無限の蒼穹に雷鳴は轟く IS× THUNDERBOLT    作:サンボル好き

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ついに登場サイコザク、自分に画力が無いことが恨めしい。見た目はどうか想像で補ってください


リヴァイヴァル=再演

 観測者、衛星が打ち上げられる今日、世界の姿は容易に把握できる。人が望めば、見たい景色は大抵望めば見えてしまうものだ。

 

 世界は隠せない。今この時代、そこで何が起きて、歴史にどう修正を施すか、それは確かに観測された故の結果だ。歴史が動く時、そこには目撃者がいる。

 

 

 そして、それは今回も必然。当事者が見ているから目撃者は必ずいるとか、そんな屁理屈ではなく

 

 

 

 

 

「うっそ……なになに、束さんびっくり仰天バイオセンサー! あんな風になるなんて想定外だよ!!」

 

 

 

 

 

 物語が胎動する瞬間を、見逃すことを許さない強欲な全能者がいる故に、だから観測されないということはない。

 

 地球の衛星上にある公的な、さらには非合理の衛星総じて支配権を有し、さらには独自に発明した衛星もそこに加えれば、地上の人類は全て記録の中に収められてしまう。

 

 篠ノ之束は観測する側だ。故に、この事態でも、その眼を光らせ、偽りの耳を愉快に跳ねさせる。

 

 

 

 

 

「それにしても、あれが本当の姿……IS基準で厳戒してるけど、その本質は違う。うんうん、やっぱり、あれを素材にしたのは正解だったね」

 

 

 

 

 どこぞとも知れない場所で、変態的な超人発明家は椅子を斜めに不安定な体勢で大いにはしゃぐ。自らの好奇心、思い付きの発明が、まさかこのような帰結を迎えるとは

 

 リユースサイコデバイス、ISの発展のために取り込んだはずが、逆に本来の姿を折り戻すためにISの方が利用されている。

 

 もはや聖剣の名は無い。その面影もない。

 

 映像に移る歪な戦士を前に、束はただ愉快に腹を抱えるばかりだ

 

 

 

 

 

「まさか、ね……いやぁ、試してみるモノだね。未来の兵器の残骸が、形を変えて本当の姿を取り戻すなんて、いやいや、束さんも想定外だったよ! アハハハハ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サイコ・ザク、もうずいぶんとその名を口にすることも無かった。

 

 久しく叫んだ愛機の名前、折れた聖剣は偽りの形を消し、強引ながら本来の在り方を取り戻さんとした。見に纏う鎧は、どんなEOSよりも馴染む心地だった。

 

 

 起動を叫び、そののちにすぐ光が放たれた。その光が、体にまとわりつく重さ、全身を覆うEOSの荷重を消し去り、気づけばこの身は遥かに自由で身軽な感覚を悟った。

 

 

……あぁ、戻ったんだな

 

 

 三本ではない、五本の指の堅牢な腕が力強く拳を作る。

 

 ラグもない。雑味もない。生身よりもずっと遥かに、この感覚は新鮮だ

 

 

 

「また、この世界でも……俺は」

 

 

 

 

……ザッ

 

 

 

 

 

「!」

 

「……なによ、なによそれはッ!!」

 

 

 迫り狂う刃、反応できても体は追い付くことはない。だが、今はどうだ

 

 切っ先が弧を描く、その様子をスローで見るように、俺は難なく体を引いて観察している。ふざけるなと、憤りをまったく隠さないミラージュの視線、その目に映る自分の姿を、俺は水面の映し身からようやく知った。

 

「何よ、その機体……ボロボロ、ジャンク? いったい何よそれッ!!」

 

「……ッ」

 

 叫び散らす。動揺から困惑と怒りが混じった叫び、だがそれは無理もない。ミラージュの抱いた予想はもうどこにもない。多くの秘検体達が、イリスが、シャルロットが身に着けたあの清らかな鎧、白騎士と瓜二つな外観をした鎧は、ただの歪な機械人形になり果てている。

 

 

 MSのフレームのみ、そこに焼け焦げた装甲がへばりついているだけで、なんならその装甲も全身を覆いつくすほどではない。俺が取り戻した機体は、なんとも足りない仕上がりだ。

 

 SF世界のサイボーグ。それも、ジャンクの山から蘇ったかのような、機械でありながらその姿は死人そのもの。顔半分を覆うヘッドパーツに、剥き出しの単眼レンズがモノクルのように片目を隠す。

 

