マギアレコードRTA noDLC みかづき荘チャートAny% 作:なぁ……相撲しようや……
「あたしの知るマミさんは、こんな事をするような人じゃなかった。こんな、何もかもを壊すような事を!」
「いいえ、壊してなんていないわ。造り替えているのよ。魔法少女というシステムを。その為にまずは神浜にいる全ての魔法少女を壊さないといけないのよ。美樹さんなら分かってくれるでしょう?」
いいや、分からない。
マミさんは相変わらずだった。いつもの衣装とは違う妙な衣装に身を包み、そしてマギウスという組織に加担している。あと今回は変なゴーグル付き。
マギウスは確か、魔法少女を救う事を目的にしていたはず。それがなぜ魔法少女を殺すという暴挙に出たのか、全く分からない。マミさんはその必要があるという事を訴えることしかせず、具体的な話は何もしてくれない。
「マミさん、正気に戻ってよ! いつもみたいな、かっこいい魔法少女の先輩としてのマミさんに!」
「そうです! 巴さんはいつだって先輩として、私達を導いてくれました!」
「ふふふ。何を言っているの? 今も先輩として、あなた達を救済しようとしているじゃない」
まどかとほむらが呼び掛けても、洗脳が……ウワサが剥がれる気配がまるでしない。ゆりさんによれば、心が通じ合っていればいいらしい。つまり、ウワサを剥がす事が出来ないというのは、あたし達がマミさんの事を全く理解していない、という意味になる。
今まで……魔法少女として契約してから、マミさんはずっと先輩としてみんなを助けていた。でも、先輩としての振る舞いは全てマミさんの作った仮面だった。その下に潜む素顔を今までの付き合いで少しも見た事がないという事実を突きつけられた。その事が、あたしは悔しい。
要するに、あたし達は頼れるような存在ではなかったんだ。マミさんにとってはすべて守るべき対象だった。そりゃあ、未熟かもしれないけど……それでも、背中を守るぐらいは出来ているものだと思っていた。だけど違った。
「さぁ、変身を解いて。私と一緒に、みんなを導きましょう?」
そう言いながら、マミさんはマスケット銃を構えた。最後通牒なのだろう。……勝てるの? 並び立つ事さえできていないあたしが、マミさんを止められる?
ううん、やらないといけない。マミさんに頼られるぐらいの価値が自分にあるって、ここで証明する。
「一緒には行けません、マミさん。ここであなたを止める!」
「……そう。残念ね。せめて苦しむことのない素敵な所へ送られるよう、祈っておくわ」
マスケット銃が火を噴いた。マミさんのそれは威力は高いけど例えば空中で曲がったりするような変な弾道はしない。銃口からの直線上に剣の腹を置いて、弾丸をはじく。飛んでる弾丸を目視で確認して斬るなんていうアニメの剣豪みたいな事は出来ないけど、これぐらいなら魔法少女としての強化された身体能力があるから余裕でできる。
あたしが弾を防いだのを見ると、マミさんはすぐさま大量のマスケット銃を創り出した。複数の方向から同時に攻撃されたら防げない。ヘリポートには遮蔽が無いから……懐に飛び込んで、マミさんが攻撃できる角度に制限を付ける!
一直線に踏み込む。いくらマミさんでもあたしの本気の速度には反応出来ないはず。剣の切っ先が射程に入る直前に一時停止。一歩横にステップを踏みマミさんの真正面の空間を避け、そして突きを放つ。腕を狙ったそれはマミさんの構えたマスケット銃の銃身に防がれた。だけど駆け引きそのものは上手くいったみたいで、マミさんの頬に冷や汗が一つ伝った。やっぱりあたしが避けた場所には何かしらの罠が張ってあったらしい。
「私の知る美樹さんはもっと不器用な子だったはずだけれど」
「そういう印象だったんですか、あたし!」
第二第三と繰り返し斬撃を放つもののそのすべてをことごとく防がれる。でも連続で受けている内に段々と反応が遅れてきている。これなら行ける!
次の刃はマミさんに届くと確信したその時、周囲の時間が止まった。これは、ほむらの時間停止?
