仮面の悪魔少女   作:Sakina

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5話

白い花が辺り一面に咲き誇る平原に

二人の悪魔が、武器を手に向き合っている。

方や、煌びやかな衣装に身を包み、圧倒的なほどの魔力を発する杖、6枚の蝙蝠ような羽に、黄金の肉体を持ち、頭の上に王冠をかぶる、魔王と呼ばれた悪魔。

もう片方は、私がよく知る、仮面をかぶり、赤い剣を振るう、仮面の悪魔ペルソナ

黄金の悪魔の魔法によってその戦闘の火蓋は切られた。

そこからの戦闘は恐ろしくも、凄まじい物だった。

黄金の悪魔がそれこそ何百何千の敵を葬り去れる魔法を使ったのならばそれを赤い剣で尽くを切り裂きながら接近する。

方や、赤い剣と空間魔法を組み合わせながら魔法を切り裂き、接近戦を仕掛ける悪魔に対し、その尽くを、未来を見ているかのように避け、いなし、あまつさえ魔法による反撃までもを行う。

そんな、異次元の様な戦闘もいつかは、終わってしまう。

ペルソナが、魔王の胸へ、剣を突き立てる、それでこの戦いは、決着だった。

だが、ペルソナもまた全力を出し切り、立つことすらできないほどに衰弱しており、血は身体中滝の様に流れていた。そして、その後ペルソナは、起き上がることはなかった。

それを嘲笑う全ての元凶が目の前に居たとしても。

 

◇◇◇

私は、目を覚ます。

いまだに怠い体を起こし、時計を確認すると10時を超えていた。

そしてわたしは、今見た夢を思い返す。

 

「はぁー全く寝ている時くらい休ませてほしい…」

 

そう愚痴ってしまうのも仕方がないと思う。

時より私はペルソナの過去を夢で見る。

だがそれがあまりにもリアルなため、寝ているはずなのに体が全然休まらないのである。

 

「あれがペルソナの最後、魔王との一騎討ち…やっぱ強すぎじゃないかな…あの二人、ほんと。」

 

方や空間を抉ったり、跳躍したり、圧縮したりをほぼノータイムで放ったりできるほど空間魔法を究めており、なおかつ剣技にいたっては、振った、その数秒後に音がやってきたり、目に見えない速度で飛んでくる魔法を切り裂いたりとそんな馬鹿げたことすらできてしまうほど。

そして、それと対等に戦ってる魔王に至っては、時間を戻す以外は基本なんでもできるっていうチート野郎、なおかつその一個一個技能が、ペルソナの剣技級…魔王を名乗るだけあるよほんと…

 

「普通にこいつら二人で、妖精の世だろうが人の世だろうが簡単に侵略できそう…」

 

そう思ってしまっても仕方ないだろう?

 

「ま、今日私はその戦いのあった場所に向かうだけどね」

 

1年間の修行(悪魔狩り)によってついにペルソナの死体の場所に行くことができる様になったのである。

いやはや我ながら凄まじいほどの成長速度である、

いや?これはペルソナに近いずいるとみるべきだろうか?

まぁどちらでも構わない。

服を着替え周りを確認しペルソナの力を解放。

その後、死体があると思われる場所に魔法陣をつなげる。

 

「白音に置き手紙とかしとくべきかな一応。」

 

今日のことを白音には伝えてはいない。

そのため、もしも帰ってくるのが遅くなることになる時のことを考え、「少し帰ってくるのが遅くなります」とメモ帳に書いておく。

 

「よし、こんなもんかな?」

 

手紙を書き終えさぁ、

 

「いざご対面と行きますか…」

 

私は魔法陣へと飛び込んだのだった。

 

◇◇◇

飛び込んだ先は、今日の夢に出てきた場所と瓜二つの場所だった。

 

「よーしこのちかくにあるっ」

 

目の前に迫る拳、それを私はなかば直感で回避する。

あっぶねぇ!

 

「ほお、今のをかわすか、よいな!」

 

そこには、3メートルほどの巨人が仁王立ちをしていた。

あぁ、わたしはこいつを知っている。

 

「剛腕のグラーデ…」

 

「いかにも我は闘争と剛腕の悪魔グラーデである!」

 

やはりと言うべきだろうか、私はこいつをペルソナの記憶で何度か見たことがある。

闘争と剛腕の大悪魔グラーデ、圧倒的なまでのパワーで城の壁を吹き飛ばし、圧倒的なまでの防御力で何百という魔法をも受け止め、敵陣深くに単騎で突撃できる戦闘能力を持つ。だが周りの言葉を聞かず、強そうな奴を見つけたら敵味方関係なく突撃してくるバトルジャーキー。

故に、単騎で運用するのが基本だった。

 

「フハハハ、ただの墓荒らしに対する見張りなんて言うつまらん仕事を押し付けられたと思っておったが!貴様の様な面白き存在と出会えたこと、なんと良き日か!」

 

なるほど、確かに墓荒らし、つまるところ現魔王こと狂気の悪魔の証拠を隠すために、それなりに強くなおかつ痛手では、あまりない、自由に動かせる大悪魔こと、こいつを見張りに選んだと言うわけだろうか?

 

「邪魔をするつもり?私は今すぐにペルソナの死体のところに行きたいのだけれど?」

 

「ふむ、なるほどだが、その言葉には誤りがあるぞ?」

 

「え?」

 

「貴様が今のペルソナであり、あれは、元ペルソナ、もうその名で呼べぬ抜け殻よ…」

 

なるほど確かにそうか、ペルソナは、私に全てを託したってことは、名前までもってことか…

 

「そんなのはどうでもいいこと、そこを通してくれないかな?」

 

期待していないが一応聞いておこう。

 

「否、我が請け負った仕事はこの場の防衛、故侵入者である貴様を殺す。そもそも仕事でなくても貴様を逃すほど我闘争の名は伊達ではないわぁ!」

 

そう言って私に一気に近づく!

