シアトルアイショット   作:CanI_01

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深夜の遭遇

マリアとの食事会をすまし、再びシダー河川公園に向かう。

別にマリアを送っていこうかと聞いたのを断られたからではない。

迎えがすぐに来ると言ったら、本当にすぐ来た時にはブルーブラッドの恐ろしさを感じたものだが。

 

あまり褒められたことではないが夜桜を見てから帰りたかったのだ。

 

明暗のはっきりした照明の中幻想的に浮かび上がる桜を眺めながら歩く。

 

「・・・やめ・・・」

 

少し離れた場所から何か襲われているような声が聞こえる。

あたしは暗がりに身を隠しながら声のほうへと向かう。

被害を抑えることができれば良いのだけど。

あたしでは物理的な制圧は期待できない。

 

声のほうに向かうと1人のドワーフを3人のヒューマンが囲んでいるようだ。

ヒューマンは荒事には慣れていそうだが、チンピラと呼ぶには身なりが良い。

男たちの手にしているのはスタンバトンだ。

ドワーフを殺すつもりはなさそうだ。それならマークをつけ追跡をした後に警察を呼んだほうが賢明だろうか。

念のため即座に警察に通報を行う。最速でも5分程度は到着まではかかることは間違いないだろう。

 

ここで華麗に暴漢を打倒せれば良いが、あたしにその実力はないし、性分でもない。

暴漢がドワーフに暴行を加えている間に生体ペルソナを立ち上げマークを付ける。

どうやらセキュリティに手を入れていないようだ。

マーク3個付ければ比較的簡単に警察に追い込めそうだけど。

AR状態とはいえ、あたしはマトリックスに意識を向けすぎていたようだ。

背後から忍び寄る人物に全く気が付かなかったのだから。

背後から振り下ろされる何かがあたしに直撃し全身が跳ねる。

 

「うっ」

 

かろうじて振り向いたあたしが見上げたのはナイトエラントの制服を着たヒューマン男性だった。

どうやら、あたしは最悪の手を打ったらしい。

ヒューマニス思想に汚染されているレントンだ。ナイトエラントの中にも協力者は一定数いて当然だ。

彼らが事件を起こす際に協力者が配置されているのは当然だろう。

最近は良識的な軍曹たちとの付き合いの性で勘が鈍っていたようだ。

カバリエセーフガードを引き抜く間も無く、再度スタンバトンが降り注ぐ。

せめて、この情報を信頼できる相手に送らなければ。

緊急時の連絡先に今回の情報を飛ばす。

助かるかは五分五分だろうが、せめて事件の解決に役立ててほしい。

 

視界に映るのは下卑た笑みを浮かべるナイトエラント。

彼が振り下ろすスタンバトン。

自分の愚かさへの後悔と願いを込めながら、あたしの意識は途切れた。

何故か最後に浮かんだのは昨晩喧嘩をしたばかりの両親が心配そうな泣きそうな顔をしているイメージだった。

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