マギアレコードRTA noDLC みかづき荘チャートAny%   作:なぁ……相撲しようや……

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Part3 : 正直に言うと後悔してる

 第三章 神浜うわさファイル

 

 こんなの絶対おかしいよ(腹痛)

 時限爆弾を食した次の日からの再開です。日記書きの様子はカットだカット。

 予想通りお腹に大ダメージを食らった為に病院に行き、その際に学校を休んだので、今日は昼から自由行動をする事が出来ます。なので今から情報を集めておこうと思います。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「よし、っと……」

 

 張り紙を出し終えて、ほっと一息。これでみんな、中華飯店万々歳の新メニュー、ダブル炒飯を食べにきてくれるはず!

 ガラガラと戸が開く音がする。ほら、早速お客さんがやってきた! 入ってきたお客さんは茶色い髪の子で、私より一回りちっちゃい。中学の子かな。市立大附属校は記念日で今日丸ごと休みだったけど、参京区の方も休みなのかな。

 あ、魔力出てる。この子、魔法少女だ。わざわざ魔力を出してるって事は魔法少女としての私に用があるのかな。でも今は営業中だから、とりあえず万々歳のお客さんとして扱っておこう。

 

「いらっしゃいませ! ご注文はダブル炒飯でしょうか!」

「味噌ラーメン」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 今回の情報収集の場はこちら。神浜市参京区にある、中華飯店万々歳です。ここの看板娘の由比鶴乃ちゃんが次に戦うウワサである口寄せ神社のウワサについての情報を持っています。なので聞きに来ました。

 口寄せ神社のウワサの情報自体は割とどこからでも仕入れられます。が、そもそも今回のウワサに関わる目的が鶴乃ちゃんの好感度稼ぎですから、今回は鶴乃ちゃんから聞くチャートです。

 

「お待たせしました、味噌ラーメンです」

 

 さて、自分の手料理、やちよさんの手料理、レナちゃんの買ってきた焼きプリンと、今RTA中に食した物はいずれもが何かしらのバフデバフがありました。今回食す万々歳の料理はというと……能力変化無しです。

 

 食べ終わったので、鶴乃ちゃんにウザ絡みしよう……と思ったら逆に鶴乃ちゃんの方から絡んできました。

 

「お客さん、参京院教育学園の生徒ですか?」

 

 市外から来ましたー。ここが万々歳ですか、普通って聞いてたけど思ってたよりいいじゃないですか(お世辞)

 

「うっ! まさか市外に万々歳の名前が広がる時が来ようとは! 鶴乃ちゃん感激だよ! ……学生さんが一人で別の街から長旅っていうのはちょっと看過できないかも。次は家族も連れて来てね!」

 

 セールストークだこれ……

 うーんでも家族いないんすよねー、それに神浜には頻繁に来る事になるだろうし。

 

「えぇっ!? 一人暮らしなの!?」

 

 そうなんすよー、親の顔見てねぇなぁ、もっかい会ってみたいっすね。

 

「あ、それならいい場所あるよ! 口寄せ神社って言うんだけど……」

 

 口寄せ神社のウワサの情報、ゲットです。

 ここから更に時間帯の情報があればスタンプラリーのイベントをスルー出来ますが、スタンプラリーによる好感度上昇が欲しいので、時間帯の情報はわざと入手しません。

 前回レナちゃんの頼みでウワサ戦に参加してしまったために、本来やるはずだった好感度稼ぎが足りていないんですね。その埋め合わせを今やります。

 

 鶴乃ちゃんから口寄せ神社の事を聞いた場合、十中八九ぐらいの確率で鶴乃ちゃんも調査チームに加わります。うん、ちゃんと加入の方を引いていますね。加入してくれなかった場合は日を改める必要があります。加入しない場合は万々歳のシフトが理由ですから。

 

 スタンプラリーに参加する人数を増やす為にいろはちゃんにも連絡を入れます。

 ブーン……ブーン……おかけになった電話は、電波の届かない場所に……

 そういえば授業中だった(白痴)

 

 いろはちゃんも連れて行きたいからもうちょい後に行きませんか、あっ五時からならいい、ありがとナス!

