シアトルアイショット   作:CanI_01

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閑話:突撃メガコーポ ナイトエラント

2075年2月20日

UCAS シアトル レントン地区 ナイトエラントシアトル トレーニングアカデミー

 

シアトル上空の俯瞰風景。

周辺に比べて明確に緑の多いエリア、レントン地区に視界は近寄っていく。

レントンを南北に走る国道405号線とシーダー川の交わる場所にある広大なグランドといくつかの施設、さながら大学のような施設。

中央にそびえる一際大きな建物の壁面に飾られる騎士の盾に刻まれるKEの文字。ナイトエラントの社章だ。

 

視界はナイトエラントの社章にパンされる。

 

視界は切り替わり執務室に移る。

執務室には二人の女性の姿がある。

 

一方は長い金髪を頭の上でまとめたパンツスーツの女性。。

一方は腰まである赤髪に全身これ筋肉と言った引き締まった肉体、その身はナイトエラントの制服を一部の隙きも無く着こなす、軍人のような女性。

 

ダニー「こんにちは、ダニーの突撃メガコーポです。今日はナイトエラントのシアトルトレーニングアカデミーにお邪魔しています。

ご対応いただくのはナイトエラント警察契約部門バイスプレジデント、エレン·ワードさんです。」

 

エレン「ご紹介に預かりましたエレン·ワードです。現在ナイトエラントにて警察契約部門の責任者を行っております。」

 

ダニー「本日はお時間をいただきまして誠にありがとうございます。

まずはナイトエラントの設立についてからお話をお伺い出来ますでしょうか?」

 

エレン「弊社は2035年にアレスのCEOダミアン·ナイトの発案で設立しました。

当初はアレス内部に対して活動するエリート警備部隊として活動を開始しています。続いて社内で形成した警備ノウハウを各国や他社、警察へのノウハウ提供を行うコンサルティング業務を開始しました。そうなると実際の部隊の出動要請を受けるのは必然であり精鋭警備部隊として外部との契約を開始しました。我々は傭兵ではなく警備のエキスパートであると自負しております。」

 

ダニー「確かに他社と比較しても高い練度に加え潤沢な装備を持つと言われていますね。」

 

エレン「その通りです。装備に関してはアレスの全面的なバックアップあってのことですが、練度を高めることは一朝一夕にはなりません。そこで、トレーニングアカデミーが設立されたわけです。

このトレーニングアカデミーには3つの目的があります。

1つはナイトエラントの士官候補生の訓練、続いてユーザーへの軍事訓練、そしてグループの社内訓練です。

アレスにはナイトエラントを含めて3種類の軍事組織があります。

1つはアレスの企業軍です。これはアレスの誇る虎の子である精鋭軍事部隊です。彼らは基本的にアレスのためにしか軍事力を行使しません。

次は傭兵部隊と一般の警備会社です。中にエグゼグティブ・プロテクション・サービスのように要人警護に特化した特殊な組織もありますが、平均的な能力の企業軍です。

そして、我々ナイトエラントがその中間にあると言えます。ただ、我々は警備会社ですので戦争を行うに足る準備は行っていません。ですが、前述の傭兵部隊、例えばウルブズラインを指揮下に入れることで戦争に参戦し、指揮を執ることはあります。

我々はアレスグループの軍事的なバックアップと教導部隊的な立ち位置にあると言えます。

この立場を支えるのがこのトレーニングアカデミーなのです。」

 

ダニー「な、なるほど。さすがは軍需産業の雄アレスの虎の子であるナイトエラントですね。実際コンプライアンス教育の徹底と市民をユーザーとして扱う教育により汚職や市民への態度がローンスター時代に比べ、10%以上評価が良くなっていますね。」

 

エレン「我々も民間企業ですのでユーザー満足度には注意を払っておりますので、喜ばしい結果です。」

 

ダニー「このような結果があっただけに、今回のタコマの状況は腐敗の前兆ではないのかという不安があります。私が調査したところ通常の殺人事件の解決率が97%、レイプなど性犯罪でも84%程度となっていますが、組織犯罪の解決率は34%と突然低迷します。更にこの解決率に関しても実際に街での聞き取り調査などを行った場合、大きく異なるという結果が出てきています。解決困難な事件を事故として処理して解決率の水増しをしているというお話も耳にしております。」

 

エレン「今回のご指摘を受け状況の精査を進めたところご指摘の事実は確かにありました。我々が警官のモチベーションを高めるために検挙率によってインセンティブを支払っていたことがネガティブに作用した結果であると認識しています。」

 

ダニー「簡単に報酬を手に入れるとなると誘惑に負けてしまうのが人の性だというのは理解しております。とはいえ、タコマ地区で特異的に発生していることに理由があるのでしょうか。」

 

エレン「タコマの治安が急速に悪化したため想定していたインセンティブが手に入らなくなることを避けようとした結果のようです。この為検挙率を維持するというタテマエの元行われてしまったようです。本来は弊社のシステムとしてこのような事態を行らないようにする必要があったのですが、うまく機能していなかったのです。今後私のタスクフォースとしての現状把握と対応策の設定を進めていきます。」

 

ダニー「ナイトエラントの状況は社会生活に直結する問題ですので、早急な対応をお願いしたいところです。ただ、人の性質からなかなかに難しいとは思うのですが、どのような対応を検討されているのでしょうか。」

 

エレン「監査部隊の強化を行い報告の精査を行うことで報告の信頼性を高めていき、不正行為の実施を抑えたいと考えております。」

 

ダニー「確かに、不正を行えない環境を整えることしか方法はありませんね。」

 

エレン「そうですね。その為の信賞必罰の徹底と適材適所へのスタッフ配置を進めていきます。」

 

ダニー「スタッフの配置と言えばオークやトロールの配置についてお伺いできますか。人口比率に対しての偏りは感じないのですが、戦闘部門でのトロールやオークの比率が高いように感じられます。」

 

エレン「これこそまさに適材適所ではないでしょうか。警備要員となるとトロールのほうが物理的にも抑止力的にも有効です。これにより本人の希望によほど反しない限り警備部門へ配属されることが多くなっています。」

 

ダニー「確かに戦死率もヒューマンのほうが高いぐらいですので、効率的な配置と言えそうです。本日はお時間をいただきまして誠にありがとうございました。」

 

エレン「こちらこそありがとうございました。」

 

画面がフェイドアウトする。

 

ダニー「ありがとうございました。」

 

エレン「今回のお詫びに食事でもどうかしら。このインタビューを設定させたガンダーソンも連れて」

 

ダニー「ぜひ、オフレコのお話でも聞かせてください」

 

エレン「(くすり)ゆっくりとお話ししましょうね」

 

 

 

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