BLOOD AXIS   作:LAKI

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金城鉄壁

 先の戦いから一ヶ月。いつもの旧工場にて腕が完治した綾波は江風と剣術の稽古をしていた。剣を構えた江風の横から綾波が体を動かし、調節していく。まずは構え方からだ。

 「江っち、肩に力入りすぎです。足も不安定だし、それじゃ海に沈むです」

 「う……難しいな、存外に」

 江風はしょぼんと耳を伏せつつされるがままに体を動かす。

 「最初はこんなもんです。でも江っちは物覚えもいいし、スジもいい。すぐ実践に使えるようになるです」

 綾波はそう言いながら、握りを調整していく。

 「戦場での高雄達を見て思った。剣術(これ)は一朝一夕で修得できるようなものではないだろう?」

 「勿論。それに綾波が教えられるのは基本だけ。そこからはキミ自身がやっていくしかないです」

 そう言うと彼女は一歩離れ、剣を構える。

 「何より大切なのは落ち着くこと。戦場で冷静さを失えば命も失う、です」

 江風はそれに対して体制を変えないまま刃先を合わせる。

 「剣だけで戦うならこの青眼の構えでいいです。でも実戦じゃ片手大砲で埋まるから……」

 綾波は左手を離し、剣を下段に構える。最低限の力で剣を保持する持ち方だ。

 「こんなふうに持つといいです」

 「ああ。……早く役に立たないといけないのにな」

 自分はまだ戦力外という事実。彼女の心にはずっと焦燥が募っていた。

 「焦る必要はないです。一人前になるまで守り、導くのが先輩の役目ってもんです」

 「そう、だな。……こんな感じで良いか?」

 江風は微笑み、綾波の構えを真似し握りなおした。

 「そーそー、そんな感じです」

 

 

 「ここにいたのか綾波、江風も」

 しばらく練習した後の休憩中、工場に入ってきた高雄は懐から一枚の紙を取り出した。

 「あぁ、ちょっと連絡があってな」

 そう言って見せた紙の左上には赤い十字……鉄血のマークが描かれている。

 「合同演習……二年ぶりです?」

 綾波はドライフルーツをつまみ、文書を読んでいる。

 「鉄血……というと大陸の西端あたりだったか。わざわざ来るのか?」

 「です。今回はヴィルヘルム第一艦隊が来るみたいです」

 江風はピンと来ず、首を傾げる。それを見た高雄が口を開いた。

 「ヴィルヘルムスハーフェン。鉄血の主要基地の一つだ。重桜で言うと横須賀のようなものだな。ユニオン陣営も何かを準備していると報告があったし、それに備えてという意味もあるのだろう」

 「な、なるほど?」

 彼女は首を傾げたまま相槌を打った。すると綾波が息をつき、補足を加える。

 「つまり大きな戦いが近いから鉄血の強いとことやるってことです。あと知り合いが一人所属してるです」

 「知り合いか。強いのか?そいつは」

 「簡単に言うと向こうにもう一人綾波がいると考えていいです。それだけじゃないけど、それはその時にわかるです」

 大湊最強である綾波と同等。彼女の言葉を聞いた江風は息をのんだ。心の奥底より小さな畏怖とその強さに対する興味がわいてくる。

 「私たちで勝てるか?」

 目を輝かせながら言う彼女の言葉に、高雄はあごに手を当てしばらく考えたのち、綾波の方を見る。

 「今回の演習では綾波が出ないからな。向こうの出方にもよるが。五分がいいとこじゃないか?」

 「綾波が出ない?なぜだ?」

 「それはー……」

 高雄が綾波に視線を送るが、彼女は無言で首を振ったのを見て、江風の方へ向きなおした。

 「内緒にしとこうか。そこまで深刻な理由じゃあないから心配するな」

 「そ……そうなのか?」

 「そーです。気にしねーでほしいです」

 綾波が若干食い気味に、すこしご機嫌斜めで言ってくる。

 「分かった。それじゃ、それまでに基本を教えてくれ」

 「うん、今日のおゆはんまでに叩き込んだるです」

 彼女はそう言うと跳ね起き、剣を担ぎ歩いて行った。江風も続いて立ち上がり、高雄に頭を下げると綾波を追って歩き始めた。

 

 

 

 

 

 その一週間後、演習の日。朝から招集されていた大湊の艦船たちは港に到着した鉄血の鑑達を迎えていた。パーカーを羽織っている綾波は後列で彼女らを眺めている。

 鉄血側の先頭にいる金髪の戦艦が一歩前に出て、赤城へと手を伸ばす。

 「ヴィルヘルム艦隊、旗艦のビスマルクよ。今日はよろしく頼む」

 「大湊の旗艦、赤城です。こちらこそ、よろしくお願いしますね」

 彼女は笑顔で手を取り、かたく握手を交わした。陸に上がった鉄血艦たちは赤城達に誘導され、本館の前に来た。そこでは指揮官が立っており、彼女らに気付くと帽子をとり、ぺこりと頭を下げた。

