無限の蒼穹に雷鳴は轟く IS× THUNDERBOLT    作:サンボル好き

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第二章三部作、これにて完結です。


約束の地/新たなる火種

―――5年前

 

 

 

 フランス某所、束が密かに建設した研究施設。

 

 そこで、イリスローランは自分の人生に幕を引いた。確かに、はたから見れば報われない人生だっただろう。

 

 だが、彼女は最後の時間を使い、祈りを込めた。束の容貌で手掛けた聖剣の開発。その密かに、イリスはシャルを助ける糸口を己で見つけ、その術を完成させた。

 

 束は、自らの欲で悲劇を生みだした。シャルロット・ローランの未来をより自分好みの悲劇にするために、非道を敷いて計画を実行した。

 

 だが、それはダリルという異分子の手で変えられるに至った。

 

 そして変えたという点では、イリスもまた成果を残していたのだ。

 

 

 

 

 オークション会場、ルーブル地下の秘密の競売場にて、シャルは確かに聖剣を、リュミアーレ・ラ・デリュランダルを起動した。

 

 しかし、手足は食われず、結果ISは不発動、そこには明確な細工、理由があった。

 

 そして、その内容は本人から、シャルの体を通じてイリスの言葉でダリルは聞き届けたのだ。

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 台座に置いた聖剣。イリスは最後の仕込みをそこで行った。

 

 聖剣の機体内部には、リユースサイコデバイスを補助するために、随所にナノマシンを応用した補助演算機構が付いている。それは一種の独立した思考回路、ネットワークとして機能する代物だ

 

 つまり、イリスはISにバックドアを仕込んだ。そして、それは未来でシャルがISを起動した場合に起きる条件であった。

 

 全ては可能性、シャルの手足が失われずに済むために

 

 

 

 

 

 

 

「IS、リュミアーレ・ラ・デュランダルを起動した際、シャルの手足は無くならなかった。」

 

「……」

 

「あれは異常だったんだ。本当なら、乗り手の適合をはかり、あの機体は……人を食う代物だ」

 

「へ?」

 

「比喩じゃない。イリスの口……いや、イリスの研究情報では、確かにそう記されていた。もし、あのままアルベールがあの機体を手中に収めていれば、誰にでも乗れるISを増産して世界を混沌に陥れていたか、それとも制御不能の兵器で自らを亡ぼしたか、今となってはわからない結末だがな」

 

 リユースサイコの可能性、それは現実に確かな技術の結果だ。ISの性能を最大限に生かすために搭乗者を食い物にする。

 

 人に干渉し、人を変える代物。人と機械を一つにする。それは戻れない悪魔の儀式も同然、おぞましいことこの上ない。

 

 

 だが、システムはそうであったが、シャルの身は問題が起きなかった。

 

 

 イリスの開発したナノマシンの補助演算装置、それは軌道の瞬間にシャルの体に、つまりは肉体に移行したのだ。

 

 

……イリスの意思が宿ったのは、おそらくイリスが一度ISを起動したから。

 

 

 本人曰く、魂のレプリカが情報として残り、それがナノマシンの意向を通じてシャルへと流れた。彼女は淡々とそう説明してくれたが、なんとも信じがたいし、それを打ち明けられる自信はない

 

 

 

……言わない方がいいな。イリスの件は

 

 

 

 シャルは、フランスでことが終わった後、合流した後既に気を失っていた。そして今日に至るまで、イリスの意識は目覚めていない。

 

 しかし、彼女曰くその説明どおりなら

 

 

……ISのコア演算で向上させたナノマシン。それは今もシャルの中に、だから

 

 

 

「……いるのか、まだ」

 

「?」

 

 

「あ、いや……んんッ、なんでもない。話に戻る」

 

 イリスの所在、それは今は置いておく。問題は、今シャルの体に残るナノマシンの働きだ。

 

「……とにかく、あのISにはナノマシンが、お前のお母さんが作った薬が、今のシャルの体に変化を与えたんだ。細胞の拒否反応は怒らない。ナノマシンが、母親の想いが手足を変えた」

 

「……おかあさんが」

 

「あぁ、だからその手足はお前のだ……もう、無くならない。お前だけの手足だ」

 

「……」

 

「?」

 

 押し黙る。気づけば背負った体勢から、ベッドの箸に並んで座って、シャルは少し気を落としている。

 

「……すまない、少し無神経だったな」

 

