「で?今はどこに向かおうとしてるわけだ?」
生徒会長と思わぬ邂逅を果たした翌日、移動授業から教室に戻ってる際にかすみちゃんと桜坂さんに出会し、なぜかそのまま手を引かれたまま何処かに連行されていた。今は昼休みだから多少の時間付き合うなら問題はないが・・・・・・。
「元メンバーの近江彼方先輩のところです!先輩は基本的に保健室で寝てることが多いので今から保健室に向かっています!」
「・・・・・・サボりか?」
「先輩になんてこと言ってるんですか!?彼方先輩は授業以外の時は保健室で仮眠を取ってる事が多いだけです!何でも特待生だから夜中まで勉強を頑張っているからだとか・・・・・・」
「特待生?」
「はい、彼方さんは現在妹の遥さんと二人きりで生活してるらしくて、出費を抑えて生活費を少しでも確保するために特待生になったらしいです」
「なるほどな〜」
この高校ってそんなのあったんだな。全然知らなかった・・・・・・。とはいえ、元メンバーなら戻ってきてくれる可能性も充分にあるな。
「なら早く行くか。早くしないと昼休み終わるし」
「「はい!」」
俺は引かれていた手を離してもらい、少し急ぎ目に保健室に向かった。保健室に行くなんて初めてかもな・・・・・・。
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「おはようございます。彼方さん、そして久しぶりですね?」
「ん〜〜?お?お〜しずくちゃんー?おひさだね〜。それで、何かご用かなー?」
かすみちゃんと桜坂さんが言ってた通り、ほんとに保健室で寝てたよこの人・・・・・・。保健室ってそんなことのために利用して良いとこだっけか?
「彼方せんぱ〜い!!お願いします!同好会に戻ってきてくださーい!このままだと廃部にされちゃいますよ〜!!」
「落ち着け!保健室なんだから騒がしくするな!」
(ポコッ)
「痛いっ!だからいちいち殴らなくてもいいじゃないですか〜!この乱暴男!」
「何だ?もう一発くらいたいか?」(スッ・・・・・・)
「すみません!もう黙ります!」
「分かればいい。・・・・・・すみませんね?うるさくしちゃって・・・・・・えっと、初めまして、俺は2年の鈴木隆斗って言います。この同好会の部員ですが、一応マネージャーを志望してます」
うるさくした(ほとんどこの
「お〜、とうとう同好会にも男の子が入ったか〜これは春が訪れそう〜〜。あ、あたしは近江彼方ちゃん。一応3年生だよ〜。それで、何かご用〜?」
「単刀直入に言いますね?今すぐ同好会に戻ってきてください。かすみちゃんも言ってたようにこのままだと廃部にされかねないんですよ。だから・・・・・・お願いできませんか?」
「ん〜・・・・・・彼方ちゃんがいない間にそんなことになってたんだね〜。ちょっとショックだな〜・・・・・・でも、今はちょ〜っと厳しいんだよね〜?」
「え!?どうしてですか彼方さん!?」
桜坂さんまでここが保健室だってことを忘れて近江さんに詰め寄っていた。
「テストの方が厳しいんだよ〜。特に理数系のテストは彼方ちゃん苦手で〜・・・・・・中間テストもいい点取れなかったし、そのせいで成績が落ちちゃったんだよね〜・・・・・・次また悪い点とったら特待生じゃなくなっちゃうかも知れないんだ〜、だから今は戻ることはできないかも〜・・・・・・」
「「そんなぁ〜・・・・・・」」
近江さんの発言に落胆の声が漏れ出たかすみちゃんと桜坂さん。だが、俺には考えがあった。
「それなら問題ないです。俺って理数系とってますし、新たに入った愛も璃奈ちゃんも理数系ですので、教えられますよ。それなら戻ってきても勉強の方は問題ないんじゃありません?」
「お〜!ないすあいでぃあ〜!それなら、問題ないかな〜・・・・・・分かったよ〜、彼方ちゃんも同好会が廃部なんて嫌だし、戻ることにするよ〜」
「っ!!本当ですか!ありがとうございます!」
「彼方せんぱ〜い!ありがと〜〜〜!!」
二人は近江さんに抱きつきながらそう叫んだ。だから叫ぶなってのに・・・・・・まぁ、今回は許すか。その微笑ましい光景に俺の口角も自然と吊り上がっていた。
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「おーいみんな〜!近江さんが戻ってきた・・・・・・ぞ?」
俺の語尾が少しおかしくなったのは、同好会の部室になぜか知らない人がいたからだ。赤い髪を三つ編みにして肩に下げてる感じが印象的で、そのスタイルも容姿も素晴らしいの一言だった。・・・・・・何なんだこの人?
