「ちょっ!ちょっと!?調ちゃんってば!」
「黙って着いて来て下さい!」
部屋を飛び出した調達は中等科の寮へと向かっていた
「ここって中等科の寮だよね?」
「うん……でも何で中等科の寮何かに……」
未来と響が思慮していると、寮から誰かがこちらに向かってくるのが見えた
「カリオストロさんこんにちは(^-^)」
「まぁエルフナインちゃん、今日もニコニコね」
出迎えたのは、中等科の寮監であるカリオストロであった
「おっ……お久しぶりです……」
「謳歌ちゃん……聞いたわよ?……クリスちゃんの事はサンジェルマンにお願いしてあるから安心して」
「すいません……」
カリオストロは謳歌をそっと引き寄せると優しく抱き締めた
「待たせたワケダ」
「プレラーティさんこんにちは(^-^)」
そこに現れたのは初等科の寮監、プレラーティである
「キャロル、また危ないことをしたワケダ?」
「うっ……説教なら止してくれ……耳にタコが出来る」
「あまりイザーク先生を心配させるなというワケダ」
プレラーティが来た所でカリオストロは皆を寮に招き入れる
「エルフナインちゃんから話を聞いた時は正直どうなるかと思ったわよ?」
「でもこうして言った通りになりました(^-^)」
2人の会話を聞いていた響は思わず体を震わす
「エルフナインちゃんって予知能力でも持ってるのかな……?」
「そう考えるとあの純真無垢な笑顔も恐ろしく見えてくるね……」
そんな話をしている内に目的地に到着したようだ
「ここが頼まれてた4人部屋よ」
「あっ、あの……4人部屋って一体……」
謳歌の質問に、エルフナインが答える
「謳歌さんさっきも話したじゃないですか(^-^)
今日から僕達はルームメートですよ(^-^)/」
「相変わらず用意が良いなお前は……」
キャロルが呆れたように言う
「もう用意が良いとか言うレベルじゃないよね……」
「驚きを通り越して恐ろしくなってきたデス……」
響と切歌と未来が改めて恐怖する
「ほら!何ぼーっとしてるんですか!入りますよ!?」
「うっ、うん……」
調に促され、謳歌は部屋に入る そこには4人分のベッドが置いてある
「とりあえず部屋は用意したから、荷物は各自で用意してね?」
「はい!ありがとうございました(^-^)」
「それと、転出届けを出していくワケダ」
「分かりました(^-^)/」
エルフナインが元気に返事をする
「しっ、調ぇ……私はどうすれば良いデスか?」
「切ちゃん……ごめんね?暫くこの人と一緒の部屋だから……」
切歌は不安げな顔で訴える
「調がいなかったら大変デス!朝1人で起きないといけないデスし、宿題だって1人でしなきゃデス!それにご飯は誰がつくるデス!調が居ないと飢え死にするデス!」
「お前は少し自分でする努力をしたらどうだ……」
キャロルが呆れたように言う
「キャロルも人の事言えないでしょ?着替え1人で出来ないのに(/。\)」
「おっ、俺の事は今関係無いだろ!?」
キャロルがエルフナインを非難する
「それじゃあ私達の部屋に来なよ切歌ちゃん!未来も良いよね?」
「そうだね、ベッドは私と響は一緒に使ってるから1つ空いてるしね」
「本当デスか!?ありがたいデス!」
そんなやり取りにキャロルはふと疑問を持つ
「ん……?今ベッド一緒に使ってるって言ったか?」
「そうだよ?それがどうかしたの?」
響が尋ねる
「いや……1人1つあるのにわざわざ2人で1つのベッド使ってるのか?」
「そうだけど……何かおかしいかな?」
「普通だよね?」
未来と響は首をかしげる
「私も切ちゃんとたまに一緒に寝るよ?」
「調はひんやりしてて気持ち良いデス!」
切歌と調も同調する
「おっ、俺がおかしいのか……?」
キャロルはそう言うと恐る恐る謳歌の方を見る
「えっ?私はクリスと一緒に……」
キャロルは固唾を呑んで返答を待っている
「寝たい……」
「たい……?」
キャロルはそう繰り返す
「いやぁ……去年までは一緒に寝てたんだけど……今年に入ってから一緒に寝てくれなくなっちゃって……」
「去年までって……お前らの体躯じゃ狭いだろ……」
「そうでもないよ?抱きついて寝るし……」
謳歌の発言に、キャロルが驚愕する
「抱きついてるのか……?」
「普通だよね?」
響が言う
「そうだね、普通だよ?」
「まぁ……切ちゃんもたまに抱きついてくるしね」
「あれ?そうだったデスか?まぁでも問題無いのデス!」
一同がそれに続くように話す
「やはり俺がおかしいのか!?間違っているのか!?」
キャロルが軽くパニックに陥っていると、部屋の扉をノックする音が聞こえた
「邪魔するわよ?」
「サンジェルマンさんこんにちは(^-^)」
「やぁエルフナイン、今日も良い笑顔だわ」
扉をノックしたのは、高等科の寮監であるサンジェルマンである
「謳歌……全くあなたって子は……」
「……ごめんなさい」
サンジェルマンは謳歌の頭を優しく撫でる
「カリオストロとプレラーティが荷物を運ぶの手伝ってくれるようだから行って来なさい」
「うん……分かりました……」
謳歌が行った後サンジェルマンは一同にお礼を言う
「みんな、あの子の為に色々してくれてありがとう」
「いっ、いえ……」
「そんなそんな……」
皆謙遜している
「私達ではあの子に厳しく出来ないからね……
同年代に君たちのような子が居てくれて本当にうれしいわ」
「あの……やけに皆さんあの人と親しげなんですが何かあるんですか?」
「まぁ……あの子達とは長い付き合いだからね、愛着がわいてしまって私達ではあの子を導けないのよ……」