 もう問題は無い。その手足は健全だと、そう口にするものの、そもそも

 

 

「……うん、いいの……でも、まだむずかしいな。いろんなこと、いっぺんにだもんね、えへへ」 

 

「シャル……ッ」

 

 気丈に振舞って見せる。

 

 移植された手足、それゆえの申し訳なさ、罪悪感はぬぐえないだろう。13、もう少しで14の身で、もう何度も闇に触れてなお

 

 

……いや、でもシャルは

 

 

 

 手足への罪悪感。その根っこは他人を推し量り同情する気持ち。

 

 あれだけ不幸を背負って、苦しい道を歩んできたのに、それでも

 

 

 

「……」

 

 

「ん、なに……もう、あわわ……痛い、強いよ」

 

 

「はは、悪い」

 

 

 

 ダリルは、ついその手でシャルの頭を撫でてやった。誘拐、監禁、実験、それを経て間もないのに、真の優しさを失っていない。

 

 シャルは、変わらずシャルのまま、それがどうしてか嬉しくて、つい手を伸ばしてしまった。

 

 

 

「……ふは、ははは」

 

 

「うぅ、もう……なんなの」

 

 

 抗議の目で、上目遣いに訴える。子供らしく、大人に頼り甘えたがる少女

 

 何も変わらない。シャルは、まだシャルのままだ

 

 

 

「……うぅ」

 

「あぁ、すまない……悪かった」

 

「…………いい、別に」

 

「?」

 

「撫でられたくない、わけじゃないし…………うん、そうだね、なら…………ふふ」

 

「??」

 

 

 うつむいて、一人納得いった様子で

 

 

 

「ふふ、あはは……はは、ひぐっ……あれ、なんでかな……嬉しいのに、涙、止まらないね」

 

「!」

 

 

 大粒の涙を落として、耐え切れずシャルは俺の胸に飛び込んだ。

 

 患者用の服を強く掴んで、その涙を胸で拭う。

 

 

「……もう、終わったんだね」

 

「あぁ、そうだ」

 

「苦しい事、全部……これからは、楽しいことばかりだ! だから、笑わないと、いけないのに」

 

「……あぁ、そうだな。大丈夫だ、シャルならすぐ笑える」

 

 シャルの人生の重しはこれで消えた。形はどうであれ、理不尽はすでにない

 

 これから、好きな人生を歩む。今度は、抱く価値のある夢を見つけて、その為にひたむきに走れる道を行くのだ。

 

 

「……ぁ、お兄さん……ごめん、一回ストップ」

 

「?」

 

 腕の抱擁を説く、シャルは表をあげ、涙を袖で拭き困ったように

 

 

「私、聞いたんだ。お爺ちゃんの家、もう戻れないって」

 

「……ぁ」

 

「うん、仕方ないよね……というか、もうフランス帰れない? 偽名と整形必要かな」

 

「あ、そうだな……それはしかたな……いや、偽名はともかく整形は不要だろ」

 

 

 考えを戻す。真面目な話になるが、確かに未だフランスでデュノアは健在だ。事件を知る関係者もまだ生きているだろう。こっちとして、セシリアが士法の裁きを与えたのはあくまで身内だけなのだ

 

 フランスには当分は行けない。実際、シャルの叔父、グレン・ローランはセシリアが保護している。

 

 

 

……まあ、大丈夫だろうな

 

 

 

「お兄さん、どうしたの?」

 

 

 

「……いや、少しな」

 

 

 

 そう言えば、自分はもともとセシリアの家で雇われるために赴く腹つもりだった。

 

 セシリアは貴族。なら、きっと働き手はいくらいても困らないと、勝手ながら予想する

 

 

 

「……一緒に就職するか」

 

「へ?」

 

「セシリアの屋敷、イギリスにある豪邸、そこで俺は執事……シャルはメイドだ」

 

「……それ、勝手に決めていいの?」

 

「さあ……だが、俺は戦果をあげたんだ。褒章ってことにしよう、そうすればいい」

 

「……まあ、私はそのセシリアって子知らないから何も言わないけどって……あ!」

 

「?」

 

 

 思い立ったように、シャルは何かを考え出す。

 

 銅像の考える人ではニアが、拳を顎に当てて、うーんだの何のと頭を使いだす。

 

 そして立ち上がり、そのまま俺の正面へ

 

 

 

「…………ねえ、セシリアって子、お兄さんのナニ?」

 

