迷える狼/New Front line   作:筋肉バカ

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Choice and CHASE!

「『CHASE!』の場所、…あの広場か。」

 

陸は以前見た優木せつ菜の動画を思い出しながら、場所に見当をつけ、屋上からそこに向かおうとする。

 

高咲侑が逃げるように去った屋上はひどく寂しい雰囲気で、思わずため息をつく。

 

思えば、きちんと接することのできた人物は数える程度だ。風紀委員長に、生徒会数名、そして

 

「中川菜々だけか、おそらく。」

 

思い当たるのはそのくらい、あとは空気が悪くなるような絡みをした人物だろう。

 

「朝香果林、綾小路姫乃、高咲侑、桜坂しずく、中須かすみ、三船栞子…思えば、色々な存在に出会った。」

 

そう、思えば色々と出会い、見てきた。今まで経験したことの無いような不思議な思い出たちだ。まあ、あまり良いものではないが。終わればきっと笑い話になるだろうか?そもそも、笑い話になるような終わりを迎えられるだろうか?否、してみせる。ここでの物語が、夢のようであったと、夢であったと、そう笑えるような、そんな終わりにしてみせる。誰もがハッピーエンドを望んでいる。「身寄りの無い可哀想な悲劇のヒロインは、素敵な王子様と結婚し、幸せに暮らしましたとさ。」そんな綺麗な終わりを迎えられる確証は無い。だが、少なくともそんな素敵な終わりを迎えられるよう、努力する価値はある。

 

優木せつ菜/中川菜々、君との出会いは良いものだっただろうか?少なくとも俺は、良かったとは思っていない。君との出会いは最悪だ。必要最低限にするつもりだった。この世界の存在との関わりは。だが君とは必要以上に関わり、話しすぎてしまった、そんな気がする。君がどう思っているか、それはわからないが。少なくとも俺は君と関わりすぎた。出会うべきでは無かったのかもしれない。君との出会いは最悪だよ。だが、後悔しているかと聞かれれば

 

「後悔は、無いかもな。」

 

君のおかげで元の世界に戻れるであろうヒントを得られた。その点についてはとても感謝している。だから、後悔はしていない。ただ、少し喋りすぎただけだ。屈辱的だが、後悔はしていない。

 

「君ともう少し話してみたい。そう思えてしまうことが、最悪だ。」

 

 

俺はこの世界に存在しない。居つけるとしてもそんな気はない。俺は帰る、元いた世界に。1人の自衛官として、陸山衛として、俺には成すべきことがある。

 

 

ゆっくりと足を彼女の指定するであろう、広場へと動かした。

広場は閑散としており、あまり人通りが無い。どうやら早く来すぎたようで、近くに腰を下ろして彼女を待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい経っただろうか、赤い衣装を着た彼女がいた。力強くて、綺麗な衣装だ。不思議な感覚で、思わずその姿をじっと見てしまう。

 

「お待たせしました。」

 

彼女はゆっくりと俺に向かい頭を下げる。

 

「たいして待っていませんよ。」

 

放課後は過ぎ、辺りがほんの少し暗くなっているというのに、彼女の周りはどこか明るい、そんな感じがした。

 

「えへへ。なんだか少し恥ずかしいです。スクールアイドル、優木せつ菜として、貴方の前に立つのは初めてですから。」

 

彼女はほんの少し頬を赤らめながらそう言う。

 

「スクールアイドルも、緊張するんですね。」

 

まあ、当然か。

 

「当たり前ですよ!でも、陸さんの前は、もう少し違う緊張というか…、と、とにかく!ここに来て貰えて良かったです!」

 

「それで、私に何か要件ですか?中川菜々…いえ、優木せつ菜さん、の方が今は良いですかね?」

 

「はい!…いえ、菜々もせつ菜も、両方大事な私です!好きな方で呼んでも構いませんよ!」

 

彼女はそう元気よく発言する。

 

「いいんですか?それでは隠してる意味が無いのでは?」

 

「いいんです!陸さんなら、ですけどね!」

 

なんだかよくわからないが、彼女は俺に好きな方で呼んでほしいらしい。ならば

 

「では、せつ菜さん、と呼ばせて頂きましょう。」

 

すると彼女は満足げに頷き、「わかりました!」と応えるのであった。

 

 

「それで、ご用件は、せつ菜さん?」

 

「ふっふっふ!ここまで来たなら、そしてこの衣装を着ているということは!察しの良い貴方なら解るはずですよ!陸さん!」

 

 

いや、わかっている。わざとだ。ここまできたなら彼女のやることは1つしかないだとろう。俺がわからないのは

 

「なぜ、私1人しかいないのですか?このライブに。」

 

