遅くなりました~
「・・・で、何しに来たんですか依瑠仁さま」
マンホールから突如現れた摂政綾宮依瑠仁
騒ぎになる前に実里の能力で教室までテレポートしていた一行
緊急用のECCMを使用したので実里は警備室に言い訳をしに行った
「まぁそう急かすでない、・・少々喉が渇いたから先に自動販売機にでも・・・」
そう言いながら依瑠仁は教室を出ようとしたが、近衛文絵に制止される
「綾宮さま!教室から出ないで下さい!!」
「何じゃ、すぐ近くじゃから良かろう」
「こ・こ・は!女子校なんです!それに見つかったら綾宮さまが大変なんですからね!」
そんな2人の様子を、少し戸惑いながらミラアルクは見つめている
よく分からないまま成り行きで一緒に着いてきてしまった
「大丈夫か?まぁ無理もねーか」
「クリス先輩は知り合いなんすかあの人と?」
「うーん・・知り合いっつーかなんて言うか
面識はあるけど昔は人見知りだったからな・・・」
「あーあ、昔はあんなに密着し合ってたのになぁ」
「うるせぇ!張り倒すぞ!」
幼い頃のクリスはと言えば、いつも謳歌の背中にくっついて隠れているような子供だったので謳歌の知り合いは大体クリスも知り合いである
「あの・・・廊下まで声が響いていますが」
教室の戸が開き実里が入ってきた
「あー、実里ちゃん大丈夫だったー?」
教室の奥から謳歌が少し大きな声で訊ねる
「はい、謳歌さんと違って優等生ですから」
ニコっと笑いながら実里は答える
「うわ!出たー・・黒実里ちゃん」
一条実里は過度に礼儀正しい性格である、たとえ相手が初等科の学生であっても決して敬語を崩さず必ず膝を曲げ相手の目線に合わせ話をする
加えて五摂家の序列第2位である一条家の者である事が拍車をかけ、色恋に目覚めはじめた中等科の生徒達からは、一条家の家紋になぞらえて
"藤姫様"などと呼ばれている
そんな実里であるが、クラスメート達には少し砕けた態度になる
それはひとえに近衛文絵の尽力があったからなのだが
「実里!手伝って!綾宮が教室から出ようとする!」
文絵の声は良く通る
「文絵?あまりそのように激しく動いては駄目ですよ?スカートを履いているんですからね?」
実里は本人の前では文絵の事を呼び捨てで呼んでいる
理由は単純明快で、そうしないと文絵は極端に不機嫌になるからである
通せんぼをする文絵と実里の横から声をかける人物が1人
「摂政殿下、よろしければ飲まれますか?」
そう言いながら紅茶のペットボトルを差し出したのはイリーシャである
「おぉ、よいのかの?」
「祖父から先日の御礼を預かっていますので後ほど」
イリーシャとの会話が終わると、綾宮はミラアルクへ話しかける
「君とは初めましてだね、摂政の綾宮依瑠仁です
どうぞよろしく」
「??よろしくお願いします・・・」
そのまま流れで握手を交わしたミラアルクだが、明らかに綾宮の口調が違う
困惑していると謳歌から助け舟が出る
「綾宮さまー?あんまりミラアルクちゃんで遊ばないでくださいよー?」
「まぁまぁこっちが素だから良いじゃないか謳歌ちゃん?」
「うへー·····今そう呼ばれると気持ち悪いですよ依瑠仁先生?」
お互いがお互いをからかうように言うと、クリスが説明を入れる
「一瞬だけ先生してたんだよこの人」
そう指をさしながら言うクリスに綾宮は不満を漏らす
「まぁ君とは今の方が当時より話しているけどね」
「はいはい、早く本題に入った入った」
教室の中央に綾宮、それを囲むように着席する一同
「では進行は私、中島亜夜が務めさせていただきます
では綾宮殿下、どうぞ」
委員長の亜夜が他のクラスメートを一瞥した後綾宮に視線を移す
「うむ、では話すが....」
(あ、口調もどってる)
ミラアルクはそんな事を考えながら、綾宮の発言に傾聴する
「陛下をしばらく預かって欲しいのじゃ」
「で?ここでしばらく生活すると」
「はい・・・・」
謳歌は縮こまりながら弱々しく答える
調はニッコリしているが確実に激怒しているだろう、その証拠に今晩の夕食はハンバーグだが、謳歌の夕食は白米と皿にてんこ盛りにされた生のブロッコリーである
「返信をしなかった件は仕方ない事なので良いとして・・
今晩からって何ですか!今晩からって!
