ЯeinCarnation   作:酉鳥

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Document:設定資料

 用語や設定集をまとめたものです。

※Lord of Herenに新登場した用語や設定の情報のみとなります。 

 

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【街&施設:人間】

~アクレイド~

 丸太の防壁に囲まれ、外部との繋がりを遮断した奇妙な村。足切り沼によって湿気が強く、じめじめとした空気が流れている。

 

~足切り沼~

 濁った水と腐敗した泥が混ざり合った沼。

 沼の中へ足を踏み入れると、ネバネバした泥が足に絡みついて身動きが取りにくくなってしまう。かつてはどこにでもある無名の沼だったが、村人たちが人魚の姿を見かけたことで『人魚の池』と名付けられていた。

 しかし両足を切断された死体が浮かぶ事件が起きたことで、人魚の池から足切り沼と呼ばれるようになった。

 

~イゾーレオリヴィア諸島~

 ロザリア大陸の北側にある諸島。

 元々は小規模な島国だったが、何千年も前に島国中央にある火山の大噴火によって地盤が崩壊し、七つの島となって散り散りになった。それぞれの島の名前はゼロ時の位置から時計回りに紹介すると以下の通りである。

・サリア島

・カルブノ島

・ロムスト島

・リパ島

・レアナ島

・リフィ島

・ディア島

 これらの名前は小説である『黒薔薇の冒涜』を執筆した著者によって名付けられた。……と言われているが、正確には世間がこの小説から名前を流用して名付けたのが真実である。

 七つの島の中でもリパ島はリゾート地として有名であり、グローリアに住まう人々が身体を休めるために訪れることが多々あるだとか。

 

~眠り姫の書庫~

 グローリアから東に位置する廃棄された大図書館。

 東西南北には何重にも連なった棟が広がったおり、地下室も五階以上の深さがある。そしてどの部屋にも本棚と無数の本が保管されている。

 ここには予知夢や夢を見ることで敵国や吸血鬼の情報を集められる王女が住んでいたとされる。王女は夢で見たことを忘れないよう、人生の大半を書庫で過ごし続け、本に夢で見た内容を書き続けたらしい。

 だが実際は人間たちに利用されていただけで、書庫に生涯閉じ込められて地獄のような日々を送らされていた。

 

 

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【用語集:人間】

一恋一夜(いちれんいちや)物語~

 アクレイドに伝わる見習い漁師の青年と美しい人魚の伝承。実話か伝承なのかハッキリとしなかったが、ミザリーの存在が発覚してからは実話となった。

 内容は以下のようなものである。

 ♦♦♦♦♦♦♦♦

 何十年も前、アクレイドに一人の青年が住んでいました。その青年は父親の家業を継ぐ漁師でした。南西にある海岸まで出向いて……漁業に励む毎日。

 そんなある日のことです。青年がいつものように魚を捕っているとき……上半身が人間、下半身が魚の女性を引き上げました。

 瞳は真珠のように綺麗で絶世の美女とも呼べる女性。青年はその姿を見て……彼女が『人魚』だとすぐに理解します。

 

 その人魚の名前は──Misery(ミザリー)

 出会った二人は互いに一目惚れして、毎日決まった時間に決まった場所で会うようになりました。けれど時間が経つにつれてもっと一緒にいたいと望むようになります。

 

 ですが人魚は水のある場所じゃないと生きられません。

 そこで青年は村人に黙って村にある池まで人魚を運ぶことにします。これで互いに会える時間はもっと増えて、二人はより惹かれ合っていきました。

 

 しかしとある日、子供たちがたまたま人魚の姿を見てしまいます。その日から日に日に見られる回数が増えていき、名前のない池は『人魚の池』と呼ばれるようになりました。

 ついには、青年と人魚が会っているところを村人に見られてしまいます。人魚は吸血鬼と同じように災いを呼んだり人間の敵になるかもしれない。

 

 村人は青年へ「もう人魚と会うな」と忠告されました。青年はその日から人魚と会うことはしませんでしたが……それは数ヵ月だけ。彼は約束を破って人魚の池にまた行ってしまいます。

 

 青年は驚きました。

 奇妙なことに人魚の池が真っ赤に染まっていたのです。真っ赤な池にいるのは人魚のミザリー。下半身を切り捨て、青年を待っていたのです。

 彼女は青年にこう言います。「自分は人魚だから人間の足が付けば、ずっと一緒にいられると思って自分の下半身を切ったの」と。

 

 しかし青年は恐怖のあまりその場から逃げ出し、二度と人魚の池に顔を出さなくなりました。人魚は必死に彼の名を叫びますが、まったく振り向いてもくれません。

 次の日のことです。不思議なことに人魚は姿を消してしまいます。おかしいと思った村人たちは「池に人魚の死体があるんじゃないか」と数人で捜索を始めましたが……その村人たちはどうしてか行方が分からなくなります。

 

 そして数日経過した頃に、村人の死体が人魚の池に浮かんでいました。奇妙なのは死体の状態です。女性は上半身だけの死体で、男性は首を切り落とされた状態で見つかりました。

 村人たちはこの一件で「人魚が生きている」と「人魚の仕業だ」と騒ぎ立てます。その出来事から人魚の池へは誰も近寄らず、誰も手入れもしなくなり……腐敗した泥水が溜まる『足切り沼』と呼ばれるようになりました。

 ♦♦♦♦♦♦♦♦

 

~生存本能:(うつ)(かがみ)