そう、なぜ俺しか呼ばれていないのか。彼女のことだから

同好会の連中も呼んでいる可能性がある、もしくは臨時のライブ講演かと思ったのだが、辺りを見れば放課後ももうすぐ終わりということもあり、誰1人として観客がいないのだ。

 

 

「ふっふっふ!」

 

彼女は少しイタズラっぽく、わざとらしく再び笑う。

 

「なぜなら、これは陸さんのための!陸さんだけの特別ゲリラライブだからです!」

 

 

彼女は両腕を大きく広げ、そう力強く宣言する。

 

「はあ。」

 

「おや!なぜ陸さんのためにやっているか、理解していませんね!相変わらずです!」

 

彼女は笑顔でそう言ってくる。なんだかわからないが、また煽られているようだ。

 

「では、教えて下さい。大人気スクールアイドル、優木せつ菜さんになぜ私が1人呼ばれたのか?」

 

負けじと俺も少し煽るように質問をする。すると彼女は、元気いっぱいの笑顔から、どこか優しげな表情へと変え

 

「陸さんには、色々助けてもらいました。それだけではありません、貴方からは本当に沢山のモノを貰っているんですよ?」

 

俺から?

 

「今回の両親のことも、同好会のことも、そして私自身のことも、沢山、本当に沢山陸さんには助けて貰いました。」

 

「私は助けたつもりでは「知ってますよ。」はい?」

 

「陸さんが何を考えて、なぜ私や、同好会を手助けしてくれたのか、理由はわかりません。ただ、貴方に何か考えがあったのかだけはわかっているつもりです。」

 

「…」

 

「貴方がもし、もし仮に、果林さん達が言うように私や私達のことを利用していただけだとしても、だとしても、陸さんが私達を助けてくれたのは…事実じゃないですか。貴方にそのつもりがなくても、私は「助けてくれた!」って、そう思ってるんです。」

 

 

「それは、思い上がりですよ。私は貴女の想像しているような存在ではありません。高咲侑さんにも言いましたが、私は悪人ですよ。貴女達が思うよりもずっと。ですから、感謝など必要ありません。」

 

「では、なぜここに来たのですか?私は別に「必ず来て下さい!」なんて言ってませんよ。」

 

「それは…」

 

確かに言われてみればその通りだ。別にスクールアイドルが鍵の可能性があるというだけで、あの人間擬きに勝つために必ずスクールアイドルのライブを観なければならないという法則は無い。なのに、なぜ短い貴重な時間をたかが1人のアイドルに費やさなければならないのだろうか?

 

「陸さん、貴方はきっと、自分で思っているほど悪い人なんかじゃないんですよ、きっと!だって、私との約束を守ってここに来てくれたんじゃありませんか。」

 

「…」

 

ああ。俺は、何をしているんだ?わからないな。俺は

 

「さあ、どうでしょう?」

 

「照れてます?」

 

「わかりません。」

 

彼女の明るい笑顔が広場を照らす。そんな彼女の笑顔に、なんとなく励まされている気がする自分により嫌気がさす。彼女の強さに、自分がよりちっぽけに見えてしまう気がして。陸曹でも、レンジャーでもないたった1人の女の子に、なんだか照らされているような、そんな奇妙な感覚。だが不思議と気味が悪いとは思わない。とても心地よく、暖かい。

 

 

「どうでした?」

 

だから1つ質問してみよう。

 

「なにがです?」

 

彼女は首を傾げる。

 

「私と出会って。」

 

そんな変な質問をした。なんとなくだが、答えが知りたいと思った。良かったか、悪かったか。どちらでも構わない、ただ答えが知りたい。

 

彼女は少し考えると

 

「良かったです!」と答えた。

 

「そうですか。」

 

「理由、聞かないんですか?」

 

彼女はイタズラっぽく聞いてくる。

 

「必要ありません。答えがわかればそれで構いません。」

 

「やっぱり、陸さんは不思議な方ですね。」

 

たびたび聞く感想だ。

 

「私、そんなに不思議ですか?」

 

「はい!なんというか、変というか…あ、別に悪い意味ではなくて、その、えっと~、魅力的というか///あ!違います違います!今のは言葉のあやというか!と、とにかく!私達とは別?というんでしょうか、そんな感じで。」

 

「別?」

 

「は、はい。」

 

別?どういうことだろうか?やはり、別世界ということで、何かしら違和感があったのだろう。隠しても隠しきれないモノが山ほどあるようだ。

 

 

 

「さて!」

 

コホンッ!と気を取り直すように彼女が咳払いをする。

 

「思えば、色々ありましたね。」

 

思い出すように彼女はどこか遠くを見つめる。

 

「ええ、本当に。」

 

まったく、本当に色々あった。嫌なことばかりだが。

 

「陸さんはどうでしたか?虹ヶ咲に来て、その、わ、私と出会って///。」

 

