原作との違いは今のところリディアンが小中高一貫校で、校舎がバカでかくて全寮制って感じです
気だるい陽気の中、午前の終業をつげるチャイムが鳴ると生徒たちは思い思いに昼食の支度へと取りかかる。
晴れた日の中庭は人気の昼食スポットであるが、そんなのどかさをかき消す怒号が中庭中に響きわたった。
「何でその事を知ってるのよぉぉ!!」
「しっ調ぇ!落ち着くデス!」
「調ちゃん!ストップストップ!」
恐らく昼食用であろうナイフを手に、今にも飛び出して行きそうな黒髪ツインテールの少女を、
茶髪の少女と金髪の少女が必死に抑えている。
「何でってさっき君が階段から降りてる所を下からこうやって……」
「うわぁ……」
「……デース」
「消えろぉぉ!この変態ぃぃぃ!!」
「怒ってる姿最高にかわいいよぉ?調ちゃん♥️」
「お前はもう黙ってろ!」
それを聞いた銀髪の少女が発言者の少女のみぞおちにきつい一撃を与える。
「ったく一体どうしたってんだ?まぁ大方こいつに非があるんだろうがよ?」
銀髪の少女、雪音クリスが尋ねる。
「こっ!この変態が!この変態が!!」
「調、一旦落ち着くデスッ、それにナイフを置くデス」
「そうだよ調ちゃん、深呼吸深呼吸」
デスデス言ってる金髪少女、暁切歌と茶髪の少女、立花響が黒髪ツインテールの少女、月読調をなだめている。
「この変態!背後から私の耳元に“今日はピンクに緑のワンポイントが入ってるんだね?とってもかわいい”って!今日私が着けてる下着の特徴囁いてきたんですよ!?」
「ぐふっ……爆乳ロリなんて邪道だ……」
「謳歌、とりあえずお前は有罪だ」
「みんなお待たせー……って、またなの謳歌さん?」
「あっ未来!」
「はい響、お弁当」
「ありがとう未来〜、もうお腹ペコペコだよぉ」
小日向未来は響に弁当箱を手渡し、呆れたようにしている。
「ほっほら!調もあんな人忘れてお弁当を食べるデス」
「切ちゃんがそう言うなら……」
そう切歌に促され調は弁当箱に手を伸ばした。
「おい謳歌!私達もはやくお昼食べるぞ!」
クリスの言葉に、地面にうずくまっていた謳歌は渋々起き上がると一言。
「あ〜あ〜クリスの身体がもっと未成熟だったら良かったのになぁ」
「お前そろそろその口閉じないと針と糸で縫い付けるぞ?」
そんなやり取りをしていると初等部校舎の方角から2つの人影がこちらに向かって歩いて来る。
「みなさーん!」
笑顔で手をふりながら歩いてくる少女と、何かに気付きあからさまに顔をしかめる少女。2人の顔はそっくり瓜二つであった。
「あっ!エルフナインちゃんにキャロルちゃんだ!おーい!」
響がその名前を口にした瞬間、謳歌は脱兎のごとく飛び出して行く。
「あっ!まて謳歌!」
クリスの制止も間に合わず、謳歌は2人の内の顔をしかめた方、キャロルの元に一直線に駆けて行く。
気付いたキャロルが反転し、逃げ出そうとするも時既に遅し。名前を口にした響はばつが悪そうにしている。
「キャ〜ロ〜ルちゃ〜ん♥️」
「ひぃ!!」
キャロルの抵抗むなしく謳歌は軽々とキャロルの身体を抱き抱え抱きしめる。
「あぁ〜今日もかわいいよぉ?キャロルちゃん?この浮き出たあばら骨とその容姿に似合わない口調最高!」
「やめろぉぉ!耳に息を吹き掛けるなぁ!服の中に手を入れるなぁ!オレにさわるなぁぁぁぁ!!!」
それを横目に双子の妹エルフナインは平然としている。
「謳歌さん、こんにちは」
「こんにちは、エルフナインちゃん。今日もキャロルちゃんは最高にかわいいわ♪」
尚も身体をまさぐり続ける謳歌、キャロルは悲痛な叫びをあげる。
「誰かぁ!助けt ひぃ!!スカートの中はやめろぉぉ!」
「いい加減に!しろぉぉぉぉ!!」
何処からか持ってきたバスケットボールを、クリスは謳歌目掛けて投げると顔面に直撃した。
