リディアン音楽院の問題児   作:dedicates545

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Ordine dei Santi Maurizio e Lazzaro

 

 

 

「調ちゃん……キャロルちゃんだけでもそろそろ……」

 

 

「黙ってて下さい?」

 

 

 

 まるでエルフナインのような笑顔から、想像出来ないような恐ろしい声色で調は返す

 

 

 

「悪かったって……頼む、もう足が痺れて限界なんだ……」

 

 

 

 キャロルが懇願する

 

 

 

「調ちゃん……私が悪いんだからキャロルちゃんは許してあげて……」

 

 

「ほぼ同罪ですよ」

 

 

 

 ニコニコの笑顔で調は返す

 

 

 旅館に到着してから、小1時間2人は正座させられていた

 

 

 

「別にオレは本当の事言っただけだろ……」

 

 

 

 キャロルがボソッと口にする

 

 

 

「へぇ……この期に及んでまだそんなこと言うんだぁ……」

 

 

 

 調が一段と低い声色で言う

 

 

 

「だってそうだろ!?現にお前に胸が無いのは事実だろ!」

 

 

「キャロルちゃん!ダメだってば!」

 

 

 

 謳歌がキャロルを制す

 

 

 

「………………」

 

 

「しっ、調ちゃん……?」

 

 

 

 調はおもむろに冷蔵庫に向かう

 

 

 

「そんなこと言うのはこの喉かなぁ……それとも頭かなぁ……」

 

 

「ひぃ!!」

 

 

 

 調の手には、アイスピックが握られている

 

 

 

「ちょっと待って調ちゃん!それはしゃれにならないよ!?」

 

 

 

 謳歌が調を制す

 

 

 

「たっ、助けて!」

 

 

 

 キャロルが痺れた足を引きずりながら、這うようにして謳歌にすがる

 

 

 

「しっ、調ちゃん、一旦落ち着こう!?ね?胸なんか無くたって良いじゃない、私は無い方が良いと思うよ?」

 

 

 

 ぴたっ!と調の動きが止まる

 

 

 

「……………………ないのよ」

 

 

 

 何やらぼそぼそ言っている

 

 

 

「えっ何て言ったの?もう1回言って……」

 

 

「そういう嗜好の人に言われても嬉しくないのよ!!」

 

 

 

 そう叫ぶと調は、おもいっきりアイスピックを振り下ろす

 

 

 

「ぎゃあああ!!」

 

 

「っ!」

 

 

 

 謳歌はキャロルに覆い被さるように庇う

 

 

 

 どん!

 

 

 

「……?」

 

 

 

 鈍い衝撃音がし、恐る恐る謳歌とキャロルは目を開ける

 

 

 体の何処にも穴は開いていない

 

 

 

「……切歌ちゃん!?」

 

 

 

 そこには伸びた調と、埃を払う切歌の姿があった

 

 

 

「ふぅ……危ない所だったデス!」

 

 

「ありがとう……助かったよ……」

 

 

 

 謳歌は切歌にお礼を言う

 

 

 

「これくらい朝飯前なのデス!」

 

 

 

 切歌がそう答えるのとほぼ同時に調が目を覚ます

 

 

 

「ん……私、どうしたんだろ……」

 

 

「調!」

 

 

 

 切歌は調に駆け寄ると、左右におもいっきりほっぺを伸ばす

 

 

 

「きりふぁんいふぁいぃ」

 

 

「悪いことをする子にはおしおきデス!」

 

 

 

 ほっぺをつねりながら切歌は言う

 

 

 

「無抵抗の人に武器を使うのはいけないデス!今度からは素手で殴るとかにするデス」

 

 

「ごふぇんふぁふぁい、ふぉうふぅふぅ」

 

 

 

 切歌は調のほっぺから手を離す

 

 

 

「切ちゃんごめんなさい……」

 

 

 

 調はシュンとしている

 

 

 

「これからはこういう事しちゃ駄目デスよ?」

 

 

「うん……ごめんなさい……」

 

 

 

 一連のやり取りを見ていたキャロルが一言いう

 

 

 

「いや……素手も駄目だろ……」

 

 

 

 キャロルが声を発した瞬間、調が物凄い勢いで振り向く

 

 

 

「……何か言いました?」

 

 

 

 とっさに謳歌はキャロルの口を押さえていた

 

 

 

「いっ、いやぁ?」

 

 

 

 調はそのまま視線をキャロルに傾ける

 

 

 キャロルは首を左右にブンブンふる

 

 

 

「……そうですか」

 

 

 

 調は訝しみながらも、視線を元に戻す

 

 

 

「それより折角温泉に来たんデスからお風呂に行くデス!」

 

 

「そうだね……」

 

 

 

 調は謳歌の方に視線を送る

 

 

 

「…………」

 

 

 

 謳歌は露骨に目線を逸らしていた

 

 

 

「あの……まさかここまで来て温泉入らないなんて言わないですよね……?」

 

 

 

 調が尋ねる

 

 

 

「駄目かな……?」

 