 

 魔女狩りに勤しむにはちょっと時間短いですね。参京区であればエミリーのお悩み相談室に行くという手もあります。

 DLC無しなので大きなイベントは起きませんが、エミリーこと木崎衣美里と雑談を交わせばそれだけで心理状態にバフが乗ります。ソウルジェムの濁りが遅くなるので、自由時間を使って会いに行っても損はありません。

 

 やってまいりました商店街。ここの一角にエミリーのお悩み相談室があります。

 ごめんくださ〜あれ、誰もいない。

 

「あら、エミリーちゃんなら今日は留守ですよ。お友達と遊びに行くって」

 

 困っていたら、近くの店のおばちゃんが声をかけてくれました。

 ありがとナス! んじゃ日を改めてまた来ますね!(行くとは言っていない)

 

 エミリーちゃんいなかった……DLC無しでも相談所の利用は可能なので、強制力によって会わせてもらえなかったわけではなく、純粋に運とタイミングが悪かっただけです。大人しく待ち合わせの時間まで待つ事に致します。

 あ、いや、やることあるじゃん忘れてた(大ガバの香り)

 早速電話をかけましょう。

 

 あ、やちよさん? このあと口寄せ神社を探しに行くんだけど一緒に来うへん?

 

「それ、誰に聞いたの?」

 

 鶴乃って子が教えてくれたんすよ~いやぁ、万々歳ってとこ行ったんだけど評判通りの店で……

 

「そう、鶴乃が……」

 

 あれ、知り合いだったんすね~。じゃあなおさらですよ、一緒に行きません?

 

「ごめんなさい、少し考えさせて……」

 

 あ、いっすよ。五時頃に集まるんでそれまでに返事クレメンス、それじゃまた後で。

 やちよさん来なかったらウワサ戦が厳しくなっちゃうよ……

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「はぁ……」

 

 ももこに続いて、今度は鶴乃。もしかしてゆりさん、わざと私たちを引き合わせようとしているのかしら。

 昔のチーム。私と、ももこと、鶴乃と、みふゆと、それから……メルの五人で、一緒に魔女と戦っていた。でもメルが……死んで。私がチームの解散を勝手に決めてからは、ももこと鶴乃とも疎遠になってしまった。

 みふゆに関してはちょっとよく分からない。失踪するほど解散が嫌だったの……?

 解散の理由を詰められるのが嫌で、結界が崩壊したゴタゴタの間に逃げちゃったから詳しい話は聞いていないけれど、ももこにはどこか心配をかけてしまっているみたいだし、鶴乃も同じかも。あくまでも私の都合だけで解散したのであって、二人に原因は無いって、そこだけはしっかりとこの機会に話しておくべきかもしれない。

 それに、ウワサは簡単に倒せる代物ではない。口寄せ神社のウワサと出会った時、鶴乃とゆりさんだけで無事に勝てるかどうか……

 ウワサの調査には行くけれど、これは仲間になったのではなくあくまでも一時的な協力関係。仲間ではなく一時的な協力関係。仲間ではなく一時的な協力関係……

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「あ、やちよさん!」

「えっ? やちよ……さん? ……やちよししょー!?」

 

 やべっやちよさんが来るの他のメンバーに言ってなかった。いろはちゃんの方は別になんともないんですが、鶴乃ちゃんの方はちょっと動揺してます。やっぱり昔の事があって引け目を感じているんですかね。

 チームメイトである安名メルが死んだあの日、ただ一人鶴乃ちゃんだけはその場にいませんでした。理由が家の都合だったので仕方ないのですが、仮に自分がその場にいたらメルは死ななかったかもしれないという後悔をずっと抱えているんですね。

 ただ、そんな感情などおくびにも出さず、すぐに明るく振る舞う辺り、鶴乃ちゃんの苦労がみ、見えますよ……

 

 やちよさん、鶴乃ちゃん、いろはちゃん、ゆりちゃんの四人が集まったので、口寄せ神社の調査が始まります。

 最初にやるのはもちろんスタンプラリー。全部の神社をしらみ潰すという提案も上がりましたがそんなん却下だ却下!

