DIGITAL MONSTER -Record War's- (Route:Another) 作:ぴのすけ
レオモンはナイトモンに手伝ってもらい、自室の片付けを終えると既に日は落ち、空には月が高くまで上りと星達が輝いていた。
レオモン『こんな遅くまで手伝ってくれてありがとう。』
ナイトモン『今日中に終われて良かったよ。』
レオモン『本当に助かった、礼をさせてくれ。』
ナイトモン『レオは今忙しいだろうからアリウスに行った後で落ち着いたぐらいにしてもらおうかな。それじゃあ、私はこれで。』
レオモン『ありがとうナイト、おやすみ。』
ナイトモン『レオも、おやすみ。』
レオモン『ナイト!』
ナイトモンはレオモンの部屋から出ていこうとするとレオモンに呼び止められる。
ナイトモン『どうしたんだ?レオ。』
レオモン『ぁ、いや…なんでもない。呼び止めて悪かった、おやすみ。』
レオモンの表情が一瞬曇ったように見えたナイトモンは聞き返す。
ナイトモン『……レオ、何かあったのか?』
レオモン『なんでもないんだ…最近寝付けない事があってな…。今日は体も動かしたし、よく寝れると思う。』
ナイトモン『そうだったのか…じゃあ今日はしっかり寝れそうだな。』
レオモン『あぁ、そうだな。おやすみ、ナイト。』
ナイトモンはレオモンの部屋から出ていった。
レオモンは部屋の灯りを落とし、図書室へと向った。
図書室の奥にはワイズモンが待っていた。
ワイズモン『やぁ、レオ。』
レオモン『ワイズ、こんな遅くなってしまってすまないな…、部屋の片付けやらをしていて遅れた。』
ワイズモン『心配ないさ、僕も丁度気になる本を読み終えたところなんだ…ベストタイミングだよ。』
レオモン『そうか、なら良かったよ。話ってのはなんだ?』
ワイズモン『君から頼まれていたことだ。』
レオモン『分かったのか?』
ワイズモン『明確な答えが出たわけじゃない。だが、君の夢の正体について…いくつか仮説がある。』
レオモン『仮説?』
ワイズモン『本来、夢とは…人間が睡眠時に脳内の情報を整理する為にあり、それを見るとあたかも自信が体験しているような感覚に陥る幻覚作用が働くモノであるとリアルワールドでは定義付けされている。』
レオモン『…オレ達はデジコアで動いているから、デジコアが同じ事をしているというのか?』
ワイズモン『…おそらくね。だけど、夢について研究しているのはバクモンくらいだ。そのバクモンは"予知夢"の可能性があると言っていたよ。』
レオモン『予知夢…』
ワイズモン『レオは"夢で見た事柄が現実に起きた"という事象を体験した事はないか?』
レオモン『……あったような、無いような…。』
ワイズモン『それを"正夢"とも呼んだりする。それはたった一瞬でも夢で同じような光景を見た為に起こる事象だ。そしてそれは曖昧で、コアが記憶の整理を複数同時処理している時に見せた複数の重なり合う光景が、たまたま現実で似通った光景と重なり、自分の意識が初めて正夢と認知する。』
レオモン『…オレのも正夢になると…?』
ワイズモン『正夢とは少し違う、レオの場合…何度も同じ夢を見ているからね。これは過去自分が経験した記憶で自身以外の誰かが同じようなデリートのされ方を見た事があるかどうか…そこが論点になる。』
レオモン『戦いは数多くこなして来たが…似たような事柄には立ち会っていない。腹を撃ち抜かれ、喉元を切り裂かれる……そんな光景は見た事がない…。』
ワイズモン『そうか…なら予知夢の可能性は高い。』
レオモン『オレの運命……なのか…。』
ワイズモン『バクモンは言っていた…日に日に夢が明確になればなるほど、予知夢は現実味を帯びると。』
レオモン『オレは……デリートされるんだな…。』
ワイズモン『おそらく…"このまま"ではね。』
レオモン『どういう意味だ。』
ワイズモン『例えを変えてみよう。1+1はいくつになるだろうか。』
レオモン『2だな。』
ワイズモン『そう、2だ。今レオはその答えの部分しか見えていない。』
レオモン『どういう事だ?』
ワイズモン『君は…予知夢では"答え"しか見ていない。つまり、等号の前は見ているわけではない…。』
レオモン『だが答えが2だとしたら等号の前が2+0でも0+2でも同じ事。』
ワイズモン『そうだな…その部分は夢で見たのか?』
レオモンはハッとする。
ワイズモン『今の結果を変えるには、この等号の前…つまり不確定要素を変える必要がある。これには何が正解で何が間違いなのかは不明だ。しかし、結果は出るだろう…その時に後悔しないように……とだけしか言えないな。』
レオモン『後悔しない…選択肢……か…。』
ワイズモン『僕は正解を用意する事はできない。できる事があるなら、今のように手助けしか…。』
レオモン『十分さ、ありがとう。今夜はもう寝るよ…おやすみ、ワイズ。』
レオモンはワイズモンに背を向ける。
ワイズモン『レオ。』
ワイズモンはレオモンを呼び止める。
レオモン『なんだ?』
ワイズモンはレオモンの首飾りとそっくりな物を手渡す。
レオモン『これは…』
ワイズモン『真ん中の水晶には強い回復魔法が込められている。一度だけならば致命傷を完全に回復させられるが、失った命を戻す事はできない。』
レオモン『ありがとう、コレを使う事が無いように祈っていてくれ。』
ワイズモン『あぁ、レオの夢が"ただの夢"になる事を祈ってるよ…おやすみ。』
レオモンは図書室を出て、寝室へと移動した。
ベットに座り込むと自身が付けている首飾りを外し、ワイズモンから貰った首飾りをつけた。
レオモン『……運命を………変える…か……。』
レオモンはそのまま横になると、いつの間にか眠りについた。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
辺りは濃い霧に包まれ、先は見えない。
"………またか…………。"
恐る恐る歩を進める。
"変えられないのか………"
霧の中を進んでいると、遠くにレオモンが現れる。
レオモン(?)【避けろ!!!!…ュナ…モン!!!!!……クッ!!!!!】
レオモンが誰かを庇い、何者かに腹部を二丁の銃で撃ち抜かれ、その場に崩れるように倒れる。
レオモン(?)【ハァ……ハァ……】
翼を持つ何者かはレオモンの肩を蹴り、レオモンは仰向けになる。
???【仲間ごっこなんて反吐が出るぜ……あばよ、勇敢なる獅子さんよぉ…。】
レオモンが何者かに喉元を切り裂かれ、薄れゆく意識の中、庇った者へ手を伸ばすが力尽き、デリートされる。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
レオモンは目が覚めると既に朝だった。
レオモン『…夢が…明確になってきている……。』
レオモンは首飾りを握る。
レオモン『このままでは本当に……。』
ベットから起き上がり、元の首飾りを荷物にしまった。
続く。