希望の先で   作:らふ

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一話

「はい、お釣りは362円です。」

 

「どうも」

 

「ありがとうございましたー」

 

定員の声を背後にホームセンターを出る。ホームセンターはすごく便利だと思う。コンビニとはまた別の方向で。安いしな。機材とか道具とかを買うときはいつもくる。

 

まぁ、ガムテープやらボンドやらを買ったわけだが……ふつうは要らないよな。それもこれも全て親父が「やめてください」

 

ん?

 

「えぇー?良いじゃん俺たちと遊ぼうよ。きっと楽しいぜ」

 

「こ、困ります」

 

「なぁ、こいつ多分田舎もんだぜ」

 

「そうなん?」

 

「あぁ、多分こういうのに慣れてない。おい、カラオケボックスにでも連れ込んじゃう?」

 

「良いねぇ。それじゃ行くとこ決まったところで、おい行くぞ」

 

「う、や、やめて」

 

(俗に言うナンパとやらだろう。しかも陰険な。まだこんな奴いたのかよ。俗社会の闇みたいな奴ら。こう言うチャラい奴らはだいたい低脳なんだよなぁ。頭悪くて全て自分が正しいみたいなこと考えてる奴ら。ほんとうぜぇ。このまま見過ごすわけにはいかないし…………面倒だ)

 

「おい、テメェら」

 

「あ?「んだよテメェは「見せもんじゃねぞ」

 

「まぁ、表でやったら即警察に通報だからここでやるしかないねぇよな」

 

「は?何お前?その上から目線超うざいんだけど」

 

なんか、三浦に見えてきた………でもよく見たら似合ってねぇ。うわ、、、、そんなこと考えてるとオネェに見えてきた。

 

「まぁ、お前らみたいな存在がいるから。社会は成り立っているのかもな。底辺があるから上辺が成り立つ。お前らみたいにはなりたくねぇってな」

 

「は?何言ってんのお前」

 

「こんなのも理解出来ないとは。いやはや、恐れ入った。ここで警察に通報しても良いんだが」

 

「通報してみろよ。お前はここでボコられるんだからできないと思うけどな、はははっ」

 

「おい、やっちまうぞ」

 

素人でもちょっと武道をかじれば止められるような、甘い蹴りを入れてくる。上段蹴り。その蹴りは八幡にとってはものじゃなかった。

 

(はっ、こんな蹴り喰らうかっつの。甘いねぇ甘々だよ)

 

バックステップで軽く避ける。だが、余裕はそこまでだった。

 

「ぐはっ」

 

「はははっ、こいつひょろいぜ」

「やっちまえ、やっちまえ」

 

下腹蹴りと顔面殴打の繰り返し泥と血で覆われていく。

 

「やめて、やめてよおおおおおおぉぉ。そうだ!!警察!警察に通報だ」

 

「おい、そいつ止めろ」

 

くっ、、、、調子乗ったか。ってなるかよ

 

「おっけー、しかしこいつ大口叩いといてこれまでとか笑え………「ぐはっ」

 

「お、おい。どうした。おい、テメェ何しやがった?」

 

「ははっ、あははははははははははテメェらは優位に立っていると勘違いしているようだが…………もう手遅れだぜ」

 

そう言いながら、手遅れだと。伝えるまで10秒もかからなかった。男には何をしたのかわからなかったようだ。”隙を見て、気が緩んだところを間接技で決める”こんなこと日常茶飯事だった八幡にとってはこんなの何でもなかった。

 

ぴーぽーぴーぽーとサイレンが鳴りお待たせの警察がやってくる。

 

ふぅ、やっと終わったか………

 

「じゃ、都会はこう云うの多いからなお前も今度から気をつけろよ」

 

「あ、あの」

 

「時間ねぇから警察にちゃんと話しとけよ」

 

「せめて名前だけでも教えて!」

 

改めて見ると、すごい可愛くて、ショートボブのオレンジ色の髪とその瞳に映る物はキラキラとしていそうだった

(そう言って抱きついてくるが、何この子めっちゃ明るいんだけど。ま、眩しい上に柔らか………ええい煩悩退散煩悩退散)

 

「おっと、葉山隼人だ。これで良いか?にしても男子に軽々と抱きつくなよ」

 

ここはあえて嘘をついておく。名前をどう悪用されるかも分からんしな。

 

「うん!大丈夫まだ君にしかしたことないし、するつもりもないから」

 

「え?今なんていった?って、もう時間が…………じゃあな」

 

「ばいばい!!」

 

さっきとは違う、明るい声を背後にホームセンターを去る。声が違うだけでこんなにも心持ちが変わるのかと思うほど足取りは違って見えた。

 