「は?」

 

「いいから、色々あるんだと思うけど……関係!ダリル・ローレンツさんとセシリアオルコットさんの関係!!」

 

「はあ?」

 

 

 

 急に不機嫌に、機嫌を損ねた猫のように、愛らしくもあるが傍若無人な振る舞いで圧を放つ。

 

 問い詰める態勢、気づけば質問は詰問に変わっている。

 

 どう答えるべきか、悩みに悩んで、出した答えは

 

 

 

「……え、えっと……戦友、だろうか?」

 

 

 思い返す記憶は共に銃を持っている時。自分でもわからないが、今シャルに問いただされていると、ダリルは無性に隠さずにはいられなかった。

 

 セシリアもまた、シャルのようにとし幼い少女として、大人に頼り甘えたくなる子供のような振る舞いを見せることを

 

 知られてはいけないと、無意識に身構えてしまった。故に、答えた解答、だが

 

 

 

「……ふん」

 

「しゃ、シャルさん」

 

 

 

 おもしろくない、そう思われたかシャルは不機嫌になるだけ。いったいどんな落ち度か、反省を踏まえる暇も与えられなく

 

 

「!」

 

 

 シャルは、ダリルの肩を押した。ベッドで仰向けになるダリルの上に、四つん這いで覆いかぶさるようにマウントを取る

 

 

「負けないから……絶対、お兄さんは上げない」

 

「は、は?」

 

 少女らしからぬ、どこか妖艶な笑み。あどけない顔とは裏腹に、腹を決めたシャルは今、ヒロインの座を奪わんとするいっぱしの主演女優だ。

 

 舞台の中央は譲らない。困惑で医師となったダリルに、更に畳みかける

 

 

 

「欲しいものは、もう我慢しない。わたし、お兄さんが欲しいから」

 

 

 

「!!」

 

 

 

「……んっ」

 

 

 

 不意打ちに、そっと下した唇が、ダリルの

 

 

 

「ぐ、がッ!」

 

「ん~~~ぷはッ」

 

 

 ダリルの、首元のあたり、鎖骨の位置に赤いあざが出来上がっている。

 

 キスマーク。アメリカ映画のごとく、所有権を刻む意味で、シャルは行為を断行した。

 

 

「えへへ、お兄さんは私のもの♪ 絶対誰にも渡・さ・な・い♪」

 

 

「お、おい……なあ、シャル、お前……お前なぁ」

 

 

 困惑、それは無理もない。ダリルにとって、あくまでシャルは妹のような相手

 

 だが、ここまでされては、もう否定できない。シャルロットという少女は、自分で歯抑えられないほどに、もう成熟したレディなんだと

 

 気分は、すでに肉食獣に睨まれた草食獣。足の上に跨って、楽し気に笑って見せる無邪気さに、内心震えてすらいるのだ

 

 

「……おい、頼むから……頼むから、節操を守ってくれ。シャル」

 

「あはは、それもそうかな? うん、でも条件」

 

「条件、なにを……」

 

「どうせさ、ここで生きるにしても偽名はいるでしょ。でも、この名前は変えたくないから……だから、ね、いいこと思いついちゃった。」

 

「?」

 

 何を言い出すかわからない。また爆弾発言でもするのかと身構えていると 

 

 

 

……ぎぎ

 

 

 

「!」

 

 ベッドが軋む音。視界は天井を見上げたまま、それで妙に体が暖かい。

 

 シャルが、抱き着いている。小さな体でいっぱいに、俺の体に抱き着いて、耳元に吐息を感じさせた。

 

 横目に見たシャルの耳、その先まで真っ赤に、感情で染め上がっている。

 

 

「…………名前、欲しい」

 

「なまえ、俺のを?」

 

「うん、ローランをドイツ語にすると、ローレンツ……同じなんだ。お兄さんと、私……だから、欲しい」

 

 強く、その細い腕が抱きしめる。

 

 さっきまで色んな感情を見せてみたが、まだ根っこは言えていない。喜びや怒りで感情を豊かに振舞っても、未だこの子は、まだ侘びしいのか

 

 

 

「……俺で、いいのか」

 

 

「うん、お兄さんじゃないと嫌だ……だから、お兄さんのローレンツが欲しい」

 

 

 違えない。決断は、覆らない。

 