急すぎるにも程が有ります!何でもっと早めに相談してくれないんですか!?あれですか!?学校からのプリントを当日の朝に出す小学生ですか!?」
かなりの早口でまくし立てながら調は謳歌に詰め寄っている
「おーおー、また始まった」
「キャロル、先にお風呂入っちゃお」
2人ともこんな状況には慣れっこである
「だってだって!私だってついさっき聞いて仕方なく・・・」
指をいじいじしながら若干不服そうに答える謳歌
「摂政だか何だか知りませんが連絡先を教えて下さい!」
「いやいやいや!さすがに調ちゃんでもそれはちょっと!」
謳歌に詰め寄る調は完全に頭に血が上ってしまっている様子
このままでは直接文句を言いに御所に乗り込みそうな勢いである
ヴーー ヴーー ヴーー
調の携帯がなっている
携帯を一瞥し一言
「少し失礼します!」
そのまま台所の奥へと消えていく
「もしもし?どうしましたか?こんな時間に・・・」
少し声が漏れ聞こえて来る
こんな事もあろうかと、予めアダムさんに頼んで調ちゃんに電話して欲しいとお願いした事を実行してくれているらしい、ベストタイミングだ
そんな事を考えていると、調ちゃんが戻って来た
心無しか少し落ち着いたように見える
「えーっと・・すみません、少し言いすぎました」
「ううん、私こそ・・急な話だしそんなに気にしないで」
少し驚いた、ここまで態度が軟化するとは
いつもなら1時間は怒鳴りっぱなしなのに
後から聞いた話だと、珍しく少し叱られたみたいだ
調ちゃん曰く、アダムさんに叱られる事なんて片手で数える位しか無いらしい
でも掴みどころの無いあの人が調ちゃんを叱る姿が想像出来ない
少し気になる
「でも!何かあったらきちんと報告して下さい
何かあったら大変ですから
もちろんキャロルとエルフナインにもですからね
謳歌さんだけの部屋じゃないんですからね」
「うん、分かった
あぁ、あと綾宮さまから敬語は使わないで欲しいって言われてるからよろしくね
なるべく普通の同級生として接して欲しいんだって
調ちゃんは同い年だし
殿下は学校とか通われた事ないからさ」
ピンポーン
調がうなずくとほぼ同時に、部屋の呼び鈴がなった
「お、もう着いたかな」
2人は玄関の明かりを点け、戸の鍵を開ける
「陛っ・・、日瑠子さんを連れてきました」
「えっと・・大丈夫?実里ちゃん」
クソ真面目こと一条実里は顔面蒼白と言って差し支えないほどひどい顔をしている
というのも綾宮からの敬語禁止令が出て、なおかつ呼称も年上だからとの理由で呼び捨てかちゃん付け固定を言い渡され激しい心労に襲われている
本人を前にしなくてもどうしても駄目だった
呼び捨ては論外、ちゃん付けも厳しいとなり妥協案でさん付けの呼称になったが胃痛がすごいらしい
なんせ彼女はクソ真面目だからである
そして、滞在先が謳歌達の部屋になった原因でもある
「久しぶり、大きくなったね」
「えぇ本当に、久しいですね謳歌殿・・
いえ・・謳歌さん」
そのまま流れる用に日瑠子の頭を撫でる謳歌
調は反射的にその手を蹴り飛ばそうとしたが思いとどまった
それはあまりにも日瑠子が満面の笑みだったからだ
「紹介するよ、ルームメイトの調ちゃん」
「えっと・・月読調です」
調は現天皇という地位にある日瑠子を目の前にし、少し不思議な気分になっていた
「話は謳歌さんからかねがね聞いています
至らぬゆえ迷惑をかけるやもしれませぬが
どうぞよしなに」
調は、そう言いながら差し出された日瑠子の手を取った
なかなか筆が進まず申し訳ありません
モチベーションアップの為にいっぱい褒めてください
質問あればお寄せ下さい
次回も頑張ります