 「ようこそ、大湊へ。大将殿はお元気ですか?」

 「指揮官はとても元気よ。今回もよろしくと言っていたわ」

 

 そうして会話する二人を他所に、綾波に声をかける人物がいた。

 「久しぶりね、綾波。二年ぶりかしら?」

 彼女が振り向いた先にいたのは、白銀の紙を二つに束ねている重巡、プリンツ・オイゲンだった。

 「久しぶりです、プリさん。二年来ないもんだからもう死んだのかと思ってたです」

 「あっはは!相変わらずひっどいのね、あんた」

 プリンツはどこか乾いた声で笑うと、綾波の背中を叩いている。

 「痛ェです。んなことしてるとまた怒られるです」

 「またまたー、今ならバレな──────」

 へらへらしているプリンツに大きく影が掛かった。

 「オイゲン?またよその子にちょっかい出して……」

 ビスマルクがムッとした顔で叱責するが、彼女はへらへらしたまま右から左へ聞き流している。

 「……そんな態度だと、そのうち艦隊から外されるわよ?」

 彼女は不意に目を見開いたが、すぐに元に戻りため息をついた。

 「わかった。次から気をつけるわ」

 そう言うとビスマルクの横を通り、どこかへと歩いていった。

 「オイゲン、ちょっとどこ行くの?」

 「散歩。そのうち戻るわ」

 ひらひらと手を振りながら歩き去るプリンツ。ビスマルクは頭を抱え、ため息をついた。

 「私、追いかけます!」

 ブロンドの髪をした駆逐艦、Z23が彼女を追い走っていった。

 「済まない、うちのオイゲンは古参だからか我が強くて……」

 ビスマルクは申し訳なさそうに言うが、赤城は「お気になさらず」と言い、客室のある宿舎へと誘導していった。

 「江っち、付いてきてです」

 綾波は短く言うと、艦たちの集まりから抜け、プリンツの向かった方へと歩いていった。

 「あ、綾波さん?」

 

 戸惑いながらもついて行くこと数分。食堂にてのんびりコーヒーを飲んでいるプリンツと必死に説得しているZ23の姿があった。

 「プリさん」

 声をかけると彼女は振り向き、そのまま手招きし席へと座らせた。

 「全く、演習は明日なんだしいいじゃない」

 「良くないです!オイゲンさんがいないとビスマルクさんも困っちゃいますよ?」

 Z23は必死に手をぶんぶん振り、説得している。

 「相変わらずです、ニーミ」

 綾波は水を一口飲みながら言った。

 「いつもこんなんよ、もう……綾波もなにか言ってあげて?」

 彼女は涙目になりながら助けを乞う。

 「ニーミだったか?別にそこまで必死で連れ戻さなくてもいいんじゃないか?本人も戻ると言ってるし」

 「そうじゃないんですー!」

 江風の言葉に彼女は首を振り、半泣きで言う。

 「ニーミは真面目です。こんなとこでダラダラしてるのが許せないんです」

 「なるほど……ならここに居る私たち4人ともダメじゃないか?」

 「細かいことは気にしないです」

 江風と綾波は水を飲みつつ、プリンツ達を眺めていた。

 「……そういえば、綾波。エンタープライズと遭遇したって本当?」

 Z23の言葉をのらりくらりと流していたプリンツは一転して真面目な表情で聞いてきた。

 エンタープライズ。先の戦闘で遭遇したユニオンの空母。彼女はどこか諦めたような表情で聞いた。

 「うん、ここからそう離れてない所でです」

 「その……どうだった?あの子、なにか変わってた?」

 彼女の言葉に綾波は小さく首を振る。

 「良くも悪くも全然です。プリさんも会ったらとにかく注意するです」

 「そーね。あの攻撃を私の盾で防ぎきれるとも思えないし」

 彼女は口を抑え、考え込んでいる。

 「エンタープライズのこと、知っているのか?」

 江風が彼女に聞くと、少し困った顔をした。

 「知ってるけど、よく知らない、って感じね。変わってしまってからはあまり話せてないから」

 そう呟く彼女の顔はこの数十分で一番暗いものだった。それは知人へ向けるというより死者に向けるもののようにも感じられた。

 「あんた、もしかして……」

 江風が言いかけたところを綾波が手で制した。

 「綾波も、プリさんも、この前のエンタープライズも。みんなこの前話した横須賀出身の艦です。でも5年前からみんな離れ離れになって、それ以降はよく知らないんです」

 「そうなのか」

 綾波が話している間ずっと半目で見つめていたプリンツ。彼女は不満げに綾波の頬をつまむ。

 「……なんれふ?」

 「前々から言ってるけど、その呼び方やめてちょうだい。私にも後輩に対する威厳ってもんがあんのよ」

 綾波は呆れたような貌を浮かべる彼女の手を振り払い、つままれていた頬をさする。

 「綾波にとってプリさんはずっとプリさんです。諦めるです」

 「はぁー……ったく、相変わらず頑固ね」

 彼女は頬杖とため息をつき、窓から嫌に澄んだ青空を見ていた。

 

