範馬勇次郎が行く、SCP財団の機密施設見学会   作:テキーラ11

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5th Tale「赤い大鳥の丸焼き」

勇次郎は、その場を後にするとやけに厳重な扉の部屋を見つけた。

 

扉の隙間から見える範囲には、SCPらしき姿はなく、何故封鎖されているのか分からなかった。

 

「この部屋.....とりあえず、入ってみるか。」

 

分厚い金庫の様な扉を破壊して中に進む勇次郎。

 

外からは見えなかった金庫を見つける。

 

中身を確認するため破壊すると2枚の紙が入っていた。

 

「文字が書いてあるな..... あかしけ やなげ 緋色の鳥よ くさはみ ねはみ けをのばせ.....!?.....zzz」

 

勇次郎は中に書いてある文章を何気なく読み上げると、強烈な睡魔に襲われ眠ってしまう。

 

この文章こそ、SCPなのであった。

 

アイテム番号:SCP-444-JP、オブジェクトクラス:Keter、通称:認識の鳥。

 

このSCPは文章を読み上げる事で、幻覚空間に閉じ込められる。

 

そこで、巨大な鳥に何度も食われる苦痛を味わう事になるのだ。

 

その苦痛のあまり、最初は静止している身体が現実世界で暴れ出し苦痛に歪む。

 

そう、この文章を読み上げてしまえば誰もが普通はそうなる。

 

だが、読み上げたのは地上最強の雄である範馬勇次郎だ。

 

外敵というものが、概ね存在しないのである。

 

故に、勇次郎は大の字になり、悠々とねていた。

 

勇次郎は幻覚空間で、気がつけば夕焼けよりも赤い空の血よりも赤い原野に放り出されていた。

 

そこで、とりあえず、周りを散策する勇次郎。

 

草も木も何もかもが赤いのだ。

 

そんな中、ふと、何故か空を飛べると確信する。

 

とりあえず、その確信に従い両手を広げると実際に飛べた。

 

「なかなかどうして.....気持ちのいい物じゃねぇか。」

 

流石の勇次郎も空は飛べないので、飛べることに対しては感慨深いものがあったようだ。

 

暫くそうして、飛んでいると巨大な緋色の鳥が勇次郎目掛けて飛んでくる。

 

そう、例の認識の鳥である。

 

認識の鳥とは、現実世界ではない幻覚世界に生きている巨大な鳥である。

 

幻覚世界とは即ち、夢などの意識のみの精神世界である。

 

そして、その幻覚世界で、この巨大な鳥は最強の生物であった。

 

幻覚世界には、肉体の強さという概念が存在しない。

 

故に、勇次郎の地上最強の肉体は持ち込めないのだ。

 

これでは、地上最強の生物と言えども捕食対象となってしまうのか?

 

「こりゃあ良い。ちょうど腹が減ってた所だ。」

 

答えは否、否なのである。

 

何故ならば、肉体という概念が存在しない精神世界では心の強さが全てなのだ。

 

そして、勇次郎は、誰よりも自身が地上最強の生物であると疑っていない。

 

地震が襲った時、自分のパンチで地震を止めたと信じるエゴイズム。

 

これこそが、勇次郎のもう1つの強さなのである。

 

つまり、地上最強の肉体と地上最強の精神があってこそ地上最強の生物という訳だ。

 

地上最強の生物VS精神世界最強の生物。

 

互いに、外敵が存在しないもの同士。

 

互いを餌として認識し襲いかかっていく。

 

最初は、認識の鳥が勇次郎にクチバシで攻撃を開始する。

 

勇次郎の身体ほどもある巨大なクチバシである。

 

勇次郎、これを真正面から受け止める。

 

閉じようとするクチバシを、両手足で無理矢理開けば、顎が外れる認識の鳥。

 

痛みから、甲高い悲鳴の様な咆哮をあげる。

 

さらに、勇次郎は天高く足をあげると、カカト落としで認識の鳥を地面に叩き落とした。

 

それにより、認識の鳥は翼を骨折し動けなくなる。

 

勇次郎は手頃な木をへし折り組み立てる。

 

そして、認識の鳥の羽を毟り、着火剤代わりにして石を2つぶつけて火を起こした。

 

後は生きたまま解体し、焼いて食べてしまう。

 

暫くすると、勇次郎は記憶が飛び気が付いたら、何もかもが赤い原野へ放り出されていた。

 

先程と同じ様に、空を飛べると確信して空を実際に飛ぶ。

 

勇次郎の戦闘能力を知った認識の鳥は不意打ちで勇次郎に攻撃する。

 

しかし、地上最強の精神で構成される肉体に傷を付けることは叶わなかった。

 

「鳥か.....そうだ、久々にブラッドソーセージを作るか!」

 

認識の鳥を手早く叩き落とすと、生きたまま腸を引きずり出し、生き血を抜く。

 

川が流れていたので、腸を洗い生き血で満たして茹でる。

 

「血の味がして美味い.....!」

 

そして、また、記憶が飛び気が付いたら赤い原野に放り出される。

 

認識の鳥も、大したものでその後3度挑むが、返り討ちにされ食われてしまう。

 

その後は、逃げに徹するもその巨体が災いして、勇次郎に捕食されてしまう。

 

ある時は脳髄を、ある時は肝臓を、ある時は手羽を、ある時は足を。

 

鳥に捨てる所なしとはよく言ったもので、毎回違う部位を生きたまま食われてしまう。

 

何度目か分からない頃、勇次郎は飽きたと感じた。

 

すると、目が覚めて、現実世界で大の字に寝ていることに気がつく。

 

「あー、記憶が無いが.....なんだったんだ?」

 

その後、認識の鳥のオブジェクトクラスはsafeに格下げされた。

 

文章を読み上げた所で何も起きなくなったのだ。

 

認識の鳥は、範馬勇次郎という地上最強の生物を認識した。

 

そして、その恐怖から、精神世界内に閉じこもる事を決めたのだ。

 

勇次郎が、部屋を後にすると、今度は石の棺の様な物を見つけた。

 

なんだろうかと見つめていると、棺が開き何者かが出てきた。




「SCP-444-JP-認識の鳥」は「locker氏のSCP-444-JP」に基づきます。

http://scp-jp.wikidot.com/scp-444-jp
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