「美樹さん。下がってきてください。周りに相手の援軍がいます」
そう言ってあたしの首の後ろを掴むほむらの頬には、小さな打撲痕があった。
「その前にほむら、その顔どうしたの?」
「え、えと、これはその……」
「どうしたの、言ってみな?」
「その、美樹さんも時間の止まった中に連れてこようと思って、肘の辺りを持ったらそのまま肘が顔に……」
「あぁ……」
それで今度は首の辺りを持ってるのね……
「ご、ごめんね?」
「いえ、私がドジなだけですから……それより、周りが……」
あぁ、そうだった。マギウスの援軍が来てるんだった。
ほむらの誘導で十七夜さんの近くまで行って、それから作戦を聞いた。
「私はこの後フラッシュグレネードをマギウスの羽根達にばらまきます。なので最初は地面を見て光を避けてもらって、その後に目の潰れた相手を無力化してください」
「分かった。じゃあ、お願い」
「はい!」
それから地面を向いてほむらと手を放した。時間の停止が止まり、世界が動き出す。そして足元に筒状の物——ほむらの持ってたフラッシュグレネードが転がってきた。
「えっと……手を滑らせて落っことしちゃいました」
ほむらの状況説明にも弁明にも聞こえる言葉を最後に、全てが光に包まれた。
◇◇◇◇◇
結局元の歴史に収束するRTAの続き、やっていきます。
前回は調整屋にてなぎたん達の居場所を把握した所で終了しました。今回は超特急でなぎたんの元へ向かいます。神浜セントラルタワーの屋上……第八章……マミさん……戦ってるな?(超推理)
第八章の〆です。マミさんの洗脳を解けば、マギウスの翼の押さえ込みが可能になり、フェントホープへの攻撃を行う余裕が出てきます。
本拠地を刺激してあげればエンブリオ・イブが出現するので、それを叩けば、タイマーストップになります。第九章は答えが固定の探索イベントですし、第十章は無いような物ですから、間もなくですね。
セントラルタワーに到着して……戦況やばいな? なぎたん、まどかちゃん、さやかちゃん、ほむらちゃんの生存はとりあえず確認できたものの、全員がかなりのダメージを負っており、しかもマミさんは礼拝のドッペルを発現させています。助太刀に入るのじゃー!
強引に魔力を込めてマギア発動。顔のゴーグル……はもし手元がぶれたらそのまま額のソウルジェムに当たってマミさんを殺してしまうので、足を狙います。
放った弾丸に反応して、マミさんがリボンを展開。角度を付けられた為か弾かれました。うーん、一応は隔絶のドッペルの外殻ですら貫通した攻撃なんですけどね。
凝望のドッペル。その姿は片眼鏡。
この感情の主は、誰かの為になろうとしているが、自らの目では求められている物が見えないため、ドッペルに頼っている。
ゆりちゃんのソウルジェムが濁り切り、そのままドッペルが発現です。……で、ここからどうしましょうか。マミさん対策の戦術はあるにはあるのですが、読心魔法で即座にウワサを剥がすという、読心魔法妨害用のゴーグルが付いた今の状況だと屁ほども役に立たない物な上、周囲にいる取り巻きの羽根が邪魔で理想通りの動きはまず出来ないので、アドリブで行くしかないです。
マミさんで厄介なのはその弾幕。重機関銃陣地かと思うような濃密な弾幕を張るだけの能力を持っており、正面から競り合えばまず負けます。
セントラルタワーのヘリポートという一般人に目撃される可能性のある戦場である都合上、派手で目立つ本気の弾幕は張ってこないとは思いますが、足場が制限されている分こちらもマミさんの火力を受けやすい至近距離にいなければならないので、たとえ弾幕が薄くとも総合的な難易度はあまり変わらないと思われます。
ではどのようにこの不沈要塞マッキンガムを沈めるのかというと、速攻……はダメなんでした。えーと、どうすればいいんだこれ。……やっぱりどうにかしてゴーグルを剥がして、その上でウワサを速攻で剥がすしか無いような気がします。
えっと、杏子ちゃんって固有魔法使える? 使えるならマミさんを惑わせている間にゴーグルを外すという手が……使えない! 杏子ちゃんの固有魔法は未だにロック状態にあるようです。
遠距離からゴーグルを撃って壊す……というのはやりたくありません。神浜聖女のウワサと融合時のマミさんのソウルジェムはなぜか額にありやがるので、少し手元が狂ったらゴーグルではなくソウルジェムを撃ち抜いて終了です。
そうなったら即リセットとはいかないもののそれなりに嫌な状態です。直接的な殺人ですからゆりちゃんの反応によっては行動不能になりますし、それを目撃したチームみかづき荘、見滝原組にも何かしらのデバフがかかるでしょう。
各地を回るなんていうクッソ時間のかかる行為を行ってでも戦力を集めていたのに、神浜の最高戦力であるやちよさんとなぎたんの弱体化、それから見滝原側の最高戦力のマミさんが死亡なんて事態になったらゲロ吐きます。オゲーッ(インフィニットポセイドン)
……無理では? 勢いよく飛び出して来たのはいいものの、手持ちのカードだけでは攻略不可能です。調整屋にほとんどの魔法少女を集めているせいで野良の魔法少女が運良く助けに来てくれるなんてのは望み薄ですし、テレパシーもしくは電話による救援も不可。
どうにかして伝令を走らせたいですが、人数が少ない都合上一人だって伝令に割けな——いや、いるじゃん。一分どころか刹那や須臾の間すらも使わず、即座に救援を出せる魔法少女が。
ほむらちゃーん! グリーフシードあげるからこれで人呼んできてちょーだい!