 セシリアや、今目の前にいるミラージュでさえ、ISというものはもっと洗練されたものであろうに、なのに、この俺の機体は

 

 

 

 

「……ハハ」

 

 

 

 

 おかしくなって、自然と笑いが出てしまった。一見すれば、その姿は全く恐れを感じない。まだ、EOSの方が強靭に見えるだろう。

 

 ミラージュの驚き、そしてその憤りもわからなくもない。相手からすれば、俺の機体は出来損ない。まだ武装を失くしたベルサーガのままの方が脅威を感じたことだろう

 

 

「……どうした」

 

 

 だが、それがどうした。どんなに不完全であろうと、この機体にはリユースサイコデバイスがある。そして、この両手足には、かつてサイコザクに乗ったときの戦闘データも残っている。

 

 だから、だからこそ機体は馴染む。聖剣ではなく、かつて俺の乗ったサイコザクに変わったからこそ、この機体は最高の手札だ。レイズもいらない、駆け引きも不要。ただ、直球に

 

 

 

「来ないのか、なら」

 

 正面から、堕とすだけだ。

 

「こい……ミラージュ!」

 

 

「は? 何言ってるのよ、そんな機体で……」

 

 

 その先、ミラージュの言葉は続かない。

 

 

「!」

 

 

「言ったぞ、俺は……来いとッ

 

 瞬きの刹那、ミラージュの視界でダリルは消えた。と、同時に過ぎ去る猛烈な風

 

 煽られたからだが傾き後ろへと、点火を終えたスラスターノズルは淡く火を残している。加速したという事実、振り切った手には、先ほどダリルが叩きおった聖剣の名残

 

 

「……なに、を」

 

 

 バチバチと、火花が散る片腕を抑え、そこで初めてミラージュは気づく。

 

 振り切った腕、自分は攻撃を受けた。その過程が一切気づけなかった。瞬きの合間すら許されないスピードと繊細なレスポンス、そんなこと、EOSでは決してあり得ない。

 

 

 

……間違いない、今のは

 

 

 

「い、イグニッション、ブースト……あんた、まさか」

 

 

「まだ抜かないの、なら……」

 

 

「!」

 

 

 またも消える姿、だが二度目は無かった。繰り出す拳にトンファーのビームエッジを乗せて、真正面からミラージュは受け止めた。

 

 空気が焼け焦げるほどの衝撃音を放ち、足元の水を干上がらせるほどにエネルギーをほとばしらせる。

 

 機体出力が高い。その上で精密な人体の機動を成して見せる。

 

 サイコザク、確かにそう言った。ミラージュはわからされてしまった。

 

 

 自分が今まで奪ってきた機体、戦った機体、そのどれよりも、この機体は速い、そして圧倒的に自由だ。

 

 

「なによ、何よその機体!!」

 

 

「……サイコザク、俺の大切な人が託した機体だ」

 

「……ッ!?」

 

 加速、大腿部と足裏のスラスターで瞬間的な速度を得る。しぶきを上げ、直線で攻める。

 

 手斧のように振るう折れた剣がミラージュを襲う。ビームトンファー、背部に挿したビームソード、手数だけでもと武器を振りぬく。しかし、捌かれる

 

 むき出しなフレーム、防御性能を全く感じさせないその体に、どうしてか刃は通らない。

 

 コアエネルギーを纏った実態の刃がビームを弾き、そして軽快な手足は躍るように攻撃をかわし自分を翻弄する。

 

 

「一度は失った。だが、俺を信じた彼女はまた取り戻させてくれた。長い旅路で、さんざん辛酸をなめて、ようやくここに至った。やっと、やっと終わりが来た……フィナーレはすぐそこだ、お前を倒して、俺たちは!!」

 

 

「く……ッ!」

 

 

 

「イギリスを目指す。ここで、お前は終わりだ……地の底で朽ちろ、ミラージュッ!!」

 

 

 

「なっ……ふざけ、がはッ!?」

 

 

 

 接近戦の応酬、手斧の連撃に夢中で、ミラーズは反応に遅れた。体を捻り、スラスターの機動で加速をつけ放った回し蹴り。

 腹を貫く衝撃は背後の空気に波を作り爆音を響かせる。同時に、ミラージュは宙を行き、その身を癌壁に叩きつける。

 

 半ば埋まり、そのまま重力に引かれ落ちていく、頭から水面へと、あと少しで触れる距離、その刹那に

 

 

 

「!」

 

 

 

 反応速く、ダリルは防御態勢を身構えた。左肩のシールドを前に構えて、迫りくる雷の拳に

 

 

 

……ガキィインンッ!!?!??!