 

 「そろそろ行かなきゃです、プリさん」

 呑気に数分話した後、綾波はふとそう言い席を立った。

 「えー……めんどくさいし、もう少しサボっちゃダメ?お酒ないの?」

 「ダメです、ねーです。またビスマルクに怒られるですよ?」

 彼女の言葉を聞き、プリンツはわざとらしく声を上げ吹き出した。

 「あっははは!いーのよ、そんなの。どうせ私より強いやつなんていないんだし」

 彼女は目を伏せ、暗い表情のまま背もたれに思い切りよりかかって上を向いた。

 「だからこそです。あの頃を知らない奴からしたらしゃーねーです」

 「それはー……確かに、ね」

 彼女は目の上に手を置いたまま答える。

 「ほら、早く行くです」

 「でもあんたが出ないんじゃ全然張り合い無いじゃない」

 駄々をこね、一向に立とうとしないプリンツ。仕方ない、と綾波は息をついた。

 「なら、綾波も出るです」

 「……ほんとに?」

 プリンツはばっと綾波に詰め寄る。綾波は近付いてきた額を手で止め、突き放した。

 「一回ならいいです?ニーミ」

 綾波はZ23の方をちらりと見る。彼女はみるみるうちに顔を真っ青にしながらもゆっくりと頷いた。何が何だかわからない江風をよそに二人は『あちゃー』と言わんばかりの表情をしている。

 「……綾波が出る回、この子引っ込めてあげてです、プリさん」

 「わかったわよ。まだ怖いのね、ニーミ」

 ブルブル震えながら今度は小さく頷くZ23。江風はそっと彼女に近付き、小声で質問した。

 「な、なぁ。何かあったのか?」

 「えと……4年前、初めての演習の時に……」

 彼女は指を合わせながらしどろもどろに話し始めたが、プリンツは二人の間に入り、いたずらっぽく笑みを浮かべた。

 「綾波にボコボコにされて号泣しちゃったのよ、この子。その場に座り込んで出るもん全部──────」

 「ぷっ、プリンツさんやめて!」

 Z23は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして遮る。

 「あの時のことなら、何回も謝ったです」

 「謝ってもらったし、許したけど……怖いものは怖いの!あぅ、思い出したら涙が……」

 「ほーら、泣かない泣かない」

 綾波はおもむろにZ23の頭を撫で、なだめている。声音も表情も何一つ変わらないままなので、なんとなくシュールな光景になっている。

 「ま、あんたが出るんなら私も出るわ。少しは楽しめそうだし」

 そう言うとプリンツはうんと伸びをしてZ23を連れ、食堂を去っていった。

 「さて、綾波達も行くです」

 二人も遅れて出て、演習場へと向かっていった。

 

 

 翌日の午後。演習場では既に戦闘が始まっており、両艦隊は沖から少し離れた地点で撃ち合っていた。演習用のゴム弾を使い、魚雷も威力を弱めたものを使うので、死の危険はほとんど無い。当たると死ぬほど痛いが、それでも死ぬことはないだろう。もちろん、近接兵装も刃を落としてある。

 「綾波さん、ほら」

 「おー、ありがとです」

 初回は休憩になっている綾波と江風。綾波は江風が持ってきたコーラを受け取り、戦いを眺めつつ飲んでいる。

 「……今のところ優勢に見えるな」

 江風はそう言い、座り込んで海の方を見る。

 赤城が指揮している大湊艦隊と、ビスマルクが指揮するヴィルヘルム艦隊。実力自体は五分であり、一進一退の攻防を繰り広げていた。だが今回は大湊側のペースに持ち込み、こちらが一歩リードしているとも言える。赤城の得意とする速攻が上手く効いているようだ。

