卓を囲む各国のエルフ達に配られたのは数々の名前が記された名簿だった。状況を察したリヴェリアを含むエルフ達から驚きの声があがる。
「そう、これは犯罪組織の顧客名簿です。そこにオシタランナ卿、貴行の名前が記してある。これは一体どういう事かな?」
「さぁ…私に恨みを持つ者が勝手に書いたのでは?」
「証言は上がっているんだぞ?」
「…はぁ、あまりやりたくなかったんだけど、やれ」
するとただ一つの入口からオシタランナ卿の配下である兵士がゾロゾロと雪崩込み、重役たちの首元に刃物を構える。
「おっとリヴェリア様…どうか反抗しないで頂きたい。おもわず手元が狂ってしまうかもしれない。それに私を倒した所で辺境の村々がどうなるかを考えていただきたい」
「なんだと…!」
「貴様、何を企んでる!!」
ヘラヘラと笑いながらオシタランナはカツカツと音をわざとらしく立てて歩く。
「この国とリヴェリアを…頂く」
「「「「「!!!」」」」」
「お主に我が娘を渡すものか!!」
「高貴な身分である私か汚らしいヒューマンに渡るかを考えれば答えは明確だと思いますけどねぇ〜」
「ッ!!」
苦虫を噛み潰したような表情をする捕らわれたエルフ達。リヴェリアはそんな彼らを見て内心呆れ果てた。それでもハチマンを認めようとしないエルフ達を。
「大変ですオシタランナ卿!!」
「なんだ…」
「あ、アイツが…闇が此方へ!!」
「闇ィ……??」
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am 10:30
「避難も済ませた…さてと、これで全部かな…」
魔力で包まれたマトリョーシカのような置物、それも一つだけでは何十個もの数が後ろに積まれている。
広い野原に俺ガイル。
「殺るか!」
展開していた魔力を解除する。マトリョーシカの中身はレッドメイルとヴァルスの雌フェロモンを凝縮した物だった。それを入れ物に入れて村に配りドアも開ける知能のない奴らはその周辺にナワバリを敷く。
「やっぱエルフといったらその膨大な知識だよな…お陰様で色々勉強させてもらった。ここら辺の地図とかな」
とんでもない数のフェロモンに釣られた両者は俺の元に走ってくる。しかしその前衛にいるモンスターは俺の元にたどり着くことは無かった。
「ギギギッ!!!」
「ギャギギギ!!!」
落とし穴…簡素にて原始的な罠だ。あまり時間もない為そんなに掘れなかったが効果は覿面だ。
「これもプレゼントだっ!!」
村にあった酒樽を拝借し布切れで導火線を作り火炎瓶ならぬ火炎樽を作り上げ、それを落とし穴付近まで転がす。
「3、2、1、点火だ」
爆音と衝撃と共にモンスター達が吹っ飛ぶもほんの10分の1が殺せただけだった。
「後は俺がやるか…いらっしゃいませぇぇえええ!!」
大体残りは1時間半…必ず戻ってやる。
「うぉらァ!!!」
閻魔刃を左手に携え、リベリオンを右手に構えて押し寄せるモンスターを切り裂き、串刺し、葬っていく。
「ぐっ…!!ぬぅううう!!」
余りの物量故に肩に噛み付かれるも魔腕でそれ等を引き剥がして地面に叩き付ける。モンスターの血が顔にこびり付く。
「まだまだ…弱いな…!」
満足なんかしてはいけない…俺がもっと強かったらイシュタル・ファミリアに拉致られる事も無かったのだから。
「はああああああ!!!」
腹を切り裂き首を刎ね、脳天を撃ち抜く。
そんな行為を30分近く続けていると最後の一体と思われるモンスターがやって来たがそいつの様子は今までのモンスターとは違うようだった。
「傷だらけ……それに…服?」
そのモンスターは戦う前からボロボロだった。ウォーシャドウのような身体のみならずその身に纏う衣までもがズタズタだった。
「はァ…はァ…がッ…!」
「………?」
死にかけの獣のような呻き声ではなくまるで人間のような呻き声を上げるそれはこちらに向かって歩いてきた。
「罠……じゃないな」
視線に敏感な体質故に油断を誘ってる様子ではなく、シラフのようだ。
「がハッ……」
歩く力を失ったのかソレは俺の元にたどり着く前に倒れた。
「おい…アンタ……」
薄気味悪がりながら近付くとソイツの手は俺の腕を掴んだ。
「空だ……」
「あぁ……」
「仲間の 所に…戻りたい……」
「その体じゃお前さん無理だぞ」
「頼む……あのエルフを…殺してくれ……」
「…オシタランナか」
