こうやって作品に対して、様々な反応をしてくださる皆様に感謝を…。
さーて次回は煙草の謎に触れると言ったな?
あれは嘘だ。
いや違うんです!ブラウザバックして評価1付けないで!
煙草の謎には少ししか触れられなかったのは申し訳ないです。
…ただ小出しにしているのではない…とだけご理解を…。
あの使徒との死闘から数日…検査入院を終え、我が家と帰ってきた。
ミサトさんに掃除を任せていたのだが、案の定ゴミ屋敷と化していた。
その
まったく…これで今までどうやって生きてきたのか不思議になる。
「これは気合い入れて掃除しないと…」
目の前に積み上げられた生ゴミと空き缶の壁を前に順序を考える。
効率良く仕事しなかったら冗談抜き日が暮れてしまうだろう。
「…その前に一回煙草吸おっと」
この高難度ミッションを前にとりあえず一服するべきだろう…きっとそうだな、うん。
そう自分に言い聞かせポケットから紫色の箱を取り出した。
「ヤニがなくては戦は出来ぬ…ってね」
一人きりだからこその戯言を呟きながら煙草を口に咥える。
そして取り出したるオイルライターで火をつけ…ん?ライターから火が出てなくない?
カチッカチッ…とフリント・ホイールを何度も転がすが、火花を散らすだけで火は起こらない。
「あれ…オイル切れ…?」
そういや長らく補充してなかったな…。
向こうで暮らしていた頃は切らしたことなんて無かったのに…まあ補充すれば良いだけか。
ん?その変えのオイルってどこに…と部屋中を探すが見つからない、というより買った記憶がない…。
もしかして…
思い出されるのは、忙しさや実験での疲れを言い訳に買い物に行かなかった記憶のみ。
最悪のパターンを想像してしまい思わず口から煙草を落とす。
一縷の望みにかけて自分の部屋へと駆け込み机の中をひっくり返して探すが、買ってないのが見つかるはずもない。
床に膝から崩れ落ちる。
『
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タール8:パターン黒
「意外!シンちゃんしっかり者だからそーいう買い忘れとか無いと思ってたわ」
「多分…前住んでたとこでは買い置きしてたせいだと思います…はあ…」
帰ってきたミサトさんに作り置きのつまみを出しながら、出来合いの弁当をつつく。
なんとか掃除は終わらせたが、その頃には料理する気力はとっくに失せていた。
先の一件(オイル買い忘れ)がミサトさんは意外だったみたいで伝えたときは目をぱちくりさせていた。
「私もずぼらなとこ”ちょっち”あるけどこのエビチュだけは切らしたことないわよ!」
「まあ…でしょうね…」
そういうと愛おしそうに缶を撫でまわした。
…流石にちょっと絵面が痛々すぎて思わず目を背けた。
「まあいい機会だし、このタイミングで禁煙でも…『無理です』あ、はい…」
ミサトさんの提案をきっぱりと断る。
それだけは出来ない相談だ。煙草をやめるなんて考えたくもない。
2人の間に微妙な空気が流れる。
ミサトさんが上目でこちらを見てくるが、無視してお茶をすする。
「…あのさちょっち疑問なんだけど」
沈黙が耐えきれなかったと言わんばかりに口を開いた。
「どうしたんですか?」
「シンちゃんはそのオイルライター使ってるわけだけど、ぶっちゃけ普通のライターのほうが使いやすくない?」
「使いやすいかどうかで言うなら、ミサトさんの言う通り使いにくいですよ。オマケに高いし」
ミサトさんの質問に正直に答える。
いつものオイルライターとさっきコンビニで買ってきた普通のライターを机に並べる。
確かに煙草に火をつける点だけを見るのなら、100円のライターで事足りるだろう。
オイル交換代も馬鹿にはならないし、もし無くしたりでもしたら目も当てられない。
「じゃあなんでそっち使ってるの?もしかして誰かからの貰い物だったり?」
「いやこれは自分で買いましたよ、確かここに来る前の年くらいに」
手のひらでカチャカチャと転がす。
オイルライター好きなら誰でも知っているロゴがメタリックに光った。
「まあ理由って理由は無いですけど強いて言うなら…」
「強いて言うなら?」
「カッコいいからですかね」
「…さいですか」
「あともひとつ言うならそっちのほうが美味しく感じるんですよね」
ミサトさんは何とも言えない顔を浮かべる…まあこのカッコよさは女の人には分からないだろう。
この前オペレーターのお三方に見せたら、青葉さんと日向さんは分かってくれたけどマヤさんには苦い顔をされたし。
「ということで明日朝から出かけます。ミサトさんオフでしたよね?」
「ええ、だから出かけるときは静かによろしくねん」
「分かりました、朝ご飯は冷蔵庫に入れとくんで。じゃあそろそろ寝ます」
