そして翌日、昨日電話越しやメッセージ越しでは緊張気味だったみんなだったが、本番のイベントステージではそんな様子を微塵も感じさせないステージを披露した。俺から見れば、みんなは今までの中でも一番のステージを披露できたと思っている。
そして・・・・・・肝心の結果は・・・・・・・・・・・・。
「くぅ〜〜、せつ菜先輩!今回は優勝を譲りますけど、次は負けませんからね!!」
「ええ!臨むところです!私だってかすみさんに追い抜かれないように頑張りますよ!」
せつ菜の優勝で幕を引いた。とは言っても同好会のメンバーは全員が上位に食い込むほどの結果を残したため、多少の悔しさが滲んでいるものの、後悔をしているメンバーは誰一人としていなかった。
「ですが・・・・・・隆斗さん?これで私たちは・・・・・・スクールアイドルフェスティバルに出れるってことですよね?」
「そういうことだ。ここで優勝できなくて悔しい思いをした奴は、その気持ちをスクールアイドルフェスティバルでぶつけることだ。そうすればやりがいもあるだろ?」
「そうだね〜。彼方ちゃんも珍しく燃えてるよ〜〜」
「うん!私も!せっかくμ'sとAqoursと同じステージに立てるんだもん!精一杯頑張りたい!」
「ああ、でなんだがな?」
みんな「??」
みんなが俺の方へ視線を向ける。
「先に言っておくと、スクールアイドルフェスティバルは一人一人もそうだが、グループでもライブをするらしいんだ。だから、みんなにはグループでもステージに出てもらうことになるが、いいか?」
「へ〜?グループでなんてやった事ないけど、愛さん一度みんなと一緒にステージに立ってみたかったんだよね!あたしは大賛成だよ!」
「愛はこう言ってるが、みんなはどうだ?」
俺は改めてみんなに聞いてみたが、特に反対の意見が出なかったため、みんな賛成と判断した。
「じゃあこれからはグループに向けての練習も追加するけど、だからと言って個人の練習が疎かになるなんて事許さないからな?みんなが際立つのはやっぱり、ソロでの活動なんだからさ?」
みんな「はーい!!」
そんなわけで、俺たちの次の目標、スクールアイドルフェスティバルに向けて俺たちは前進していくことになった。今後がどうなるのかは俺にもわからないが、俺が出来ることはただ、同好会のメンバーのために曲を作り、見守ることだけだ・・・・・・。
––––––––––––––––––––––––––––––––––
イベントが終了し、俺たちはひとまずいつも通りの学生生活に戻った。とは言ってももう直ぐ夏休みだったから直ぐに休みに入るんだけどな。期末テストも無事に・・・・・・かすみちゃんと果林さん以外は無事に終了し、俺たちは夏休みを満喫することにした(赤点をとった二人には後でお灸を据えておいた)。
各自、夏休みは自由に過ごすんだろうけど、俺は同好会の活動が休みの日を利用して、あることを計画していた。・・・・・・それは。
「沼津旅行ーーーってなんでやねん!?・・・・・・・・・・・・ノリツッコミしてる場合じゃないよな・・・・・・ちゃんと理由あって沼津きてるし・・・・・・」
沼津に行き、Aqoursに会うことだった。理由としては簡単で、せっかく一緒のステージに立てるのだから挨拶をしにいくのと、実際にAqoursの練習や活動などをみて、今後の同好会の練習の参考にならないかと思って勉強させてもらうことにしたんだ(ちなみに同好会のみんなには事前に伝えてある)。
「とは言っても、どこに行けば会えることやら・・・・・・住所なんて知らないし、ぶっちゃけ顔もよく知らないんだよな。とりあえず、浦の星女学院に行ってみるか。そこにAqoursが通ってるって話だし・・・・・・」
とりあえず浦の星女学院に向かうことにした俺は、沼津を観光しながらそこに向かった。意外と浦の星女学院まではそこまで遠くはなく、数十分程度で着く事ができた(学院前の長い登り坂が少しキツかったが)。
「ここか・・・・・・。さて、Aqoursのメンバーはどこかな・・・・・・っと、すみませーん!」
俺は校門近くにいた一人の生徒さんにそれとなく声をかけてみた。
「はい?」
「今って、Aqoursのメンバーってだれか学院の中にいたりします?」