(決まったなんて思ってないよ??言い訳をさしてください。少し調子乗っただけなんです)

 

……………言動以外は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん遅い!!遅いよ何時間待たせるつもりなの!支度もう終わっちゃったよ。女の子待たせるのはダメだよ!!」

 

「すまんすまん。言っても小町は女の子としてみてないから別に良いんじゃね?」

 

八幡曰く妹なんだから女の子としてみていなくても良いだろうと。寧ろ、下着とか見ても何も思わない。ただの布切れだとしか。妹に変な感情抱く方がおかしいって思うのだった。

 

(俺は千葉の兄妹だが、どこぞの千葉の兄妹になるつもりはないぞ。俺の妹は世界一可愛いがな。これ重要。異論反論講義質問一切認めん)

 

「もう、そう云う捻くれたところがあるからモテないんだよ…………”目の腐りもとれて”晴れてイケメンになったんだから後は言動と態度だけだよ!!」

 

「うう、俺は小町と戸塚だけにもててればそれで良いんだよ」

 

「…………嬉しいけど、うっ、キモいと言えないむしろかっこいい、なんで目の腐り取れちゃったのさアイデンティティクライシスだよ。小町的にポイント……………高い」

 

「いや、高いのかよ」

 

「昔みたいに低いとは言えないの。とにかく、直してよねその性格。それが治れば声もいいし顔もイケメンで性格もいい、お兄ちゃんが望んでたリア充になれるんだから」

 

「望んでねぇよ?!なんだその風評被「本物」くっ、こ、小町ちゃん?なんでそれを知ってるの?お兄ちゃんとちょーっとお話ししようか」

 

突如八幡の周りに黒い炎みたいなのが出てくる。注釈:イメージです。

 

「あ、あはは。じ、時間ないかなぁ。なーんて………」

 

「もう支度終わってるよね?お兄ちゃんの部屋行こうか」

 

「わー!小町用事思い出したから。行ってくるねーーーーばいばーい」

 

「逃すわけ無いよな」

 

「はい…………」

 

小1時間小町に説教しました。その後小町の姿を見たものはいなかったと云う。

 

 

 

注釈:厭くまでもイメージです

 

 

 

時は変わり変わって午前0時。もう夜中で、ほとんどの家の電気が消え、街灯だけが灯っている街中はどこかしんみりとしていた。それを八幡はベランダでやはり、しんみりとした様子で見ていた。

 

(明日この街を去るのか。うーーん色んなことがあったけどほとんど黒歴史だわ。そう思うと……あんまり千葉に思い残しはないのか。。あの場所以外は…恐らくないのだろう。)

 

ホームセンターに行って買い物したのも、小町達が支度をしていたのも全部。明日引越しするからだった。

 

(それにしても、親父がいきなり転勤だとはな。ここに残っても良いが、家族に迷惑をかけるのは俺のプライドが許さん。ないにも等しいプライドだがな。)

 

それも、翌日のこと

 

「はああああぁぁ?転勤??」

 

伝えられた言葉は転勤するためここを引越しするとのことだった。

(いやいやいや、いきなりなんで??)

 

「そうだ転勤だ」

 

「なんでまた急に」

 

「いや何、最近凄く頑張ってたんだけどな。リストラ寸前に「ちょっと、待て待て待て」ん?」

 

「今ちょっとすごい不穏な言葉が聞こえたんだけど」

 

「ん?何か言ったか俺。だから、凄く頑張ってたんだけどリストラ寸前に「そこだよそこ」あぁ、なぜリストラ寸前にまで追い込まれたかだって?それもこれも全部人事部の………………思い出したら腹が立ってきた。」

 

「親父も苦労してんだな」

 

(分かる分かるぞ親父。人生なんて苦労しかないよな。なんか初めて意見あった気がするけど)

 

「そうだぞ。俺なんて苦労ばかりだ。寧ろ人生苦労しかしてないまである。で、話を戻すが、転勤する理由の一つが、社長にそこで一からやり直ししてこいと言われたのが一つ。」

 

「だ、妥当なのか?」

 

「それだけじゃないぞ。その地は母さんの生まれの地であり俺と出会った場所だ」

 

「くわしくはきかねぇけど。大切な場所なんだな。」

 

「で最後これが一番重要なんだけど…………」

 

「なんだ?」

 

「休みたい」

 

「単なる弱音じゃねぇぇかぁぁぁぁ」

 

比企ヶ谷家に一つの叫び声が聞こえたと云う。

一部では都市伝説として残った。夜に響いた叫び声はさながらアンデットのようだった………と

発祥元:小町

 

