リディアン音楽院の問題児   作:dedicates545

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遅くなりました・・・ごめんなさい・・・


Syn

「もう……何やってるんですか……」

 

 

「大丈夫デスか?」

 

 

 

 脱衣場のベンチに謳歌は横たわっている

 

 

 

「まさかのぼせてるなんて……」

 

 

 

 未来は心配そうにしている

 

 

 

 

 

 

 ●

 

 

 

 

 

 

「おぉ!広いデェス!」

 

 

「切歌ちゃん、危ないから走ったら駄目だよ?」

 

 

 

 未来が切歌に注意を促す

 

 

 

「みなさーん(^-^)」

 

 

「エルフナイン、先に来てたのね」

 

 

 

 調が、エルフナインに言う

 

 

 

「ところで調さん、謳歌さんは何でアイマスク何かしてるんですか( ・◇・)?」

 

 

「へっ……?」

 

 

 

 調は一瞬、エルフナインの言葉を理解出来ずに固まってしまう

 

 

 後ろを振り向くと、アイマスクをしてよろよろと壁づたいに歩く謳歌の姿があった

 

 

 

「何やってるんですか!!危ないでしょう!!」

 

 

 

 調は思わず、謳歌を怒鳴りつける

 

 

 

「! しっ、調ちゃん……」

 

 

 

 調の怒鳴り声に、謳歌はビクッと肩を震わす

 

 

 

「取って下さい!今すぐに!」

 

 

「勘弁して……流石に無理……」

 

 

 

 謳歌は調に懇願する

 

 

 

「何が無理何ですか!私達の裸なんて見慣れてるじゃないですか!」

 

 

「そっ、そんな!見慣れてる何てとんでもないよう……」

 

 

 

 謳歌が否定する

 

 

 

「嘘です!始めの方こそ見ないようにしてましたけど、最近横目でチラチラ見てるの分かってるんですからね!?」

 

 

 

 調はさらにまくし立てる

 

 

 

「別に見られるのが嫌とか言ってるんじゃ無いんですよ!こそこそ隠れてばれないようにされるのがイライラするんです!見るなら見るで堂々として下さい!」

 

 

「だってぇ……」

 

 

 

 謳歌はなおもゴニョゴニョ言っている

 

 

 

「おい……こんな所で喧嘩するなよ……」

 

 

 

 未来に抱えられながら、キャロルが呆れたように言う

 

 

 

「というか下ろせ、オレはシャワーで良いと言っているだろ!」

 

 

「駄目よキャロル、ちゃんと肩までお湯につからないと」

 

 

「うぅ……熱いのは嫌いなんだ……」

 

 

 

 未来はがっちりとキャロルを抱えている

 

 

 

「はい!じゃあ謳歌さん、後はお願いします」

 

 

「ふぇ?」

 

 

 

 謳歌は未来から何かを手渡される、感触はぷにぷにとしている

 

 

 

「おい!どこに触ってんだ!」

 

 

「これも没収です!」

 

 

 

 調はそう言うと、謳歌のアイマスクを剥ぎ取る

 

 

 

「えっ!?ちょっと……!」

 

 

 

 謳歌の視界に最初に飛び込んできたのは、金色のモシャっとした物体

 

 

 

「おい!いつまでそうしてるつもりだ!」

 

 

 

 そのモシャっとした物体から声が聞こえてきた、どうやらこれはキャロルの後頭部のようだ

 

 

 

「謳歌さーん!ちゃんとキャロルを湯船に浸からせて下さーい」

 

 

 

 未来が謳歌によびかける

 

 

 

「えっ、えぇ……?」

 

 

 

 謳歌はキャロルの脇に手を入れ、抱えたまま困惑している

 

 

 

 

「おい……もうお湯に入ってもいいから早くしてくれ……さっさとあがりたい……」

 

 

「うっ、うん……」

 

 

 

 やっと前に進みだしたが、数歩進んだ所でビクッと体を震わせ、謳歌は立ち止まる

 

 

 

「おい……今度は何だ……」

 

 

 

 キャロルが見上げると、謳歌は目をつむっていた

 

 

 

「おい……何して……ん?」

 

 

 

 キャロルは、正面のガラスに自分たちが反射して映っているのに気付いた

 

 

 

「見えちゃうからせめてタオルか何か巻いて……」

 

 

 

 謳歌は力なくキャロルに請う

 

 

 

「……別に今さら見えたって良いだろ……」

 

 

「無理……」

 

 

 

 キャロルは辺りを見渡す、タオルはさっきシャワーを浴びてる時に未来に連れ去られた時にそのまま置きっぱなしである

 

 

 

