範馬勇次郎が行く、SCP財団の機密施設見学会   作:テキーラ11

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今回は少し短いです。


2nd Tale「ダルマさんが転んだと1つ目のスライム」

今現在、SCP財団施設内に侵入した勇次郎の目の前には2mを超える頭でっかちな人型の石像があった。

 

顔の部分には緑の目にも見えるペイントと、赤と黒のペイントが不気味な顔を模しているようにも見える。

 

見た者に、言い知れぬ不気味さと恐怖感を与える見た目のこの奇妙な彫刻。

 

その彫刻の正体は、危険極まりないSCPだった。

 

アイテム番号:SCP-173、オブジェクトクラス: Euclid、通称は彫刻-オリジナル。

 

この彫刻は鉄筋とコンクリートで構成されており、特筆すべき点はこの彫刻は生きているという事だ。

 

目視されている際は、一切動く事は無いのだが瞬きなどの一瞬の時間でも目を離すと動き出す。

 

そして動き出したが最後、常人には到底反応出来ないスピードで頚椎を圧断もしくは絞殺という敵対的な行動に出る。

 

「ふん、趣味の悪ぃ彫刻だぜ。」

 

勇次郎は当然そんな情報を知らず、マジマジと見た後そんな感想を漏らし視線を外す。

 

その瞬間、彫刻は勇次郎の頚椎を破壊しようと動き出す。

 

しかし、相手は地上最強の生物である範馬勇次郎なのだ。

 

長年の戦場生活や戦闘の中では敵に不意打ちされる事など日常茶飯事である。

 

故に、相手の闘志や殺意を感じるセンサーは野生動物のそれを遥かに凌駕した性能である。

 

そして、そんな高性能なセンサーが搭載されているのは、地上最強の肉体なのだ。

 

その結果、彫刻が勇次郎の頚椎に攻撃を仕掛けるよりも先に、その超反応により彫刻を見据えていた。

 

「貴様、今動いたな......?」

 

悪魔的なオーラを発しながら、彫刻を見据える勇次郎。

 

「なるほど......見られている間は動かないみてぇだな。抵抗せぬ無機物を破壊した所で、なんの意味も持たん。良いだろう、好きなだけ攻撃してこい。」

 

勇次郎はそう言うと、あろう事か目を瞑ってしまう。

 

彫刻は再度、瞬時に動き出し勇次郎の首をその鉄筋コンクリート製の両手でもって締め上げる。

 

常人であれば、窒息どころか頚椎は砕け、果て首は圧断されてしまうだろう。

 

首は本来頚椎や頸動脈等の急所が集まる場所である。

 

故に、硬い骨の周りを筋肉が覆い防御されている場所でもあるのだ。

 

そんな場所を丸みの帯びた両の手で圧断してしまうこの彫刻は如何程の力を持っているのだろう。

 

だが、肝心の相手の首は地上最強の生物の首なのだ。

 

30m級の象すらも屠り去るこの雄の筋力の頑丈さは如何程のものだろう。

 

両者がぶつかり合った結果、勇次郎は骨折はおろか窒息すらもしていない。

 

それは彫刻が力を抜いているという事では決してない。

 

何故なら締め上げる音が周りに響いているからだ。

 

それは、人体と鉄筋コンクリートが奏でられる様な音では無かった。

 

鉄筋コンクリートが金属に擦り付けられる様な、重く低い摩擦音だ。

 

そして、突如として彫刻はその身を勇次郎から遠ざけた。

 

鉄筋コンクリートで出来たその両腕は、歪な半円に削れていた。

 

勇次郎の桁外れの首の頑強さに、彫刻の耐久力が持たなかったのだ。

 

「どうした?もう、終わりか?」

 

勇次郎の挑発に、彫刻はその超スピードを持って攻撃を開始する。

 

自ら視覚を封じ、さらには鉄筋コンクリートの塊に殴打される勇次郎。

 

何処から攻撃が飛んでくるか分からない状況、そして彫刻の攻撃の全ては一撃必殺の威力を誇る。

 