サンジェルマンが憂いげに語る
「12年の付き合いで5歳の頃から、ですか?」
調が尋ねる
「よく知っているわね、誰からか聞いたの?」
「はい、風鳴先生がそう言ってました」
「そう……風鳴先生だけじゃなくこの学院のほとんどの先生は謳歌とクリスの事は自分の家族のようにおもっていると思うわ……」
そう言うサンジェルマンに、調は切り出す
「あの……差し支えなければ教えて頂けませんか?」
「そうね……あの子達の為にも、あなた達には知っていてもらった方が良いのかもしれないわね……」
そう言うとサンジェルマンは話を始めた
「まずクリスと謳歌のご両親の事についてだけど」
「そういえば……見たことないね、クリスちゃん達のご両親」
響が喋り終えるのを見計らいサンジェルマンは続ける
「えぇ、クリスと謳歌のご両親は海外にいらっしゃるのよ」
「なんとなく聞いた事があるデス、確かえぬじーおー?で活動してるって言ってたデス」
切歌は記憶をたどり会話を絞り出す
「えぇ、クリスのご両親は
セーブ・ザ・チルドレンで活動しているわ
謳歌のご両親、お母さんは国境なき医師団で、
お父さんの方は今はバルベルデの停戦監視団でPKO活動中って聞いてるわ」
「バルベルデって……最近まで戦争してた所ですよね?」
南米の軍事独裁国家であるバルベルデ共和国は、民主化を求める反政府組織バルベルデ民主解放軍との戦闘により、最近まで内戦状態にあった国である
戦闘により大量の難民が発生し、また政府軍側がハーグ陸戦条約で禁止されている生物兵器を使用した疑惑が広がっており、今世界で最も人道的危機に貧している国である
「今そこにクリス先輩達のご両親がいるんですか……?」
「そう聞いているわ」
政府軍側は解放軍側に劣勢を強いられ、押し出される形で隣国のガイアナ共和国と仏領ギアナの国境を侵犯、国家間の緊張が一気に高まった
これを受け国連は、安全保障理事会を召集 1973年のスエズ危機以来となる国連緊急軍の派遣を採択した
その後、政府軍側の内通者により大統領が暗殺され、解放軍側との停戦が合意された
停戦により、国連緊急軍はそのまま国連PKOバルベルデ派遣団へと移行され、現在は停戦監視 行政ミッション 難民支援等の活動を行っている
「なんだか全然考えが追い付かないよ……」
「それじゃあクリスちゃんと謳歌さんはご両親とは……」
「ほとんど会えていないわ」
重い沈黙が部屋を支配している 皆どう反応して良いか分からないといった様子だ
「まぁ……それでもクリスのご両親は年に何回か帰国しているわ、……問題は謳歌のご両親なのよ……」
「まっ、まさか12年間帰って来てないなんて言いませんよね……?」
調が恐る恐るサンジェルマンに尋ねる
「残念ながらその通りよ」
サンジェルマンの言葉に一同絶句する
「……12年間もパパ達と会えないなんて、僕だったら耐えられません……」
「そうだな……」
エルフナインは今にも泣きそうになっていた、キャロルも落ち込んでいる
「でっ、でも!ビザとかどうしてるんですか!?少なくとも日本には一瞬でも帰国しますよね?その時に少し時間とか作れないんですか!?」
調がサンジェルマンを問い詰める
「残念ながら、謳歌のご両親は日本人だが国籍はイギリスなんだ、だから日本には帰国しなくて大丈夫なんだよ……」
「そんな……」
サンジェルマンは続ける
「きっと寂しかっただろうに……現にクリスは時々寂しいって泣きじゃくったり癇癪を起こしたりしてたんだけど、謳歌は一言も寂しいなんて口にしなかったし態度にも見せなかったわ」
「謳歌さん……」
「あの子が9歳の時に一度聞いた事があるのよ、“寂しく無いのか”って
そしたらあの子なんて答えたと思う?“きっと私はいらない子なんだよ”って“もう顔も覚えてないし、どこかで元気にしてくれているならそれで良い”って
その時私達は決めたの、私達が出来る事は全てしようって、長い休みだとみんな実家に帰ったりするのだけど、帰る家のないあの子達の面倒は学院の先生達でしたのよ」
「だから皆さんあんなに親しげだったんですね……」
ポツリと調が言う
「だけど、謳歌は大人びた子だったから……まわりから浮いてしまってね……いつもクリスと一緒か、クリスがいない時は本当に1人ぼっちだったのよ」
「そうだったんデスね……」
「だからあなた達の事を聞いた時は本当に嬉しかったの、改めてあの子の事、よろしくお願いね……」
サンジェルマンは一同に深く頭を下げる
その時、ガチャっ!と扉を開ける音が聞こえた
「ただいまぁ……って何この空気……」
謳歌が部屋に戻って来た
「謳歌さん……」
「どっ、どうしたの!?エルフナインちゃん!そんなに泣いて……って!キャロルちゃんも泣いてるの!?」
2人はそのまま謳歌にすがりついて泣いてしまった
「……私、頑張りますから」
「へっ?調ちゃん!?」
調はそっと謳歌を抱き締めた
もうコメディタグ消そうかな・・・・
少し3人組の口調がおかしかったかもしれません・・・
次回はお人形さん達が登場予定です
次回も頑張ります・・
感想、ご意見何でも構いません お寄せ下さい
新しい作品書いても良いですか・・・?(詳細は19話あとがきをご覧下さい)
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良いよ
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だめ