 

 

 

 

「ふざ、けるなぁ……なめんじゃないわよ、このダルマ野郎がぁああッ!!!??!?!」

 

 

 

 

「は、ははッ」

 

 

 絶対防御も間に合わなかったのか、額に血を流し、己に形相で拳を放つ。殺意は十分に、撃つべき姿をこの目に見て、それがどうしてか心が躍る。

 

 戦場の狂気、存分に腕を生かせる最高の機体をもって、最凶の敵を迎え撃つ。

 

 

 

 戦場のリズム、あの遠い宇宙で駆け抜ける快感。戦場という大いなるセッションでこそ、自分は昂ぶることが出来るのだと気づかされた。

 

 

 

「こい、さあこい……ミラージュ!!」

 

 

「! 言われ、なくてもッ」

 

 

 

 唾ぜり合うゼロレンジ、バックステップは同時に、互いに構え、アウトレンジに戻る。

 

 構えた武器は即席のハンドアックス。そしてミラージュは剣ではなく、拳でインファイトの構えを取る。右のメイン兵装はナックル系の近接武器。雷撃を放つそれはIS用のスタンガンというべきか

 

 シールドは既に使い物にならない。ダリルは左腕のシールドをかなぐり捨て、今一度構えを直した。

 

 

「防御は必要ない。最短だ、最短でお前の命を断ち切る!!」

 

 

「殺れるものなら殺ってみなさい! 機体の性能で調子づいて、こっちもまだ隠し玉はあるのよ!」

 

 

 

「「くたばれ!! 大層な性能を活かさられる前に勝負をつけてやるッ!!!」」  

 

 

 

 スラスターの点火、互いに轢かぬ正面からの衝突。放った右は鏡合わせにぶつかり合い、ほとばしる雷撃は足元の水を干上がらせる。

 

 スパークが空気中を駆け抜け、ダリルの片目を覆うモノクルはレンズが砕けている。むき出しの眼光は地のように赤黒く、そして強く輝く。相対するミラージュもまた、その相貌は不可思議な赤色に覆われていた。

 

「ストライカーカスタムッ システム=妖刀!! 押して参るッ!!?」

 

「!」

 

 気合と共に、拳は刃を弾く。二撃三撃と放つ拳、身をひるがえし、ステップワークとスラスターでカット。先ほどまでの余裕のある回避は感じさせない。

 

 微かに、放つ拳の雷撃が機体を焦がす。動きは、明らかに変わってきている。

 

「……楽しませてくれる。だが、そうでなきゃ」

 

 脅威を目の前にしているはずなのに、ダリルの脳裏に恐怖はない。ただ、高揚して、カンフルが過剰に打ち込まれたような気分で

 

 戦場の狂気が、たまらなく快感をもたらしている。

 

 

 

……そうだ、こんな程度で終われるわけがない

 

 

 

「もっとだ、もっと狂え……戦いは、まだ始まってすらいない、そうだろッ!!」

 

 

 

 叫ぶ。手にした力に陶酔して、荒れ狂う狂気の風邪に精神を煽られながら、ひたすら前に、前にと

 

 

 

「セカンドサイコザク・ブレイクデッドアーマーッ……ダリル・ローレンツ」

 

「――――ッ!!」

 

「適性対象を、迎え撃つ…………いや、圧倒するッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




 今回はここまで、読了お疲れさまです。


 ついに、ついにサイコザクの描写です。ここまで本当に、ほんとっっっっうに長かったです。でもそれは自己責任

 あまり多くないサンボルクロスオーバな当作品、なんだかんだと500人近くお気に入りが登録されるまで至った作品で、読んでくれる人がいてくれて本当にありがたくて…………それなのに、主人公機のサイコザクを一向に出そうとしない展開ばかりで、正直心苦しい気持ちはいっぱいでした。
 
 ここまで待たせ続けて本当に申し訳なかったです。ですが、それもこれにてようやく

 サイコザク、書いてて最高に楽しいかっこいいむせかえる。サンダーボルトの二次創作はとても楽しい。サイコザクを出してからもいっそう良い展開を目指していきます。

 フランス編完結まであと少し、最近読んだダグラムのむせ返る熱さを糧に、この作品をむせ返るサンボル二次創作として執筆していきます。
 長々とあとがき失礼しました。感想・評価なども頂いて本当に感謝です、次回も出来るだけ早めに、そして最後に




もっとサンボル流行れ!ダグラム最高!
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