これは一つの道。
龍騎が辿る物語の最初の一幕。

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最近、色々書きたい物が溜まっていますが、全て書けるわけではないので、とりあえず短編として投稿。

本作の世界線としては、もし芝浦淳が浅倉の盾にされなかったらというIFルート。手塚もまだ死んでません(登場はしませんが)。


仮面ライダー龍騎~孤高の群狼~

 OREジャーナルの記者である『城戸真司』はある人物を取材するべく、先輩の『桃井令子』と共に明林大学へと向かっていた。

 彼にとって明林大学の名には苦い思い出が有る。この大学に通う大学生の一人『芝浦淳』という青年の事だ。彼の手によって自身は命の危機に瀕し、さらにはOREジャーナルを乗っ取られかけたという過去が有る。出来ることなら会いたくない。そんなことを考えつつ、歩みを進める。

 これから会うのは、大学教授である『神宮研吾(じんぐうけんご)』。この大学で学生に生物学を教える傍ら、水棲生物の研究を行っている。今回は彼が新種の生物を発見したという情報を得て、この場を訪れていた。

 令子が受付を行うと、そこへ一人の若い男性が声を掛けてくる。

 

「あ、OREジャーナルの方ですか?」

 

 清潔感のある真っ白なシャツを着た学生が笑みを浮かべて二人に近づき、手を差し伸べる。

 

「自分は神宮教授の研究室で活動させてもらっている『深水亮(ふかみりょう)』と言います」

「OREジャーナルの桃井です。こちらは城戸です」

「あ、どうも」

 

 令子に促され真司は軽く会釈しながら握手に応える。研究室までは彼が案内してくれるようで、彼に連れられるまま、静かな廊下を歩き続ける。途中で長髪の女子学生や眼鏡を掛けた男子学生とすれ違ったが、彼らは皆一様に客人である真司達の姿を見ると礼をする。その姿は芝浦淳とは大きく異なる。

 

「随分とマナーが良い学生が多いですね……」

 

 真司が何気なく口に出した言葉に亮は若干困ったような表情を浮かべる。

 

「あー、もしかして今の言葉……芝浦君の事と関係ありますか?」

「ちょっと!」

 

 不用意な発言をした真司を令子が窘めるが、亮は気にしないと二人に振り向く。

 

「仕方ありませんよ。自分もネットで初めて知ったんですが、まさか彼があんなことをするとはね……」

 

 その口調からは呆れや疲れのようなものが感じ取れる。

 

「彼の……芝浦淳はやっぱり有名なんですか?」

「まあ。色々問題を起こすんですが、彼の親がこの大学に多額の寄付をしているということも有って、大学側も彼に強く言えないみたいなんですよ」

 

 腹立たしいことですがね……、と語る彼の言葉には、それだけ芝浦淳が厄介な人物であるということが分かる。そんなことを話していると、いつの間にか研究室の前に辿り着いていた。

 

「神宮教授、お客様をお連れしました」

 

 外から声を掛けると、「おう」と威勢のいい声が聞こえる。亮が研究室の扉を開くと、中には幾つもの水槽と壁一面の本棚が有った。その奥にある机に、髭を蓄えたふくよかな体形の男性がこちらを見て立ち上がる。

 

「OREジャーナルの桃井です。本日はお忙しい中、お時間を頂きありがとうございます」

 

 令子に吊られるように真司も合わせて礼をすると、神宮教授は近くにあった椅子に彼らを座らせた。そして令子がメモ帳を取り出し、取材が開始される。

 神宮教授が発見したという新種の生物。それは透き通った甲殻を持つ小さなエビだった。研究室の水槽にもそれが複数匹飼育されており、真司はカメラで写真を撮る。あまり生き物に詳しいわけではない真司からすればただの普通のエビにしか見えないが、専門家である神宮教授からすれば今まで発見されたエビとは大きく異なるらしい。しかし説明を聞いてもいまいちピンとこない。

 さらに説明を続ける中で興奮した様子の神宮教授は、現代の川の環境についても語りだした。

 