「 」
パタリ…と腕を掴んでいた手は重力に従い地に落ちた。喋るモンスターがいたなんて事は驚きとして現れず何故か怒りの感情がフツフツと沸いてきた。
「ヒヒーーーン!!」
後ろから馬の鳴き声がして振り向くと昨日見たばかりのユニコーンがそこに居た。
「綱をちぎって来たのか…」
「ブルルルルル…」
乗れと言われたような気がしてユニコーンに跨る。
「送ってくれ…リヴェリアさんの所に」
赤くも緑色にも光らないそのユニコーンは怒りに震える俺を乗せて里まで走った。
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「ヒューマンだ!!」
「ここで止めろーー!」
オシタランナの兵士が扉を固めるも銃を取り出してチャージショットを撃ち込み扉ごと破壊する。それでも押し寄せる兵士達をリベリオンと幻影剣の餌食にしていく。
「ギャーーー!!」
「ぐあああッ!!」
「助けてぇッ!!」
「許してくださいぃッ!」
許しを乞う声を振り切り諸共薙ぎ払ってはユニコーンに跨りながら突き進み魔腕で掴んで盾や飛び道具として投げたりしていく。
「あの一際でかい扉…いけるか?」
「ヒヒヒーーンッ!!」
高く大きく嘶くユニコーンに揺られて進んでいく、兵士の頭を掴んで壁に押し付けながら。
バァアアンッ!!
扉を突き破り王室の中に入っていく。ユニコーンから降りて室内を見渡すとその場にいた全員が呆気に取られた表情で俺を見つめてきた。
「これはこれは『亡影』…少しでも動いたらどうなるか分かってるだろうな?」
人質を取っているつもりのオシタランナはいやらしい笑みを浮かべながら俺を見下す。
「…………」
人質にナイフを構える兵士の場所を確認してクイック・シルバーを発動。その肩や腕に向かって発砲する。
「…何がどうなるって?」
「え?」
オシタランナが間抜けな声を出した途端兵士達は呻き声を出す。肩や手には大きな穴が空いていた。
「ヒューマンのお前のどこにそんな力が!!」
「さぁ…あの世での課題にしたらどうだ?」
「くッ!!…あの世に行くのはお前だ!!」
「後ろだ!!」
リヴェリアさんの叫びに反応して後ろに向かって発砲すると闇討ちを狙っていた兵士が倒れた。
「か、かかれェ!!」
扉で待機していた残りの兵士は怯えながらも俺の元に襲いかかってきた。ベオウルフに切り替えてその顔面に拳をめり込ませたり腹に大きな一撃を繰り出したりと、容赦のない攻撃が兵士達に返ってきた。
「俺の方がリヴェリアに相応しいのに…!!」
次々とやられていく兵士達を前にオシタランナはそう言葉を漏らした。
「そのような筈がないだろうに…」
「王…エルフの私がヒューマン如きの奴に劣るとでも!?」
「当たり前だ…己を非難した種族をたった一人で守ろうとしたのだ。やり方は少々えげつないがな」
「ぐッ…」
苦虫を噛み潰したような表情のオシタランナにリヴェリアは向き直る。
「あ、貴女なら分かるでしょう!!こんな退廃的なエルフの国は変わらなきゃいけない!!私の革命の隣には貴女が必要なのですッ!!」
オシタランナの説得に眉一つ動かさないリヴェリアに動揺する。
「確かにエルフは変わらなくてはいけない状況だ」
「で、でしたら!!」
「だがこのやり方は間違い過ぎている。古今東西の歴史を振り返っても革命が成功した例はない。何故ならそのやり方が間違っているからだ」
それに…とリヴェリアは言葉を続ける。
「私の隣には貴様の様な下郎な輩は不必要だ」
「そんな……」
落胆したオシタランナの足元に兵士の体が飛んで来る。
「残るは…お前だな」
その拳と顔を血に染めながら俺はオシタランナの方を向く。
「ま、待て!!私はここの王になるんだぞ!」
「それで?無理だろ…器じゃないんだから」
「そ、それに…私はオラリオにも少なからず影響力があるんだぞ!!」
「それで?」
「私に手を出したらお前のファミリアはタダじゃ済まないんだぞ!!」
「だったら尚更だな」
「ひっ…!」
尻もちを付いて情けない格好になっているオシタランナは目に涙を浮かべていた。そんな奴に三連リボルバーのケルベロスを向ける。
「クイズだ。なんでヒューマンの俺がここに来たのか…①リヴェリアさんの恋人だから。②リヴェリアさんに頼まれたから。③エルフの里に来てみたかったから」
「に…?」
震えた声を出すオシタランナ。
バンッ!!