「あれ?貴方は?」
「え?いや、俺は・・・・・・」
「あ〜〜!!エマせんぱーい!!戻ってきてたんですね〜!!」
「「「「・・・・・・エマ?」」」」
俺、歩夢、愛、璃奈ちゃんの声がハモった。どうやらこの人を知らないのはもともとこの同好会に入ってなかったメンバーだけみたいだな。かすみちゃんも桜坂さんも近江さんもどうやら知ってるみたいだし。ということはこの人は・・・・・・。
「かすかす〜、この人は?」
「かすかすって言わないでください愛先輩!この人は元メンバーのエマ先輩です。最近ずっと顔を出してくれなくって心配してたんですけど・・・・・・エマ先輩!今までどこに行ってたんですか!同好会、抜けちゃったのかと思ったじゃないですか〜!ぷんぷん!」
「何処って・・・・・・スイスにしばらく帰るって置き手紙置いておいたよね?机の上に置いておいたはずだから見れなかったってことはないと思うけど?
何言ってるの?と言いたげにエマさんはかすみちゃんの方を向いた。手紙という単語にかすみちゃんは思い当たる節があるのか、顔を伏せて何かを思い出していた。
「えっ・・・・・・あ・・・・・・あの手紙ってエマ先輩のだったんですね。何処かの部からの怪文書だと思ってました・・・・・・」
「いや・・・・・・置き手紙と怪文書の区別くらいつくだろ・・・・・・。お前やっぱ、”バカすみん”何じゃねーか?」
「そんなあだ名つけないでくださいよ〜!!・・・・・・はぁ、つまりかすみんの早とちりだったってことですか?」
「同好会を抜けるわけなんてないでしょ?というわけでエマ・ヴェルデ、今日からまた同好会に復帰します!よろしくねみんな!」
おお、なんか訳もわからんうちに話が成立しちゃったな。でも、とりあえずメンバーが戻ってきてくれたんなら心強いことこの上無い。これで7人だな・・・・・・。
「ところで、見たところ新しい子たちもいるみたいだし私のことも自己紹介しておくね?私はエマ・ヴェルデ。3年生だよ。これからよろしくね!」
「よろしくお願いします!私は上原歩夢です!」
「エマちゃん、だね!よろしく〜!あたし、宮下愛!」
「天王寺・・・・・・璃奈。よろしく」
「うん、よろしく。あとは・・・・・・」
「ああ、俺は鈴木隆斗です。スクールアイドル同好会なのに何で男がいるのって話なら安心してください。俺はマネージャー志望ですので」
「そうだったんだね。よろしく、隆斗くん!」
いきなり名前呼び・・・・・・結構フレンドリーな先輩だな。まぁ、こういう方が付き合いやすいけどな。
「ともかくこれで残り3人だな・・・・・・。後戻ってきてないのは・・・・・・優木せつ菜だけか」
「そうですが、せつ菜さん・・・・・・同好会で活動する時以外で会ったことないんですよ。なので、手がかりもあまり無いので・・・・・・」
「そうか・・・・・・」
ここに来て、少し部員集めに暗雲が立ち込めてきそうだった・・・・・・。
エマさん、彼方さん加入です!!残るはせっつーと果林さんですね!早く加入させたい!