「このエビは一定の流れの場所でしか生きていくことが出来ないのです。緩やか過ぎても、激しすぎてもいけない。それだけ住む場所が限られる。しかし最近は河川の開発が進み、このような生物の生きる場所が奪われている。勿論、それが人間にとって有益であるという事実は有ります。環境に配慮した工事を行っている業者も存在します。しかし、このような小さな生物のことを重大に考えている人間はどれだけいるでしょう。いくら配慮したとしても、開発が行われる前と後では環境は大きく異なるのです。そのことを理解している人間は本当に少ない。このままではいずれ多くの生物がその数を減少させるでしょう……。私には成人を迎える子供がいます。いずれ結婚し、子供が生まれるかもしれません。私は一人の人間としていずれ生まれてくるだろう多くの子供達に、死んだ川を見せたくは無いと考えています」

 

 そう話す神宮教授の表情には、憂いと悲しみの表情が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分と熱心な方でしたね」

 

 取材を終え、大学の校門で真司は思わず口に出す。よくニュースなどで環境問題について取り上げられることがある。真司もたまに見るものの、自分に出来ることなどせいぜいゴミの分別くらいだろうと大して興味を持っていた訳では無いが、有識者である神宮教授の言葉にはどこか鬼気迫るものがあった。

 

「そうね……。でも私達がやるべきことは、今から会社に戻って記事を書くことよ」

 

 取材した事実に基づいて記事を書く。それこそがジャーナリズムだ。そのモットーに従い令子は真司を連れ、急いで会社へ戻ろうとした。

 だがその瞬間、真司の耳にまるで金属を擦り合わせたかのような甲高い耳鳴りのような音が聞こえだす。それは現実ととある場所を隔てる壁が歪んだ証拠。人間を食料とする怪物が現れたことを示していた。

 

「どうしたの?」

 

 様子が変わった真司に令子が声を掛けると、真司は腹を右手で押さえながら笑みを浮かべた。

 

「ごめん、急にお腹が痛くなっちゃって……先に戻っててくれますか?」

「ちょっと!?」

 

 返事も聞かずに走り出す真司に、令子は呆れたような溜息を吐く。こんな頼りない後輩を持った自分は恵まれないな、なんてことを考えながら、令子は会社へと連絡すべく携帯電話を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人の女子学生が暗がりにある強化ガラスの壁の前でダンスを踊っていた。この場所はあまり人が来ず、壁が鏡の代わりになるためダンスの練習には持って来いの場所だ。ダンスサークルに所属する彼女は、ここでダンスの練習をすることが好きだった。誰の邪魔も入らず、無心で踊ることが出来る。少し気温は高くなってきたが、それでも少し肌寒さを感じさせる時期。そんな中彼女は、汗を迸らせるほど激しく動いていた。

 だが、少し妙なことに気付き動きを止めると、ガラスの壁にゆっくりと近づく。そこに映る自分の姿は、まるでラインを引かれたかのように、白い横縞が幾つも付いている。思わず自分の体を確認するが、そこには何の変哲もない、いつもの自分の姿がある。おかしい。そんなことを思いながら、再度壁に視線を移す。すると自分の背後に二足歩行をするシマウマのような怪物がいることに気付いた。

 

「ひっ!?」

 

 思わず彼女は悲鳴を上げ振り向く。だがそこに怪物の姿は無い。改めて鏡を見ると、やはり怪物の姿がある。どうやら怪物は鏡にしか映らないようだが、そのような異変に理解が追い付かず、女子学生は足を動かすことも出来ない。

 

―ヒヒンッ!!―

 

 怪物はまるで馬の嘶きのような声を上げると、両腕に生えた刃で鏡に映った女子学生に斬りかかる。その光景を、彼女は最期まで悲鳴を上げながら恐怖に染まった目で見ることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大学構内を走る真司は、僅かに聞こえた悲鳴と鳴りやまない耳鳴りに導かれ、暗がりのガラス窓まで辿り着く。そこには既に人の姿は無く、鏡面となったガラス窓越しにモンスターの姿が見えるだけ。それが示す事実に歯噛みしながらも、モンスターを倒すべく彼は懐から龍の紋章が描かれたカードデッキを取り出す。だがそれと同時に、誰かが駆け寄ってくる音が聞こえる。

 

「あ、あなたは!?」

 

 走って来た人物。それは先程、神宮教授の研究室へと案内をした深水亮その人である。彼は真司が手に持ったカードデッキを見て、目を見開く。

 

「まさか、あなたも……?」

「え?」

 

 亮の言葉の意図が分からず、思わず首を傾げる。だがそうこうしている内に、鏡に映るモンスターは亮へとターゲットを移す。

 

「早く逃げろ!!」

 