「分かった……じゃあまず回れ右して後ろを向け」

 

 

「うん……」

 

 

 

 謳歌は慎重に後ろを向く

 

 

 

「そのまま真っ直ぐ歩け」

 

 

 

 キャロルは内心不安であった、またいつぞやの廊下の時のように転びやしないかと

 

 

 

「なぁ……1回下ろしてくれ、タオル取って来るからさ……」

 

 

「でも……未来ちゃんに頼まれてるし……」

 

 

 

 予想どうりの回答が帰って来た

 

 

 

「はぁ……分かったけど気を付けろよ?また顔なんか打ったらシャレにならん」

 

 

「うん、分かってる……よぉ!?」

 

 

 

 話している矢先に、ズルっと謳歌が足を滑らす

 

 

 

「わぁ!?ほらみろ言わんこっちゃないぃ!!」

 

 

 

 キャロルは衝撃に備え身構えるが、何も起きない

 

 

 

「? どうなったんだ?」

 

 

 

 キャロルは振り向く

 

 

 

「何やってんだよ……」

 

 

 

 クリスである

 

 

 

「クリス?助かったよ……」

 

 

「バカ!危ないだろ!!」

 

 

 

 クリスは謳歌を怒鳴りつける

 

 

 

「だってぇ……」

 

 

「おい!じゃあそこのタオル取ってくれ」

 

 

 

 キャロルはクリスにタオルを取って来てもらう

 

 

 

「ほら隠したぞ、さっさとしろ」

 

 

「上も隠して……」

 

 

 

 謳歌の問いにキャロルは返す

 

 

 

「いや……位置的にお前の腕で隠れてるだろ……」

 

 

「うそ!?」

 

 

 

 キャロルの発言を聞き、謳歌は思わず手の力を緩める

 

 

 

「わぁ!?落ちる落ちる!!」

 

 

「!? ごっ、ごめん」

 

 

 

 謳歌が力を緩めたことにより、キャロルは危うく落下しかける

 

 

 

「……はぁ!」

 

 

 

 クリスは今にも怒鳴り出しそうだったが、飲み込んだようであった

 

 

 

「ほら……支えてるからちゃんと歩け」

 

 

「ごめん……ありがとう」

 

 

(周りから見たら異様な光景だろ……これ……)

 

 

 

 キャロルは抱えられながらそんな事を考えていた

 

 

 

「ほら……後は湯船だから、あと左向けば壁だから目開けても大丈夫だぞ……」

 

 

「うん……ごめんねクリス……」

 

 

 

 クリスはそう言うと、皆のいる方へ移動していった

 

 

 

「うわ……ぼやけて見える……」

 

 

「ずっと目なんか閉じてるからだバカ」

 

 

 

 謳歌は苦笑いを浮かべながら、ゆっくりと腰を下ろす

 

 

 

「なぁ、どれくらい浸かれば良いんだ……?」

 

 

「うーん……10分位かなぁ」

 

 

 

 謳歌の返答に、キャロルは愕然とする

 

 

 

「10分だと!?長すぎだろ!長くてせめて3分位だろ!?それ以上浸かったらふやけて死ぬ!!」

 

 

「そんなカップラーメンじゃ無いんだから……」

 

 

 

 それからキャロルは文句ばかり言っている

 

 

 

「何で大体日本の風呂はこうも熱湯ばかりなんだ!!やけどするやけど!!」

 

 

「いや……キャロルちゃん、ここのはぬるい方だと思うけど……」

 

 

 

 キャロルはさらに続ける

 

 

 

「大体小日向も小日向だ!文化の違いをまるで理解していない!オレの国じゃ基本サウナなんだ!風呂何てもの日本に来るまで知らなかった!」

 

 

「そっか……キャロルちゃん達はどこ出身なの」

 

 

 

 キャロルは答える

 

 

 

「ノルウェーだ、パパとママはスヴァールバルで働いてた、パパはFAOの研究者だからな」

 

 

「という事は“例の場所”で働いてたの……?」

 

 

 

 謳歌が緊張気味に尋ねる

 

 

 

「例の場所って貯蔵庫の事言ってるのか?あそこは言葉の通り貯蔵庫だからあそこで研究なんて無理だぞ?」

 

 

「そっ、そっか……」

 

 

 

 謳歌はちょっぴりシュンとしている

 

 

 

「まぁ……でもたまに入ってたりはしてたみたいだぞ?あとママは記録庫の方で働いてたぞ?」

 

 

「そうなんだ!良いなぁ……」

 

 

 

 謳歌は心底羨ましそうに言う

 

 

 

「…………」

 

 

「キャロルちゃん?」

 