 イザード家の生存本能。

 開花すると何者にでもなれる力。その対象は人間だけに留まらず、吸血鬼や黒薔薇の使徒にですらなれる。唯一のデメリットは肉体の強度はその者になれないということ、一人の対象にしかなれないことである。

 眠り姫の書庫でアリスが生存本能を使えなかったのは、既にティアナを投影していたためである。

 

~ノエル症候群~

 イザード家の始祖であるノエル・イザードが初めて患ったとされる病。

 この病は本当の自分を見失う症状。接触した他者の人格を自然に吸収してしまい、本当の自分がその人格であるかのように振る舞ってしまう厄介な病。

 物語の中ではアリス・イザードが患っていた。

 

 

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【吸血鬼:人物集】

~人魚ミザリー:足喰らい型~

 ストーカー卿に改良された人魚。

 足切り沼の底を住処にしており、沼の中へ足を踏み入れた者を狩る習性を持つ。藻屑のような黒い髪は一本一本に生命が宿っているため、自由に縮小できるだけでなく、対象を捕獲することもできる。

 捕獲した獲物は沼の奥底へ引きずり込み、女性なら両脚を、男性なら首をまず切り捨て、体内へ腐敗した泥を詰め込み、水面へ死体を遺棄する。人間の言葉を理解できるが、言葉を発するのは困難らしい。

 

~人魚ミザリー:村喰らい型~

 大型のフグのような見た目をした形態。

 膨らんだ腹の部分に集めた人間の脚が張り付けられている。背中は頑丈な鱗で覆われているため、そう易々と刃も弾丸も通さない。

 膨らんだ腹部は柔らかいが、物理をものともしない弾力性と刃を通さない頑丈さを持つ。そのため中途半端な攻撃はすべて弾き返されてしまう。たとえ刃が通ったとしても、血液が強力な酸となっているため重傷は免れない。

 獲物を捕食する際は上顎と下顎の関節を外し、ヤスリのような牙で肉体へ喰らい付く。捕食されると神経毒を流されるため、そのまま喰われていく自分の姿を死ぬまで目の当たりにしなければならない。

 

~眷属ミザリー:ヒト型~

 完全なヒト型となった形態。

 美しい黒い長髪とムダ毛も荒れもない(つや)の良い肌や、深海のような深々とした色合いを持つ瞳を持っており、まさにミザリーが望んでいた絶世の美女とも呼ばれる姿。

 美しいだけではなくその力は絶大。吸血鬼の伯爵を優に越える怪力と素早さを持つため、蹴りを放てば衝撃波で地面を抉り、大木を薙ぎ倒すことができる。

 ストーカー卿に与えられた番号は『SK_05283』。

 

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【異世界転生者:奇術】

符響(ふきょう)心海(しんかい):念動~

 オトゴト・ハジメが所持していた奇術。性質は念動。

 手に触れた物質から特殊な音波を放つことができる力。ある程度離れても機能するため、ハジメは探知機として使用していた。本人は使おうとしていなかったが、特殊な音波を浴びせた人物を自由に洗脳もできる。

 作中で異世界転生者たちの身体が動かなくなったのは、自分の意志を失う寸前にハジメが自分へ所持している物質に奇術を付与していたから。レプシーの支配を上書きして、自分自身を洗脳して抗っていた。 

 

一気通貫(いっきつうかん)~:貫通~

 スギウラ・タケシが所持していた奇術。性質は貫通。

 手に触れた物質を自分の意志で壁の向こう側へすり抜けさせることができる。障害物となる物質に呪印が加護が付与されていても、必ずすり抜ける力。

 

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【黒薔薇十字団:人物集】

~異世界転生者:見開き型~

 頭部の代わりに見開きの本が生えた……呪印によって生まれた怪物。全身から触手のような茨が生やし、先端にあるペン先のような鋭利な矛先で攻撃してくる。

 ペン先を獲物の肉体に突き刺し、吸血した血を使って見開きの本に予知を書くことができる。その予知は血の所有者へ降りかかってしまう 

 

~茨姫レプシー~

 黒薔薇の使徒No.10を任命された少女。

 逸話として語られていた王女、つまりかつての眠り姫本人であり書庫の所有者。自分を利用した人間たちをひどく憎んでおり、黒薔薇十字団を指揮するマニアと出会ったことで、復讐のために百年以上の眠りについていた。

 

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【黒薔薇十字団:用語集】

残夢(ざんむ)の呪印~

 レプシーがマニアから授かった呪印。その力を強めていくことで『不死の肉体』や『予知夢』の力を扱える。黒薔薇の開花を遂げれば『加護の遮断』『予知夢操作』をすることも可能になる。残夢の呪印を強めるための儀式は『百年以上もの睡眠』。

 人生の大半を現実ではなく夢の中で過ごすことで、夢と現実を逆転させ、予知夢などを現実のものへと変えることができる。

 

 呪印が消える条件は『現実と夢を反転させる』ことである。

 つまり夢で生きた以上に現実で生きていれば呪印は消滅してしまう。だが百年以上も眠っていたレプシーが、人としての寿命を迎えるまでにその時が訪れないため、呪印の欠点は完全に消えているのと同等である。

 

 




♦作者からの連絡:2025/04/21/
 次回からは11章が始まります。
 舞台は2年後の世界。アレクシアが留置所から釈放され、主人公として戻ってきます。二年後の世界で何を見るのか、誰と出会うのか、そして相棒だった彼はどうなっているのか……楽しみにしておいてもらえると嬉しいです。
 ただし来週に更新するかは不明です。余裕があれば来週すぐなので、気長に待っていてもらえると助かります。
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