FAIRYTAIL-イストワール・オブ・レイチェル-   作:瑠璃。

10 / 17
10.「合わさる二つの属性」

影での移動もして見せたレイチェルにローグは改めてあれが

自分自身の力を映した魔法であると感じさせられた。

 

「何ボーっとしてるんだよ。行くぞ」

 

ザハールに軽く背中を叩かれて我に返る。レイチェルは振り下ろされた

竜の拳を避けて刀を振り下ろす。一刀両断とまでは行かないが

惜しいところまで刃は入った。そこから抜けない。その様子を見て

竜はニヤリと笑った。もう片方の拳を振り下ろせば、こんな小娘は

簡単に潰せると。

 

「氷竜の(アギト)

 

たった一本の指で良い。それを挟むように上下から拳を叩く。

後は噛み千切るように拳を合わせればいい。竜は痛みで拳を引いた。

レイチェルは魔法を解き、一度距離を取ろうと跳躍した。

だが彼女の体を長い尾が薙ぎ払った。

 

「うぅ…ッ!」

「レイチェル!」

 

届かない。そして間に合わない。薙ぎ払われた先に迫っているのは

硬い壁だ。叩きつけられる直前にシュガーが彼女を掴んだ。

 

「っと、ありがとう」

「それはこっちのセリフです」

 

シュガーは笑った。

 

「ザハールを救ってくれたから」

 

その言葉を聞いてから再びレイチェルは竜に挑んでいく。竜の動きは

明らかに鈍っている。

 

「光天・ホーリーシュヴァリエ」

 

白い騎士は剣を両手で握り上に振り上げた。集まるのは光と風。

全員の視線が彼女に集まる。大きい刃は白く、そして淡い緑を帯びる。

 

「大地を照らす聖なる光、大地に吹き荒れる怒涛の嵐…竜を滅する

脆き人間の太刀を見よッ!!!」

 

―結合滅竜魔法「ハイリッヒテンペスト」

 

振り下ろされた刃は強い風を辺りに吹かせる。竜はその風と光に抗うも

勝つことは出来なかった。逃げることも出来なかった。

 

「逃すかよ。地面に足がついてりゃあ、そこは俺の領域だ」

 

ザハールは不敵な笑みを浮かべていた。

魔法を解いた後、フラフラとレイチェルは地面に座り込んでしまった。

一瞬だが意識を手放したのだ。

 

「大丈夫か。顔面蒼白だぞ」

「…ホントに?」

 

冗談かと思った。立ち上がろうとしたときに体がふわりと浮いた。

それはザハールがレイチェルを抱いたからだ。抱かれた本人は困惑、そして

恥ずかしそうな顔をしていた。

 

「…おんぶの方が良かったか?」

 

悪戯っぽく笑いながら発せられた言葉にレイチェルは首を横に振った。

 

「良いよ、このままで。でも重くない?私」

「別に。これでも力はある方なんでね」

「そうそう。ザハールは力だけはある方だからな」

「スティング、お前喧嘩売ってんのか?お前より力も頭もこちとら上だ」

「ンだとォ!!?俺が馬鹿みたいな良い方しやがって!!」

 

挑発に乗ってきたスティングの反応をザハールは大声で笑っていた。

大魔闘演武は無事に優勝することが出来た。そして世に放たれた竜たちも

無事に殲滅できた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。