 という訳でみんなで水名区に行きます。なんで参京区を待ち合わせ場所にしたんですかね?(ガバ)

 

 移動中暇なのでスタンプラリーについてある程度の説明をします。

 今回やりに行くスタンプラリーは、水名区に伝わる昔話を基に水名区町おこし委員会が、町おこしの為に実施しているものです。昔話に出た恋仲の二人が辿った場所をなぞり、縁結びスポットに辿り着きましょうという、まぁ、そういうやつです。

 水名区が運営してる時点で既にウワサではないような気はしますが、扱っている物が縁結びであり口寄せ神社との関連性がある事から、まぁ他に手掛かりも無いしやってみよう、というノリで現在水名区に向かっております。

 

 スタート地点である男の家の前に着きました。スタンプ台とスタンプラリー用の用紙が置かれており、横にある立札にはスタンプラリーの説明が書かれています。

 説明はよく読んでおいてください。用紙にはAとBの二種類があり、両方とも無いと詰まります。偶数人いるので、二人はAを、残りはBを持っていきましょう。

 あ、スタンプする場所も違うので、A組とB組は別行動になります。こちらは鶴乃ちゃんと一緒にAのスタンプを回りましょう。やちよさんといろはちゃんがBのスタンプです。

 じゃけん行きましょうね〜

 

 逢瀬を重ねた路地裏! 追い詰められた南門! 斬り捨てられた旧邸宅! 遺書(?)のあった水名大橋! ここでAとBが合流! 二つの紙を重ねて太陽に透かして見るとスタンプが地図になり、最終目的地、水名神社への道が浮かび上がります!

 

 水名神社に辿り着きました。便宜上AとBでペアを作っておく事を提案します。やちよさんとは既に泊めてもらったりしてもらえる仲なので、いろはちゃんとペアになっておきましょう。

 鶴乃ちゃんとのペアは無理です、用紙が同じAですから。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「あ、スタンプラリーに参加してくださった方ですね?」

 

 神主さんにスタンプラリーの用紙を回収してもらったので、これでスタンプラリーは終わりみたいです。AとBで回る場所が違うみたいで、やちよさんと一緒にBのスタンプを回る事になった時は、とても緊張したんですが……やちよさんの方から歩み寄って貰っちゃって、最後の方にはお喋りしながら歩いちゃってました……

 

「では、最後に……」

「最後に?」

「え、なになに!」

 

 鶴乃ちゃんはこんな時にも元気です。私なんか何かイヤな予感を感じているのに……

 

「こちらの神社の中でお互いの想いを伝えてください!」

 

 えぇ……? なんというか、イヤのベクトルが思ってたのと違う……

 ……あぁ、だから虹絵さんはペアを作っておこうって言ったんだ。縁結びのイベントだから、こういうのがあるって考えて。この場合は、私は虹絵さんに想いを伝える事になるのかな……?

 

「虹絵さん……」

「虹絵さんじゃなくて、ゆりちゃんがいいな!」

 

 なんか鶴乃ちゃんみたいなこと言ってる!?

 

「虹絵さ……えっと、ゆりちゃんって、何考えてるか分からないです。でもいい人なのは分かります。だって、こうしてういを探すのを助けてくれてますから……」

「うん。ちなみに私は環さんのこと、とってもまっすぐで優しい人だって思ってるよ」

「え、あ、あぅ……環さんじゃなくていろはちゃんがいいかな!?」

 

 正面からそんな風に言われるなんて思ってなくて、照れ隠しに話をして逸らしちゃったけど、多分隠せてないんだろうなぁ……

 

 ◇◇◇◇◇

 

「ししょー! 私への素直な所感を! さぁ!」

「引っ付き虫」

「んがー!」

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 これにてスタンプラリー完了です。一緒にスタンプを集めた鶴乃ちゃんと、互いの想いを伝えあったいろはちゃんの好感度が上がります。