彼女はどこか不安なような、期待をしているような、そんな表情でこちらを伺いながら見てくる。

 

「…」

 

「ええ、そうですね。後悔はありません、貴女と出会ったこと後悔はしてませんよ。」

 

 

「本当ですか!」

 

パァァァッ!という表現が似合う程彼女は嬉しそうに顔を輝かせながらそう答えた。

 

もう終わりだ。だからこそ俺の心の内全てを話しても良いが、それでは後味の悪い終わりになるだろう。だからこそ、最後まで隠し通そう。嘘はついていないから、問題は無い。

 

 

「しかし、こんなにも一緒にお喋りをするとは思いませんでした。出会った頃の陸さんは、その…。」

 

「不気味でしたか?」

 

彼女は申し訳なさそうにコクリと小さく頷いた。

 

「別に構いませんよ。人との出会いは第一印象が肝心です。私はそれに失敗した、ただそれだけのことです。」

 

「いえ、これは元生徒会長として恥ずかしいことです。人を最初の印象で決めつけてしまうなんて。すいませんでした。」

 

「過ぎたことです。それよりも、そろそろ。」

 

 

日が落ち、辺りがさらに暗くなっていく。あの糞との決着の時刻も迫ってきている。ここらで良い別れをしたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつて彼女が初まり、終えた場所。俺はそこで終わりへと向かう。全てに決着を。始まりは唐突だった。まだ夢をみているのではないかと錯覚する時がある。夢ならばどれだけ良いことだろう。だが、どれだけ足掻こうと今はこの世界が現実だ。

 

 

「そうですね!」

 

彼女は再び力強くニコっ!と笑ってみせる。

 

 

「楽しみですよ、貴女の(ライブ)。」

 

俺もそう笑ってみせる。

 

そうとも、笑ってやる。あのクソッタレにみせてやる。俺の強さを。

 

 

彼女は広場の階段を上り、開けたステージのような場所に立つ。

 

ああ、いよいよか。これがこの世界で俺、陸山衛として山上陸として見る最後の光景だろう。そうであることを祈って。

 

 

彼女は力強く『CHASE!』を踊りだした。

 

 

 

 

不思議だ。その歌声も、踊りも、ああ、わかる。

 

"戻っていく"。

 

制服はいつの間にか少しゴワついたODカラーの迷彩柄をした戦闘服へと変わっていた。頭にはいつもだったら鉄帽なのだが、今回はなぜか戦闘帽に変わってる。肩にズシリと無機質な重さが伝わり、小銃を触る。ゴツゴツした半長靴が、腹部には弾帯が、弾帯の左側には銃剣が、右足に違和感があり、見てみるとレッグホルスターに拳銃が仕舞われていた。拳銃にはあまり触れたことは無いのだが。戦闘スタイルとしては非常に奇妙な格好だが、これもまた、この世界の力なのだろうか?

 

 

気づけば彼女はライブを終えており、肩で息をしていた。そして、こちらを見るとどこか驚いた表情をみせる。どうやら、彼女も俺の変化が視認できるらしい。

 

「り、りく?さん?あの、へ?」

 

俺はほんの少しクスっと笑う。しかし、彼女が喋った瞬間に元の制服へと変わってしまった。

 

 

「えっと?今、なんか凄い格好をしてた気がしたのですが。い、今のはなんですか!!?」

 

「さあ、ライブで疲れて何か幻覚でも見てしまったのでは?」

 

彼女は何度か目を擦りながら、疑いの眼でこちらを見て

 

「あ、あれ?おかしいです!さっきまで陸さんのところに不思議な格好をしたおじさんがいたんです!!!」

 

おじさんか。まあ、俺も43だし良い年か。

 

「今日はもう帰ってゆっくり休んで下さい、優木せつ菜さん。」

 

 

「ええぇ~。」

 

彼女はどこか不満気に辺りを目を擦りながら探っている。一瞬とはいえ、この世界の人間にも俺が戻ったことに気づけた。これは、幸先が良いと捉えるべきだろうか?

