IS学園の臨海実習は甘酸っぱい青春と共に友と互いの技術を磨き上げ、新たな『武装』のデータをとるために行われる催し物である。
実際、一日目はともかく二日目は海での自由時間があるため一種の息抜きと言えるだろう。
その平和な息抜きは一人の
「と、いうことで束さんの作戦でいきましょー!」
とてもうざったらしいテンションの上がり方をしているが、周りはお通夜みたいな空気の冷え方をしている。
それもそのはず、現在『
次いでに対応しろと政府からIS学園に言われ、専用機持ちの学生を作戦会議を立てていたがそこへ篠ノ之束が乱入(元から妹のISのために数時間前から乱入していたが)、紅椿という束が直接制作した第三世代飛ばして第四世代のISと織斑一夏の零落白夜で仕留めるという作戦もへったくれもないごり押しを立案してきたのだ。
一蹴するのは簡単なのだが、それ以外で有効な手立てがないのが現実である。
実際、織斑千冬は青筋を浮かべながら怒るにしても作戦が有効であることは理解したので強く言えず、槍玉に挙げられた二人は正義感と使命感をたぎらせて引くこはない。
『ヤツ』が現れない限りは。
「おん?こんな時にくーちゃんから?もしもーし」
予定外の通信が黒幕の通信端末にかかってくる。
親しそうな呼び名から束に関与しているもしくは助手みたいな存在がいるということをこの場にいる人物のほとんどが理解した。
「どしたのさ、まだ何もやって…………は?それマジで言ってる?」
予定外の事態に顔を青ざめたのか、それとも自分の計画を乱されることが確定して怒り赤くしたのかコロコロと変わる顔色に一同が怪訝に思った。
ある意味『最悪の事態』が起こったことを次の一言で理解させられた。
「…………おのれオーズ!またしても邪魔をするのかぁ!」
束は端末を床にめり込ませた。
銀の福音は現在進行形で暴走していた。
極秘の軍事訓練を行っていた最中に
搭乗者である人物は今は意識は失っているものの直前までできうる限りの抵抗をしていた。
どうしてこうなったのか、どうして『破壊しろ』という命令を受け入れなければならないのか。
誰か、助けてほしかった。
『……………ォォォォ』
おそらくプログラムされているであろう人物に負けるまで暴走は止まらないだろう。
『……オオオオオオオオオ』
その予感はあるはずのない悪寒と共に消えていく。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオ』
『本能』的な恐怖が体を駆け巡る
『ウオオオオオオオオオオオオオ!』
だが、しかシ、こコで倒レる訳ニハイカなイ。
『ウオアアアアアアアアアアアアアア!』
負ケルタメニ、糧トナルタメニ、私ガイル。
オーズをハイパーセンサーで視認した瞬間に行った行動は『銀の鐘』と呼ばれる武装による全方位の弾幕。
情報はあまりなくてもオーズについて分かっていることは一つある。
どこもオーズの戦闘データを欲しがっている。戦って被害が出たとしても、その時の記録が政治的取引で使われるほど貴重なものとなっているのだ。
米国も兵器活用しようとしているため様々な手段をとってもオーズのデータは欲しいものだ。
その中で隙間のない弾幕を張ると回避は不可能というデータがあり、弾幕が強力であればほぼ確実にダメージは与えられるという結論の元、今回装備されている銀の鐘の威力は強化されていたりするのだ。
その予想は正しく、オーズは弾幕を避けきれずに少しづつ被弾していく。
弾幕の威力が予想よりも高かったせいかオーズの動きが止まる。
この時にオーズを観察していたものならわかるが、翼に攻撃が当たった際に僅かにオーズの居る高度が下がった。
つまり、ある程度の補助はあってもISのように重力をどうにかしているわけでなく基本的に飛行は翼を使用している。
空中において明確な弱点が見えた瞬間、銀の福音は更に弾幕を張り逃げ場がないように囲っていく。
どういうわけか、飛行の仕様が違うにもかかわらずほぼ同じ速度で移動するオーズにとって、遠距離手段が確認されていない以上間違いなく有効な手立てだった。
数秒後にその選択が間違いだったのかと後悔してしまうが。
『ガブッ!ゴックン!』
未知の音声が響き渡る。が、銀の福音にはそれが何か見えていた、理解はできなかった。
オーズが手にしていた斧に『メダル』のようなモノを数枚、刃と思われた部分に
その瞬間、オーズの斧にまとわれたエネルギーが膨大に膨れ上がることを目視で来てしまった。
『プ・ト・テラ~ノ・ヒッサ~ツ!』
斧が銃になった。
変形するタイプの武器はあるが、小型で斧として破壊力があり銃器としてエネルギー充填量が異様なものは存在しない。
『ウウウウオオオオオオオオ!』
放たれた
―――ワタシは、解放された?
『……………』
―――ワタシは、壊されるの?
『……………』
―――そう、おかあさんはみのがしてくれる?
『……………!』
―――よかった
『……………欲望を、解放しないか』
―――だめ、おかあさんに迷惑かけちゃう
『……………』
―――さようなら、おかあさん
結論から言うと銀の福音暴走事件はオーズの手により幕は閉じた。
銀の福音は破壊され、搭乗者であるナターシャ・ファイルスは無事、とは言い難いが五体満足には帰還することはできた。
オーズの手に葬られた銀の福音だが搭乗者は無事『オーズの手によって』帰還したためオーズの目的に疑問が生じられる。
IS学園の生徒がいるにもかかわらず、彼らが持つISを破壊しなかった。
これにより何らかの法則があるということが判明、至急調査することになった。
オーズの行方は、篠ノ之束をもってしても消息不明である。
「おのれオーズぅ!お前のせいで私の計画がパーだよ!」
「ずっとああ言ってないか?」
「姉さんのことだから分からん……………」
「あの馬鹿め……………」
このままだと短編が外れるかもしれん、おのれディケイド!