入部しようとしたら?
「とはいったものの、そのスクールアイドル同好会ってどこだ?」
「私もわかんないよ・・・・・・虹学は広いし、部活も同好会もたくさんあるから探すのにも苦労しそう・・・・・・」
翌日、俺たちは放課後を使ってここ虹ヶ咲学園に存在するスクールアイドル同好会を探すことにしたんだが、現状どこにその同好会があるのか分かっていなかった。何しろこの虹ヶ咲学園は都内でも有数のマンモス校で規模が大きく、生徒数や部活、同好会の数も他の高校と比べ、かなり多い。あまりの規模なため、たびたび建物内で迷う生徒も少なく無いんだとか。とにかくそんな大きな高校でたった一つの同好会の部室を二人で探すとなるとすごく骨が折れることなんだ。
「歩夢〜、何か部室を探せる能力みたいの持ってないか〜?」
「そんな都合のいい能力なんて持ってるわけないでしょ!?馬鹿なこと言ってないで探すよ!」
「分かったって」
結局何の手掛かりのないまま俺たちはあてもなく校内を彷徨っていた。1時間ぐらい探してもやっぱり部室は見つからなかったため、さすがに今日は帰るか・・・・・・そう切り出そうとした時だった。
「わっ!!」
「・・・・・・っと」
曲がり角を右に曲がろうとした時、ちょうどその進行方向から来た女の子と俺がぶつかってしまった。ぶつかった勢いでその女の子は尻餅をつき、鈍い顔をしていた。
「いっ・・・・・・たたた・・・・・・」
「悪い、大丈夫か?」
「・・・・・・大丈夫じゃないですよ!これからダンスの練習しようとしてたところなのに、尻餅ついて腰が痛くなっちゃったじゃありませんか!かわいいかすみんの腰が痛い痛いって泣いてますぅ〜・・・・・・」
「何言ってんの?頭大丈夫?」
「心配するのそこなんですか!?しかもそれ心配じゃなくてかすみんのことディスってないですか!?」
「・・・・・・?」
「隆くん・・・・・・そんな意味わかんないって顔してもダメだと思うよ?」
さりげなくフォロー?に回ってくれた歩夢。正直助かった。この子の相手は歩夢に任せたほうが良さそうだな。
「ごめんね?隆くんも悪気は無いの。だから今回は多めに見てくれると嬉しいかな?」
「はぁ、まあ今回はこのかわいいかすみんは急いでることもあってあまり時間が取れないので、許すとします。ではこれで、これから”スクールアイドル同好会復活”に向けての練習をしにいきますので」
「「!!」」
今なんて言ったこの子!?今絶対スクールアイドルって言ったよな!?
「スクールアイドル?もしかして同好会の?」
「はい!かすみんはそこの部員ですよ!」
「まじか・・・・・・やったな歩夢!!」
「うん!やったよ隆くん!!」
その場で手を取り合って小躍りする俺と歩夢。周囲の目が俺たちに向いてた気がするけど気にしなかった。
「え〜っと?お二人とも?」
「「あっ」」
我に帰った俺たちは喜びに浸るのもそこそこに、目の前のかすみんちゃんに頭を下げた。
「「本日からスクールアイドル同好会でお世話になります!!」」
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「なるほど〜、それで同好会に入りたいと・・・・・・?」
同好会の部室に案内してもらってる間、俺たちはかすみんちゃんに入る動機を聞かれていた。ある程度は省いてざっくりわかりやすく説明したけど何とか納得してもらえた。ちなみに同好会への参加はOKが出た。
「そういうことだ。あ、俺は2年の鈴木隆斗。こっちは2年の上原歩夢だ。よろしく!」
「よろしく!」
「よろしくです!あたしは1年の中須かすみです。気軽に”かすみん”って呼んでくれていいですよ?先に言っておきますけど、決して・・・・・・”かすかす”なんて呼ばないでくださいね?」
「よろしく!かすかす!」
「言ったそばから!?鈴木先輩、話聞いてました!?」
「え?呼ばないでってことは呼んで欲しいって意味じゃなかったの?」
「フリじゃないですから!!お願いですからやめて下さいぃぃ〜〜!!」
「あはは・・・・・・」
校内にかすかす・・・・・・やめてあげよう。かすみちゃんの声が大きくこだました。この子もあれだな・・・・・・面白いな。
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「どうぞ〜!」
「「失礼しま〜す・・・・・・」」
やっとついたスクールアイドル同好会の部室の中は意外と綺麗で、散らかってる様子もなかった。でも、一つだけ疑問に思ったことがあった。