「がっ!」
謳歌は地面に仰向けに崩れ落ちる。
「顔面はひどいよクリス……」
「自業自得だ!バカ!」
「ナイスコントロールですクリスさん(^-^)」
エルフナインが笑顔で拍手をしている。そんな妹とは対照的にキャロルは放心状態といった所。
「ほら!行くぞ!」
「痛っ!ちょっ!まってクリス!引きずらないで!?」
「黙ってろ!」
そのまま謳歌を引きずるようにして、2人は中庭を後にしていった。
そんな一部始終を見ていた切歌は、ある異変に気付く。
「しっ調……?」
よくみると調は顔がひきつり何かぶつぶつ呟いていた。
「あいつ……今度あったら絶対殺してやる……消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ……」
そう呟やきながらお弁当のプチトマトをフォークで何度も串刺しにしている。
「調ぇ!戻ってくるデス!それ以上はまずいデェス!プチトマトさんがぁプチトマトさんがぁ!」
調の肩をゆさゆさ揺らしながら必死にそう呼び掛ける。
「ほらキャロル、しっかり歩いて」
「くそ……やはり姿を見かけた瞬間に逃げるべきだった……」
キャロルに肩を貸しながら、エルフナインがこちらに向かって歩いて来る。キャロルの顔は心の底から疲弊しているという感じであった。
「くそ……何でいつもオレが狙われるんだ? 同じ顔なのになぜエルフナインは狙われない?」
「謳歌さん曰く、僕は“君は何か違う”らしいよ?」
「一体何が違うんだ……」
キャロルはそう嘆くと、また大きなため息をついた。
「キャロルちゃんごめん!」
響が申し訳無さそうにキャロルに謝る。
「……まぁ仕方がないだろう?」
「お詫びにこのおにぎりを1つあげるよ……」
「大丈夫だ、悪いのは全部あいつだからな」
「それに僕とキャロルはそんなに食べられないので」
そんなやり取りをしていると未来が一言。
「にしても、毎回毎回困った人ね謳歌さんは……」
「はぁ……」
そんな全員のため息と共に昼休みは過ぎていく。
ここリディアン女子音楽院は、小中高一貫の私立校である。
そんなリディアンにおいて一番の有名人といえば、卒業生であり今やトップアーティストの風鳴翼、天羽奏、マリア・カデンツァヴナ・イブの3人である。
彼女達に憧れ、リディアンに入学する者が後をたたないほどである。
そんなリディアンにおいて、“悪い意味で”一番有名なのが 謡詠吟 謳歌(うえぎ おうか)である。
高等科三期生であり、雪音クリスのルームメイトでもある彼女は、”性格以外は完璧“との周りからの評価がもっぱらである。
彼女の恋愛対照は女性である。まぁ女子校であるリディアンにおいては稀に有ることなので対して問題ではないのだが彼女の場合はさらに……
「全く……うら若き乙女の背中が傷物になったらどうするつもりだい?」
「お前はどっちかというとうら若き乙女を襲う方だろ」
「ひどくない!?」
先ほど謳歌を引きずってきたクリスは謳歌と食堂で昼食をとっていた。
「お前さぁ……いい加減ああいうのやめろよな……」
「だって可愛いじゃないか♪」
「調やキャロルが可哀想だろうが……」
「まぁ調ちゃんはともかくキャロルちゃんには許可取ってるから」
「謳歌お前……とうとう幻覚見るようになっちまったのか……」
「いや、私まだそんなヤバくなってないからね!?」
今日もリディアンは平和です。
ああ見えて作中で切ちゃんが一番ストレスかかってる気がする・・・
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新しい作品書いても良いですか・・・?(詳細は19話あとがきをご覧下さい)
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