リディアン音楽院の問題児   作:dedicates545

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感想を寄せてくださった方々、

本当に励みになります、ありがとうございます


中臣宅守

「あはははは!」

 

 

 

 大笑いしているのは、高等科2年のミラアルク・クランシュトウンである

 

 

 

「そんなに笑わないでよミラアルクちゃん……」

 

 

 

 謳歌は抗議する

 

 

 

「いやぁ、だって月読ちゃんの裸見て気絶するって、もう笑うしかないでしょ」

 

 

「だって……本当に丸見えだったんだよ?」

 

 

 

 謳歌は恥ずかしそうに言う

 

 

 

「で?どーだったんすか?隅々まで見たご感想は?」

 

 

「ふぇ!?どうって言われても……」

 

 

 

 謳歌の顔はみるみる赤くなる

 

 

 

「先輩って言動の割にはこのての話本当駄目っすよね〜」

 

 

「うぅ……」

 

 

 

 謳歌は反論出来ない

 

 

 

「でもだからうちの所に来たんすよね?」

 

 

「……はい」

 

 

 

 謳歌は答える

 

 

 

「では失礼します……」

 

 

 

「どーぞー」

 

 

 

 謳歌はベンチに座るミラアルクの顔をベタベタと触る

 

 

 

「何か今日はいつもよりねちっこい触り方しますねー」

 

 

「そ、そうかな……」

 

 

 

 頬を撫でてみたり、つまんだり、耳たぶを触ったり、頭を撫でたりとはたから見るとかなり危険な構図である

 

 

 

「今日も良い匂い……」

 

 

「それはどーも」

 

 

 

 終いにはうなじに顔を埋め匂いを嗅ぐ

 

 

 

「……ありがとうねミラアルクちゃん、ミラアルクちゃんが居なかったら今頃発狂してるかもしれないよ……」

 

 

「別にいーですよ?先輩の話聞くの面白いですし」

 

 

 

 そんな2人を影から覗く小さな人影が1つ

 

 

 

「大変なのです……ミラアルクがピンチであります」

 

 

 

 初等科6年のエルザ・ベートである

 

 

 

「あれが噂に名高い変態さんですね……何とかしなくては……」

 

 

「およ?エルザじゃないデスか、何してるデスか?」

 

 

 

 切歌は木陰に隠れているエルザに声をかける

 

 

 

「暁さん……あれを見て欲しいのであります」

 

 

 

 エルザは指を指す

 

 

 

「あの変態……懲りずにまたあんなことしてるデスか!」

 

 

「暁さん、ミラアルクを助けるのを手伝って欲しいのであります」

 

 

 

 エルザが切歌に依頼する

 

 

 

「分かったデス!」

 

 

 

 切歌は二つ返事で了承する

 

 

 そんな2人の近くを、ガリィとミカが通りがかる

 

 

 

「ガリィ!今日こそきちんと謝るんだゾ!」

 

 

「分かりましたってば、うるさいですねぇ」

 

 

 

 そんな2人に切歌は声をかける

 

 

 

「ガリィとミカも手伝って欲しいのデス!」

 

 

「うわ!急にビックリするゾ!」

 

 

 

 切歌は2人に事情を説明する

 

 

 

「話は分かりましたけど……私今からそいつに謝らなきゃないんですが?」

 

 

「まずはこの箒で頭をスパーんとデスね……」

 

 

 

 切歌はガリィの話を聞いていない

 

 

 

「だからぁ!今からあの変態に謝らなきゃなんねぇって言ってんだろぉがぁ!!」

 

 

「お静かに!気付かれてしまいます!」

 

 

 

 イラつくガリィをエルザがいさめる

 

 

 

「怪我してるのに頭を叩いちゃ駄目だゾ……」

 

 

「そういえば鼻を骨折してたデスね」

 

 

 

 ミカが切歌に指摘している

 

 

 

「怪我をしている方に攻撃するのはいけないのであります」

 

 

 

 エルザも同調する

 

 

 

「じゃあどうするんだよ!?面倒くせーな!!」

 

 

「まぁまぁ、そんなにイライラしてると身体に悪いデス」

 

 

 

 切歌の一言にガリィはさらにイライラする

 

 

 

(誰のせいだと思ってんだぁ!この金髪はぁ!!)