 これでチームみかづき荘の一員として認めてもらえる程度の好感度まで上げ終わりました。第六章まではとりあえず今ここにいる三人の好感度の心配はありません。

 

 では、口寄せ神社のウワサを発動させてしまいましょう。

 え? まだ夜じゃない? チッチッチ。

 口寄せ神社のウワサは夜でないと発動しないように思われていますが、実際には参拝時間終了後であれば日が沈んでいなくとも構いません。なので拝んでいる途中に参拝時間が終了した場合も、口寄せ神社のウワサは発動します。

 この仕様を利用することで、時間帯の情報を得るイベントをスキップ出来るんですね。

 

 あ、やちよさん、せっかくだしウワサの方も確かめてみましょうよ、ほら絵馬に名前書いて。

 やちよさんは梓みふゆ、鶴乃ちゃんは安名メル、いろはちゃんは環ういの名前を書きました。ゆりちゃんは……虹絵りり? あぁ、失踪してるゆりちゃんの姉の名前ですね。

 名前を書き終わったので拝みます。ガランガラン……

 

 侵入成功です。ここが口寄せ神社の中ですか。

 

「運命を変えたいなら神浜市に来て。この町で魔法少女は救われるから。運命を変えたいなら神浜市に来て。この町で魔法少女は救われるから。魔法少女。運命。変える。魔法少女。運命。変え——」

「うい!? どうしたのうい!?」

 

 いろはちゃんはもう神浜市に来てbotと出会っているようですね。ういちゃんは本人が特殊な状況下に置かれているからか、口寄せ神社で呼び寄せても、こんな風にバグったbotみたいな挙動しかしません。

 バグってるのはういちゃんだけで、他の面々、梓みふゆ、安名メル、虹絵りりは正常のようです。

 さて、ゆりちゃんとりりちゃんの対面です。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「久しぶり、ゆり」

 

 私と似た顔、私より少し低い声、私とは違うポニーテールに結んだ髪。間違いなく、虹絵りり。両親が死んだあの日に失踪した、私の姉だ。今まで一度だって見たことのないコスプレ姿で私の前に立ってる。予想はしてたけど、やっぱり魔法少女だった。

 どうしていなくなったのか、今までなにをしていたのか、聞きたい事は沢山あるけれど、まずは連れ戻さないと。

 

「帰ろう、りり姉。こんなところにいちゃいけない」

「無理なんだよ、ゆり。私はここから出られない。だって——死んでるんだよ?」

 

 ……りり姉の心を読む。りり姉が抵抗しないから、過去の記憶まで含めた全てが筒抜けだった。

 家族に魔女を近づけたくないという願いで魔法少女になったりり姉。でも才能が無かったから、魔女と戦う度にボロボロになって、だけど誰にも助けを求めず、一人で魔法少女の使命を抱え込んだ。

 そして魔女に負けて、魔力を使い切り……りり姉は魔女になった。

 魔女の原型が魔法少女である事はもう知ってる。魔女はどれもが魔法少女だった時の記憶と暗い後悔と深い絶望を心に持っていたから。絵馬に名前を書いていた時、七海さんが安名メルという魔女になった実例を思い浮かべていたから、もはや疑いようがない。

 魔女になったりり姉は暴れ回り、その最中で私たちの家を叩き潰した。これが両親の命を奪った事故の正体だった。

 その後は……通りすがりの魔法少女——環いろはに討伐された。これが虹絵りりの魂の末路だという。

 

「……なんで」

「もう魔法少女になっちゃったのなら、黙ってる必要もないか。私はね、魔女に負けちゃったんだ」

「どうして魔女との戦いがつらいって、私に言ってくれなかったの。言ってくれたら、私も契約を交わして二人で一緒に戦う事もできた。りり姉が一人で抱え込んだ結果、私は一人ぼっちになった。二人でなら回避できた結末なのに」