 このままでは亮の命が危ない。そう考えた真司は慌てて声を掛ける。だがそれよりも早く、モンスターが鏡面の亮を切り裂く……はずだった。

 

「行けっ!」

 

 亮は懐から一枚のカードを取り出して鏡面に翳す。すると彼を襲おうとしていたモンスターとは別の二体のサメの姿をしたモンスターが現れ、シマウマ型の怪物を薙ぎ倒す。

 その光景を見た真司はやっと理解する。亮もまた自分と同じ存在であると。互いに視線を交わすと、亮が最初に口を開く。

 

「城戸さん、ここは一旦協力しましょう」

 

 真司はその申し出に頷くことで了承し、二人は改めてカードデッキをガラスの壁に翳す。すると、鏡面から現れたベルトが二人の腰に装着された。そして二人はそれぞれポーズをとる。それはまるで鏡の中のモンスターに対し威嚇をするようでもあった。

 

「「変身!!」」

 

 その掛け声と共に二人は左手に持ったカードデッキをベルトに挿入する。それと同時に彼らの姿は大きく変化した。真司は赤い体に銀色の鎧を、亮は水色のサメを模した鎧を装着。その姿は、まるで中世の騎士を思わせる。これこそ、現在東京で密かに噂される都市伝説『仮面ライダー』である

 

「っしゃあ!!」

 

 真司が右手を握りしめ自らを鼓舞すると、その姿は鏡の中へ吸い込まれる。続いて量も鏡の中へと入り込んだ。彼らが入り込んだのは、鏡の世界『ミラーワールド』へと続く次元のトンネル。そこを『ライドシューター』と呼ばれるマシンに乗って突き進む。この先の世界はモンスター達が集う危険な世界。それでも彼らは戦う。自らの目的のために。

 

 ミラーワールドでは、獲物を捕らえ損ねたモンスターが、真司達を待ち構えていた。そこへ現れた二台のライドシューターから真司―仮面ライダー龍騎と、亮―仮面ライダーアビスが降りる。

 最初に仕掛けたのは龍騎だ。人間を食らったモンスターに対する怒りを露にするかのように拳を固く握りしめ飛び掛かる。だがモンスターも俊敏な動きで龍騎のパンチを避けると、その長い腕を振り回して攻撃を行う。拳と拳の肉弾戦。だがモンスターの体はバネの様になっており、打撃があまり通用していない。

 それを少し離れた場所で見ていたアビスは、腰のデッキから一枚のカードを取り出すと、左腕に取り付けたコバンザメのような形状のガントレットに挿入する。

 

【SWORD VENT】

 

 その音声と共に地面がまるで水面の様に揺らぐと、一振りの鋸のような剣が浮かび上がる。それを手に取ったアビスは、龍騎と組み会うモンスターの無防備な背中に向かって切りつける。これが仮面ライダーの戦い方。自らと契約したモンスターの力を宿したカードを活用し、モンスター達と戦う。

 ダメージを受け龍騎から離れたモンスターに向かってアビスはさらに一撃、二撃と攻撃を加え続ける。その隙に龍騎もまたデッキから一枚のカードを抜き取り、竜の頭を模した左腕のガントレットに挿入する。

 

【STRIKE VENT】

 

 今度は宙から勢いよく飛来した龍の頭を模した手甲が龍騎の右腕に装着される。

 

「避けて!!」

 

 龍騎の言葉に従い、アビスは前蹴りでモンスターを蹴り飛ばすと、そのまま横に跳ぶ。これで龍騎とモンスターの間を妨げるものは無い。龍騎の許へ、彼の契約モンスターであるドラグレッダーが降り立つ。そして龍騎が手甲を突き出すと同時に、強力な火炎のブレスがモンスターを襲った。モンスターはバネ状の体を伸ばすことでその衝撃を抑えようとする。

 

【STRIKE VENT】

 

 だが今度は横側から大きな衝撃が襲う。その攻撃の主は勿論アビス。彼もまた手甲から高圧水流をモンスターに向かって放っていた。

 二方向から別々の攻撃をまともに受けたモンスターは、その衝撃に耐えきることが出来ず爆散した。

 

「ふう……」

 

 これでまた一体、人間を襲う怪物を倒すことが出来た。龍騎が安堵の溜息を吐く。だがここは戦いの場。決して気を抜いて良い場所ではない。

 