時間はまだいつも寝る時間ではないが、これ以上起きていると煙草が吸いたくなってくるので明日に備えて寝ることにする。
目的のものは、ネットで調べたところ少し離れた複合商業施設に売っているらしいので少し早めに家を出る必要があるのだ。
「あ、シンちゃん!明日1人で行くの?」
「え、まあそうですけど…何でですか」
ミサトさんの言ってることが良く分からず聞き返した。
「そこのお店以外にもいろいろあるのよね、フードコートとかゲーセンとか」
「ええ、あるにはありますけど」
「じゃあ丁度いいわ!それレイも連れて行きなさい、お小遣いもあげるから❤」
「…は?」
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NERV本部の中、一際広い部屋がある…だが職員はその部屋に近づこうともしない。
理由は1つ、皆その部屋の主を怖がっているからだ。
そんな部屋に平気で訪れるものなど、2人しかいない。
今日の来客は白髪の老人であった。
「碇、本当にこれでよかったのか?」
『将棋ノ戦法』と表紙に印刷された本を読みながら、その部屋の主、碇ゲンドウに言葉を投げかける。
黒いサングラスをかけ、腕を組んでいるその風貌は普通なら威圧感を与えるが、冬月はもちろん何とも感じていない。
「……赤木博士からの提案は納得できるものだった」
「『レイと接触させることでサードチルドレンの喫煙を止める』か…確かに理に適ってはいるな」
第三使徒サキエル、第四使徒シャムシエル戦において、サードチルドレンこと碇シンジが煙草の求める動きが目立っていたのは冬月も知るところだ。
それの影響が予算面にも出ているので、ゼーレからも忠告を受けていた。
だが先日の第五使徒戦において、その素振りを一切見せずに使徒殲滅を完遂したのだ。
「葛城一尉に聞くところによると、やはりレイが関わっているらしいな」
「…ああ」
「それを利用して煙草を止めさせるとは実に彼女らしいと言える」
「…ああ」
冬月が喋り、ゲンドウは返事をする。
いびつな光景だが、もうこれを10年以上続けている関係からすればこれが普通なのだ。
「…それにお前も息子が
ゲンドウがピクリとだけ動いた。
(図星か…本当にこの男は…)
冬月は大きくため息をついた。
「ワシはな…正直彼がスパイではないと思っている。だが利用されとる可能性は高いだろうな」
彼が持つ正体不明の煙草…あの”Evangelion”の文字を見た時は流石に驚いた。
あの碇があんなに驚いたのはいつぶりだろうか…
しかしよく考えれば、いち中学生が煙草を購入できるだけでもおかしいのに、箱や中身に小細工など出来るはずがない。
あの文字も、あの色も、煙草の製造年月も、彼の裏にいる『ナニ者』かが我々を挑発してるとも考えられる…。
「結局はあれが煙草さえ止めればすべて解決する。その為にレイを使うことなど、我々の目的に比べれば些細なことだ…」
「それで息子に嫌われても…?」
「…シンジはもう俺のことを父親などと思ってないだろうからな」
なら何故彼はお前を父さんと呼ぶのだ…そう口から出かかった言葉を飲み込んだ。
この男が聞くはずもないし、何よりもうとっくに引き返せない所まで来ているのだ…それを言うには今更過ぎる。
「まあ何にせよ、今日上がる諜報部の捜査結果次第だな」
「ああ…結論を出すのはそれからでいい」
そういうとゲンドウはサングラスを押し上げた。
その言葉を聞いて、陽も済んだので本を閉じて立ち上がる。
「ならワシはもう帰るよ」
返答はないが、いつも通りだ。
「あ、そうだ碇。今日はレイとシンジ君が遊んでいるそうだが…もしこの計画でレイが
「その時はまた
その時今日初めて碇は笑顔を見せた。
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シンジは1人電車に揺られていた…
横を見ると綾波がお行儀良く座っている。
(恨むよミサトさん…それに金に釣られた自分)
前日のミサトさんの提案に最初は反対だったが、何と1万円も小遣いをくれるというので思わずOKしてしまったのだ。
エヴァの操縦なんちゃらでお金もらってるけど、ミサトさんに言われて貯金してるからつい…。
「あー綾波ごめんね?こんな事についてこさせて…」
「別に構わないわ。これは私が言い出した事だから…」
「ふーんそれなら…ってええ?!」
「碇君、電車では静かにしたほうがいいと赤木博士から聞いているわ」
確かに周りの客は僕たちを見ているが…それどころではない。
「そ、その私が言い出したってホント?」
「ええ」
「そ、そうなんだ、アハハ…」
(それってデートじゃん!!…でもなんで?)