「一緒に戦ってくれって、それこそ言えるわけない。ゆりには魔法少女としてではなく一人の人間として生きてほしい、そういう祈りも込めた願いで魔法少女になったのに」

「でも、私は——」

「正直に言うと後悔してる。たとえ私が魔法少女の世界に誘わずともゆりは魔法少女になるっていう証拠を見せられているんだから。これなら最初からゆりに助けを求めて二人で戦えばよかった、そっちの方がまだ幸せだったって思う。だから、今度はしっかりと正しい選択をする」

 

「ゆり。私と一緒にいてくれないかな」

 

 どんなに思い詰めても私とは秘密を共有してくれなかったりり姉。それが今は私を頼ろうとしてくれている。断るなんて出来ない。だって、ずっとそうして欲しかったから。

 

「うん……うん! りり姉! 一緒に——」

「ちょぉーーっと待ったぁーー!」

 

 誰!? あっ鶴乃ちゃん!?

 りり姉との間に炎が迸った。変身した鶴乃ちゃんの魔法なのだろう。

 

「ええと、虹絵りりさん、だっけ」

「……どなた?」

「最強魔法少女、由比! 鶴乃! です! それで、そっちの妹さんは万々歳のお客さん兼私の友達なんだ。だから連れて行かないでほしいな」

 

 鶴乃ちゃんの方は一触即発という雰囲気だった。武器の扇子を構えて、それに魔力を纏わせている。対してりり姉は構えるわけでもなく、ただ鶴乃を見据えるだけだった。

 

「あなたも死んでしまった人と逢おうとしたんだよね。なら、ゆりの気持ちも分かるでしょ? せっかくの再会を邪魔しないでよ」

「気持ちは分かるよ。でもね、もう死んでしまった人と話が出来ただけでも、凄い奇跡なんだよ。そこから更に、ずっと一緒にいたいなんて願ったら、どんな揺り返しが起こるか分からない。……ってメルが言ってた!」

 

 メル……七海さんの記憶にも出ていた、二人にとって大切だったチームメイトの人。今でも会いたいって思えるぐらいの人に逢う事が出来たのに、私とは違ってまた別れる事を選んだみたい。

 強いな、鶴乃ちゃんは。りり姉に似てる。とてもつらいはずなのに、それを隠して何事もないかのように振る舞おうとしてる。鶴乃ちゃんのそれはりり姉よりよっぽど器用だけど。

 

「そんなもの、ゆりは気にしない。私に必要とされるっていう願いが叶ったんだから」

「……え、そうなの? ゆりちゃん、この人の言ってることほんと?」

「この人じゃなくて姉です」

 

 鶴乃ちゃんを見て、考え直した。確かに、りり姉に頼られたかったのはほんとだけど……これは私自身の想いでしかない。魔法少女としての願いは違う。

 私はいろはちゃんを見て、りり姉と似た物を感じて、りり姉と同じように潰れてしまうかもしれなかったのを見過ごせなくて、それで『心の支えになること』を魔法少女として願った。私の家族の蘇生を願うにはあまりにも時間が経っていたから。代わりに今生きている誰かの助けになりたかった。

 鶴乃ちゃんは安名メルではなく他の人たちを優先した。人助けを願った私がここで眠ってどうする。

 ……ごめん、りり姉。私は想いよりも願いを優先するよ。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 ゆりちゃんは突然変身して、ライフルの銃口をりりに向けた。

 

「いま思い出した。私の願いは誰かの助けになることであって、あなたに認められる事じゃない。残念だけど、一緒にいるわけにはいかない」

「……そう。私を認めてくれないのね。だったらもういい。お友達諸共ここで葬ってあげる」

「眠らせるだけのウワサだったよね!?」

 

 わたしが睨んだ時も一切戦う気を見せなかったりりが、その気になった。ハルバードって言えばいいのかな。戦斧と槍を組み合わせたような大きな武器を携えて、戦意の切っ先をゆりちゃんに向けた。

 

 ゆりちゃんが撃った。それを合図に開戦。りりが弾丸を避けながら一気に距離を詰めようとするけど、それは私が間に入って止める。

 突き。薙ぎ。その一つ一つを扇子を使って受け流す。攻撃がとっても重い。しっかりと威力を流さないと間違いなく扇子ごと叩き折られる。インファイトはゆりちゃんが誤射を恐れて援護が出来なくなるからダメ。だから、魔法主体の中距離戦に持ち込む!

