シアトルアイショット   作:CanI_01

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エピローグ

プライベートマトリックスチャットルーム。

 

マトリックス上に築かれた密談場所。

そんなチャットルームで2人の女性、いや女性のペルソナが気楽に情報交換をしている。

 

片方は肉感的な美女で美しい黒髪を短く刈り込んでいる。

瞳は射抜くように強くやもすれば酷薄な印象を与えかねないところ、短髪とうまくマッチし精悍なマニッシュな魅力を醸し出している。

ペルソナにはフリージアとハンドルが表示されている。

 

フリージアという名前は影の世界では著名な一人である。

史上最悪の破滅カルトにしてテロリストグループ、ウインターナイトの現存するメンバーの一人だ。

彼女は未だに勢力を拡大しており目的を決してあきらめていない。

 

もう一人は薄い唇に、挑戦的で誇りに満ちた瞳、鴉の濡れ羽色の髪、スマートな体型の女性だ。

ペルソナにはパックスとハンドルが表示されている。

 

フリージアがつまらなさそうにパックスに話しかける。

 

「意外と店仕舞いが早かったじゃない。」

 

それに対してパックスは1日遊んだから満足した後のような楽しげな声だ。

 

「どうもテクノマンサーを事件に巻き込んだみたいでね。そこから辿られたみたい。

まあ、欲しいデータはある程度集まったから良いかなって。

ちなみにコントローラーの使い勝手はどうだった?」

 

少し考え込むフリージア。

 

「具体的に動かせるのは良いけど長持ちしないのが難点かしら。

後仕上がるまでの時間が短いから手早く数揃えるには良いわね。」

 

我が意を得たりと大きく頷くパックス。

 

「そうなのよ。洗脳ツールとしてのアセンションはほぼ完成してたけど仕込みの時間と仕込み手の実力への依存度が高かったからそこの改善を目指したわけ。」

 

どうでも良さそうなフリージア。

 

「そういう意味では良いと思うわよ。

あたしは小銭稼がせてもらったけど、運用コストとしてはホストの維持費も賄えないでしょ、あれじゃ。」

 

人懐っこい笑みのパックス。

 

「研究はお金がかかるのよ。今は仕方ないわ。

単純な運用なら今回ほど大掛かりな仕掛けはいらないわけだし。」

 

「あ、そうなの?

なら、誰か1人現地に送り込んで浸食するのにいいも。

まあ、パッケージ化したら教えて頂戴。うちのメンバーにも紹介するわ。

あら、来客だわ。じゃあ、またね。」

 

そう言うとフリージアのペルソナは姿を消す。

 

一人残ったパックスは人好きのする笑みを消しチャットルームのテクスチャーの一点を凝視する。

まるでそこに情報が書かれているかのような鬼気迫る眼差しだ。

 

「しっかしCFDって何なのかしら。

今ひとつ原理が見えてこないのよね。

やっぱりプロジェクトイマーゴに関与しないとダメかしらね。」

 

そして、彼女の姿もチャットルームが消え失せた。




フリージア/Fylgia
『Ten Terrorists』が出典。
外見の記載はないのでイメージで創作。
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