確かにあの時仲良くなれた気はしたけどさ…そんないきなりは…。
シンジはパニックになっているが、答えは出ない。
それもそのはず、レイは嘘はついていないが真実でないからである。
あの使徒との激闘の後、レイはシンジに興味を持った。
それを言葉のまま、シンジと一緒に暮らしているミサトに伝えたところ、持ち前の下世話が発揮。
シンジとのデートを画策していたところ、リツコがさきの『レイを使ってシンジの煙草を止めさせる計画』のため一枚噛んだのが真相である。
勿論そんなこと両名知る由もない。
(どうしよう…今日綾波の顔まともに見れそうもないよ…あまり今日は話さないようにしよう…)
(碇君のことを知るにはとにかくお話しするべき、と葛城一尉が言っていた。今日は碇君とたくさんお話しするわ)
片や中学生らしい勘違いを見せ、片や純粋に年長者の
もしミサトがいたのなら涎を垂らしながらこの光景を見守るだろう。
「碇君」
「ん、ど、どうしたの?」
「好きな色…何?」
「へ?あ、ああ紫とか青とかの寒色系が好きかな」
「そう…」
沈黙…
「碇君はどんな食べ物が好き…?」
「ま、まあどっちかっていうと食べるより作るほうが好きだから…強いて言うならラーメンかな?」
「そう…」
沈黙…
「碇君は何してるときが一番好き『煙草』…そう…」
沈黙…
そんなやり取りを十数回…電車は目的の駅にたどり着いた。
「つ、疲れた…」
「どうしたの碇君…疲弊してるような気がするわ…」
「い、いや何ともないよ!綾波の気のせいじゃない?」
「そう…ならいいわ、行きましょう…」
本当はもう帰りたいぐらい疲れていたが、あえて気丈に振る舞った。
スタスタと歩いていくレイを重い腰を上げて追いかけた。
「ふ~んなるほどねえ?それでそれで?」
「すいません葛城一尉、これ以上は話さないと碇君から”お願い”されたので…」
「えーこんないいとこで!?シンちゃんも抜け目ないわね…」
後日そんなやり取りがあったとか…
勿論その後バレてビール禁止を喰らったのは言うまでもない。
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閑話
あのデート?の後シンジはレイを家へと送っている最中だった。
「ねえ碇君。煙草ってどんな味がするの…?」
「うーん説明しにくいなあ。何ていうんだろ…ミントっぽいんだけど爽やかって感じじゃなくて、刺激的な部分だけを残した感じかな?」
ポケットから箱を取り出す。
「…ごめんなさい、分からなかったわ。ミント…知らないから…」
「いや僕の説明が悪かっただけだよ」
そこから少し無言で歩いていたが、綾波は明らかに煙草が入ったポケットを見ている。
「…もしかして吸いたいの?」
まさかと思いそう聞くと、こくんと首を動かした。
しまった…と後悔するがもう遅い。
自分が未成年喫煙で健康を害しようが別に構わないが綾波は違う、吸うべきではないのだ。
しかし元来お人好しであるシンジは断る選択肢が無かった。
(そうだ!こうしよう!)
そんなシンジが思いついた作戦は『初めてで、肺まで吸い込ませる』だった。
綾波には苦しい思いをしてもらうけど喫煙者になるよりましだろう…そう考えると、後は上手いこと綾波に説明するだけ。
煙草を一本綾波に差し出す。
「それを咥えて…そうそう。僕が火をつけたら思いっ切り吸い込んで!」
「分かったわ…」
勿論綾波は疑うはずもなく頷いあた。
(綾波ごめん…!)
シンジは煙草の先に火を近づけた。
…ここで余談ではあるが、綾波レイはエヴァパイロットとして様々な訓練を受けてきた。
なので一般人と比べて、様々な要素で優れているのだ。
『
レイが深呼吸の後、本気で息を吸い込んだ。
瞬間、ボウ!と音と火花をまき散らしながら、先端がみるみるうちに灰になっていく。
「ちょ!ちょっと綾波!ストップ!」
3分の2ほどを残して火の進行が止まった…勿論その煙の行方は…
レイの鼻と口からものすごい勢いで煙が飛び出した。
啞然とするシンジを前に綾波は一言。
「不味いわ…」
サードチルドレン:碇シンジの煙草の検査及び調査結果 緊急
先日の話に合ったあの煙草を購入したものについて調査した結果
『全てダミーの個人情報』だったことが判明しました。
緊急で報告するべきだと思いましたのでご連絡を。
何かわかり次第すぐに連絡します。
使徒との戦闘描写について ご協力をお願いします。
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増やしてほしい
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そのままでいい
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どっちでもいい