 

 

 

「うーん、困ったデス……」

 

 

 

 一同は考える

 

 

 

「なぁなぁ、今あの人は何でマスター達と同じ部屋なんだゾ?」

 

 

 

 ミカが質問する

 

 

 

「そうデスね、なんだかあの変態をどうにかするとかどうとか言ってたデス」

 

 

「じゃあ動画でも録ってマスター達に見せるとか言えば良いじゃないんですか?」

 

 

 

 ガリィが面倒そうに言う

 

 

 

「ナイスアイディアなのデス!」

 

 

 

 そう言う切歌の後方から人影が2つ

 

 

 

「こら!何をしているんだ!」

 

 

 

 切歌と調の担任の藤尭朔也と、高等科で化学の教科を担当するヴァネッサ・ディオダディである

 

 

 

「ふっ、藤尭先生デェス!!」

 

 

「切歌ちゃん、今は掃除の時間じゃないか?」

 

 

 

 切歌はお説教を受ける

 

 

 

「エルザちゃん?何をしていたの?」

 

 

「ヴァネッサ!ミラアルクがピンチなのであります!」

 

 

 

 エルザは謳歌達の方を指差す

 

 

 

「あぁ……あれは良いのよ……」

 

 

「? どういう事でありますか?」

 

 

 

 エルザはヴァネッサに尋ねる

 

 

 

「良いのよ、あれは両者の合意の元行われている事だから」

 

 

「そうなのでありますか……」

 

 

 

 エルザは腑に落ちないものの、素直に従いその場を離れる

 

 

 

「良いかい?分かったなら掃除に戻るんだ」

 

 

「ごめんなさいデス……」

 

 

 

 お説教を受けた切歌は、しゅんとしながら掃除に戻る

 

 

 

「君たちは何をしているんだい?」

 

 

 

 藤尭がガリィ達に尋ねる

 

 

 

「私達は……」

 

 

「いやぁ?特に何でもありません」

 

 

 

 ガリィはそう言うと、ミカを引っ張りその場を離れる

 

 

 

「あ、ガリィ!」

 

 

「今はやめときましょ、面倒事に巻き込まれますよ?」

 

 

 

 その場を離れるガリィ達を見送り、ヴァネッサは改めて謳歌達の元に向かう

 

 

 

「こんにちは、謳歌ちゃんにミラアルクちゃん」

 

 

 

 謳歌はヴァネッサに気付き、慌てて身を翻す

 

 

 

「ヴァ、ヴァネッサさん!?こ、これはその……」

 

 

「良いのよ謳歌ちゃん、それより2人にお願いがあるのだけれど」

 

 

 

 謳歌をスルーし、話を続けるヴァネッサ

 

 

 

「これをエルフナインちゃんに届けて欲しいのだけれど」

 

 

 

 ヴァネッサは持っていた段ボールを手渡す

 

 

 

「何だこれ?結構重いゼ?」

 

 

「藤尭先生、後はこの子達にお願いするので」

 

 

 

 ヴァネッサは藤尭から段ボールを受けとるとお礼を言う

 

 

 

「じゃあ謳歌ちゃんはこっちをお願いね」

 

 

「あっ、はい……」

 

 

 

 ヴァネッサは2人を送り出した

 

 

 

「ヴァネッサさん、良かったんですか?あの2人に頼んで……」

 

 

「大丈夫ですよ、特に危険な物とかでは無いので」

 

 

 

 ヴァネッサはそう答える

 

 

 

「いや…… そっちじゃなくて、確かミラアルクちゃんって……」

 

 

 

 藤尭はヴァネッサに問う

 

 

 

「良いんですよ、あれはあの子がそう望んだことですから、私達がどうこう言う事では無いですよ」

 

 

「そうですね……」

 

 

 

 日がくれ始めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても重いね……何が入ってるんだろ?」

 

 

 

 謳歌とミラアルクは寮に向かっていた

 

 

 

「あっ、謳歌さーん(^-^)/」

 

 

 

 そこにエルフナインが通りがかる

 

 

 

「ミラアルクさんこんばんは(^-^)」

 

 

「おうエルフナイン、今日も楽しそうだぜ」

 

 

 

 謳歌達はヴァネッサから預かった荷物を、エルフナインに見せる

 

 

 

「エルフナインちゃん、これヴァネッサさんから何だけど……」

 

 

「あっ!追加のですね(^-^)」

 

 

 

 エルフナインはどこかいつもよりニコニコしているように見える

 

 

 

「それじゃあお部屋までお願いします(^-^)」

 

 

 

 謳歌達は部屋まで2つの段ボールを運びいれる

 

 

 

「これでやっと完成出来ます(^-^)」

 

 

 

 エルフナインは2人にお礼を言う

 

 

 

「ありがとうねミラアルクちゃん」

 

 

「いーえ、別にこれくらいどーてこと無いんで」

 

 

 

 その時、ガチャリとドアを開ける音が聞こえた

 

 

 

「帰りましたー あれ?お客さんですか?」

 

 

「ただいま」

 

 

 

 どうやら調とキャロルが帰って来たようである

 

 

 

「お帰り、調ちゃんにキャロルちゃん」

 

 

「邪魔してるゼ」

 

 

 

 その背後から大きな音が聞こえた

 

 

 

「なっ、何だよこれ!!」

 

 

 

 目をやると、キャロルがしりもちを付いていた

 

 

 

「どうしたのキャロル!?」

 

 

 

 調がキャロルに駆け寄る、鞄から荷物が散乱している

 

 

 

「もう……ほら立って?一旦どうしたの?」

 

 

 

 キャロルは指を指す、謳歌達が持ってきた段ボールである

 

 

 

「何であんなもんがこんなにあるんだよ!!」

 

 