(ちょっと小町ちゃん??もう目腐ってないよ??どう云うことかな)

 

「それで、引越し先はーーーーー沼津だ」

 

 

「うんうん。何処??そこ」

 

初めて聞く言葉なのだが、少し懐かしさを覚える単語でもあった。八幡がその違和感に気づくのはだいぶ先だと思われるが

 

「知らんのか沼津だぞ?沼津といえば…………なんかあったっけ」

 

「いやいや、親父が忘れちゃいかんでしょ」

 

「はぁ、最近は本当にブラック気味だからな。帰りが遅いのはいつものことだが、昨日なんて7日連続会社出勤だったからな」

 

「やっぱり苦労してんだな親父も………」

 

「「はぁ」」

 

そのため息は何処か気苦労を感じさせるものだった。

(苦労が絶えないもの同士気が合いそうだな。親父とはあんまり話したことなかったけど)

 

「まぁ、静岡県だな」

 

「うん。」

 

「それでお前は女子校に転校だ」

 

「うん……………うん?」

 

(ちょっと今聞き捨てならないような言葉が聞こえたような……女子校って言わなかったか?)

 

「そう、女子校に転校だ。よかったな。ハーレム作れるぞ」

 

「は?はあああああああああああああぁ?!!」

 

比企ヶ谷家に2回目の叫び声が響いた。小町はこれをアンデット再来と言った。

 

(うん。もう何も云うまい。小町は覚えてろよ)

 

 

 

 

 

そんなことを考えながらも、新しい地へ向かう不安とそれととともに沸く興味が今の八幡の行動を表しているのだった。

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「お兄ちゃん早く早く」

 

「わかってるから押すなっての。」

 

引越しの際、どうやら電車と新幹線で行くらしくまずは車に乗った。あとで取りに来るらしい。

 

そこには4人の家族の姿があり、久しぶりの家族で集まった。それは、本来あるべき家族の姿とも言える姿で、八幡は移動中泣きそうになったけれど、小町に「キモい」と言われて急に冷めていったのだった。

 

(小町ちゃん何気にひどい。しかも後で注釈入れるところが小町っぽいから憎めないし、愛おしい我が妹だと思う)

 

 

 

 

 

何はともあれこれから行くわけだ。沼津に、俺たちがこれから生活していく場所に、そして、母親の故郷に……………

 

(今考えたんだが、母親の故郷ということは一度は行ったことがあるという可能性もあるわけで……もしかしたら知り合いがい…………るわけない。いるわけないんだなぁこれが。過去を振り返れば黒歴史ばかり、その中でいい思い出なんて浮かんでこねぇ)

 

新幹線から電車に乗り換えるため、乗り場を移る。あまり聞こえてこない足音は千葉と比べると静かだといえた。それは、そうだろうななんたって田舎なんだから、逆に過密地域とかになってると怖い。

 

歩きながら呆然と考えていると………

 

「よーーちゃん!!まってよ〜」

 

「全力前進よーソローだよ千歌ちゃん!」

 

「いってる意味わかんないよぉ〜」

 

 

なんかすっごく偏差値が低い会話が聞こえてくるんですけど。何あれ見ないほうがいいのかな。でもあいつどっかで…………

 

「「あっ」」

 

「「ナンパされてたやつ(助けてくれた人)だ」」

 

注釈:声は混じっておりますが。両者20メートルほど離れております。八幡は家族に千歌は曜に邪魔されて話すことはできませんので微妙な空気になります。

 

(ん?でもやっぱり気のせいかな。だってあいつきずいてないみたいだし[注釈:完全にきずいております]俺もきずいてないフリでもしてようか)

 

「曜ちゃんそんな食べてると太るよ〜」

 

「太らない太らない私食べないと痩せていくタイプだから」

 

「そんなタイプあるの?じゃあ私は食べると太っていくタイプだから………普通じゃん」

 

何それ羨ましい。俺にも分けてくれその身体。変態みたいに聞こえそうだからやめよ……

 

「おい小町ちゃん。本当にいいのか?お前だけでも残っても良かったんだぞ?」

 

「お兄ちゃんいくんだから行くに決まってるでしょ。それに、薄っぺらい関係の友達くらいいくらでも量産できるから心配しないで!!」

 

「俺は小町ちゃんのその性格が心配だよ。最近八幡に似てきてるだろ小町ちゃん」

 

「小町ちゃん小町ちゃんってキモい」

 

「う、うがぁぁぁぁぁぁ」

 

親父ダウン。ふっ骨は拾ってやるよ。

あれなんだか眠く…………

 