やばっ

私は即座に赤い剣で防御した、だが

 

「甘いわぁ!」

 

その剣もろとも私の体を吹っ飛ばす。

なんて、怪力!わかっていたけれども!

うまく受け身をとり、そのまま体制を整え、そのまま敵の後ろ死角に転移、そしてそのまま脇から首へ、袈裟斬り。だが

 

「ふっ!」

 

まるでわかっていたかの様に裏拳が飛んでくる。

剣を振り始めていた私に防御することができず、そのまま頭をぶん殴られる。

かなりの距離を吹っ飛ばされた。

私は、痛む頭を抱えながら立ち上がる、血が流れているのを肌の感触で感じとる。

だけれど、今ので目が覚めた。

私は剣を構え直す。

初めての強敵、死ぬかもしれないと言う恐怖、それら全てが私を急速に成長させる。

剣を持って正面から打ち合う。

最初は防戦一方だったが、だんだんその拳の速度に追いついてくる様になってくる。

時おり左手を強化し、足りぬ手数を補ったりと、そんな攻防を続けて何時間経とうとしているのだろうか?

 

「はぁはぁ…」

 

やはりと言うべきか、体力の方が先に底をついた。

立っている事すら辛い。

 

「フハハハ、楽しかったぞ小娘!その圧倒的な成長速度見ていてとても良かった、後数分あれば我をも上回るほどとは、だがこれで終わりよ!」

 

そう言って左手に魔力を貯めゆっくりと私に近づく。

あ、これ死ぬは

そう自覚してしまう、だが

 

死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない死ねない

死ぬわけには、いかない!

 

まだペルソナとの契約を為し得ていない!

そして、それ以上に!

まだ、白音と一緒にいたい!

あの約束を破るわけにはいかない!

だから、死ねない!

一種の生存本能が今できる私の最善手を見つけ出す。

文字通りの一発逆転、奇策であるうえ、成功したことがない技まで使う。

だけど、この戦いで成長した今の私なら!

目の前に迫る拳と言う名の死

それを私は何も身体を強化せず、そのまま左手で受け止めようとする。

 

「なっ!」

 

強化していない手が、馬鹿げた怪力から繰り出される拳に当り、腕ごと引き千切れる。それが狙いだ

あまりの予想外の出来事にその腕ごと体を殴り飛ばすつもりだったグラーデは、思考が一瞬止まる。

その隙があれば十分!

私は剣に魔力を纏わせる。

これはペルソナが最も得意とした技にして、私が知っている限り最強の攻撃、空間ごと切り裂く、防御が意味をなさない、あらゆる物を切り裂く魔剣技!

その技を今再現する!

 

「万物を切り裂け、魔剣ヨハテ!」

 

一閃

その刃は、言葉通り、無防備だった敵の首を、なんの感触もなくいとも簡単に断ち切った。

ぼとりと首が落ちる。

それを確認し

 

「この戦い、私の勝ちだ」

 

そう呟いて、その場を後にするのだった。

 

◇◇◇

その後、かすかに残っていた魔力を総動員して千切れた腕の傷を癒す。

止血くらいは、できた。

さて、ペルソナの死体の場所に向かいますかね

その後、30分ほど歩いた先に目的のものが見えくる。

今なお、朽ず残るペルソナの死体、私はその死体についている仮面に触れる。

その瞬間、私の意識はプツリと途切れてしまう。

◇◇◇

「またここに連れてきたってところ?」

 

そう私が言うと、虚空からペルソナだった物が現れる。

 

「貴様には、もうわかっていると思うが我はただの残滓、死体に残るほんの少しの魔力と脳に残るほんの少しの意思が貴様に干渉しているにすぎん」

 

そう言って私に手を差し出す。

 

「貴様がやろうとしていることは、わかっておる、この残滓とて、ペルソナの一部、貴様の力になるだろう持っていけ」

 

「えぇそうさせてもらう。」

 

そう言って差し出された手を私はとる。

 

「ついでだ、残っている死体も有効活用してやろう」

 

そう言うと、紫色の粒子が変化したと思うと、左腕があった場所に集まりはじめ、形を成す。

 

「元は、武器にでも変化させる予定であったが、これの方が今の貴様には必要であろう?」

 

こいつは、今の私の千切れた左腕を見て現実にある自分の死体を材料に新しい腕を作り上げたのだ。

新しく生み出された、左腕を握ったり開いたりして違和感がないか、を確認する。

 

「その左腕は、我が死体より錬成し生み出した物、魔力を通すことで形を変化させることも可能にしてある。有効に使え。」

 

その言葉を聞き、試しに魔力を通して、腕を剣の様な形をに変化してみる。

 

「これは、すごいね」

 

腕を失った時は、これからどうしようかと思っていたが、これなら、うまく使いこなせる様になればかなりの戦力アップである。

 

「ふむ、そろそろ時間か」

 

「そうだね」

 

ペルソナだったものは、私にこう告げる。

 

「今より貴様は、ペルソナの力を完全に受け継ぐ、その力を持ってどうか、我が望みを復讐を為してほしい」

 

そう言い切るとそのまま、紫色の粒子を残しそのまま天に帰る様に消えていった。

 

「私は大切な人を守るだけ、でも、あなたの名を継いだ以上、ちゃんと殺してあげる。私もあなたの記憶に何も思わなかったわけじゃ無いから」

 

その粒子を受け取った、新しきペルソナは、そう言葉を残し、その場から立ち去った。

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