「おらっ!!」

 

 突如として龍騎は側面から大きな衝撃を受け、吹き飛ばされる。壁に叩きつけられながらも体勢を整え、自らに攻撃を仕掛けて来た相手を捉える。そこに居たのは、サイのような巨大な角を持った仮面ライダー。

 

「お前!!」

 

 その姿に龍騎は驚きの声を上げる。目の前に居る仮面ライダー。それはかつて自身のカードを盗んだり、OREジャーナルの乗っ取りを行ったりなど様々な悪事を働いた人物。仮面ライダー同士の争いを楽しむ愉快犯であり、散々引っ掻き回した挙句に悠々と逃げ去っていった、真司が知る限り最悪な人物の一人、芝浦淳だった。

 

「よお、元気そうだな」

 

 まるで昔からの友人に対してのようにフランクに声を掛ける淳―仮面ライダーガイ。だがその内面は、性質の悪い子供そのもの。今度は何をしに来たのか、龍騎は警戒する。だがガイが行動する前に、アビスが手甲を使って強烈な突きを放った。

 

「ちっ!」

 

 ガイもまた右腕に装着していたサイの頭部のような手甲で受け止める。互いの武器がぶつかり合い、高い金属音が鳴り響く。

 

「何だお前。俺の邪魔をしてるんじゃねーよ!」

「黙れ、貴様のような身勝手な人間のせいで、周囲がどれだけ迷惑を被っているのか考えたことは無いのか!!」

 

 苛立ちを露にするガイに向かってアビスが怒号を浴びせる。だがそんなことは知ったことかとガイは一蹴すると、持ち前のパワーを活かして、アビスを振り払う。

 

「ったく、俺が聞きたいのは、あの殺人犯の居場所なのによ……」

 

 どうやら彼は、同じ仮面ライダーである連続殺人犯『浅倉威』を探しているようだ。どうせろくでもないことを考えているのだろう。そもそも奴がどこにいるのかなんて知らない。だがそんなことは関係無いのだろう。彼にとって世界は自分が中心。自分の思い通りに動かないものは容赦なく斬り捨てる。そんな存在であることは十二分に理解していた。

 そしてアビスもまた、傲慢な態度を崩さないガイに対し怒りを感じていた。彼にとってこのような自己中心的な人物は許しがたい存在。まさに不倶戴天の敵だ。それを倒すべく、彼は容赦なく必殺のカードを取り出す。

 

【FINAL VENT】

 

 先程、シマウマ型のモンスターを抑え込んでいたアビスの契約モンスター達が姿を現すと、その体を変形させ、一体の巨大なサメへと姿を変える。そしてアビスがその背に乗ると、勢いよくガイ目掛けて突進した。巨体を持つモンスターの突進攻撃。まともに受ければ、いくら重装甲のガイと言えどただでは済まない。しかしガイは余裕の態度を崩さなかった。

 

【CONFINE VENT】

 

 ガイは一枚のカードを肩の装甲へと挿入する。すると突如としてアビスが乗っていたモンスターの姿は掻き消え、バランスを崩したアビスは地面へと落下した。これがガイの切り札である、相手のカードを無効化する能力。その厄介さは今示した通りである。

 

「それじゃあ、今度はこっちの番だな」

 

 そう言って悠々と近づくガイに対し、アビスは戦闘態勢を崩さない。龍騎もまたアビスを庇う様に立つ。まだ出会って間もないが、少なくとも亮は悪い人間ではない。それに、仮面ライダー同士の争いを止めることが目的である彼にとって、ライダーバトルを活性化させようとするガイは許されざる存在。なんとしてでも止めたいというのが本心だ。

 一触即発。そんな状況の中、互いに静かに睨み会う。だがそこへ新たな存在が割り込んできた。

 

―キシャアッ―

 

 突如として彼らの頭上から巨大な蜘蛛型のモンスターが姿を現す。他のモンスターと比べても大型であるそのモンスターは、見た目に違わないそのパワーで容赦なく龍騎とアビスをその脚で薙ぎ払う。

 

「あー、面倒臭え!」

「な、おいっ!!」

 

 対してガイは、使えるカードが元々少なかったことも有り、ここで戦う意味は無いと逃走する。逃げたガイに対して思うところが無いわけでも無いが、今はそれよりもこのモンスターを倒さなくてはならない。だがアビスは既に使用できるカードのほとんどを失っている。つまり十分に戦うことが出来るのは、カードの消費が少ない龍騎だけだ。

