FAIRYTAIL-イストワール・オブ・レイチェル-   作:瑠璃。

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第二章「冥府の門編」
12.「町はずれの人形師」


妖精の尻尾に名指しで送られてきた依頼書。

レイチェル・ルミエール宛の依頼書を送ったのは

マグノリアのはずれに存在する静かな店。

 

「ここ、知ってる!ママとパパと一緒に行ったよ!」

 

アスカはレイチェルの依頼書を見てそう言った。

彼女は猫のぬいぐるみを見せる。ハッピーにソックリだ。

 

「人形師さんに作ってもらったの!」

「オーダーメイド?」

「えぇ。アスカの要望に応じてくれたのよ」

 

代わりに答えたのはアスカの母であるビスカだった。

人形師の名前はアラン・リデル。彼が切り盛りする店はマグノリアで

思いのほか有名な人形店ワンダーランド。

 

 

 

その店にやってきたとき、別のギルドの魔導士も来ていた。

スティングとローグとザハール、そしてユキノだ。

 

「そう言えば全部名前が書かれてたっけ…」

「レイチェル様はアラン様の事を知っていますか?」

 

ユキノの問いかけにレイチェルが答える。

 

「まぁ、少しだけ。ギルドが嫌いだから名指しで依頼書を

出したのかなって」

 

レイチェルがドアを開くと雪崩のように人形たちが飛び出してきた。

雪崩が収まった後、人形師が姿を現した。

 

「すまなかったな。さぁ、中に入れ」

「お、お邪魔します」

 

中に入ると壁際の棚やテーブルには人形が居座っていた。

ぬいぐるみもその中には混ざっている。ユキノたちもそれに興味を

示した。

 

「気になるのか。手に取っても構わないぞ」

 

ユキノは一体の人形をそっと手に取った。長い金髪に可愛らしいピンク色の

ドレスを着た人形がピクリと動く。

 

「い、今…動いたよな?」

「俺なら操れる。ほら」

 

アランの指の動きに合わせて人形は滑らかな動きでテーブルの上で踊り始めた。

 

「凄いです!アラン様!!」

「こっちは基本、売るために作った人形だ。これでも一応、魔導士の

端くれでね。ふむ、そうだな…」

 

ひょっこりと現れた人形には見覚えがあった。白いマフラーに桜色の

髪を持つ魔導士。特徴に当てはまるのはナツだ。ナツ人形は口を開けて

小さくも火を吹いた。

 

「あ、もしかしてスティングたちを呼んだ理由は人形作りのため!?」

 

レイチェルの推理にアランはただ笑った。

 

「お前たちはそこでゆっくりくつろいでくれれば良い」

「それだけでいいのか?」

「あぁ。レイチェルも、そこに座っていろ。俺が会いたかっただけだからな」

 

アランに作業机はレイチェルたちが座るテーブルの方を向いている。

彼は早速作業に入り出した。時折、彼らの顔を見たりしながら作るのだ。

作るのにそれなりの時間がかかる。その間に人形が色々なスイーツを

運んできた。

 

「あの、聞いてもよろしいでしょうか」

「ユキノか」

「はい。その、アラン様はどうして人形師に?」

 

アランは間を開けてから彼女の質問に答える。

 

「寂しいから…そう言ったら笑うんだろ」

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