ゆっくりと目が覚める。
寝ていた体を起こし体の調子を確認する。
異形の腕となった左腕の確認は念入りにした。
「よし帰るか。」
そう言って私は魔力を通して空間魔法を使い、自分の部屋に移動するのだった。
◇◇◇
自分の部屋に戻ると、時間は夜の10時を過ぎほどで、部屋は行く前より物が整理されている様な気がした。
「白音が掃除したのかな?勝手に掃除をするなんてらしくないけど。」
そしてそのまま私はリビングにいるであろう白音に会いにいく。
「ただいま、白音今帰った…?」
いつもなら元気よく飛びついてくる白音だか、今回はなぜだか口を開け、呆然としていた。
「え、え…うそ」
そう言って私に近づき体を触ったり、匂いをかいだりし始める。
「ちょっやめろって!」
「この匂い、この感じホンモノ?」
私が退けようとしても強く掴んで離してくれない。
けれどそのあまりの必死さに半ば諦めていた。
「本物だ、本物の黒ちゃんだ、やっと見つけた…」
そう言うと私の方に倒れ込む様にして、眠り始める。
「白音?」
少しどころではないほどに白音の体が軽い、
流石に異常だと思い始める。
そして、私は最悪な予想を立ててしまう。
「まさか!」
その予想を確かめるためポケットの中の携帯を開くそこには、あの世界に行ってから一年後の日付が表示されているのだった。
◇◇◇
「うぅ、ここは?」
そう言いながら目を覚ます白音
「白音の部屋だよ。」
「あ、あぁ」
私が声をかけると同時に私に抱きついてくる、それを私は優しく抱き返す。
「黒ちゃん黒ちゃん黒ちゃん黒ちゃん!」
「そうだよ、私だよ…」
私のことを呼びながらなく白音を慰める様に、そう言い聞かせる。
「今まで、いったいどこに行ってたの!私がどんだけ心配したか!どれだけ探し回ったか!どれだけ死のうと思ったか、いつもいつも…もう会えないかもって何度…」
そう言って、私のことを強く抱きしめながらそう叫ぶ。
「ごめん…白音、こんなの言い訳になるけど、私もこんなことになると思ってなかったの」
そうして私は白音にあの世界に行ってからの顛末を聞かせた。
その話が終わる頃には白音の涙も枯れ、過呼吸のままだが落ち着きを取り戻し始めていた。
「ごめん、謝って済む話じゃないのはわかってる。
だから、その、私にできることならなんでもするだから…私のことを嫌いにならないで…」
他者から嫌悪されるのはいい、けど白音に見捨てられる、嫌われる、軽蔑される、そんなことを想像し始めた私は、あまりの怖さに顔が青ざめていく。
そんなことになったら私は!
そう思った私は、できる限りの最大限を持って許しをこう。
「明日から私と一緒に寝て、一緒に起きて、一緒にご飯を食べて、お風呂に入って!もう置いていくのだけは本当にやめて…」
震えていた、私の手を白音が強く握りしめながらそう言う。
変わらないその手の暖かさ、その温もりに、安心した私は、緊張の糸が切れてしまい、もう枯れて出ないと思っていた涙が流れ始める。
「私を嫌わない?こんな約束をいっぱい破るこんな私を嫌わないでくれる?」
「私は、黒ちゃんを嫌ったりできると思ってるの!」
その言葉が今は何より嬉しくてたまらなかった。
そうして私たちは一年ぶりの再会を涙を流しながら喜んだのだった。
◇◇◇
そこから数日間は、私は日課の悪魔狩りを、白音は学校を休んで、一年という空いてしまった時間を少しでも取り戻そうといろんな場所に、遊びに出かけるのだった。
次の話は序章後半の話の続きになります、わかりにくくてすいません。
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