だが、そんな状況の中でも、2発の直撃から先は彫刻の攻撃は空振り始める。

 

彫刻は勇次郎に一撃を放っては離脱するというヒットアンドアウェイ戦法に出ていた。

 

だが、それも突如終わりを告げる。

 

それは攻撃を躱していた勇次郎の顔面に、彫刻の一撃がモロに直撃した瞬間に起きた。

 

目を瞑ったまま彫刻の一撃を顔面で受け止めると同時に、彫刻の首辺りを鷲掴みにしたのだ。

 

「なかなか美味そうだ。喰うぜ!!」

 

勇次郎の指先に力が込められていく。

 

通常の鉄筋コンクリートよりも頑強なのか、彫刻の首はゴリゴリと軋む音を立てて耐えるがやがて砕ける。

 

首が砕けるも、彫刻はまだ動けるようで勇次郎に襲い掛かるが叩かれ、蹴られ、砕けていく。

 

足と腕を1本ずつ失った頃、攻撃が止んだ。

 

勇次郎は攻撃が来ない事に気付き、目を開けると彫刻は土下座の形で固まっていた。

 

「ふん、中々愉しませて貰った。」

 

そうとだけ言い残すと、止めは刺さず先へと進む勇次郎。

 

全力でやり合い、降伏を示した事で見逃した様だ。

 

その後、彫刻は手足が千切れ、首の一部が砕けるも、数日後には修復していた。

 

ともあれ、彫刻は地上最強の生物、範馬勇次郎の前に敗れ去ったのだった。

 

またしばらく歩き続ける勇次郎の前に、奇妙な1つ目の車輪が付いた生物が目の前で壁に激突する。

 

某RPGに登場するスライムを1つ目にして車輪を付けた様な見た目のその生物は言わずもがなSCPだ。

 

アイテム番号:SCP-131、オブジェクトクラス:Safe、通称アイポッド。

 

SCPにしては珍しく、友好的なアイポッドは勇次郎を見つけると甘える様に擦り寄る。

 

勇次郎は最初の方こそ、どんな性質かを見極める様に観察していたが、敵意が無いのが分かり無視して歩く。

 

だが、勇次郎に着いて周り、擦り寄る姿に多少の可愛らしさを感じたのか撫でてやる。

 

「奇妙な見た目ではあるが、なかなかどうして、可愛いもんじゃねぇか。」

 

そんな事を言えば、しばらくアイポッドと一緒に施設内を探索する。

 

しばらく、歩き回りながらアイポッドとじゃれたりしていると、不意にアイポッドが勇次郎の周りを回りだす。

 

その姿は、必死になって何かを伝えようとしている様だ。

 

「なんだ?俺に何を伝えようとしている?」

 

アイポッドはどうやら勇次郎を制止しようとしているようだが、勇次郎は構わず先に進もうとする。

 

すると、アイポッドは勇次郎より先に次の部屋へと入ってしまう。

 

すると、何やら金切り声のような泣き叫ぶ様な声が聞こえ、その直後にアイポッドが全速力で飛び出してくる。

 

しかし、アイポッドはまたも勇次郎の目の前で壁に激突し、何かに怯えた様に震えている。

 

すると、何かの叫び声は止まり、次いで超高速の人型の何かが勇次郎の目の前を過ぎ去りアイポッドに襲いかかる。

 

「良く連れて来た。後は任せな。」

 

アイポッドに襲いかかる人型の何かの頭を鷲掴みにしてぶん投げる勇次郎。

 

その人型の何かは、酷く痩せ細り、異様に長い腕をしていて顔を手で覆い隠しながら再度叫ぶ。




「SCP-131 アイポッド」は「著者不明、作の「SCP131」」に基づきます。http://www.scp-wiki.net/scp-131

「SCP-173 -彫刻-オリジナル」は「Moto42氏、作の「SCP-173」」に基づきます。http://www.scp-wiki.net/scp-173
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