 「あ、綾波ー。ここにいたのね」

 少し遠くからプリンツが手を振り、綾波達の方へと向かってきた。

 一度目の演習ではプリンツ、綾波という両艦隊の前衛エースをどちらも使っていない。そのせいもあってか、両艦隊共に射撃メインの立ち回りをしている。

 「プリさん、あんたはいつ出るんです?」

 「あんたと同じ、三戦目だけでいいわ。余計に出ても汗かくだけだし」

 「ふーん」

 そんな会話をしていると、どうやら演習が終わったようだ。初回は辛くも大湊が勝利したようだ。沖から皆が戻り始めている。

 「ありゃー、負けちゃったわね。随分踊らされちゃってまぁ」

 プリンツはあーあ、と半笑いの状態で言う。

 「……でもプリさん、コレ三回勝負なんだから次負けたら三戦目ないです」

 綾波の言葉にプリンツの笑顔が凍りつく。

 「マジ?」

 「マジです」

 「つまり次勝たなきゃ?」

 「終わるです」

 今日一番の悲しげな表情をしているプリンツは大きくため息をつき、頭を抱えた。

 「ったく、仕方ないわ」

 しばらく考えた彼女は覚悟を決めたように呟き、立ち上がった。

 「プリさん、出るんです?」

 「ええ。さっさとブッ潰してあんたを引っ張り出すわ」

 心底不満げな顔でそう言うと、彼女は背を向け歩いていった。

 

 

 「綾波ー!勝ったぜ!」

 先ほどの会話から十数分後。演習を終え沖から戻ってきた夕立は綾波に飛びつき、頬をすりつけ始めた。

 「おーよしよし、よく頑張ったです」

 彼女は表情を変えないままいつものように夕立の頭に手を置き、わしゃわしゃと動かし始める。

 「江風、次は拙者と交代だ。頑張れよ」

 高雄は江風の隣にしゃがみ、ぽんと背中を叩いた。

 「あー、高雄」

 綾波は夕立がくっついたまま高雄を呼び止める。

 「どうかしたか?」

 「次、プリさん出るって言ってたです」

 それを聞いた高雄は目を見開いた。

 「……本当か?」

 「うん。二敗したら終わりって言ったら、やる気出しちゃって」

 彼女は困ったように息をつき、考え始めた。

 「……赤城達とも相談する。まず陣形を変えないと対応出来ないからな」

 そのまま暗い表情で彼女は歩いていった。それを聞いていた江風は不思議そうに綾波の肩をゆすった。

 「なぁ、あのプリンツはそこまで強いのか?警戒のしようからして相当なんだろうが……」

 「最強最硬の重巡艦……プリさんはそう言われてるです。多分あれが『プリンツ・オイゲン』の盾、その終着点です」

 どこか遠い目をしながら口にする綾波。それはどこか苦い気持ちを押しつぶすようにも見えていた。

 「あまり想像できないが……」

 「ひとつだけ言うなら、盾を破りたきゃ同じやつを殴り続けることです」

 彼女はそう言いピッと指を立てた。

 「……わかった。その言葉、覚えておく」

 

 

 三十分ほどの休憩をはさみ、第二戦が始まった。それと同時に伊勢は砲塔を動かし一斉に砲撃を始めた。弾丸は弧を描き、ヴィルヘルム艦隊の後衛へと襲いかかる……はずだった。

 

 後衛より少し手前の地点の空間に金色がかかる。それは弾を全て阻み、凄まじい爆風が水面を揺らした。

 

 「いきなりさせる訳無いでしょう?」

 プリンツは不敵に微笑み、上げていた手を下ろす。それと同時に薄金色の膜が空中から消えた。

 続いて前衛艦による魚雷、赤城、山城による空爆がプリンツ達へ一斉に襲い掛かる。一糸の隙も無いほどの連撃だ。彼女はその場から動くことなく、またその仲間たちも制され、動かない。

 彼女は指をパチンと鳴らした。それと同時に彼女を囲むように八枚の薄壁が展開される。

 「もっと踊れるでしょう?この程度じゃ全ッ然足りないわ」

 彼女は盾の一枚を空に、もう一枚を海に沈める。彼女は全ての攻撃を無傷で受けきっていた。その後盾は少しの傷もなく、彼女の周りへと戻っていく。

 「あんまり近づかないでよね。巻き込むの嫌よ?」

 「は、はいっ!」

 その後Z23の返事を聞くや否や彼女は尾のような艤装を前に向け、江風へと砲弾を放つ。まだ距離が空いており難なく避けた江風だったが、その瞬間目を疑った。視界に入ったのは弾丸の裏に隠れていたもう一つの弾丸。なんとか身をよじったがそれは艤装を掠め、抉りとっていく。彼女は思わず短く舌打ちした。開幕早々に艤装が損傷を受けてしまった。

 

 (あの射撃精度にバカげた盾……言うだけはあるな)

 江風は魚雷を手早く再装填しているところ、夕張が目を合わせてきた。同時に小さく示したハンドサインを見て、小さい頷きを返す。

 前衛の江風、夕立、夕張の三人は一斉に散開し、少し距離を詰めていた相手の前衛を囲うような形になる。

 「試作の実験には持ってこいだぞ、こういうのは……!」

 その状態で放たれた弾丸を空中で撃ち抜くZ23達。するとそこから大量の煙が吹き出し、三人を覆いこんでいった。

 「へぇ、煙玉ね。あの大きさでよく出来てるじゃない?」

 プリンツは焦ることなく煙に覆われた空を見ている。

 「お、オイゲンさん!呑気してる場合じゃないですって!」

 「ニーミちゃん、オイゲンさん!これどうしよ……」

 焦って周りを見回し続けているZ23と軽巡、カールスルーエ。

 「ニーミ、カールスルーエ、私の方に来て」

 プリンツは優しい声彼女らを呼び、近寄ってきた二人を抱き寄せた。

 