 

「しゃっしゃー!」

 

 炎を巻き上げて牽制して、少しだけ距離を開ける。するとすかさずゆりちゃんの射撃がりりへと放たれた。弾はりりの手に当たって、ハルバードを取り落とさせた。

 だけど素早くハルバードを再生成して、わたしに向かってそれを投げた。嫌な予感がする。一回りも二回りも大きく避けてみる。思った通りで、投げられたハルバードには魔力が纏わりついてた。ギリギリで避けてたら魔力に体を裂かれてしまってたと思う。

 第二第三と次々にハルバードが飛んでくる。最初の例がある以上、全部を大げさに避けるしかないから、どうしても足止めされる。その間にゆりちゃんがりりに接近されて絡まれてしまってる。銃床を使って攻撃を捌いてるけど、早く間に入ってあげないといけない。

 

「ゆり。どうして私を生き返らせることを願わなかったの? 私の事はどうでもよかったの?」

「生き返らせて欲しかったのなら分かりやすいところで死んでほしかったかなって!」

「ちゃらぁー!」

 

 話している隙に、なんとか炎を一発叩き付けることができた。ハルバードで防御はされたけど、浸透した魔力がダメージを与えたようで、りりは一瞬だけふらついた。その瞬間にりりの間合いから逃れたゆりちゃんの放った弾丸が、りりの胴体を貫通した。下半身が動かなくなったみたいで、りりはそのまま力なく倒れた。

 

「ゆり。あなたは魔法少女に——」

 

 バンバン。りりの口を塞ぐかのように銃弾が二発追加で叩き込まれた。これで力尽きたのか、りりの体が黒いモヤに分解されて消滅していった。

 

「最後まで聞かなくて良かったの?」

「いい。どうせ大したことじゃないだろうから」

 

 そう言うゆりちゃんの顔はどこか晴々としてた。悩みが解決したって感じだけど……これで良かったのかな。お姉さんを自分の手で殺めたみたいな状況だけど……

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 虹絵ゆりの魔法少女ストーリー、クリアです。これで全ステータスが強化されます。まさかメインストーリーに組み込んであるタイプとは思ってなかった。このタイプの魔法少女ストーリーは視聴中に裏で本筋が進んでるのでタイム的に美味しいです。

 ほら、この結界の主であるマチビト馬のウワサがいろはちゃんのドッペルに追われています。

 

 沈黙のドッペル。その姿は呼小鳥。

 この感情の主は、自身のドッペルの情けなさに気が付きつつも、その姿を直視できないでいる。

 

 自動浄化システムの働いている神浜市内では、ソウルジェムが濁りきった時、魔女化の代わりにドッペルの発現が起こります。発現中は魔女の力を引き出す事ができ、強力な魔法行使が可能になります。

 そして効果時間が切れたらドッペルは引っ込んでソウルジェムの完全な浄化が完了します。浄化されたように見えるようメッキしてあるとかでもなくほんとに浄化されてます。

 若き天才であるマギウスが魔法少女の救済を目的にキュゥべぇに願ったシステムだけあって、ドッペルの存在は魔法少女にとってめちゃくちゃ都合がいいです。鹿目まどかとは別のアプローチで作り出した円環の理と言ってもいいかもしれません。

 

 マチビト馬のウワサに追いついた沈黙のドッペルが、そのくちばしでウワサを食いちぎり出しました。

 マチビト馬のウワサの弱点は呪いや穢れなど、魔女由来の力です。ドッペルの力は魔女の力であるので、ドッペルで攻撃すればそれだけでこうかはばつぐんです。

 なのでいろはちゃんがドッペルを出した時点で勝ちが確定してウワサ戦がただのイベント戦になるんですよね。代わりにこの後沈黙のドッペル戦が挟まりますが、スタンダードモードなのでこちらも自動で巴マミが倒してくれます。