「え……えっ?」
ダメだ奴さん混乱しとる! ほら、調整屋行って! それで誰か呼んできて!
なんとか混乱を解いてほむらちゃんに伝令をさせる事が出来ました。これで万事解決です。
なぜほむらちゃんなのかと言えば、ほむらちゃんの固有魔法は時間停止なので、時を止めたまま移動すれば実時間における時間経過は完全にゼロなのです。使用回数だったか本人の主観における使用時間だったかに制限があるらしいですが、その貴重な一回をここで使ってもらいましょう。
で、調整屋にいる誰を呼んでくるかですが……なんだかんだで調整用にも使えず余っていたグリーフシードを使って現物で誰かを釣ります。ほむらちゃんがグリーフシード沢山と引き換えに助けて欲しいってぼろぼろな状態で言ってくるんですから、情的にも実利的にも頷く魔法少女はいる……はず。
援軍の魔法少女が複数名いる場合、時間停止魔法を使っての移動は難しいと思うので、多分少し時間がかかります。その間は自力で耐える事にします。大丈夫、凝望のドッペルは正面限定だけど防御力もそれなりにあるし、横にヒーラーのいろはちゃんがいるからちょっとぐらい怪我しても平気やろ。
では、まずは雑に範囲攻撃でもして羽根のいくらかを無力化して……
「お待たせしました!」
ほむらちゃんの声が聞こえたと思ったら、周囲に多数の魔法少女が出現しました。援軍のようです。はえーもう来たんかいなそこで待ってたみたいに……いやほんとに速いな?
ほむらちゃんの時間停止魔法だと自分が手を触れていないと時間が止まってしまう都合上、一度に運べるのは多くとも二人か三人のはずで、そうすると往復の時間がかかり前述の使用に関する制限がきつくなるはずで。だからこんな十人二十人と運んでくるのは難しいはずなんですが……
これ、時間停止で運んだわけではなくないですか? よく見れば、援軍の魔法少女達の背後に、魔力の塊が見えます。これは……
「やちよさん、みんな! 大丈夫!?」
やっぱり保澄雫ちゃんでした。前回、裏でDLCのイベントが起きていた為に調整屋にいなかった子です。
彼女の固有魔法は空間結合。サイエンスフィクションの話になりますが、ワームホールという物をご存知でしょうか。異次元上に存在する、ある場所とある場所を繋ぐトンネルであり、これを通過する事で光よりも速く移動する事が出来る、という物です。しばしば物語上の宇宙移民の実現の説得性の為に用いられるそれを、雫ちゃんは魔法で自由に作り出す事が出来るのです。物流革命だ!
そんな空間結合の魔法を使ったというのなら、この大人数の魔法少女をごく僅かな時間で調整屋からヘリポートまで輸送できたのも納得です。えーと、水名組とアザレア組とななか組とかもれにひなのさんにまさらちゃんに……やばいな。むしろ戦力過剰なぐらいになってる。戦車一機に戦略爆撃かますような感じになってるよこれ。
こうまで戦力に差があるなら、オート戦闘にした方がタイム縮みますね。手動だとどうしても私への操作要求が挟まってその分遅くなりますから。
マミさんの明日はどっちだ。今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。
年末だからって浮かれてたらこの有様だよ!!!!(動画時間いつもの半分)
うん。本当に面目ないです。エンディング近いですし、次のパートはちゃんと気合い入れて編集します。それはそれとしてハッピーニューイヤー。