「正解は④…仕事だからだ。選択肢は最後まで聞けってエリート様の学校で教えられなかったか?」
頭の無いオシタランナに語りかける。
「それにさ、お前は手に掛けたんだ…名前も素性も知らない彼を」
今際の際にでも空を見ていた彼を思い出す。
「君のやり方はこうなのか?」
「まさか、今日は奇跡的にコイツが俺の怒りに触れただけですよ」
「関係ない兵士もか?」
「黙って通してくれれば何もしませんでしたよ。でも、コイツらだって脅威になり得ましたから」
「話してみてくれ」
適当な椅子に座り同じく座るリヴェリアさんの方を向く。
「俺の中で
「噂で聞いている。アポロン・ファミリアに襲われた時も己の身を案じずに庇ったと聞いたよ」
「そう、自分でも驚く位にこの感情はとめどなく溢れてきた。家族なんだから守らなくちゃいけない、どんな手を使ってでも。でも殺さないし殺したくない。そう思ってたら……あの日、転機が訪れた」
「あの日…?」
ーかこ…では、ないわ…おもいで…よ
雪ノ下を撃ったルーチェとオンブラを取り出して雪ノ下の結晶が埋め込まれた部分を見つめる。
「何の罪もなく、悪くない人達…でも助かる見込みなんてゼロで待ってるのは苦しみだけだった人を殺した。事の発端で俺の…憧れだった人も殺したあの日から」
「!!」
「あれからですよ…何をするにしたって誰と接するにしたって選択肢に『殺す』が出てくる」
「…………」
「選びたくなんかない……でも家族を守らなきゃいけないから…アイツらに人殺しなんてさせたくない…汚れた手は俺一人でいいのだから」
「それが君の手袋を着ける理由」
コクリ、と頷く。汚れた手で誰にも触りたくない…まるでその罪を擦り付けているようで罪悪感に苛まれてしまうから。
「その手袋は君の努力の証であると同時に君自身の汚点であるのか…」
何を思ったのかリヴェリアさんは俺の手袋を外してその手を見つめる。
「この手の豆…尋常では無い程剣を振るった跡だ。それにその瞳、常に魔力を限界まで使ってるから瞳が変色してきてる」
強引に手を離させて手袋を付け直す。
「朝2時に起床。オラリオ外壁付近で素振りとオラリオ外周をランニング。たまにアラルが来ては身体能力を赤ん坊レベルまで落ちるようなギアを付けて火矢を放つ彼に馬車で追い回される。6時半に帰宅し家事を担当、その腕前はロキ・ファミリアお抱えの一流シェフがべそをなかく程だ」
「なんか詳しくありません?」
「私は君の恋人なんだぞ?」
「ソーデシタネェ…」
「それと同時に冒険者だ」
「そうでしたね」
揃って立ち上がりポカンとしているエルフの重役達を向く。
「という訳で色々と荒らしちゃってすみませんでした。本当なら片付けとか手伝いたいんですけど俺も明日の予定とかあるんでお暇させていただきます」
「いいや、謝りたいのはこちらの方。エルフ内のいざこざに君を巻き込んでしまった事を謝罪したい」
「いえ、その件は俺が勝手に首を突っ込んだので…」
「どちらにせよ、だ。君の英雄的行為に感謝する者もいれば君の残虐的行動に批判的な者は少なくないのは確かだ。よってこの件に関してはオシタランナ卿を裁判の結果、極刑に処した事にして君はクーデターに加わった兵士を倒した事だけにする。足早にこの地を離れよ」
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「それで、君は分かったのかい?」
「何をです?」
馬車に揺られながらリヴェリアさんは口を開いた。
「『愛』の事だよ」
「人類が古今東西の謎を解いたら最後に残る謎、という事しか分かりません」
「分かってるじゃないか」
昨日と同じように額を当ててくるリヴェリアさん。それでもこの気持ちに変化はない。
「?、どうかしました、リヴェリアさん」
「…い、いや。なんでもない」
窓から外を眺める彼女の表情を知る術は俺には無かった。例え見れたとしてもきっと理解なんてできないのだろう。
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背中を晒して神様にステータスの更新をして貰う。アラストルから渡された官能魔術書の効果を知りたかったからだ。
「おめでとうハチマン君!君に新しい魔法だ!」
「「「「ええええええ〜〜〜ッ!?」」」