 すぐに視線をモンスターへと戻し、立ち向かおうとする。

 

【MIST VENT】

 

 だがその瞬間、どこからともなく濃い霧が周囲を包み込む。

 

「なっ!?」

 

 突然のことに龍騎はアビスに視線を移すが、彼もまたカードを使用したわけでは無いようだ。この霧を発生させた何者かが近くにいるはず、龍騎とアビスは互いに示し合わせたように、周囲を警戒する。

 

―ウオォンッ!!―

 

 そんな彼らの耳に入ったのは、狼の遠吠えのような声。それはすぐ近くまで聞こえていた。

 

【FINAL VENT】

 

 霧の中で静かに響くカードの起動音。それと同時に霧の中で風は吹き抜ける。それはまるで何頭もの狼が周りを駆け巡っているかのようだ。

 

―キシャアアッ!!―

 

 次に聞こえたのは蜘蛛型のモンスターの叫び声。その声は断末魔の様に聞こえる。龍騎達の周囲を覆っていた霧が、吹き抜けた風によって徐々に晴れていくと、そこには既にモンスターの姿は無く、ただ状況が呑み込めない龍騎とアビスが残されていた。

 

「何だったんだ……?」

 

 何が有ったのか理解できずただ呟く龍騎。そんな彼らを遠くから眺める影が有った。

 

「……」

 

 白銀の装甲を纏った仮面ライダー。胸部の膨らみから女性であることが見て分かるそのライダーは誰にも気づかれることなくミラーワールドから出ていく。

 現実世界に帰還したそれが変身を解くと、一人の女子大生としての姿に戻った。

 

「まさか、近くに他のがいるとはね……」

 

 無表情で独り言を口にする彼女。その姿は、真司が廊下で擦れ違った長髪の女子大生その人だった。そのことを真司が知る由は無い。

 彼女が背中を預ける窓。そこには狼のような姿をした複数のモンスターが、唸り声を上げながら彼女を見つめる姿が映っていた。




続かない。

キャラ設定

白峰灯(しろみねあかり)/仮面ライダーレギオン
●明林大学の女子学生。21歳。一応主人公。
●幼いころに両親が事故死し、叔母夫婦に育てられた。感情が希薄で、表情も無いため、気味悪がられ叔母夫婦からは冷遇されていた。生きることに意味を見出せず、ただ周りに合わせて生きて来た。
●ライダーバトルで叶えたい願いは特に無く、誰が生き残るのかを見てみたいという興味本位で参加した。
●ライダーとしての姿は、女性らしく曲線が多くも、装甲は他と比べ少なくなっている。性能はスピード型。召喚機はダガー型の「牙召刃プライドバイザー」。
●契約モンスターは銀狼「プライドレイダー」。人狼型のモンスターで、同種の「コモンレイダー」と呼ばれるモンスターを複数体使役し、群れとして活動する。AP4000。
●所持カードは「ソードベント」、「ストライクベント」、「アクセルベント」、「ミストベント」、「アドベント」、「ファイナルベント」の六種類。
・「ソードベント」:プライドレイダーの尾を模した「プライドセイバー」を召喚。2000AP
・「ストライクベント」:プライドレイダーの爪を模した「プライドクロ―」を召喚。2000AP。
・「アクセルベント」:使用者を加速させる。2500AP。
・「ミストベント」:周囲に霧を発生させる。1000AP。
・「アドベント」:プライドレイダーを召喚。4000AP。
・「ファイナルベント」:プライドレイダーとコモンレイダーが高速で駆け回りながら、相手を四方八方から爪で切り裂き、最後にライダー本人がプライドセイバーで敵を切り裂く技。5000AP。



深水亮/仮面ライダーアビス
●明林大学の院生。水生生物及び環境の研究を行っている。
●性格は基本的に温厚。しかし身勝手に環境を傷つける人間を好んでは居らず、願いも「正しくない人間の抹殺」という過激なもの。彼自身が考える正しい人間だけが居れば、世界は平和になると考えている。今回は真司と協力したが、その内面は苛烈であるため、いずれは袂を分かつだろう。
●ライダーの能力設定は基本的に「仮面ライダーディケイド」に登場したアビスと変わらない。ただしファイナルベントが、ライアのようにモンスターに乗って突進するというものに変化している。

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