 

「駄目ですよ!?」

 

 

 

 謳歌の答えに、調が突っ込みを入れる

 

 

 

「いや……ていうかオレ達と毎晩入ってるから別に平気だろ……」

 

 

「毎晩!?刺激的デェス!」

 

 

 

 切歌が驚きの声をあげる

 

 

 

「いや……でも大丈夫だよ……消臭スプレーとかシートとか色々持ってきてるし……」

 

 

「何も大丈夫じゃないだろ……」

 

 

 

 呆れるキャロルを背に、調は何やら荷物をごそごそしている

 

 

 

「はぁ……こんなこともあろうかと、手は打ってあります」

 

 

 

 調は畳の上に何やら並べている

 

 

 

「えっ……?これ私の下着……」

 

 

「どうせこんなことだろうと思って持って来ました」

 

 

 

 小分けにされた袋の中には、謳歌の着替えが入っていた

 

 

 

「いやぁ!調ちゃんの変態ぃ!!」

 

 

「おい!引っ付くな!」

 

 

 

 謳歌はキャロルの背に隠れる

 

 

 

「あなただけは言われたくないですから!」

 

 

 

 そしてそのまま謳歌を引きずり出しにかかる

 

 

 

「ほら!行きますよ!」

 

 

「いやぁだぁ!」

 

 

 

 謳歌はキャロルにしがみつく

 

 

 

「痛ててて!おい!引っ張るな!離せ!」

 

 

「キャロルちゃん助けてよぉ!」

 

 

 

 小柄なキャロルでどうにかなるわけもなく、 そのままずるずる引きずられていく

 

 

 その時、部屋の戸を開ける音が聞こえた

 

 

 

「何してるんですか……?廊下まで声が聞こえてきましたよ?」

 

 

 

 未来である

 

 

 

「未来ちゃん助けて!」

 

 

「未来さん手伝って下さい!」

 

 

 

 謳歌と調が同時に助力を求める

 

 

 

「あの……話が見えないんですが……」

 

 

 

 キャロルが未来に事情を話す

 

 

 

「まぁ……無理矢理は良くないですけど、謳歌さんは謳歌さんでどうかと思いますね……」

 

 

「うぅ……みんなひどいよぉ……」

 

 

 

 謳歌は皆に背を向け、部屋の隅に座っている

 

 

 

「なぁ……何がそんなに嫌なんだよ?」

 

 

 

 キャロルは謳歌に問いかける

 

 

 

「…………」

 

 

 

 謳歌は首を左右に振り、答えようとしない

 

 

 目にはいっぱいの涙が貯まっている

 

 

 

「メソメソするなよぉ……なぁ?」

 

 

 

 そう言いながら、キャロルは謳歌の頭を撫でる

 

 

 

「そうですよ……ほら、一緒に行きましょ?」

 

 

 

 調は膝を曲げ、謳歌の背中をさすっている

 

 

 

「…………ゃない?」

 

 

「? 何ですか?」

 

 

 

 調は聞き返す

 

 

 

「私と旅行するの嫌じゃない……?」

 

 

「何いってるんですか……嫌だったらまずこの場にいませんよ」

 

 

 

 調は諭すように言う

 

 

 

「そうデスよ?気にしすぎデス!」

 

 

 

 切歌も同調し、未来も頷いている

 

 

 

「本当に……?」

 

 

「もう……だから大丈夫だって言ってるじゃないですか……」

 

 

 

 調は謳歌の頭を撫でる

 

 

 

「この中じゃお前が1番年上なんだぞ?あまりメソメソするな」

 

 

「うん……ごめんねキャロルちゃん」

 

 

 

 謳歌の発言に、未来が反応する

 

 

 

「あっ、謳歌さんまた言いましたね?“ごめん”じゃなく“ありがとう”ですよ?」

 

 

「そうだったね、ごめっ……じゃなかった、ありがとう未来ちゃん」

 

 

 

 未来は笑みをこぼす

 

 

 

「ぎこちないですね、でも意識して使わないと駄目ですよ?」

 

 

「うん……頑張るよ」

 

 

 

 会話が切れた所で、切歌が発言する

 

 

 

「それじゃあ!改めて温泉に向かうデス!」

 

 

 

 一同部屋を後にする、ふと謳歌は携帯に通知が入っている事に気付いた

 

 

 

「! 響ちゃん……」

 

 

 

 響からのメールだった、本文にはこうかかれていた

 

 

 

「 J 」

 

 

ー・ー・ー ・ーー・ ー・ー・・ ー・・・

 

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・ーー・・ ー・・ー ーーー・ー

 

 

ーー・・ー ーー・・ー・・ ー・ー・・

 

 

 

 

 

 

 

「何してるんですかー?」

 

 

 

調が謳歌によびかける

 

 

 

「今行くー」

 

 

 

謳歌は調に答えると、急いでこう返信した

 

 

 

「 E 」

 

 

ーーー ー・ー

 




遅くなりました・・・ ごめんなさい・・・

次回も頑張ります・・・

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