騒がしい家族に囲まれながら神様から渡された羊皮紙を眺めるとそこには着々と成長しているステータスと何かが消された跡がある項目が記されていた。
「【Realize】・無詠唱魔法・魔法記憶・発動魔法は己が体感し理解した物のみ・記憶魔法は発動時己の性質に侵食される……ふーん」
「なにが『ふーん』だよ、めちゃめちゃ強いじゃねーかよ!」
「いやさ、もっとこう、カッコイイ詠唱とかで発動する魔法かと思ったらコレだぞ?戦力になるかもしれないが…」
「まぁ、魔法が生涯発動しない人もいますのでそう落胆しないでください。それはそうと『己の性質に侵食される』って所が気がかりですが…」
「そん時の感情とかそんなのかもしれない…ま、使ってみなきゃ分からんだろ」
起き上がりコートを着ようとすると…
「ハチマン様の鎖骨…きゅううう」
もう何度目かも分からない春姫さんの気絶を受け止めて早々に着替える。
「そういえばハチマン殿の体も鍛え抜かれてますね。どういった鍛錬を積んでるのですか?」
「?、オラリオの外周を走ったり目隠しされながら四方八方から飛んでくる火の矢を躱したり、身体能力を赤ん坊レベルまで落とす拘束具を付けてひたすら打ち合いさせられたり……はぁ」
段々自分の目が腐っていくのが実感できる。
「アラル神父との特訓は僕も見た事があるけど…あれは流石にキツすぎるかなぁ…」
「ハチマンもただで強くなってる訳じゃないんだよな…」
「リリ達に迷惑をかけないように、隠れて努力をしてらっしゃるんですね…感激です!」
「ばっかお前ら、そんなんじゃねーよ。オラリオに来てまだ日が浅かったから舐められないように強くならなくちゃダメな訳だからな?」
「これは…どんなデレなんだ?」
「神はこういうのを『捻デレ』と言うそうですよ?」
いやいや、聞き慣れてんだけどそれ。
「兎に角、ハチマン様も魔法の効果を試したいでしょう?じゃあ外に出ましょう!とりあえずベル様の魔法がいいと思うんですけど…」
「えぇ!?僕?」
「リリルカ…こういうのはな?本人の同意が無くちゃダメなn「いいよ」What?」
「ハチマンになら…いいかな…///」
「「ぶはっ!!??」」
リリルカと神様が倒れた…何でとは言わない…不覚にもトキメキかけてしまったよ。なんだか戸塚に浮気したような気分だ。付き合ってもなかったのに…グズん。
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ー【豊饒の女主人】ー
「あれ!やっちまったねー」
「ミア母さん、どうかしたんですか?」
厨房にて珍しくミスをしたミアにリューが何事かと訪ねた。
「やーねー、トマトソースパスタを作りすぎちゃったわ」
皿に山のように積まれたそれを眺めながらミアは零した。
「ミア母さんにしては珍しい…どうしましょう」
「!!…ちょっと待ってな」
そのままミアはもの凄い勢いでもう一品用意する。
「リュー、出前に行ってきな!」
「ええ!?でも頼まれてませんよ?」
「アンタの好きな人にでも売りつけりゃいいじゃないか!」
「わ、私にはす、好きな人なんて…//」
「いいから黙って行ってきな!配達したら今日はもう上がっていいから!」
「しかしクロエとアーニャとルノアだけで大丈夫ですか?シルは今日休みですし…」
「あーだこーだ言ってないで行け!」
「はぁ…」
ミアに気押されて外に出た、否、出されたリューは手に持つ料理を見て誰に届けようか迷った。
「好きな人…好きな人…私に…//」
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「ううん…うぅん…う〜ん、よし」
ロキ・ファミリアのホームである【黄昏の館】の自室にてアイズは机に向かっていた。一枚の紙を大切に折りそのまま日の沈んだ外に出向く。
「アイズ…どこに行くんだろー」
「珍しく机に向かってると思ったら外に行ったわね」
「何か持ってませんでした?」
「あの色とサイズから見て…手紙か?」
傍から覗いていた保護者組…ティオナとティオネとレフィーヤとリヴェリアは柱の影から考察していた。
「もしかして…ラブレター?」
「「「!!!」」」
ティオネの呟きに一同に戦慄が走る。
「着いていきましょう!」
「レフィーヤ?」
「どこの馬の骨かも分からない人にアイズさんは任せられません!!」
「それもそうね」
「賛成だ」
「いいのかな〜」