「何で誰もいないんだ?今日は休みか?」
「月曜日って意外に休みになってる部活多いからね。もしかして休みだったかな?」
「・・・・・・いえ、休みじゃありませんよ。現在、今この同好会にいるのはかすみんだけなんです・・・・・・だから今はこれが当たり前なんです」
「は?」「え!?」
ちょっと何言ってるか分かんなかった。部員が一人ってどういうこと?意味がわからん。
「それに、もうじきこの同好会も廃部になってしまうんです。人数が一人しかいない同好会は認められないって生徒会長が・・・・・・言って・・・・・・」
「そんなぁ・・・・・・せっかく見つけたのに・・・・・・」
悲しそうな顔をして俯いてしまった歩夢。でもさ?そんなに悲観的なことでもなくないか?だって・・・・・・。
「それなら今からでも生徒会長室行って直談判すれば良くないか?今は部員が3人になってることだし言えば何とかしてくれるかもよ?」
「はっ!!その手がありましたね!いや〜かすみんともあろうものがこんな簡単なことを忘れていたなんて〜」
「あーはいはい。そうだねー、よっしさっさと行くか歩夢!」
「あ、うん!」
「何で棒読みになってるんですか!?それと二人とも置いて行かないでくださいよ〜!!」
かすみちゃんのツッコミを聞き流して、俺たちは生徒会長室に向かった。今日はもう一波乱ありそうだ・・・・・・。
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「それで・・・・・・用件は何ですか?鈴木隆斗さん、上原歩夢さん、中須かすみさん」
「へ〜、俺たちのこと知ってるんですね?」
「この学校にいる生徒のことは全て把握してます。生徒会長としては当然では?」
生徒会長室についた俺たちは、早速殴りk・・・・・・直談判しに生徒会長の中川菜々と会っていた。
「それで・・・・・・用件は?」
「お願いします!スクールアイドル同好会の廃部の件を取り下げて下さい!」
「それは・・・・・・出来かねますね」
「何でですか!?それは部員がかすみちゃんが一人だったからの話ですよね?でも今は私と隆くんがいます!なので・・・・・・どうかお願いします!」
「・・・・・・」
何か考え込んでる生徒会長。そして何か思いついたのか俺たちに向かってこう言った。
「・・・・・・10人、部員を集めたらこの話は無しにしましょう。それが条件です」
「「10人!?」」
歩夢とかすみちゃんが揃って驚きの声をあげた。
「何で10人なんですか〜!?今までは5人だったのに!せつ菜さん達が戻ってくればそれで済む話じゃないですか〜!!」
「・・・・・・そのせつ菜さんがスクールアイドル同好会を引き裂いた張本人ではないですか。だからこそ10人なんですよ。たとえ誰かしらがやめてしまっても10人いればそこまでも支障は出ない。そのまま活動を続けることが可能ですよ?」
「ぐっ・・・・・・確かにそれはそうですけど・・・・・・でも、今はきっとせつ菜さんや・・・・・・他のみんなも・・・・・・」
ギロリと鋭い視線を生徒会長から向けられたかすみちゃんはすでに泣きそうだった。歩夢ももはやどうしたらいいかすら分かってない状態だった。・・・・・・しょうがない。
「いいですよ?その条件呑みましょう!」
「「「はっ!?」」」
「いや、はっ・・・・・・じゃなくて、条件呑むって言ってるんです。部員10人集めればいいんですよね?そんなの簡単じゃないですか」
「貴方・・・・・・自分が何言ってるのか分かって・・・・・・」
「もちろん分かってますよ?だから言ってるんです。せっかく歩夢と同じ夢観られる場所が見つかったのに、貴女のせいで廃部にされたくありませんからね」
少し好戦的な目で生徒会長を見た俺は静かに微笑を浮かべた。
「では、楽しみにしてて下さい。行くぞ〜?歩夢、かすみちゃん」
「隆くん!?ま、待って〜!」
「せんぱ〜い!!置いて行かないでくださーい!!」
生徒会長に盛大に喧嘩を売った俺は、そのまま生徒会長室を後にした。さて・・・・・・これから忙しくなるな〜。
「鈴木さん・・・・・・あの人はどうしてそこまで・・・・・・?」
自己紹介
鈴木隆斗
虹ヶ咲学園に通う普通科2年の男子。普段は抜けてるとこが多く、よくボケをかまして突っ込まれているが、いざというときには自分が先頭に立って周りのサポートをし、持ち前の頭のキレ具合と情報収集力と豊富な知識でみんなを支えているニジガクのマネージャー。ダンスや作詞作曲の経験があるため、振り付けや曲作りなどは全て彼が引き受けている。