転生したら愛の重い魔女に囲まれた件について(白目) 作:トロロ将軍
長い間失踪してしまい申し訳ありませんでした。
(ここは・・・いったい?)
ふと気が付くと俺はネウロイの攻撃で燃え盛るベルリンの上空を飛んでいた。
「小隊長!大通りに民間人がいます!」
不意にインカムから聞こえてくる部下の報告。示された方向を確認すると燃え盛る道路上に1人の少女が泣きながら立ち尽くしている。
「牧野伍長、援護を頼む!」
俺は隣を飛んでいた部下の牧野伍長にそう命じると最高速で少女の元へ向かう。あのままでは火災かネウロイの攻撃で死んでしまうだろう。早急に救助しなくては!
「11時方向からネウロイ接近!援護します小隊長!」
ネウロイの接近に気が付いた牧野伍長が同じく俺の配下の大村軍曹と共に接近するネウロイへ射撃を開始する。しかしその光景に俺は違和感を思える。なぜなら・・・
牧野伍長も大村軍曹も、マジノ線撤退時に戦死しているはずなのだから・・・。
だが今はそんなことよりも大通りの少女だ。俺は矢のごとく降下し少女を抱きかかえ上昇する。その瞬間に牧野伍長と大村軍曹が撃破したネウロイが結晶化し、先程まで少女が立っていた大通りに降り注ぐ。間一髪だった。
抱きかかえた少女を見ると目をまん丸に開いて俺を見ている。
「怪我は無いかいお嬢さん?」
俺の問いかけにコクコクと縦に首を振り答える少女。
「あの・・・助けてくれて・・ありがとうございます」
少女に礼を言われて思い出す。
そうか・・・これはベルリンでの・・1人で危険だった少女を助けた記憶。つまり夢。
そう悟った瞬間辺りが真っ白に包まれた。
「・・・マ・う・・・・・・タ・シマ・・い・・」
遠くから声が聞こえる。聞き覚えのある声だ。
「タカシマ中尉!」
段々と鮮明になっていく声に目を開けると、真っ白な天井が視界に映った。
「タカシマ中尉!目が覚めたんですね!」
声の方向に目を向けると、そこには今にも泣きだしそうな顔のルマール軍曹がいた。
そうか・・・俺はあの時軍曹を庇って・・・。
「ルマール軍曹、怪我はありませんか?」
俺がそう尋ねるとルマール軍曹の眼から大粒の涙が零れ落ちる。
「タカシマ中尉・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい。私がネウロイに反応できていれば・・・」
そう言って俺の胸に顔を埋める軍曹に俺はなんと声を掛けてよいかわからなかった。助けたのは俺の勝手な判断だが、そう言って聞いてくれる軍曹でもないだろう。
俺は今だ泣き続けるルマール軍曹の頭を撫でる。そのまま撫で続けるといつの間にかルマール軍曹は寝てしまったようだ。恐らく俺の怪我が心配で碌に休めなかったのだろう。そういう俺も怪我か疲労か理由は不明だが、再び睡魔が襲ってくる。ルマール軍曹をこのままにしておくのはどうかと思ったが、俺は睡魔に勝てずそのまま夢の世界に旅立ってしまった。