「うーーん、今日もパンがうまいっ!!」

「それ別の人のネタだよ……」

 

「ねた?」

「それより帰るよ!!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

(ね、眠いもう寝る。夢の世界へサァ行こう!!あいつの間にかネズミ出てきたよ。声たけぇ。裏声だよな。ちょっと真似してやってみよ)

 

「夢の国へさあ行こう(裏声」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……………」

 

 

「ねぇ、あの人何?」

「んー巷ではああいうの不審者っていうんだよ千歌ちゃん」

 

 

(やめて、知ってたよ知ってたけど探究心が勝ってしまって。だからこの沈黙と不審者って言うのやめてーーーーー)

 

八幡もう寝る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すぴぃーすぴぃー

 

八幡が寝静まった後

 

「寝顔は可愛いのにねぇ」

 

「そうだな、俺に似て目以外はイケメンだったからな」

 

「お父さんは何気にナルシスト発揮しないで」

 

「な、何」

 

「まぁ、でも大きくなったものよねぇ。」

 

「そうだな、小町なんてこんくらいだったぞ」

 

と手の高さを身長に見立て、手を横に降る。その高さは大体120センチくらいだろうか

 

「いつのこと話してんの!!大きくなったよ20センチくらい……………」

 

「うん。なんかごめん小町ちゃん。小町ちゃんは沼津行った時のとこ覚えてる?」

 

「ん?小町覚えてないのです!」

 

「確か10年くらい前だと思うんだけど。お父さんは覚えているわよね。里帰り」

 

「ああ、覚えてるぞ。沼津は海が綺麗だったからなぁ、バーとかもいろいろあって回った記憶がある。」

 

「「でも!!」」

 

「「その中でも特に記憶に残っているのは」」

 

「「八幡が知らぬ間に二人の美少女に囲まれてたこと。しかも、仲良く遊んでいたこと」」

 

「ふぅー、やっぱりこれだよな。何たってあの八幡が…だからな」

 

「そうだよね。ふふっなんだかあなたとの出会いと少し似ているかもね。」

 

「よしてくれ、あん時は恥ずかしかったんだから。」

 

「ち、ちょちょちょちょちょと待って待って!!!」

 

「え?急にどうしたの小町」

 

「どうした小町ちゃん。なんか気になる話でもしてたか俺たち。」

 

父と母が顔を見合わせさぁとこたえる。本当に心底訳がわからないよ状態だった。何をそこまで慌てているのか。理解できないと行った風でもある。

 

 

「え、お兄ちゃんと

 

「「八幡と

 

「二人の美少女が

 

「「二人の美少女が

 

「いちゃらぶしていた!?

 

「リア充の門を開こうとしていた

 

「仲良く遊んでたよ

 

何か二つだけ異彩を放つようなものが入っていたがこの際気にする必要はないだろう。

 

 

 

一方その頃同車両内の少し離れたところで

 

「ねぇ、あそこいい雰囲気になってるね」

 

「うん、やっぱり家族はいいものだよ曜ちゃん!!」

 

「家族かぁ、私たちももう家族みたいなものだよね」

 

「もー曜ちゃんからかうの禁止だよぉ〜///」

 

「ねぇねぇ、あそこで寝てる人かっこよくない?写メ撮ろうよ写メ」

 

「ら、らじゃー!!」

 

ぱしゃり

 

「はぁぁ、そんなことよりもさ会えなかったね………」

「そうだね、絶対会えると思ったんだけど。よくよく考えたら住所も知らないし連絡先は愚か年齢すら知らないんだから会うのはまだ当分先になりそうだよ………」

 

「「はぁぁ」」

 

ため息が絶えない二人であった。何があったかはわからないが、恐らく前述にあった通り誰かに会おうとして千葉まで行ったが会えなかった。と言うことである。無駄に出費してしまったのだからため息も吐きたくなるものなのだろう。

 

そんな空気の中

 

「はあああぁぁぁ?お兄ちゃんが幼い頃二人の美少女と仲が良かっただって????」

 

「うぉっ」

「ひぇっ」

 

「びっくりしたぁ、あの席の人たち面白そうだね。あとで行ってみる?千歌ちゃん」

 

「だめだよ。結構真剣な雰囲気なのに知らない人にいきなり話しかけるなんて水を差すみたいで悪いよ」

「千歌ちゃん千歌ちゃん!!水を差すなんて言葉知ってたんだね」

 

「もお、曜ちゃんでも怒るときは怒るんだよ。私だってそのくらいの言葉知ってます。」

 

何だかんだいっても暗いのが嫌ほどにあっていない二人だった。

 

 

 

こうやって物語は始まっていく。

 

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