 ガキン、と左右から鈍い音が響く。

 晴れかかった霧の隙間から近接兵装を構えた江風、夕立の両名が視界の端に見えてくる。二人はプリンツの壁に阻まれ、数メートル離れたところから近付けずにいる。

 「っこの!!」

 夕立は苛立ちつつ何度も壁を叩きつけるが、ヒビ一つ入らない。

 

 後衛は後衛同士で撃ち合い、前衛は前衛同士で戦う。というより、互いに手出しがしにくい状態となっていた。前衛はプリンツに阻まれ、後衛は実力が拮抗しており、前衛に手出しする余裕が無い。

 江風が刀を突き入れると、どこか違和感を感じた。硬いはずではあった。だが、片栗粉を混ぜた水のように押し込むと違う感覚が感じられる。

 (柔らかっ……)

 刀ごと沈みかけ、咄嗟に引き抜いた。刀身を見るが、何かが付着している様子はない。

 あの耐久性には何か秘密がある。そう確信した江風は夕張にそっと目線を飛ばし、再び刀を構えた。

 

 

 「様子はどうだ?」

 今回休憩として外れていた加賀がコーヒー缶片手に綾波達の方へ歩いてくる。休憩中の彼女らは艦としての正装の上に薄手のパーカーを羽織っている。

 「やっぱ鬼門はプリさんです」

 「本来のプリンツ・オイゲンの盾ならあの子らでも壊せたろうに、あの盾はやはり凄まじいな」

 加賀は高雄の隣に座り、缶を開けて一口飲んだ後高雄に手渡した。

 「伊達に綾波の同期、その生き残りじゃあねーです」

 綾波はそうやってどこか嬉しそうに呟いた。

 「横須賀一期生の生き残り……やはりふざけた奴しかいないな」

 「それって綾波もふざけた奴ってことです?加賀ちゃん」

 「さぁな」

 加賀はふふっ、と笑みをこぼす。むっとする綾波の背を「まぁまぁ」と高雄の手が優しく撫でている。

 

 横須賀一期生と呼ばれる艦船。何時ぞや綾波が江風に話した、初期の艦船達の生き残りのことをそう呼ぶ。彼女らはこの時のみに建造された「Mk.1」製であり、その生き残りである彼女らは各陣営の最高戦力に数えられるという。

 「……プリさんの盾で一番面倒なのは『流動性』と『修復力』です。攻撃で傷ついた部分を裏で修復し、常に新しい状態の盾で受け続ける。ブッ壊すには傷ついたとこを裏から殴るしかねーです」

 「破られぬ盾、とはよく言ったものだ。盾のみに専念する訳にもいかず、かと言って本体に集中すれば到底盾を破ることはできない。防御力の一点においては彼女が最強だろうな」

 加賀は頬杖をつき、目を細めた。

 「とはいっても、その性質を教えてやってもよかったんじゃないか?」

 「江っちに鍛えてほしいのは洞察力と分析力。だから最低限しか言わなかったです」

 「……初見で対応できるものでもないだろう、あれは」

 「何言ってるです?素質は十二分にある。ま、だからこそ江っちがどこまでやれるか楽しみです」

 「いい性格してるな、お前は」

 どこか楽しそうに演習を見守る綾波に、彼女は呆れてため息をついた。

 加賀の反応とは逆に、『よほど期待しているんだな』と高雄は表情を少し緩めていた。

 

 「夕張、少しいいか?」

 少し距離をとった江風は遠目からプリンツ達の周りを移動し、夕張に耳打ちする。彼女の策を聞いた夕張は目を細め、嬉しそうに耳を動かす。

 「任せて。新兵器の力、存分に見せてやるぞ」

 

 再び接近した夕張が矢継ぎ早に砲弾を放つ。弾自体に爪がついているそれは壁に引っかかり、飲み込まれつつ爆発した。

 また爆炎に包まれたプリンツ達。視界が晴れたそこに映っていたのは、江風が傷ついたプリンツの盾に刀を突き入れ、引き裂く瞬間だった。

 

 パキィィ……ン

 