ティオナを除く3人はその目を鋭く光らせてアイズに気付かれないよう夜闇に紛れ、ティオナは悩みながらも着いて行くのであった。
「……アイズに…男…」
「ベートが倒れておる!!衛生兵!」
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鎚を振り下ろすと赤い火花が散る。
それを何度も繰り返す事によってその金属は硬度を増していく。ただ固ければ良いという訳でもなく硬いと切れ味は上がるがその分欠けやすかったり脆くなる。
「ダメね…」
「最近仕事に熱が入らないわ…」
今までは鍛冶の事だけを考えて鎚を振っていたが今は別の事を考えてしまう。
「ハチマン……」
彼の名前を呼ぶと胸が熱くなる。
最近…と言っても結構前になるがレベルアップを果たした。そのプレゼントを贈ろうと武器や防具を作っているがそれ等はどれもこれもが彼に似合わないガラクタと称される事になった。鎧を作っても彼からコートを奪ってしまう事になる。剣を作っても彼には見た事もない上等な剣が何本もある。ネックレスを作っても彼は既に首から下げている。
「そうよ!いっそハチマンに聞いた方がいいのよ!」
無駄に悩む事は無かったのだ。欲しい物は彼から聞けば良いと思いついたのは彼女、ヘファイストスが部屋に篭って3日が過ぎてからだった。
「お、やっと出てきたか、色恋に忙しい主神」
そうすると彼女のファミリアの団長【椿・コルブランド】がからかい混じりに訪ねてきた。
「例の彼の所か?」
「そうよ、悪い?」
「別に構わないが一風呂入るといい。正直焦げ臭いぞ」
「えっ!?すんすん…本当!忙しいで入ってくるわ!ありがとう!」
並の冒険者も涙目の速さで風呂に向かうヘファイストス。
「やれやれ…それにしてもハチマン・ヒキガヤか。主神が熱くなる程の男……気になってきたな」
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三日月の下でローブを身にまとった女神は微笑んだ。
「フレイヤ様、どちらに」
「散歩よオッタル。イシュタルも居なくなったからもう散歩を邪魔されないわ」
「会いに行かれるのですか、【亡影】に」
「ええ、護衛はいらないわ」
深くフードを被って女神フレイヤはオラリオに繰り出した。
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「ぜえ…ぜえ…ぜえ…っ、げほっ、げほっ」
ヘスティア・ファミリアのホーム【竈火の館】の庭にてハチマン・ヒキガヤは新しい魔法の練習をしていた。
手の平を前方15mにある分厚く大きい鉄の的に向ける。
「【ファイア・ボルト】ッ…ダメか……」
手の平からチョロっと出た火花と火の粉を前にため息をつく。それだけしか出なくても魔力は減っていくからだ。
「ったくもう、こんなん使えなくてもこれがあるのにな…」
幻影剣を的に飛ばす。そのど真ん中に突き刺さった幻影剣を見つめてまたため息を吐き出す。
「ダメだな…せっかくベルが使わせてくれたのに」
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「おいマジでやるのかよ…」
「発動魔法は己が体感し理解した物のみ…ですからね」
「ガマンしてねハチマン…【ファイア・ボルト】ォォ!!」
「ぎゃあああああああ!!!」
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「まだやれる…な」
もう一度試してみるもやはり結果は同じ、火花と火の粉が出るだけだった。
「ヒキガヤ様…」
「春姫さん、どうしたんですか、こんな時間に」
月明かりが近づいて来る春姫を照らす。
「ヒキガヤ様が頑張っていらっしゃるのに眠ってはいられません」
「そう…ですか」
「新しい魔法は如何ですか?」
「無理そうです…静電気と火の粉が通じる敵じゃない限り役に立ちません」
手の平からパチパチッと失敗魔法を見せてため息を漏らす。
「そう落胆しないでください、今は出来なくてもきっとできるようになります!」
「だといいんですけどね…」
「むぅ、少し休憩は致しませんか?マジックポーションを持って参りましたので」
「よくリリルカが許しましたね」
「『将来への投資』と仰っていました」
彼女らしい、と若干微笑んで芝生の上に座る2人。
