転生したら愛の重い魔女に囲まれた件について(白目)   作:トロロ将軍

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ブレスト防衛戦

「ルマール軍曹!中型ネウロイ1機、2時方向!」

 

三八式歩兵銃に新たな弾を込めながら近くを飛ぶルマール軍曹に向かって叫ぶ。我々がブレストに防衛線を構築して既に1週間が経過していた。

 

「魔導小隊は引き続き小型ネウロイの掃討をお願いします!タカシマ中尉は私の援護を!」

 

「了解!」

 

俺は指示通りにルマール軍曹の後を追う。しかしウィッチと魔導士の速度差のせいでルマール軍曹に追いつけない。

 

「やっぱ速いなウィッチは。いや、航空魔導士が遅すぎるだけか?」

 

縮まるどころかむしろ広がるルマール軍曹との距離に自身の遅さを恨みたくなるが、そこは兵科の差と無理やり自分を納得させ、自身の出せる最高速度でルマール軍曹を追いかける。そしてようやく中型ネウロイとの戦闘距離に到達した頃にはルマール軍曹は既に戦闘を開始していた。

 

中型ネウロイに射撃を仕掛けるルマール軍曹だったが、中型ネウロイの直掩と思われる小型ネウロイ3機が中型ネウロイを護るが如くルマール軍曹へと攻撃していた。

 

「援護します軍曹!」

 

遅れたことを心で謝罪しつつ射撃姿勢に入る。目標はルマール軍曹を狙う小型ネウロイ。照門の中央に小型ネウロイを捉えた瞬間、俺は引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・やっぱり凄い」

 

タカシマ中尉の射撃を見て私は思わずそう呟いていました。

 

タダヒト・タカシマ中尉。損耗した第1ウィッチ大隊の補充として編入された扶桑陸軍の航空魔導小隊の小隊長。最初の自己紹介の時、人見知りな私はタカシマ中尉の階級も相まってガチガチに緊張してしまっていました。そんな私を見たタカシマ中尉は優しく微笑みながら「よろしく」と言ってくれた。それから1週間、タカシマ中尉は私とロッテを組んでネウロイの迎撃に当たっています。

 

タカシマ中尉は凄い人です。私がネウロイと戦いやすいように的確な支援をしてくれますし、階級だって彼の方が圧倒的に高いのに私の指揮を聞いてくれます。今だって私が中型ネウロイと戦いやすいように直掩の小型ネウロイを1人で相手しています。機動力でウィッチに劣る航空魔導士は本来集団で戦闘する兵科です。でもタカシマ中尉は1人で戦う。タカシマ中尉の放つ銃弾は吸い込まれるようにネウロイに命中し小型ネウロイを駆逐していく。

 

「小型ネウロイは殲滅しました!ルマール軍曹、中型ネウロイを!」

 

気が付くと私を妨害していた小型ネウロイは全て殲滅されていた。私は魔導エンジンのスロットルを全開にし、中型ネウロイに肉薄する。この型のネウロイのコアの位置はこれまでに収集された戦闘詳報からある程度割り出されている。

 

「この型のコアの位置は・・・ここ!」

 

私はコアがあると思われる位置に機関銃を発射する。着弾で砕けるネウロイの装甲の中に赤く輝くコアが見えた。

 

「これで終わり・・・え?」

 

中型ネウロイの撃墜を確信して引き金を引くが機関銃から弾が出ない。弾切れなんて初歩的なミスはない。たとすると・・・。

 

「装弾不良!?」

 

最悪なタイミングでの装弾不良。でもそんな中後ろから聞こえてきたタカシマ中尉の声。

 

「貫通術式!」

 

タカシマ中尉の放った銃弾がコアを貫き、断末魔のような音と共に中型ネウロイが塵となって消えました。

 

「ルマール軍曹、ご無事ですか?」

 

「はい、大丈夫です。ありがとうございますタカシマ中尉。」

 

周囲を警戒しながら近づいてくるタカシマ中尉にお礼を言いつつ私は機関銃の故障排除をおこなう。。他の小型ネウロイの掃討をお願いした魔導士さん達も合流してきましたし、どうやら今の中型ネウロイで終わりみたいです。

 

「これでネウロイは全部みたいです。基地に帰還しましょう」

 

「了解しました。総員、周囲を警戒しながらブレスト軍港へ帰還する!」

 

隊が再編成されてから1週間。国籍が違うどころかウィッチですらない方々と上手くやっていけるか不安でしたが、皆さんの頑張りのお陰で何とか防衛線は保たれています。

 

周囲を飛ぶ航空魔導士の皆さんに心の中でお礼を言い、私達はブレストに帰還するのでした。

 

 

 

 

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「航空魔導士を3名引き抜くのですか!?」

 

ネウロイを殲滅しブレストに帰還した俺達に告げられたのは第1ウィッチ大隊から俺以外の魔導士を第26航空魔導中隊に移すというものだった。

 

「しかしそれでは第1ウィッチ大隊はルマール軍曹と私の2名のみになってしまいます。」

 

「申し訳ないとは思っている。しかし第26航空魔導中隊の損失が増加している。補充をおこなわなくてはブレストは南側から侵攻されてしまう。納得してくれ。」

 

現在ブレストは2つの戦線を持っている。俺達第1ウィッチ大隊が担当する東戦線、そして第26航空魔導中隊が担当する南戦線だ。既に南部ガリアの大半を手中に収めたネウロイはブレストの南から海を越えて侵攻してきている。いくら俺達が東戦線を守ろうとも南が抜かれれば水の泡だ。

 

「タカシマ中尉」

 

隣にいるルマール軍曹が不安そうな目で俺を見ているが、この配置転換は覆せないだろう。俺は命令を持ってきた欧州連合司令部の大佐殿に敬礼すると、そのままルマール軍曹と司令部を後にする。

 

「益々厳しくなりますね・・・」

 

俺は辛そうな顔でそう呟くルマール軍曹の頭を軽く撫で、第1ウィッチ隊に割り振られている兵舎へ向け歩き出すのだった。

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