 凄まじい音と共に盾が二つに割れ、霧散していった。

 「よ、よし……」

 江風は少し離れてた後、膝に手を付き少し息を着いた。

 次の瞬間、プリンツが一瞬で距離を詰めてくる。そのスピードはおおよそ重巡のものとは思えなかった。

 咄嗟に飛び退こうとするも尻尾の艤装を腹に打ち付けられ、吹っ飛んで行った。

 「ったく……油断しすぎたわね。あいつと戦う前に盾一枚割られるなんて」

 彼女は忌々し気に呟くと先ほどのように速度を上げ、夕張、夕立の方へと急接近していく。

 二人は当然砲撃を放つが、彼女は掌から壁を展開しそれを防いだかと思えばそのまま夕張に壁をぶつけ水中に沈めた。その後斬りかかってきた夕立の刃を悠々と受けると尻尾を後ろから回し至近距離で砲撃し、撃破した。

 

 

 「随分時間かかったわね」

 前衛の均衡が崩れてからの展開は一瞬だった。後衛にプリンツらが到達して大湊側は崩壊していった。全開のプリンツを止められるものはおらず、二回戦はヴィルヘルム側の勝利となった。

 「相変わらずえぐいやりかたするです、プリさん」

 「お互い様でしょう?」

 ずぶ濡れになって体をふいている夕張、吹っ飛ばされてのびている江風、夕立を横目にプリンツは悪びれもせずにのたまった。

 「まあ否定はしねーです。でもプリさんサボりすぎ、です。トップスピード落ちてるです」

 「えー、細かいわねぇ」

 そんなことを話している綾波、プリンツを見て江風は顔が青くなっていく。

 「あ……あれで遅くなっているのか?」

 「ん、江っち起きたです?まあ若干だから対面で長く動いてないと分かりにくいです」

 「コレに対応できないと私たちには勝てないわよー?」

 そう言いいたずらっぽく笑うプリンツ。綾波もその言葉を否定することはせずにいる。

 「コレってことは……何かタネがあるのか?その速さは」

 「……色々ある、です。今度話すです」

 「そうか、わかった」

 彼女は面倒そうに言う綾波に対し素直に返事をする。恐らく説明に時間がかかることなのだろう。

 

 「プリンツさん!またよそのところに居座っても……」

 しばらくするとZ23が少し怒った様子で走ってきた。

 「ニーミ、お疲れです」

 綾波が飲み物を手渡すと一瞬ぱっと笑顔になるが、すぐに思い出したように起こり顔に戻ってプリンツに詰め寄る。

 「ん、ありがとう。じゃなくてプリンツさん、ビスマルクさんが呼んでるんだから早く来てください!」

 その後言い合ったのち、プリンツは不服そうな顔をしながらもZ23に引っ張られていった。

 

 「江風、動けるか?」

 彼女は高雄に呼ばれて顔だけ振り向かせる。

 「ああ、もう大丈夫そうだ。最終回も出られる」

 「よし、それじゃ三回戦の前衛は綾波、江風、拙者の三人で出る。いいな?」

 「了解」

 「江っち」

 後ろから綾波が歩み寄り、隣にしゃがみこんだ。

 「さっきの、いい動きだったです」

 そういって彼女は江風の頭をなでる。すると彼女の顔がみるみるうちに赤くなっていき、彼女の手を振り払った。

 「やっ……やめてくれ!」

 「ありゃ、だっちゃんなら喜ぶのに」

 「私はあんな……むぅ……」

 江風は言いかけるもすぐに顔を伏せた。

 「どうしたです?」

 「気恥ずかしいんだろう。察してやってくれ」

 仏かのような慈愛に満ちた微笑みで綾波を止める高雄。江風はばっと顔を上げ、高雄の足を掴んで揺らした。

 「やめてくれ高雄さん!」

 「照れてんです?江っち」

 「綾波さん!」

 むっとした江風は抗議したが、綾波は彼女の背をポンポンと叩くだけだった。

 

 「それじゃ、行くです」

 「……ああ」

 

 

 

 三回戦目。大湊の編成は前衛が綾波、江風、高雄。後衛が赤城、加賀、伊勢。ヴィルヘルム側の前衛はプリンツ・オイゲン、カールスルーエ、アドミラルヒッパー。後衛がビスマルク、グラーフ・ツェッペリン、ティルピッツ。

 綾波は水上で大きく深呼吸をすると剣をくるくると回し始める。向かい百メートルほどでたたずんでいるプリンツはまっすぐと彼女を見据えている。

 「綾波さん、何か策はあるのか?」

 「全部ぶっ壊す」

 端的に言い放つ綾波。彼女は江風へ一瞬視線を合わせ、その後すぐにプリンツの方へ戻す。

 「プリさんは綾波がやるです。高雄、江っち、他は頼むです」

 「任された。負けるなよ、綾波」

 「ん、当然です」

 

 少しして、演習開始の合図が響く。互いの後衛部隊から一斉に艦載機が飛び始め、空を覆っていく。綾波は急加速し一気にプリンツとの距離を詰める。みるみるうちに縮まる距離。カールスルーエらが行く手を阻もうと砲撃するが、そのすべてを最低限の動きで回避していき、プリンツへ刃を振り下ろす。やはりというか手応えはなく、彼女の壁に阻まれる。