「生活には慣れましたか?」
「ええ、皆さん良くしてくださるので毎日が楽しいです。明日が楽しみで眠れなくなります」
「そりゃ良かった」
「これもクラネル様と命ちゃんと、ヒキガヤ様のお陰です」
「俺は別に……」
「いえ、ヒキガヤ様には危ない所を何度もお救い頂きました。ヒキガヤ様がいらっしゃらなかったら私はもう…ヒキガヤ様にお救い頂いた時、物語の英雄のように思いました」
「英…雄…」
「ええ!」
尻尾を降っていることから本音だと悟った彼は少し顔を暗くした。
「俺は…英雄にはなれません」
「?」
「英雄は…ベルみたいなのがなるべきなんです。夢を胸いっぱいに抱いて迷いもなく突っ走れる白いアイツが、英雄たる資格を持っています」
「英雄たる資格…」
「俺は…ベルじゃないから…ベルの魔法も撃てない…」
「ヒキガヤ様はヒキガヤ様です、誰が何を言おうと変わりようがありません」
「そう、ですよね。俺は…オレ…だからベルの魔法を撃つ事は出来ないしする必要なんて無い。ベルがくれたのは魔法の材料だから後は俺が好き勝手に料理して俺好みの魔法を撃ってもいいのか」
勢いよく起き上がり手の平を的に向ける。想像するのはベルの【ファイア・ボルト】ではなくて自分の【ファイア・ボルト】
「【ファイア・ボルト】!!」
手の平から出たのは赤と黄色の閃光ではなく、おびただしく黒い炎に包まれた赤い稲妻。真っ直ぐ飛んだそれは鉄の的に命中してドロドロに溶かした。
「や、やった…」
「やりました!ヒキガヤ様!!」
彼の手を掴んでぴょんぴょんと跳ね回りまるで自分の事のように嬉しがる春姫。
「記憶魔法は発動時己の性質に侵食される…とは言え俺の本質ってあんな黒いのか?」
「それは…どうなんでしょう」
苦笑いする春姫を他所に頭を掻いて悩む彼は春姫に家に戻るよう言い再び魔法の練習に努めようとするも。
「身が入ってるね」
「葉山か…」
「こんばんは」
「ギルガメスの透析は終わったのか?」
「まぁね、今度はあまり無茶をしないようにするさ」
「大変だな」
「これも生き残る為さ」
ふーんと聞き流しながらハチマンは三日月を見上げる。
「比企谷、少し散歩しないかい?」
「…分かった」
静まり返った街を2人で歩く。
「比企谷は…魔剣士スパーダについてどの位知ってる?」
「スパーダ?…ダンテさんとバージルさんの親父さんでネロさんの祖父に当たる悪魔で人間界を悪魔から解放させた張本人としか知らんぞ」
「大体は知ってるんだね。そのスパーダは自分の強大な力を3本の魔剣にに分けたのは?」
「そこまでは知らなかったな」
「その剣が『魔剣リベリオン』と『魔刀 閻魔刃』とフォースエッジの真の姿『魔剣スパーダ』だというのは?」
「は?」
「その様子じゃ知らないようだね。続けて質問するけど、どうしてそれを君が生み出せたんだい?」
交差点のど真ん中で彼の足が止まる。
「葉山は…自分の魂と会話したりするか?」
「というと?」
「俺は…いつも死にかけたりすると精神世界みたいな所に入る。一点の曇りも
「精神世界に門…僕はそんな経験は無いな」
「だよな…自分の魂と会話出来るのがおかしいよな…」
「もしかしたら比企谷の本心なのかもしれない」
「そうか〜?」
あれやこれやと話し合っていると四方から人が来る気配を感じた。
「知り合いかい?」
「知らない」
40人は確認できるその人影は誰も彼もがエルフ特有の耳をしていた。
「ヒヒヒ!!お前が『亡影』かァ!」
「オシタランナ卿の仇だァ!!!」
「とか言ってるけどどうなんだい?」
「殺した…クソッタレのエルフを一匹」
「全く…」
槍を構える葉山とベオウルフを構えるハチマン。
「気の毒だけど喧嘩を売る相手を間違えたね」
「夜中だし静かにやるか」
「「かかれーーー!!!!」」
大勢のエルフが一斉に襲いかかってくるが2人は何も動じなかった。なんなら彼らの目は少し笑ってもいた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
一応考えているのが気休めに新しいクロスオーバー作品を書いてみようかなって思っています。
最近スターウォーズにハマってしまったのでしっかり勉強して書きたいと思っています。一応題名は決まってて『やはり俺が宗教法人の武力団体に入るのは間違っている』です。長いから変わるかもしれません。