聖女を照らすは最果ての輝き   作:ガーゴイル悪魔ン

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聖女の救いとなる為に

ふと俺はいつの間にか眠っていたことに気付いて、ゆっくりと瞼を開けて天井を見上げた―――

 

「――くっははっ・・・!」

 

―――ら見知った神父が歪んだ笑みを浮かべて、光を反射する鋭い剣をまさに俺に振り下ろす直前だった・・・は?

「――っ!」

俺は咄嗟に回し蹴りを繰り出すように無防備な神父の脇腹に踵をめりこませ、力任せに馬乗りになっていた神父を蹴り飛ばしてアッドの入った鳥籠を手に取ると部屋を飛び出した。

「はっ―――ごぁっ!?」

神父は突然のことで対処できなかったのか受け身も取れずに壁に頭を打ち付けていた、俺はそれを一瞥してから礼拝堂へと駆け出した。

くそっ・・・!だからこの世界の神父は信用ならないんだ、まさかのイカレ神父だったじゃねぇか!

「アーシアさんが危ないっ、アッド!」

「おうさっ!いつでもいけるぜっ!」

鳥籠が消えてアッドを掌に乗せると、すぐさま形を変えて大鎌の形に変化した。

 

大鎌を構えながら礼拝堂へと辿り着くと誰の姿もなく、主祭壇が横にズレて地下への階段が露わになっていた。

「この下にアーシアさんがいるとみて、間違いなさそうですね」

一体俺がどれくらい寝ていたのか分からないが、間に合ってくれることを切に願いながら地下への階段を駆け下りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

礼拝堂の地下には数十人の人影と、十字架に磔にされたアーシアとその側で怪しげな笑みを浮かべる黒い翼を背中から生やしたレイナーレ達『堕天使』の姿があった。

「貴女の神器を手に入れることで、私はあの方に認めてもらえるの!だから大人しく死んでちょうだい、貴女と一緒に来た彼女はフリードが今頃・・・ね」

「っ!そんな・・・!グレイさんは何の関係もありません!それに私がここに戻ればグレイさんには手を出さないって、そう約束してっ―――」

アーシアが言い終える前に彼女の頬を光の槍で浅く裂いたレイナーレに、アーシアは痛みよりもグレイに魔の手が伸びてしまったことに瞳を揺らした。

「これから死ぬ貴女の約束を守ると思う?それにね、彼女は放っておくと必ず障害になるのよ。だから早めに処理しておくに限るわ、さて・・・もうお喋りをする気はないわ、貴女の神器を頂くわね」

そう口にして身動きの取れないアーシアへと手を伸ばすレイナーレに、アーシアは瞳から涙を零しながら固く瞼を閉じて自らを大切だと言ってくれた少女の姿を思い浮かべた。

「っ・・・!(グレイ、さんっ――――)」

少女の名を口にした瞬間に今まで感じていた圧迫感が無くなると同時に浮遊感を覚えたアーシアは、驚いて瞳を開けると浮遊感が消えて思い浮かべていた人物の顔が飛び込んできた。

「グレイさん・・・?」

アーシアが自身の名を呼んだことで険しい表情でレイナーレ達を睨んでいた少女は、その顔を綻ばせてアーシアに優しげに微笑んだ。

「すみません、遅くなってしまって・・・けどもう、大丈夫です」

安心させるように優しい声色でそう告げた少女に、アーシアは安堵と少女が無事だったことの安堵で強く少女を抱き締めた。

少女もまた彼女を安心させようと優しく包み込むように抱き締め返した、それだけでアーシアの心は温かな気持ちで満たされて安心感が全身を包んだ。

「アーシアさんをこれ以上傷付けることは、拙が許しませんっ!」

もちろん少女がレイナーレ達への警戒を怠ることなく、鋭い視線を向けて臨戦態勢を取っていた。

「貴女、どうしてここに・・・!?フリードは何をしているの!?」

「あの神父なら蹴散らしてきました、最初から警戒はしていましたから」

少女の言葉にレイナーレ達は驚きの表情を浮かべた、なぜなら最初からということはあった時点で警戒していたということになる。

「っ・・・けれど、一人でこの人数を相手にしようというの?無謀にもほどがあるわよ、今ならまだ貴女だけは見逃してあげる・・・だからアーシアを―――」

「お断りします。拙は彼女を、アーシアさんを護ると誓ったのです・・・ですから、何があってもアーシアさんを裏切ることはありませんっ」

強い決意と共に放たれた言葉と視線に、レイナーレは気圧されるようにその場から一歩後退った。

アーシアは緊迫する場面に直面しながら、少女の真っ直ぐな言葉にその胸をキュンっと高鳴らせてポーッと少女の顔を見上げていた。

「・・・だったら、お望み通り殺してあげる!ついでに貴女のその神器も奪ってあげっ―――」

 

「アーシアァァァァッ!!!」

 

「―――っ!?」

レイナーレが言い終える前に出入り口の扉が大きく開かれ、学生服を着た少年が姿を現した―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかアーシアちゃんが殺される寸前だったとは思わなかった、扉を静かに開けて中を確認した俺はすぐにアッドを弓に変えて矢を放った。

