FAIRYTAIL-イストワール・オブ・レイチェル- 作:瑠璃。
王城で開かれたパーティーには大魔闘演武の参加者が集まっていた。
レイチェルも青いドレスを着て参加していた。
「え、何の人だかり?」
たまたま近くにいたルーシィにレイチェルは声を掛けた。
「人魚の踵のカグラが、ね…」
人を掻き分けて前まで来るとレイチェルは目を丸くした。
カグラは人魚の踵最強の魔導士であり、冷静沈着な性格。
そんな彼女が酔った状態でレイに絡んでいた。
「何処に行くの~、ひっく!」
「あ、あのカグラさん。酔ってますよね?」
「酔ってなぁい!レ~イ~…!!」
カグラはレイの腰に両腕を回したまま離れない。抱き着かれた状態の
彼はどうすれば良いのか分からず、困っている様子だ。だが周りも
どうすればいいか分からないので眺めているだけ。
その集団が一気に動いたのはユキノの争奪戦。
様々なギルドが名乗りを上げて来たのだ。
「え、あ、あの…!」
「ユキノちゃんが行きたいところに行けば良いじゃん」
レイチェルは遠くから声を掛けた。
「レイチェル様!」
「ユキノちゃんは、何処にいたいの?」
レイチェルはマイクを向けるような動作をした。ユキノは少し目を
泳がせてから恐る恐る、後ろを振り向いた。そこには剣咬の虎の
魔導士たちがいた。それはつまり、彼女は剣咬の虎に戻りたいと
思っていると言う事。
「そういえば、レイチェルは誰かいないの?」
「誰か、って?」
ルーシィは悪戯っぽく笑って「またまたぁ」とか言う。
「そうですよ。レイチェルにだって色々話はあるじゃないですか。
レオンさんに、ザハールさんにレイさん…」
「いつの間に…。でも今は全然、この人が好きーとかは無いかな」
ルーシィとウェンディの期待は外れたようだ。
打ち上げパーティー、それは恐ろしいほど盛り上がった。
マグノリアに帰る前にレイチェルはレイに声を掛けられた。
「レイさん、また会おうね」
「はい。また会えるのを楽しみにしています」
レイチェルは彼に手を振ってから歩き出した。
レイもその背中を見送ってから手を下ろす。
「おやおやぁ?随分と良い感じじゃないか」
「ああいう子がタイプなんだぁ~」
「リズリーさん、ミリアーナさん…レイチェルとはそういう関係では
ありませんよ。友だちです」
リズリー・ローとミリアーナはその言葉を聞いてもニヤニヤと
笑っている。これ以上否定してもからかわれるだけなので否定することを
レイは諦めてしまった。
大魔闘演武終了後から本格的に剣咬の虎のマスターはスティングになり
彼らは大きく変化したらしい。
この大会を機に変化した魔導士は少なくない。
因みにザハールはかなり高身長です(190㎝)。