コラボもここまでです。
慌てて書いたので文章めちゃくちゃな可能性もあります…(汗)
「抹殺……だと!?」
アバドンは拳を握り締め、ケィアンの顎目掛けてストレートを放つ。ケィアンはそれを回避し、互いに距離をとる形になった。
膠着状態。
互いに圧をかけ続けている。気を抜けば殺す事が出来る、達人同士の読み合いである。
格闘技に関してはてんで素人のラピスにもよくわかる光景であった。もしこの二人の間に割り込んだならば───。
脳裏を過ぎる明確な死のイメージ。
殴り殺されバラバラにされ、撃ち殺され呪われ。様々な殺害のイメージを送り続けている。
もしもここに心を読む者がいるのならば、確実に精神崩壊しているくらいの殺気をびしびしと感じていた。
そんな中、ラピスは何故か少しずつ後ずさっていた。初めて見る光景に驚きながら、胸元のカラータイマーを強く握りしめながら下がっていた。
静かに、しかし確かに二人の巨人の間では見えぬ戦いが起きている。
ケィアンは6度死に、アバドンも6度死んだ。
互いに実力伯仲、これこそが地獄絵図だ。
手助けができないラピスは状況に混乱していて棒立ち状態だった。今の状態が命取りになることも忘れている…
その静寂を切ったのはケィアン。ラピスに銃口を向け、撃ち抜いた。
撃ち抜かれた痛みが身体全体に通った途端、我に帰るラピス。その場で膝をついて痛みを抑え続けた。ふと、ラピスはケィアンの目的を思い出す。
「あ、アバドンさん……少しお願いが…」
「……あ?」
「えと……ケィアンの目的が闇と憎悪が目当てなら…ボクの闇を利用して倒すのはどうでしょうか?」
耳元で囁きながらケィアンをチラ見する。上手くいくかは分からない一か八かの作戦だった。
瞬間、アバドンの口元は酷く歪んだ。
「いいな、それ」
アバドンはケィアンの懐に潜り込み、肘鉄をかました。
「(本当は凄く嫌なんだけどね…)」
ラピスは静かに力を溜め始めた。それは光の力ではなく、ラピスに隠された闇の力だった。
その一方、アバドンとケィアンは一進一退の工房を繰り広げていた。
ケィアンの左の正拳突き似合わせるように内受けからの膝蹴り、直後に飛燕の変化で回し蹴りから下段蹴り。
足を止め互いにラッシュをかければもう目にも止まらぬ早さである。
その時だった。後ろからケィアンの首筋に向かって蹴りが飛んできた。その蹴り足は片手で止められた。その握る力と目付きが変わる。
「……お前は……」
「闇が目当てなんでしょ?なら…ボクの闇、存分に味わっていいよ」
明らかに雰囲気が変わったラピスがその場にいた。姿が変わっていない。唯一変わっているのは、
「この闇…ッ……その闇だ!その闇を俺に!!」
ケィアンは歓喜の声を上げ、ラピスに飛びかかる。だがそれを阻む者がいた。
「おいこら、俺を無視しんなやクソガキ」
「邪魔をするな!」
ラピスの前に割り込み、ケィアンの前蹴りを受け止めるアバドン。そのまま掴みかかり、背負い投げを仕掛けた。ケィアンはそれに反応して受け身を取り、即座に反撃に出る。アバドンの顔面に向けてフックを放つが、アバドンはそれを紙一重で避け、カウンター気味にアッパーを放った。
ケィアンは腕を交差させガードするが、威力を殺しきれずに後ろに吹き飛ばされてしまう。
その隙を逃さずアバドンは追撃をかけた。
「おらぁ!!」
ケィアンの腹にめり込む程の一撃を叩きこむ。しかしケィアンは怯まず、逆にカウンターパンチを繰り出す。
アバドンはその拳を掴み取り、一本背負いで地面に叩きつけた。背中を強く打ち付けた衝撃で呼吸が出来なくなり、ケィアンの動きが一瞬止まる。
最早主人公がアバドンになりかけているがラピスはその一瞬を見逃さなかった。ラピスは勢いよく拳を叩きつけた。
「ガハァ…ッ」
息が止まるような衝撃が走る。ラピスらしくない攻撃だが、ダメージは大きかった。
「………ふぅ…」
「……すげぇな、お前…」
アバドンは立ち上がり、構えを取る。
ケィアンはゆっくりと立ち上がると、再び構えを取った。
ラピスはケィアンを見つめながら呟く。
「ねぇ……君もボクと同じなんだよね?」
「…………何の話だ」
ラピスの言葉に怪しそうな表情を浮かべるケィアン。
「……君は闇が好きなんだろ?だから……ボクのこの力は君の為にあると思うんだ」
「…………」
「でも、この力を使ったら…今度こそ終わりになっちゃう……だから、終わり…」
ラピスは目を閉じて深呼吸した。
その瞬間、ラピスの全身から闇の力が溢れ出た。それはまるで、ラピスの身体を包み込んでいるように見えた。
そして次の瞬間…『ダメだ!主!!』と叫ぶ声が聞こえてきた。
その声はアバドンも気付き、ラピスの腹に勢いよく拳を直撃させ、吹き飛ばした。ラピスの身体は壁に激突、意識を失いかけていた。
「テメェ、一体何を考えてやがる!?死ぬ気か!!?」
「……そ、そんなつもりじゃ……ただ、アバドンさんとケィアンさんの戦いを見てたら……ボクが止めないとって思って……あ、あれ?なんでボク、こんなこと……」
ふらつきながらも立ち上がろうとするラピス。その姿を見たアバドンは溜息を吐いて言った。
「ったく……なんつーか、お前さんは危なかっしい奴だよなぁ……ま、そういうところが気に入ったんだろうけどよ」