 「単純な仕掛け、あんたらしくないじゃない?」

 「綾波にらしさなんてないです」

 「違いないわねっ!」

 綾波は周囲から迫る壁を飛び避けて一歩距離をとる。ちらっと周囲を見るとヴィルヘルム側の艦二人は高雄たちと戦闘しており、こちらに気を割く余裕はないようだ。

 

 「二人っきりです、プリさん」

 「そうみたいね、最っ高よ」

 プリンツはそう言うと周囲に七枚の盾を展開する。それに呼応するように綾波は剣を向ける。左手の砲塔は強く握りしめたまま。

 

 瞬間、綾波が視界から消える。急加速し一気に視界から外れたことに気付いたプリンツは背後に複数枚の壁を回す。鈍い音が響くと同時に水中から艤装を出し魚雷を放つ。すぐに大きな水柱を立てて爆発した。

 水柱の消えぬうちにプリンツの横からガラスの割れるような音が響いた。見えてきたのは真っ二つに割れ霧散していく壁と刃を振り払う綾波の姿。

 「まずは一枚、です」

 「やってくれるわね……」

 プリンツは盾の一枚を手元に寄せ、ぐにゅん、と形を変えていく。それは長い斧のような形になっていく。

 

 「やっと本気です?プリさん」

 「まさか。さっきから本気よ!」

 プリンツはエンジンを前回にして急加速、綾波へと叩きつけた。綾波は剣でそれをいなし、水面に打ち付けられる。本来壁であるそれの強度は計り知れない。まともに打ち合えば剣が折れてしまう。当然喰らえば深いダメージを負うことは避けられないだろう。

 

 互いに全開でエンジンを回し斬り合いが始まる。重巡とは思えないほどの高速戦闘をするプリンツとそれを超えるスピードでそれをいなして合間に攻撃を加える綾波。

 

 ギィン……ガキィッ……

 

 武器同士打ち合う音が大きく響き渡る。大気を揺らす振動はその場にいる全員に伝わり、思わず一瞬視線が奪われてしまうほどだった。

 スピードで劣るプリンツは残る五枚の盾を駆使して攻撃を受けていく。綾波としても盾を割る機会が訪れず攻めきれない状況が続いていた。

 綾波は一瞬離れ足元に魚雷を打ち出す。だがそれは盾を突破できるものではない。そんなことは百も承知だ。盾に受けられ起爆したそれが立てる水柱。急加速してそれに飛び乗り高く跳躍し、彼女の姿を見失っていたプリンツの頭上から襲い掛かった。

 

 「……っこの!」

 

 咄嗟に上へと意識を向け盾を回した瞬間。綾波はニヤッと笑みを浮かべ、魚雷感から延びる紐をぐいっと引き抜いた。

 その瞬間先ほど水柱の上がったところからもう一度爆発が起きる。予想外の炸裂に防御が遅れ、左腕が爆炎に巻き込まれ軽傷を負う。それと同時に彼女は剣を盾につき沈め、接続点に砲塔を向けゼロ距離で砲撃を放った。

 ガラスの割れる音が再び。プリンツは短く舌打ちをすると霧散しかかった盾で綾波を吹っ飛ばし、残った壁二枚を手裏剣のように飛ばした。空中に投げ出された綾波は何とか一枚はかわすが二枚目の壁が左腕ごと腹に当たりさらに飛んで行った。

 数十メートル遠くで彼女が着水している。どうにか体勢を保って沈まずにすんでいた。彼女はちぎった袖で左腕に砲塔を巻き付け、再びプリンツの方へ接近してきた。

 

 再び盾を一枚飛ばしたが、近くまで飛んで行ったところで綾波は上から剣を叩きつけ、その直後裏から砲撃して盾を引き裂いた。

 再度距離を縮めたが頭上から影が差してきた。双方の艦載機が援護しに来たようで二人を射撃し始める。

綾波はそれをかわし、プリンツは盾を貼り防ぐ。一時撃ち止んだとたんに二人は空中の艦載機へ一斉に射撃し、すべてを打ち落としていく。一発の漏れもなく、正確な射撃で。

 

 「……邪魔が入ったです」

 「どうせ邪魔にすらならないでしょう?」

 互いにうっすら笑みを浮かべ、再びぶつかり合った。そんな二人の表情はつい十分前とは想像もつかないくらいに晴れやかで愉しそうなものであった。その後始まったのは純粋なインファイト。三枚の盾では防ぎきれず、ダメージの響く体では躱しきれない。互いに体を限界まで使い最低限のダメージで最大のダメージを叩き込む。それだけを思考し戦いを繰り広げる。時折入る援護は一瞬で跳ね除けられ、二人の舞台を邪魔できるものは存在しない。

 

