待たせてもらうこと数十分、ようやくAqoursのメンバー全員が校門の前に集まった。集まったことを確認した俺は、校門に寄りかかっていた体を起こし、改まった姿勢で再度自己紹介をした。
「忙しい中集まってくださりありがとうございます。俺は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部長をしている鈴木隆斗です。どうぞよろしくお願いします」
「お、おぉ・・・・・・隆斗くんがいつになく真面目になってる」
「ん?俺はいつも真面目だと思うが?」
「日頃の行いを見ても、そうとは到底見れないけどね?」
俺の真っ当な自己紹介に千歌と果南さんから指摘が入った。・・・・・・失敬な。
「東京からわざわざお越しいただいて有難うございます。この学院の生徒会長でもあります、黒澤ダイヤと申します。どうかよろしくお願いしますわ」
「ご丁寧にどうもです」
挨拶をしてきたのは黒いロングヘアーが特徴的な黒澤ダイヤさんだった。見たところ、果南さんが着ている制服と同じものを着ていたから、この人も3年生なんだろう。・・・・・・ってか、生徒会長って・・・・・・せつ菜と気が合いそうだ。
「じゃあ、ダイヤさんが自己紹介した事だし、みんなも順番ずつで自己紹介して行こっか!」
千歌からそう言われると、そこからAqoursの自己紹介のオンパレードがスタートした。すでに自己紹介を終えたダイヤさん、千歌や果南さん、渡辺さんや桜内さんを除いた残りの4人は・・・・・・なんとも俺的に言わせれば個性的なメンバーだと感じざるを得なかった。ニジガクもかなり個性的なメンバーが集まっているとは思うが、正直Aqoursの方も負けてないんじゃないか?
まず最初に自己紹介をしたのは、1年生の黒澤ルビィちゃん。苗字からも分かるように、この子はダイヤさんの妹さんで、綺麗な黒髪をしていたダイヤさんとは対照的に、ワインレッドの色合いをした髪をツインテールで結えているなんとも可愛らしい女の子だった。ダイヤさん曰く、俺・・・・・・と言うか、男性とあまり話した事が無く、苦手な様だから、この子と接するときには注意が必要だと言う事がわかった。
次は、国木田花丸ちゃん。同じく1年生だ。語尾に『ずら』をつけると言うなんとも特徴的な喋り方をする子で、ある意味新鮮で面白い子だと思えた。この子は内浦にあるお寺の一人娘のようで、そこで過ごすに連れてこんな口調になったらしい。
お次は津島善『ヨハネよ!!』・・・・・・津島ヨハネ改め、津島善子ちゃんだ。さっきの言動からも分かる通り、この子は・・・・・・中二病を拗らせてる。さっきだって『さぁ、新たなるリトルデーモン?・・・・・・我の眷属となれること・・・・・・ひどく光栄に思うが良いわ!!あっはっは!!』・・・・・・なんて叫んでたしな。ニジガクにこんな属性を持つメンバーはいなかったから面白かったけど、毎回毎回相手をすると流石に疲れるから、今後はなるべく傷をつけずに流せる様工夫をしていこうと思っている。
最後は3年生の小原鞠莉さん。小原財閥の娘であり、近くのホテルを経営している名家の出らしい。驚きなことに、この人は高校生でありながらこの学院の理事長でもある様で、かなりの権力者であると言う事がこの場でよくわかった。とはいえ、メンバーのみんなは彼女が理事長だからといって特に態度を改めると言うこともなく、友達の様に気軽に接していた。イタリア人のクォーターでもあるらしいが、日本での生活も長いようで日本語もペラペラだ。
「これで全員かな?・・・・・・うん、全員だね!じゃあ、改めて・・・・・・隆斗くん!」
「「「「「「「「「ようこそ!浦の星女学院へ!!」」」」」」」」」
自己紹介を終えた俺は、改めてAqoursのみんなから歓迎されることとなった。
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「・・・・・・俺がまさか、女子校の門を潜る事になるなんて・・・・・・人生何があるか分かったもんじゃねーな・・・・・・」
自己紹介の後、俺は何故か普通に学校の中へと案内をされた。・・・・・・さっきも言ったが、ここは女子校で本来男である俺が立ち入れる場所ではない。・・・・・・なのになぜ俺が普通に通されているのかというと・・・・・・。
「ノープロブレムよ!理事長であるマリーの権限で、あなたは入校オーケーにしておいたから!」
・・・・・・こんな感じで、小原さんに入校を許可してもらえたからなんだが・・・・・・”理事長権限”ってそんな軽々しく使って良いものじゃない気がするんだが?
「それなら良いんですけど・・・・・・さっきから視線が痛い・・・・・・場違い感が半端じゃねーな・・・・・・」
「あはは・・・・・・男の隆斗くんが珍しいんだと思うよ?普通、この学校で男の子なんて見かけないから。それに、隆斗くんは顔も整っていてカッコいいから尚更目を惹くのかもね」
「マジ?それなら見られても文句ねーな。一気にテンション上がったわ」
「・・・・・・謙遜はしないんだね?普通そこは『俺なんて、全然カッコよくなんてない』なんて言う所じゃないの?」
「どこのラブコメ主人公だよ。・・・・・・ってか、お前がそう言ったんだろ?謙遜したらなんか、お前に失礼じゃねーかよ?」
「っ!そうだけどさ・・・・・・はぁ、もういいや。早く教室行こ?」
どこか頬を赤くした千歌は少し歩くスピードを上げつつ教室を目指していった。俺達も追従するようにその後を追っていった。
さてさて、隆斗をどう絡ましていきますかね・・・・・・。