それによりアーシアちゃんに向けられていた手を弾いて、アーシアちゃんを拘束する鎖を射貫いて破壊した。

支えを失ったアーシアちゃんは床に向かって落ちていったが、すでに矢を放った時点で俺はアーシアちゃんの側に地を蹴って跳躍していた。

着地すると同時にアーシアちゃんを受け止めると、手を伸ばしていた人物から距離を取るために飛び退いた。

「グレイさん・・・?」

アーシアちゃんを殺そうとしていたのがシスターのレイナーレさんたちだったことに驚いていると、どうやらようやく現状を把握した・・・というより俺の存在に気付いたらしい。

「すみません、遅くなってしまって・・・けどもう、大丈夫です」

安心させるために笑顔を心掛けて話しかけると、アーシアちゃんが俺を抱き締めてきたので優しく抱き留めた。

そりゃ怖かったよな、でももう大丈夫だ!俺が来たからにはアーシアちゃんを傷付けさせるものかっ、まさかこんなすぐに封印を開放しないといけない時が来るとはな!

「貴女、どうしてここに・・・!?フリードは何をしているの!?」

あのイカレ神父のことか?それなら蹴散らしてきたぜ、文字通り蹴り飛ばしてな!あとこんな状況でアーシアちゃんを差し出すわけないだろ、この娘が幸せになるまで俺が側で護るって決めてるんだよっ!

「・・・だったら、お望み通り殺してあげる!ついでに貴女のその神器も奪ってあげっ「アーシアァァァァッ!!!」―――っ!?」

光の槍を構えて殺気をぶつけてくるレイナーレさんを睨み返して応戦しようとアッドを変化させようとした瞬間、突然の大声にその場にいた全員(アーシアちゃんは俺の胸に顔をうずめている)が視線を向けた先には学生服を着た少年が立っていた・・・誰?

そう思っていると少年の後に続くように四人の男女が部屋に雪崩れ込むようにして入ってきた、俺は状況が分からずに呆然としていたがレイナーレさんは焦った様子で話しかけていた。

と思ったら今度は大乱闘が始まった、学生服の少年たちは何か赤い籠手や剣を持って応戦していた・・・っていうか、圧倒している。

「・・・今の内ですね」

俺はそう呟いてアーシアちゃんをお姫様抱っこすると、開け放たれた出入り口からこっそり外に出て地上の礼拝堂へと戻ってきた。

「どちらへ行かれるのですか?」

アーシアちゃんを床に下ろすと同時に聞こえた声に俺は彼女を背に隠して身体を向けた、そこには先程の少年と一緒にいた黒髪の女性が立っていた。

「そんなに警戒しないでください、私たちはイッセーさんの意志に賛同してここに居るのですから。貴女の後ろにいる彼女を救いたいという、ね」

「イッセーさん・・・」

俺の後ろに隠れていたアーシアちゃんが嬉しそうに頬を緩ませて少年の名を呟いた、これはまさか・・・彼がこの世界の''主人公,,か!

ならあの熱い性格も頷ける、熱血漢とは『衛宮 士郎』みたいだな・・・彼も『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』が傷付けられた時はそれはもう怒りを露わにしてたからな。

「貴女は何故ここに居るのですか?見たところあの堕天使とは仲間では無いようですが、この聖なる力は・・・?」

堕天使・・・?あぁっ!そういえばレイナーレさんの背中に黒い翼が生えてたな、光の槍がワルキューレみたいだってことに気を取られてた。

「拙はただ、アーシアさんを護ると誓ったのでその誓いを守っただけです。彼女には幸せになってもらいたいですから」

「グレイさん・・・」

後ろに立つアーシアちゃんに顔を向けると、頬を赤く染めてポーっと俺の顔を見つめていた。

「なるほど、悪い人ではないようですね。っと、どうやら一段落したようですね」

そう口にした黒髪の女性につられるように地下への階段へと顔を向けると、先程の少年たちが階段を上がってくる姿が見えた。

「アーシア!無事でよかった・・・!そこの、えっと・・・?」

アーシアちゃんへと向けていた視線を俺に向けた少年は名前を知らないので言い淀んでいた、そんな少年たちに自己紹介しようとした瞬間に赤い髪の女性が前に一歩踏み出して口を開いた。

「まずは彼女を助けてくれて感謝するわ。私は『リアス・グレモリー』、そしてこっちが私の眷属の『兵藤 一誠』と『姫島 朱乃』『木場 祐斗』『塔城 小猫』。貴女のお名前は何て言うのかしら?」

一種のカリスマを感じて物怖じしてしまったが、俺はすぐに気持ちを切り替えてお辞儀と共に名乗りを上げた。

「拙の名前はグレイといいます。この街には旅の途中で訪れたのですが、そこで困っていたアーシアさんに話しかけたのがきっかけでここにいます」

「そう・・・『教会』のことについてはどこまで知っているの?」

『教会』っていうと聖杯戦争の監督みたいなことしてるあの『聖堂教会』のことか?だったらある程度知ってるけど、ここは知らないということにしておこう。

「いえ、拙はアーシアさんが襲われそうになっている所を助けただけですから・・・」

俺の返事を聞いて顎に手を当てながら観察するような視線を向けてくるリアスさんだったが、次に発せられた言葉に俺は困惑した。

「ねぇ、貴女・・・私の眷属にならない?」

・・・はい?

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