「え……それってどういう意味ですか……?」
「んなもん自分で考えな……それより、もうちょい手伝ってくれや。まだ終わってねえぞ」
「は、はい!」
アバドンとラピスは再び戦い始めた。
「そんなに闇の力で戦いたければ、己の力と気持ちに勝ってから使えやクソメスガキ!!」
「そんなの…分かってる!!」
「ぐは……ッ」
ケィアンの頬にアバドンの蹴りが炸裂する。その隙にラピスは勢いよく腹蹴りをした。
ケィアンは口の中に血を流し、それを吐き出すと、今度は2人の正拳突きで殴りかかった。
「オラァ!!」
「ハァッ!」
「チィ……ッ」
2人は互いの攻撃を捌き、カウンターを狙う。
だが、その動きは先程より速くなっていた。
「………やるじゃねーか。お前…」
「これでも……一応頑張ってたみたいなので…」
「ハッ……そうかい」
互いに笑い合うと、2人同時に蹴りを放ち、距離を取った。
その時だった。ケィアンの足が何かを踏んだ感覚が伝わった。足元を見ると、そこには小さな瓶が落ちていた。それを拾い上げようとした時、ラピスが素早く近付いてきた。
「……!これは……ッ」
「ボクには効かないよ」
「……ちぃ!!」
ケィアンは咄嵯に後ろに飛び退いた。その判断が功を奏したのか、ラピスの拳は空振りに終わった。
「……やっぱり、キミは凄いなぁ……」
ラピスの瞳の色は元に戻りつつあった。
「……お前は何者なんだ?どうして俺の力を知ってる?」
「簡単さ……アバドンが耳打ちで教えてくれた」
数秒の攻撃の間に2人は勝利への道筋を考え、実行していた。
「なるほど……確かに俺は闇が好きだぜ。だがな……自分の力だけで戦うことにこだわってる訳じゃないんでね」
「……えっ」
ラピスの背後から気配を感じ取った。
振り返ると、そこにはケィアンの姿があった。
「な……ッ」
「これで終わりだ……ッ」
ケィアンはラピスの首を掴み、持ち上げた。
そのまま地面に叩きつけようとするが、寸前で手を止め、首を掴んだまま宙に浮かせた。
「俺のこと忘れてるんじゃねぇぇよなァ!!!???」
そんな叫び声と共にケィアンの腹に痛感が走る。アバドンのお得意の中段蹴りだった。ラピスは首を絞められたままだが宙に浮かんで止まったままだった。その瞬間、ケィアンの腹は隙だらけだった。
「オラアアアッ!!!」
気合の籠った雄たけびを上げ、アバドンは思いっきりケィアンの顔に膝を叩きこんだ。勢いよく地面へと転がる。
「ごふぅ……ッ!!」
「……おい、いつまでやられてんだよ。もうエネルギー切れになってんだからコレで終わらせるぞ」
「ゲホゲホ…!は、はい…ッ」
2人のカラータイマーが点滅し、音が鳴り響く。
「させるかぁ…!!俺は、こんなところで死なん!!」
ケィアンは最後の力で特大の必殺技を放つ。そして2人も同時に力を溜めて両腕をL字にし、光線を放つ。
3つの光線がぶつかり合い、ビルから倒壊し、地面にはヒビが入る。
「くそぉ……!!」
「おらあああっ!!!」
2人の技は拮抗していたが、徐々にアバドンの技が押し始める。
「負けるかぁああっ!!!」
「ぐ……うおおおっっ!!!」
遂に2つの光線がケィアンを吹き飛ばした。
「ぐああぁぁぁぁぁぁ!!!!何故だ!!!何故
そんな叫び声と共にケィアンは爆散したのだった。
「へへ、やったな……」
「は……はい…」
2人は既に疲労困憊だった。立つことも難しいくらい疲れが溜まっていた。
「……ラピス、お前さんはまだ強くなれそうだ。いつか
「えっ……それってどういう意味ですか?」
「そん時は、今よりもっといい勝負になるだろうよ」
「……」
ラピスは少し考えた後、笑みを浮かべた。
「…その時はよろしくお願いします」
「……おう」
2人は拳をぶつけ合った。それが戦いの終わりを告げる合図でもあった。
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「…………ところで、慎太郎さんはコレからどうするのですか?」
「あ?あー…本来ならケィアンを追いかけてここまで来ちまったからなぁ…」
「………コレで、お別れですか?」
「……まぁ、用済みだからそうなるな」
「そう……ですよね……」
ラピスは寂しげに呟いた。
「……あのさ、もし良かったら俺と一緒に来るか?」
「え……ッ」
「お前も……闇として生きることに疑問を抱いてただろ」
「それは……」
「……あー…やっぱやめとく。なんかお前の顔見てると腹立ってくる」
「なんですかその理不尽は…」
慎太郎は苦笑いすると、紗和はそれを返すかのように少しだけ笑みを浮かべた。仲は良いのかは分からない。慎太郎は紗和の顔を見るとすぐに苛立ちを見せてるかのような顔になるが紗和は気にせずに慎太郎と接していた。
そのおかげか、別時空のウルトラマン同士の絆が深まった…
「んじゃ、俺は元の世界に帰るからな」
「はい、お元気で」
絆は、お互いの手を握り、握手をして結ばれた。
コラボ相手のりゅーど様、ありがとうございました。今回はここまでとなりますが、もしまた許可を頂けたらよろしくお願いします。
りゅーど様の作品→ https://syosetu.org/user/270562/
りゅーど様のTwitter→@Ultramanvita