「何だろうこれ、粉……?」

 

 

 

 謳歌達が持ってきた段ボールの中には、小瓶に詰められた大量の白い粉が入っていた

 

 

 

「エルフナインちゃん、これ何なの?」

 

 

 

 謳歌がエルフナインに尋ねる

 

 

 

「これはですね、5つの味覚を粉末状にしたものなんです(^-^)」

 

 

「5つの味覚を粉末に……?」

 

 

 

 言葉の意味が分からず、皆ポカンとしている

 

 

 

「はい!!これは廃棄される食材から抽出した甘味・苦味・酸味・塩味・うま味の5つの味覚を粉末状にしたものなんです(^-^)」

 

 

「……それで何を作っていたの?」

 

 

 

 エルフナインは懐からごそごそと小瓶を取り出す

 

 

 

「まだ試作品ですけど食べてみて下さい(^-^)」

 

 

 

 見た目には角砂糖に近い物を3人は受けとる

 

 

 

「どうぞ!!食べてみて下さい(^-^)/」

 

 

「それじゃあうちから頂くゼ!」

 

 

 

 ミラアルクはためらいなく口にする

 

 

 

「どうですか?ミラアルクさん……」

 

 

「どう?ミラアルクちゃん……」

 

 

 

 調と謳歌が恐る恐る尋ねる

 

 

 

「……茶碗蒸しの味がするゼ」

 

 

『えっ?』

 

 

 

 2人は顔を見合せ、恐る恐る口に入れる

 

 

 

「……本当だ」

 

 

「茶碗蒸しの味がしますね……」

 

 

 

 3人の意見を聞き、エルフナインは歓喜の声をあげる

 

 

 

「本当ですか!?やりました!!この組み合わせは成功です(^o^)」

 

 

 

 見たことない程エルフナインは喜んでいる

 

 

 

「エルフナイン?成功ってどういう事かな……?」

 

 

「はい!この5つの粉を配合して食べ物の味に近づけていたんです(^-^)/」

 

 

 

 エルフナインはそう言うと、キャロルの元に駆け寄る

 

 

 

「キャロル!成功したよ?ほら食べて(^-^)」

 

 

「うぅ!!嫌だぁぁ!!もうそんな物絶対食べないぞ!!」

 

 

 

 キャロルはこれでもかと拒否をする

 

 

 

「キャロル、そこまで嫌がらなくても……」

 

 

 

 調がキャロルに言う

 

 

 

「うるさい!!毎日毎日味見と称して美味いか不味いかも分からない得体のしれない粉の塊を1日何十個も食わされ続けた俺の気持ちが分かるか!!」

 

 

「今度は大丈夫だってば(`□´)」

 

 

 

 エルフナインはキャロルに馬乗りになり、それを無理矢理口に入れようとしている

 

 

 

「キャロル!暴れないで(`□´)」

 

 

「うるさい!離せこの悪魔ぁぁぁ!!」

 

 

「ちょ!ちょっと2人とも!!」

 

 

 

 やがて取っ組み合いの喧嘩になってしまった為、調が慌てて止めに入る

 

 

 

「あぁ……大変だ……」

 

 

 

 止めに入ろうとする謳歌を、ミラアルクは引き留める

 

 

 

「先輩……」

 

 

 

 ミラアルクの首からは、高価そうなカメラがぶら下がっていた

 

 

 

「あぁごめんごめん、忘れてたよ」

 

 

 

 ミラアルクは謳歌を写真に収める

 

 

 

「本当ありがとうねミラアルクちゃん……どうしても人肌恋しいときがあってさ……」

 

 

「別にいーですって、うちもこうして報酬ありますし」

 

 

 

 そうミラアルクは言う

 

 

 

「てかまだ雪音先輩と仲直りしてないんすか?もう1年位たちますよね?」

 

 

「うん……仲直りというか、原因がわからないというか……本当急にこのての事してくれなくなっちゃってさ……別に日常生活では普通なんだけどね……」

 

 

 

 謳歌は続ける

 

 

 

「でもいくら趣味でも練習用の被写体が私なんかで良いの?もっと絵になるような子いっぱいいるのに」

 

 

 

 ミラアルクはぼそっと呟く

 

 

 

「いや……むしろ先輩じゃないと駄目っていうか……」

 

 

「ん?ごめん、何か言った?」

 

 

 

 謳歌は尋ねる

 

 

 

「いっ!いや!何でも無いっす!それじゃあうちはこの辺で失礼します!」

 

 

「あっ!ミラアルクちゃん!」

 

 

 

 ミラアルクは駆けて行く

 

 

 

「気を付けてねー!」

 

 

 

 謳歌はミラアルクを見送る

 

 

 すっかり周りは日が落ちていた




どうも私は話を重くしてしまう
傾向にあるようです・・・


次回はウクライナ出身の彼女が凱旋する予定です


ご指摘、質問、感想等々何でも構いませんお寄せ下さい

新しい作品書いても良いですか・・・?(詳細は19話あとがきをご覧下さい)

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