 シャルは、シャルロット・ローランは、きっと新しい道を選びたいのだ。周りがどうとか、環境の性でなく、前向きに、己の意思で、選びたい。

 

 シャルは求めている。それは、救った者の責任でもある

 

 

 

「……たく」

 

 

……むぎゅ

 

 

 

「!」

 

 

「いいさ、名前ぐらい」

 

「!!」

 

 

 そうだ。これから、この新しい地で俺は始め直す。進む道を見つけるのはシャルも同じ。なら、共に歩む者がいる方がいい。

 

 

 

……セシリアには、悪いかな

 

 

 相談もなしに決めてしまった。だから、再開するまでに紡ぐ言葉は考えておくべきだろう。どれだけ謝ればいいか、考えるだけでもおっかない

 

 

 

……セシリア、セシリアか

 

 

 

 

「……」

 

 嬉し気に、ダリルに抱き着いて甘えるシャル。一方で、抱きしめたまま、天井を見る視線の先、ふと思った疑問を続けた

 

 

 

 

 

……セシリア、君は……今、何を

 

 

 

 

 一週間、昏睡していた機関も含めれば、それ以上もあるそこそこに長い期間

 

 なのに、会えないにせよ、連絡もないのはどうもおかしい。

 

 

 

 

 

……セシリア、君は、今……どこで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fin

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――フランス、アミアン市

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ます。暗闇から抜け出た所で、また別の暗闇がある。世界はどこまでも行き詰まりで、自分を産み落とした女はとうに気が知れぬ狂人だ。

 

 期待も無い。与えられたものはただの力、満たすには自分自身が動くしかない。

 

「…………ッ」

 

 世界を垣根を飛び越えて続けて今に至る。欲しいものの為に、全力を尽くして満たさんとしたが、その結果はなんとも苦いオチだ。

 

 結果、覚えているのは体中に実弾とビームをぶち込まれた感覚。

 

 戦いの中で得たのは痛み、そして恐怖。持てる力をすべて使って、それでもなお勝てなかった事実。倒したい、この借りを返したいと、心に熱が灯る。

 

「……スマイル、いるんでしょ……あんた」

 

 口にした。言葉はかすれながらだが、ミラージュは発生が出来ることを知り少し安堵した。

 

 

 

 

 

「……あぁ、いるよ。起きてたんだな」

 

「ええ、私は悪い人だから……夜更かししてブギーマンを呼んでしまうのよ。」

 

「……ぁ、くそ。悪い冗談だなそれは」

 

 

 ミラージュの軽口に、どこかスマイルは乗り気になれない。その顔は悲痛さを無表情で押し殺し、現実から目を背けるように深く煙草をふかした。

 

 視界が晴れる。どこかのモーテルで、六に換気扇も回ってない部屋、漂う煙をミラージュは払おうと手を伸ばした。だが、その先は

 

 

「……はは、やっぱりね」

 

「!」

 

「ほら、言った通りよ……悪い子は、ブギーマンに食べられちゃうの。このとおり、ね」

 

 不快な声で、不気味にミラージュは笑い続ける。スマイルの目には、その姿はどこまでに悲惨で仕方なく、なのにそれに絶望するでもな彼女には、さすがに不気味さを覚えた。

 

 

「……みて、見てよこれ……腕、無くなってるじゃない。それも、両方とも!」

 

「あぁ、そうですね。」

 

「キャハハ!! スマイル、見えないから教えなさいよ。足! 私の足どうなってるの!さあ、さあ!!?」

 

 狂人、その形容にふさわしい狂いっぷりでミラージュは嗤い続ける。周囲の部屋から苦情の意味のノックも加わり、部屋は混沌としている。

 

 

「……どうしようも、無かったんです。瓦礫に潰れて、全部ぐちゃぐちゃだ……ISのお陰で、一命は取りとめたみたいだが、切る以外に方法はなかった。全部、俺の独断だ……だから…………ッ!」

 

 

「――――ッ!!」

 

 

 ベッドのシーツが翻る。大きく何かが落ちる音が響いて、そして次には悲鳴が起きた。

 

 ミラージュが飛び起きたのだ。二の腕から先、ひじから下、四肢を欠損したまま、胴体の残るわずかな筋肉だけで飛び起き、スマイルの方へと飛びついた。

 

 

「ぐ……あぁ、がああぁああッ!!!?」

 

「ふしゅぅ……ぐぅうう」

 

