リディアン音楽院の問題児   作:dedicates545

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明るいです(一部)・・・


蒸気霧

「皆さん、そろそろ到着します」

 

 

 

 運転手を兼務する緒川から、車内放送があった

 

 

 

「響、もう着くってよ?」

 

 

 

 未来が響に声をかける

 

 

 

「響?響ってば!」

 

 

「うぇ……?ごめん未来……どうしたの?」

 

 

 

 未来は響に問う

 

 

 

「どうしたの響?もしかして酔っちゃった?」

 

 

 

 未来は、呼び掛けに反応がなかった響を案じている

 

 

 

「ううん!全然そんなことないよ!」

 

 

「そう?なら良いんだけど……」

 

 

 

 未来は訝しみながらも、納得する

 

 

 

「ほら切歌ちゃん、そろそろ片付けないと」

 

 

 

 切歌と一緒にカードゲームをしていた藤尭がそう促す

 

 

 

「そうデスね、よっと!」

 

 

 

 切歌は立ち上がり、テーブルに散らばったカードを回収していく

 

 

 

「あっ……」

 

 

 

 回収していたカードが、前の座席に滑り落ちてしまった

 

 

 

「大変デス!ドロー4が……」

 

 

 

 切歌はそう言うと、前の座席の背もたれによじ登り、上半身を下ろしカードを取ろうとしている

 

 

 

「こら切歌ちゃん、危ないから……」

 

 

「これくらい平気なのデス!」

 

 

 

 藤尭の忠告を聞き入れず、なおも切歌はカードを取ろうとモゾモゾしている

 

 

 

「うーん!もう少しデェス!」

 

 

(危ないなぁ……)

 

 

 

 そんなことを考えていると、ふと謳歌は気付く

 

 

 

(うっ……下着が見えちゃう……!)

 

 

 

 慌てて謳歌は目をそらす

 

 

 

「? どうした?」

 

 

「いっ、いゃあ?」

 

 

 

 謳歌は声が裏返ってしまった

 

 

 

「どうしたんですか?」

 

 

 

 前の座席からひょこっと調が顔を出す

 

 

 

(ばれたら怒られる……!)

 

 

「いっ、いゃあ?本当になんでもないから」

 

 

 

 また声が裏返ってしまった

 

 

 

「……本当にですか?」

 

 

 

 じ──……

 

 調が疑いの眼差しを向ける

 

 

 

(うぅ……そんな目で見ないでよぉ……

 

 てか藤尭先生見てないで切歌ちゃん止めてよ!)

 

 

 

 そんなことを考えていると、未来が切歌の上着の裾をぐいっと引っ張る

 

 

 

「もう……ダメよ切歌ちゃん?危ないでしょ?」

 

 

「未来さん……でも、ドロー4が!」

 

 

 

 切歌が抗議する

 

 

 

「はい!切歌ちゃん!」

 

 

 

 響が切歌にカードを手渡す

 

 

 

「おぉ!ドロー4は無事デス!」

 

 

 

 切歌が歓喜の声をあげる

 

 

 

「調ぇ〜ドロー4は無事デェス!」

 

 

 

 切歌が調に呼び掛ける、反射的に双方が双方の居る方向に目を向ける

 

 

 謳歌も反射的に切歌達が居る方に目をやる

 

 

 今思えば、軽率な行動だった

 

 

 

「あっ……」

 

 

 

 

 

 顔が視線に入ってしまった

 

 

 

 

 

「? ……何ドロー4って……」

 

 

 

 調はゲームをしたことが無いため意味が分からずにいる

 

 

 

(調ちゃんごめん!)

 

 

 

 謳歌はとっさに目の前にいた調に抱きつき視線を遮る

 

 

 

「きゃあ!?ちょっと何ですか!」

 

 

「おっ、おい!?何してんだよ!」

 

 

 

 謳歌はがっちり調をホールドしている

 

 

 

「およ?何してるデスか〜?」

 

 

 

 切歌が謳歌達の居る方へ近づいてくる、未来とキャロルとエルフナインもそれに続く

 

 

 

「ふふっ、何してるんだか」

 

 

 

 友里は微笑む、そして気が付く、自分の腕が物凄い力で握り締められている事に

 

 

 

「! 響ちゃんまさか……」

 

 

 

 響は力無く頷く、その表情は顔面蒼白であった

 

 

 

「全く……何やってんだか、ねぇ友里先せ…… !」

 

 

 

 藤尭も異変に気付く、そして友里と目配せし頷く

 

 

 