 

 ウワサを倒した事で結界が消滅。しかし沈黙のドッペルが未だ顕現したままです。コントロールを失っている様子で、鶴乃ちゃんに襲い掛かろうとしています。

 そこに現れた巴マミ。必殺のティロフィナーレで沈黙のドッペルを一撃で吹き飛ばしてしまいました。

 

「妙な魔力を追って来てみれば、まさか人に化けた魔女がいるなんてね」

 

 巴マミは見滝原出身の魔法少女です。彼女の目的は神浜の異常性についての調査であり、その一環として水名神社に来ているのでした。その最中で沈黙のドッペルを発見、いろはちゃんを魔女と勘違いして倒そうとしている、というのが今の状況です。

 

 この場における対処のやり方でこの後のマミさんの動向が変化します。大別してマギウスの翼化、暗殺者化の二択です。

 マギウスの翼化ルートは情報の共有を一切せず交戦したマミさんを退かせる事で分岐します。これが原作マギアレコードのルートですね。

 暗殺者化ルートはいろはちゃんが魔女であるという勘違いを解く事で分岐します。誤解を解くためには魔法少女の真実を話す必要があり、それを知ったマミさんはこれ以上魔女を生み出さない為に魔法少女を殺し回るようになってしまいます。スピンオフの漫画にこんな感じの人いませんでしたっけ?

 今回のチャートではマギウスの翼ルートを選択します。暗殺者ルートであれば早期にマミさんを仲間に迎え入れる事ができますが、 DLC無しの都合上、決戦以前に特別な戦力を必要とする場面が無いので、加入が遅くとも手間のかからないマギウスの翼ルートの方が有効です。暗殺者ルートの方は章一個増えてるレベルでイベント多いんだよぉ!

 ほら、帰った帰った! 四対一やぞ!

 

 マミさんも追い払って、ウワサの調査はこれにて完了です。チカレタ……

 帰る途中、やちよさんが泊まっていかないかと提案してきます。チームみかづき荘結成の為に重要なイベントが発生するので絶対に承諾します。

 鶴乃ちゃんはハブられました。そもそも実家近くて泊まる必要ないからね、仕方ないね。まぁでも泊まらないってだけで寝るまでの間は一緒にいるし……

 

「で、環さん。私に話したい事って何かしら?」

 

 みかづき荘に着いて、いろはちゃんがやちよさんにこれからも共に噂の調査をしたいとお願いします。やちよさんはこれを受け入れて、いろはちゃんを助手として迎え入れます。

 ここでゆりちゃんもウワサの調査に協力する事を告げると、ゆりちゃんの所属が無所属からチームみかづき荘に変わります。判定条件を全て満たしたためですね。

 現リーダーであるやちよさんとその真の仲間であるいろはちゃんの好感度が一定以上であること。やちよさんと共にウワサの調査をする事を確約すること。この二つの条件を満たし、かつ他に所属しているチームが無ければ、チームみかづき荘所属であると判定されます。

 

 あぁ、チームみかづき荘に所属したので、やちよさんがゆりちゃんの事を仲間と呼ばずどう言い換えたかがプロフィールに表示されるようになりました。いろはちゃんであれば助手、二葉さなであれば座敷わらしというようなあれです。

 特に確認しなくてもRTA的に不都合はありませんが、時々面白い呼び方をするので確認してみましょう(微ロス)

 えぇと、どれどれ……ゆりちゃんはやちよさんに……『出張料理人』と呼ばれたらしいです。

 ……

 出張料理人の虹絵です。どうぞよろしくお願いしまブフゥッwww

 

 第三章が終わったので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。




すずね☆マギカは読んだことないです



(10/26 スタンプラリーを回った時のペアと想いを伝え合う時のペアの違いに関して描写に分かりづらい部分があったため修正を加えました。いろはちゃん視点冒頭のスタンプラリーに関する感想に出てくる名前はやちよさんで間違いないです。紛らわしかったみたいで申し訳ないです)
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