 ミラージュに劣らず、スマイルもまた怪我がひどく包帯と絆創膏にまみれている、そんな彼の胸に飛びついて、何をするかと思えば、ミラージュは大口を開きスマイルの首元へ牙を立てた。

 

 皮一枚が貫かれ、血が噴き出るのをスマイルは感じている。その位置に本気で噛みつけば、ミラージュは自分を殺せる。

 

 

「…………あんた、本当に人間かよ」

 

 

 冷静に、そんな台詞を返してしまった。どんなに姿が代わろうと、ミラージュは何も変わらない。自分が使える、正真正銘優秀な奇人だ

 

 

「ん、んく……えぇ、人間よ。まあ、少し設計ミスがあるだけの、ね」

 

 床に転がるスマイルの上、器用に体を起こしミラージュは腰をくねらせた。見れば、どこか官能的に頬を染め、その眼は獣のごとく真っ直ぐに一つの感情を浮かべている

 

 男であるスマイルには、それを察するのは難儀ではなかった。

 

 

「……あんた、死にかけた後だぞ。しかも、怪我人で、重症で」

 

「いいのよ、今アタシ最高の気分だから……ねえ、勘違いしないでよ、私はね、今最高にハッピーなのよ!」

 

 

 

……ぎし、がししッ

 

 

 

「ミラージュ、あんたは……何を」

 

 

 

 ベッドが軋む。火照る体を振りまいて、ミラージュは笑みを絶やさず言葉を返す。

 

 

 

「見つけた、あたしの目的……あたしがアタシでいられる理由……勝ちたい、欲しい……あの力が、欲しい……ぁ!!」

 

 

 

 

 手足が無くなったことを、今はただ幸運に思う。ミラージュは己の高ぶりを沈めながら、ただ一人の男を見ている。スマイルではない、その手足を奪った今はいない張本人

 

 

 

……欲しい、あの力が……私にも、同じ力が!!!

 

 

 

 

「欲しい、サイコザクが欲しい!!私も乗りたい、リユーサイコデバイスの機体に、だから要らないわ!!!手足も内臓も、首から下も上も全部捨てて言い。あれが欲しい!!あれしか欲しくない!!!」

 

 

 

 

 

『ダリル・ローレンツ!! あたしもあんたと同じになるわ、だから、次こそは殺して見せる!!! はは、ハハハ、キャハハハハハハハハハハハハッッ!!?!?!?!?!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二章後編・リターン・オブ・サンダーボルト/fin

 

 

 

 

 

 

 

 

>>NEXT>>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……見つけましたわ、お父様とお母様の仇!!

 

 

 

……お嬢様を止めて下さい! このままじゃ、あの娘はまた……大切な人を!!

 

 

 

……お兄さん、私も行くよ……もう、何もできないままじゃ嫌なんだ!!

 

 

 

 

 

 

 

……俺が止める、失う悲しみを背負うのは……大人だけでいいッ

 

 

 

 

「セカンド・シフト…………飛べ、サイコザクッ!!」 

 

 

 

 戦いは次の舞台へ。閉じた島国で、世界の異分子は何を見るか

 

 血塗られた歴史の先に、少女の罪を戦士はともに背負う。雷鳴は再び轟く、宿敵はスコープに、引き金は握る手に約束を抱いて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~第三章前編・復讐のセシリア~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 以上で第二章は終わります。読者の皆様、長い、本当に長い話にお付き合いくださいありがとうございます。
 ダリルにサイコザクも乗せられて、そして次の話への布石も置いて、無事何とかここまで来れました。物語はまだ続く予定ですが、次章がこの原作スタート前の前日譚最後の章となる予定です。


 次の投稿はまたしばらく先になります。三章は未だ構想の段階なので、執筆に入るのも当分先、また忘れたころにひょろっと書くと思いますので。

 また、第二章が終わったので、第二章で登場させた機体情報もまた投稿できればと


 報告は異常で、感想・評価などもあればよろしくお願いします。読了、お疲れさまでした、こんなニッチな作品を追っていただけて本当に感謝です。

 基本オリジナル小説並みの独自展開ですが、それでも根っこにあるサンボルのむせ返る展開を書きたいという前提を忘れずに頑張ります

 長々と喋りました、これにて以上です。けど最後に


 もっとサンボル二次創作は流行れ! そして、サンボルアッガイ全種類のHGキット化、プレバンが出ますように!! なにとぞ、なにとぞ!!!
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