「ちょっと!?何処に顔埋めてるんですか!」

 

 

 

 謳歌は調に抱きつきながら恐る恐る後方を確認する

 

 

 藤尭が後方への視線を遮るように立っている

 

 

 謳歌に気付くと、藤尭は小さく首を振った

 

 

 

「おっ、おい……どうしたんだよ」

 

 

 

 クリスは謳歌の行動に困惑している

 

 

 

「あ〜!ズルいデス!私も調にくっつくデス!」

 

 

「切歌ちゃん……話をややこしくしないで……」

 

 

 

 未来が切歌に言う

 

 

 

「あんなグレートプレーンズみたいな胸に顔埋めても楽しくないだろ」

 

 

 

 キャロルが言う

 

 

 

「キャロル、グレートプレーンズだからこそかもよ?(^-^)」

 

 

「ちょっと!誰がグレートプレーンズよ!誰が大平原よ!」

 

 

 

 調が抗議する

 

 

 

「まずい!聞かれてた!」

 

 

 

 キャロルが慌てた様に言った

 

 

 

 

 

 

「響ちゃん、謳歌ちゃんが時間を稼いでくれているからゆっくりで大丈夫よ……」

 

 

 

 友里は響を隣に座らせ、声をかける

 

 

 響の手は小刻みに震えている

 

 

 

「響ちゃん大丈夫よ……

 

 ここはあなたが居た小学校では無いわ、よく顔が似ているけど、あの子はあなたを苦しめた子ではないわ……

 

 大丈夫よ……」

 

 

 

 友里は響に声をかけ続ける

 

 

 

 

 

「あれ?響……?」

 

 

 

 未来が響が居ない事気付く

 

 

 

(はっ!まずい!!)

 

 

「きゃあ!?」

 

 

 

 謳歌は調から手を離すと、今度は未来に抱きつく

 

 

 

「ほう……?今度はダウラギリか、グレートプレーンズとは比べ物にならないな」

 

 

「キャロル?だから聞こえてるからね?」

 

 

 

 調はにこやかにキャロルに言う、かえって怖い

 

 

 

 

 

 

 友里が背中をさすっていると、響はすっと立ち上がる

 

 

 

「……ありがとうございます、もう大丈夫です……」

 

 

 

 そう言うと、響は前方の集団の方へ向かう

 

 

 

 

 

 

 謳歌は未来に抱きつきながら、藤尭からのシグナルを見逃さなかった

 

 

 しかし思わぬ反撃にあう

 

 

 

「離して下さいっ!!」

 

 

 

 未来の膝が、謳歌のみぞおちにクリーンヒットしたのだ

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

 

 苦しみながらも、自然に顔を下に向ける事に成功した

 

 

 

「みんな!何してるの!」

 

 

「響、何でもないの」

 

 

 

 未来は何事もなかった様に平静を装っている

 

 

 

「キャロル?さっきの発言はどういう事かな?」

 

 

 

 まるでエルフナインのような笑顔で、調はキャロルを詰問している

 

 

 

「わっ、悪かったって……」

 

 

「自業自得だねキャロル(^-^)」

 

 

「お前も言ってただろ!」

 

 

 

 そんなことをしていると、後ろから声が聞こえてきた

 

 

 

「ほらみんな!もう駐車場に着いてるよ!」

 

 

「降りる準備をしてね」

 

 

 

 友里と藤尭がみんなに声をかける

 

 

 

「はい未来!荷物!」

 

 

「ありがと響」

 

 

 

 響達は1番最初にバスを降り、その後に一同が続く

 

 

 

「謳歌……私達も……」

 

 

「ごめん……先に降りてて……」

 

 

 

 みぞおちを押さえながら謳歌は言う

 

 

 クリスが降りた後、バスには3人が残っていた

 

 

 

「友里先生……響ちゃんは……」

 

 

 

 謳歌が尋ねる

 

 

 

「えぇ……軽度のフラッシュバックね」

 

 

「そうですか……すいません……」

 

 

 

 謳歌は2人に告げる

 

 

 

「いや……不可抗力さ、それよりそろそろバスを降りよう、これ以上は怪しまれる」

 

 

「そうですね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3人はバスを後にした




1話見返しましたがこれじゃ1話詐欺ですよねぇ・・・

いつも読んで頂きありがとうございます・・・

次も頑張ります・・・

ご質問等あれば出来る限りお答えします

ご指摘、感想等何でも構いません、お寄せ下さい

新しい作品書いても良いですか・・・?(詳細は19話あとがきをご覧下さい)

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