「そうですね・・・・・・今日は特に夏季講習もありませんし、それにAqoursのみなさんは祭りの準備をするって言ってましたよ?」
「祭り?」
「沼津サマーフェスティバルのことです。多分Aqoursの皆さんはそっちのお手伝いに行ってるんじゃないかと・・・・・・」
そうか。・・・・・・そうなると今日会うのはキツそうだな・・・・・・。仕方ない。
「わかりました。ありがとう」
「いえ・・・・・・」
俺はその子にお礼を言い、学院を後にした。このまま今日を終えるのは釈だったから、せっかくの沼津なんだし観光でもしようと街の中をぶらつくことにした。さすがに海沿いの街ということもあって、海鮮系や海にまつわる特産物などもたくさんあった。
「(帰るときにでもみんなにお土産買っていくか〜・・・・・・って、あれは?)」
土産ののことを呑気に考えてた俺だったが、道を少し外れたところで何やら”男女が揉め合う声”がしたため足を止めた。さりげなく近づいて聞く耳を立ててみると・・・・・・。
「だから行かないって言ってるでしょ!」
「いいじゃん!俺たちと一緒に飯行くぐらいさ?」
「私たちこの後用事があるんです!放っておいてください!」
「へ〜?そうやって怒鳴る姿もまた可愛いね?俺の好みだわ〜」
「うぇ・・・・・・何この人達・・・・・・」
聞いたところ、どうやらあの男二人にあの女の子3人がナンパされてるようだな。はぁ〜・・・・・・面倒なな状況に立ち会ったもんだ。とはいえ、あの子たち困ってるみたいだし・・・・・・助けるとするか。内心溜め息を吐きながら、俺はその場に割って入った。
「よっ!待ったか?」
3人「・・・・・・え?」
「あぁ?誰だてめぇ・・・・・・?」
「野郎はお呼びじゃねーんだよ?」
二人の男が俺を威圧してくるが、俺にとっては全然怖くなかった。むしろこのぐらい余裕だった。
「誰って・・・・・・この子たちの友達だけど?俺とこの子たち待ち合わせしてたんだけど、俺が待ち合わせ場所間違えてたみたいでさ〜?」
3人「・・・・・・」
女の子たちは全く知らない俺の友達発言に唖然としていて、言葉が出ない様子だった。まぁ、今はそれの方がありがたいけどな。
「で?あんたら何なの?もし、無理やりにでも俺の友達を・・・・・・ナンパでもしてたんだとすれば・・・・・・わかるよな?」
男2人「「うっ・・・・・・」」
俺は二人を睨みながら110番の番号が載ったスマホを見せびらかした。ボタン一つで警察に通報できる状態だ。
「警察にチクられたくないんだったらさっさと失せろ・・・・・・。それと、二度とこの子たちに近づくんじゃねーぞ?いいな!」
男2人「「・・・・・・っ!!」」
男2人は自信に身の危険を感じたのか、その場からすごすごと去っていった。男たちが離れたことを確認した俺は、後ろの女の子たちの方へ向き、優しく微笑んだ。
「大丈夫だったか?もう安心していいぞ?」
「え、ええ・・・・・・ありがとうございます・・・・・・」
「ああいう輩って本当に絡まれると厄介だよな?今後はもっと気をつけてろよ?」
「は、はい・・・・・・」
「よし。じゃ、俺は行くわ。じゃあな!」
3人の身の安全が確保できたと判断した俺は、そのままその場を後にした。こっちにきていきなりあんな人助けするなんてな・・・・・・。
「千歌ちゃん、あの人・・・・・・誰だったんだろ?」
「わかんない。でも・・・・・・」
「そうよね・・・・・・」
「「「かっこよかったな・・・・・・あの人・・・・・・」」」
【イベントが終わった後の控え室】
「隆斗さん!今回の私のステージはどうでしたか?」
「ん?ああ、すごくよかった。しずくちゃんの良さがバッチリ出てたよ」
「そうですか。よかったです!じゃあ・・・・・・」
「ん?どうした、頭なんて差し出してきて?」
「昨日の約束です!頭撫でてください!」
「へ?・・・・・・ああ、そういえばそうだったな・・・・・・・・・・・・(ナデナデ)・・・・・・これでいいか?」
「えへへ〜ありがとうございます!」
「あー!しず子だけずるいです〜!!かすみんも撫でてくださーい!」
「わ、私も!」
「お、おいおい・・・・・・」
結局この後、俺は同好会のメンバー全員を撫でることとなった・・・・・・。