 

 

「はぁ。陸さんの言うとおり疲れているのでしょうか?」

 

彼女はため息をつきながら階段を下りてくる。そして

 

「ところで、良かったですか?私のライブは?」

 

と聞いてきたので「ええ、素晴らしかったですよ。」と答えた。すると彼女は、やはり満足そうに「良かったです!!!」と笑顔になるのだった。

 

 

「さて、もう遅いですし、あがりましょう。」

 

「そうですね。」

 

優木せつ菜が、中川菜々に戻るのを待ち、2人で学園の門から出る。もう学園には残っている生徒はほとんどいない。

 

「では、また明日。」

 

中川菜々がそう言う。

 

明日、か。

 

「ええ。また。」

 

何気なくそう答える。お互い別の方向へと歩きだす。以前であれば俺は拠点へ、彼女は家へ。だが、今日は違う。今日はお互い、帰るべき場所へと足を運ぶのだ。明日、俺はもういないだろう。まあ、なんだかんだ悪くない終わりだ。この学園と別れるのに相応しいパフォーマンスだったと思う。なんとなく、あのパフォーマンスに良い礼をした方が良いだろう。これで最後なのだ。

 

 

「中川菜々さん。」

 

そう呼び止める。

 

「はい?」

 

彼女は不思議そうに振り替える。

 

何か無いだろうか?そう思い制服のポケットを探ると、いつも持ち歩いていた迷彩柄のハンカチが胸ポケットに入っていることを思い出す。だが、それでは味気ない。なにかもう少し良い物が、コツっと何か固い金属が触れる。ポケットから出すと、そこには金色に輝く普通科の徽章が1つだけあった。こんな物持ってきてただろうか?しかも中途半端に1つだけ。だが、まあこれが最も相応しいだろう。そんな気がした。それを彼女に投げ渡す。

 

「ひゃっ!」

 

彼女はそれを両手で上手くキャッチする。

 

彼女はその徽章を興味深そうに見つめ、少し目を輝かせている。

 

「綺麗…あ、あの、これ!」

 

「差し上げますよ、それ。ライブの料金です。生憎、現金は今日持ち合わせていないので。」

 

「そ、そんなお礼なんて!それにこれ、凄い立派そうなバッチですし、見たこと無いですし!貰えませんよ!」

 

「構いませんよ。それ、買おうと思えば買えるので。」

 

「え!」

 

「餞別ですよ。貴女が私にお礼としてライブをして頂けたよえに、私も貴女のライブに敬意として、それを贈ります。大切にお願いしますね。それ、一応私の誇りなんで。」

 

「誇り…。わかりました!なら、こんな素敵な物を貰ったなら、ライブだけでは足りませんね。いつか、また凄いお礼をします!だから、楽しみにしてて下さいね!」

 

彼女はニカっ!と笑い拳を突きだしてくる。

 

「ええ、楽しみにしてますよ。」

 

そうだ、彼女に1つ伝えておこう。

 

「中川菜々さん。これから先、どんな未来が待っているのかわかりません。ここから先は貴女が進む道です。貴女の未来、貴女の世界、存分に楽しんで下さいね。」

 

 

「あの?それってどういう、意味ですか?」

 

彼女は不思議そうにそう聞いてくる。

 

「理解する必要はありませんよ。」

 

「はあ?」

 

納得していない、そんな表情が伝わる。まあ、無理もないか。

 

あ、そうそう忘れるところだった。

 

「そういえば、以前言っていた探し物なのですが。見つかりましたよ。」

 

「え!!?ホントですか!!?」

 

そう彼女は嬉しそうに笑う。まるで自分のことのように。

 

「ええ。なのでもう心配はいりません。では、また明日。」

 

そう言うと、彼女は「はい!」と頷くのだった。

 

そこから、またお互いに別の方向へと歩いていく。後悔は無い、これで終わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いているとあの奇妙な感覚がする。

 

「出てこいよ。始めようぜ。」

 

ボンヤリと蜃気楼のようにそいつは姿を現す。そいつはニヤリと憎たらしい笑みを浮かべフワリと煙のように俺を包む。

 

「ここは?」

 

目を開けると、いつの間にか学園の屋上へと戻っていた。

 

『良い場所だろ?君の最後に相応しい。』

 

「ああ、お前の墓場にするには勿体ないくらいの絶景だ。」

 

『相変わらずの減らず口だ。』

 

「そっくりそのまま返してやるよ。」

 

制服が戦闘服へと戻る。

 

『後悔するぞ。ここで負ければ、君 陸山衛は消える。仮に万が一、君が僕に勝てたとしたら、この世界には永遠に戻ることはできない。まあ、勝てないだろうけどね。』

 

『良い世界じゃないか。陸山衛として、この世界に居つくのは、悪くないだろ?可愛い彼女達、スクールアイドルに囲まれて、争いも無ければ大きな災害も無い。向こうに戻って泥にまみれ、山の中を必死こいて走り回ったり這いずり回ったりしなくて良いんだぞ?素晴らしいじゃないか。』

 

「関係無い。この世界がどれだけ魅力的だろうと、最悪だろうと、俺は俺の居るべき場所に戻るだけだ。俺はこの道を選ぶ。

俺はもう道を選んだ、後はお前を叩き潰して走るだけだ。かかってこい!」

 

 

 

さあ、やろうか。

 

虹ヶ咲の屋上で、俺とそいつは向かい合い、俺はそいつに向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

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