 

 

 急に黙るキャロル

 

 

 

「いや……すまん、今の喋り方あいつ……いや、エルフナインに似てるなって思ってな……」

 

 

「エルフナインちゃんに?私が?」

 

 

 

 謳歌は聞き返す

 

 

 

「オレはあいつとは違ってパパの役にたてないからな……」

 

 

 

 独り言のようにそう言ったキャロルは、はっ!と話題を変える

 

 

 

「そっ、そういえばあいつ、暁もノルウェー出身らしいぞ?」

 

 

「へっ?切歌ちゃんも?……どうりで綺麗なブロンドだと思った……」

 

 

 

 謳歌はあえてさっきのキャロルの独り言に触れなかった

 

 

 

「……〜れでだ、オレはまだ成長期だから野菜はとらずとも成長すると確信していてだなぁ、ん?」

 

 

 

 キャロルはいつの間にか1人で喋っていることに気付いた

 

 

 

「おい、どうした?」

 

 

 

 返事はない

 

 

 

「おい、寝ちまったのか?とりあえずもう良いだろ上がっても」

 

 

 

 なおも返答はない

 

 

 

「おい!いい加減返事くらいし……ろ?」

 

 

 

 振り向いたキャロルが目にしたのは、頬が紅潮しきりぐったりと肩に寄りかかった謳歌の姿であった

 

 

 

「おっ、おい!?しっかりしろ!おーい!誰かこっちに来てくれ……!」

 

 

 

 

 ●

 

 

 

 

 

「だからオレは言ったんだ!熱湯に肩まで浸かるなんて危険だって!」

 

 

「いやキャロル……そこはあまり関係無いと思うデス……」

 

 

 

 切歌がキャロルに言う

 

 

 

「それより調ちゃん、本当に良いの?私も待ってようか?」

 

 

 

 未来が尋ねる

 

 

 

「いえ先に戻ってて大丈夫です、その内目を覚ますでしょうから」

 

 

「悪いな調……」

 

 

 

 最後にクリスがそう言い、調と謳歌以外は部屋へと戻っていった

 

 

 

 

 

「……ん、あれ……ここどこ……?」

 

 

「気が付きましたか?」

 

 

 

 謳歌が目を開けると、そこには調の顔があった

 

 

 

「調ちゃん……?」

 

 

 

 謳歌はそう言うと、後頭部の柔らかな感触に気が付く

 

 

 

「ん……何だろうこれ……!!」

 

 

「きゃあ!もう、急に起き上がっちゃ駄目じゃないですか!」

 

 

 

 謳歌が恐る恐る振り向くと、そこには調の太ももがあった

 

 

 

「!! まさか私、調ちゃんに膝枕されてたの……?ていうか何でこんなことに!?」

 

 

 

 謳歌は混乱している

 

 

 

「もう……お風呂でのぼせて気を失ってたんですよ?はいこれ」

 

 

 

 調は謳歌に経口補水液を手渡す

 

 

 

「あっ、ありがとう……もしかしてずっと介抱してくれてたの?」

 

 

「もう……こんなもの持ち歩いてる人が気を失うくらいまでお風呂に入らないで下さいよ……」

 

 

 

 経口補水液は、謳歌のメディカルバックに入っていた物である

 

 

 

「そっか……ごめんね?ありがと……!!ごめん!今何時!!?」

 

 

 

 謳歌は慌てて時間を尋ねる

 

 

 

「えっ!?今ですか?8時30分を少し回った位ですね……」

 

 

(そんな!急がなきゃ……きっともう響ちゃん待ってる)

 

 

 

 謳歌は立ち上がり、脱衣場を出ようとする

 

 

 

「!? ちょっと!どこ行くんですか!?もう少し安静にしてないと!!」

 

 

 

 調が謳歌を制止する

 

 

 

「離して調ちゃん!!」

 

 

「駄目です!!急に起き上がっちゃ!!」

 

 

 

 謳歌は内心かなり焦っていた、そして焦りという物は、時に人を思わぬ行動に移す

 

 

 

「もう!うるさぁい!!離してって言ってるでしょう!!」

 

 

「きゃあ!!」

 

 

 

 謳歌とは思えない程の怒鳴り声をあげ、調の手を振りほどいた

 

 

 

(急がなきゃ!急がなきゃ!!)

 

 

 

 手を振りほどいた反動で、調を突き飛ばしてしまった事にすら気付けないほど、謳歌は焦っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後起こる事を、謳歌はまだ知らない





遅くなりました・・・申し訳ないです・・・

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新しい作品書いても良いですか・・・?(詳細は19話あとがきをご覧下さい)

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