魔法少女リリカルなのは with Dark_Matter 作:戸礼太
八月二十三日。
その日はツンデレ金髪美少女、アリサ・バニングスの誕生日である。
一応誕生日会に呼ばれた為、用意したプレゼントを持って行く垣根帝督。
もっとも、彼は他人に贈り物をした事がほぼ無かった為、プレゼント選びには地味に苦労したとかしなかったとか。
そしてなんやかんやでバニングス邸に到着した。
「デケェな」
垣根がありきたりな台詞を漏らしていると、門が開き一人の執事服に身を包んだ男性が出て来た。
「垣根帝督様ですね。アリサお嬢様のお誕生日会にお越しいただきありがとうございます」
「はあ」
執事服の男性、鮫島に案内される。
そこは庭にテラスが建てられ、庭には無数ともいえる犬が走り回っていた。
既に垣根帝督以外のメンバーは揃っているようだ。
「遅いわよ!垣根!」
「定刻通りだろ」
「よー、垣根」
「帝督さーん♪」
ヴィータとリインが垣根に手を振る。
「「「「おはよう垣根(帝督)(くん)!」」」」
「テンションたけえなお前等。主賓よりハシャいでどーする」
垣根はそのハイテンションぶりに若干呆れる。
「だってだって、今日はアリサちゃんの誕生日なんだよ。一杯お祝いしてあげなくっちゃね♪」
高町なのはが言った。
「分かったから。近いから」
「あ、ゴメンね」
「ちょっと、主役差し置いていちゃついてんじゃないやわよ」
アリサがジト目で見る。
「べっ別にいちゃついてなんか無いよ!!」
「ふぁーあ」
顔を赤くしながら弁解しようとするなのはを尻目に、興味のなさそうに欠伸する垣根。
「垣根くんが一番気にしてないね……」
「そうやね……」
呟く月村すずかと八神はやて。
「志村達も来られればよかったのにね」
フェイト・T・ハラオウンが言う。
「古市はサッカー部、志村は剣道部に入ってるからな」
垣根が答えた。
そしてテラスのテーブルにケータリングやバースデーケーキが運ばれた。
なのは達が手拍子しながらよくあるバースデーソングを歌う。
垣根は手拍子だけした。
それが終わると、みんなでプレゼントを渡す。
垣根だけはラッピングしていないゲームソフトを取り出した。
タイトルは『信長のゲボェ』
某漫画を読んでいる方はもうご存知だろう。
「……何これ?」
目が点になったアリサは率直に質問した。
垣根帝督は淡々と説明する。
「これはな、言わずと知れた戦国時代に活躍した大名、織田信長……が吐き出すモザイクがかかったゲボェを横一列に揃えて消していくというゲームだ」
「それって要するに最低なテト●スじゃないの!!何てものくれんのよ!!嫌がらせ!?」
怒涛の如くツッコむアリサだったが、垣根は涼しそうな表情のままだ。
はやては笑うのを我慢しながら『信長のゲボェ』のパッケージを見ていた。
垣根のボケがツボにハマったらしい。
「冗談だよ。これはボケだ。ラッピングはしてなくて悪いがな」
彼は直方体の箱をアリサに手渡す。
一部が透明のフィルムになっている為、中身が分かる。
「腕時計?」
「そう」
白いベルトにシンプルなデザインの時計盤。
赤い秒針は先端が飛行機マークの形になっている。
時計盤の外装パーツのフチは四角いクリスタルストーンが敷き詰められていた。
「わあ、結構オシャレだね」
すずかが呟く。
「人に何かあげるのは慣れてなくて、それなりに苦労したがな。要らなきゃ捨てても良いぜ」
「そんな事しないわよ。ありがと」
意外とアリサは嬉しそうだった。
ケータリングを食した後はしばらく談笑したり、最近出てこない魅神聖に対する愚痴や不満を肴に話していた。
その後はゲームに興じる事になった。
プレイするのはもちろん(?)『信長のゲボェ』である。
なのはとフェイトで対戦する事になった。
ちなみにこれをやる理由は怖いもの見たさのようなものだ。
何はともあれ、ゲームスタート。
テ●リスかぷ●ぷ●と同じような要領でやれば良いのだが、モザイクでブロック状の外見になっているとはいえ気持ち悪かった。
しかも、吐き出す度に『オヴェエエ』だの『オボロロロ』だのと信長が呻く。
「ああああああッ!何でわたしだけ量が多いの!?」
「わたしはちょっとずつしか出てこないのに……」
確かになのはの方だけ吐き出されるゲボェの量が異常に多い。
フェイトは地道に一列ずつ揃えて消していってるが、なのははパニックになってしまい、ゲボェが溜まりまくっている。
そこへ、オヤツのクッキーを片手に垣根がのんびりと解説する。
「あー、こりゃ本能寺だな。天下統一の野望を目前で潰えてヤケ酒かっくらったんだ」
「ええー!?何それえぇぇ!!」
悲鳴をあげるなのは。
「じゃあ、フェイトちゃんの方は?」
すずかが尋ねる。
なのはの方の信長は鼻水を垂らし、泣きながら嘔吐しているがフェイトの方の信長は比較的普通の表情だ。
「桶狭間だな。奇跡の勝利を収めて気持ち良く飲んだんだな」
垣根はコーヒーを飲みながら答えた。
「どっちにしても吐くまで飲んどるんやないか」
はやてが小さくツッコんだ。
そうこうしているうちに決着がついた。
予想通りなのはの惨敗だった。
画面の右半分がゲボェで埋まっていた。
「改めて見てもキモいわね」
顔を引き攣らしてアリサが呟いた。
その後、アリサ、はやてもプレイしたが、
「何でや!!」
「何でまた本能寺なのよ!!」
桶狭間、本能寺、長篠、延暦寺、等のモードがランダムに設定されるのだが、この二人のときだけ本能寺になるのだ。
負けず嫌いのアリサは意地になり、結局日が暮れるまでこのクソゲーをやった。
すずかは語る。
「酷いゲームで意外と盛り上がっちゃった……」
フェイトも語る。
「吐瀉物じゃ無かったらもっと楽しめたのに……」
垣根も語る。
「ゲボェだから面白いんだろ」
pixiv既出の微修正とはいえ、かなり短いし拙いですが、ご容赦下さいm(._.)m