 演習終了のアラームが鳴り響く。その間ずっと戦っていた二人はばっと距離をとる。辺りを見渡し状況確認するプリンツを尻目に額から流れる血をぐいっと拭う綾波。戦いが終わってもなかなか二人に近づくものはおらず、江風らが遠めに見ているのをぼんやりと見ていた。

 「プリさん、今回は引き分けです」

 「はぁ……ったく、わかったわ。次は勝つから」

 プリンツはパタパタと顔を扇ぎながら言い放った。

 「望むところ、です」

 

 

 「綾波さん、大丈夫か!?」

 港へ戻ると心配そうにしている江風が声をかける。そんな様子をよそに綾波は平然と水を飲んでいる。

 「あとで修復材使えばいいです。それよりお菓子ないです?」 

 「それよりって……痛くないのか?」

 「慣れてるです」

 「そ、そうか」

 

 江風はふとヴィルヘルム側の集まりを見たが、向こうも心配そうな仲間をよそに呑気な様子のプリンツが見える。まさしく「ふざけた奴ら」であるようだ。

 

 「んで、結果はどうだったです?」

 「二勝一敗でウチの勝ちだ。総合で見るとようやく勝ち越しだな」

 高雄はそう言いながら綾波の血や汗を拭いていく。

 「ふーん、まあプリさんとやるの楽しかったし満足です」

 「それは良かったな」

 彼女はその後包帯を傷に巻いていく。何か言うわけでもなく慣れた手つきで手当てしていく様子を見るにこういったことは珍しくないのだろう。

 「んじゃ綾波はおゆはんまで寝るです」

 「あたしも行くぞー!」

 綾波の言葉に夕立が元気よく返事をして綾波の腕に捕まる。

 「痛い、痛いですだっちゃん」

 「ほら夕立、ケガしてるんだから反対の腕を掴め」

 「わかった!」

 

 「……ここまでケガするような演習だったか?」

 他の艦はケガしていたとしても軽い擦り傷、切り傷くらいで血まみれになっている綾波とプリンツははたから見ていても異常だ。

 「興が乗ったのだろう。気にしなくても死ぬまではやらないさ」

 高雄は彼女には甘いのか、あまり叱責する様子はないようだ。

 「それに言っても無駄だしな」 

 遠い目で呟く様子を見て江風は察した。長い間言っては来たのだろう、恐らく。宿舎に歩いていく綾波の背を見る高雄の目は諦めの感情が深いものだった。

 「苦労しているんだな、高雄さん」

 「もう慣れたさ」

 

 

 その日の夕飯で。はじめは客人がいるというのもあり会話はありながらもおとなしく食事をしていたのだが酒が入り始めたころから全員テンションが上がっていき、プリンツらヴィルヘルムの艦たちもそれに乗して騒ぎ始めてしまう。結果いつものようににぎやかな食事になっていた。

 赤城らと酒を飲むプリンツの脇に抱えられたZ23は飲まされてダウンしているようで目を回しており、それを助けるわけでもなく横目に見ている綾波を時折恨めしそうに見ていた。

 「綾波さん、アレ助けなくていいのか?」

 「死にゃしないです。助けたいなら行くといいです」

 「いや、遠慮しておこう」

 

 「あーやーなーみーーっ!!!飲んでるー?」

 「飲んでねーです」

 紅潮しテンション高めのプリンツがこちらへ歩いてくる。片手にはジョッキ、反対の脇にはZ23。「た……たすけて……」とつぶやいているが綾波は恐らく意図して視線を合わせない。江風も酔っぱらいの厄介さはよくわかっているので同じように目線をそらしながら食事を進める。江風は心の中で彼女に謝った。

 「なあ綾波さん、これいつごろまで続くんだ?」

 「明後日までです」

 「そうかぁ……」

 

 その後彼女らが帰るまで毎夜宴会のような食事になり、Z23は二回ほど吐く羽目になった。江風もプリンツらに捕まり、相当飲まされることになったという。

 

 

 

 「あぁ、例の作戦、出撃するんですか?」

 それと時を同じくして、ユニオンの基地にて。執務室のあるビルの屋上で佇んでいた少女は連絡係の艦に微笑みかける。一歩後ずさった様子を見て少女はおどけるように肩を竦めた。

 「そんなに怯えなくてもいいじゃないですか」

 

 「ジャベリンはお仕事をキッチリこなしますから」

 




スキルの変容
 『覚醒』した艦船は本来その艦が持つ固有技能、スキルが変質し、その効果が増強、または変容することがある。現在確認されている覚醒艦は十七隻であり、そのうちスキル変容が確認されているのが六隻。これが発生する場合大小差はあれど戦闘能力の向上につながる。
 分かりやすい例として鉄血所属のプリンツ・オイゲンが挙げられることが多い。彼女は本来のスキル『破られぬ盾』が変容し、『金城鉄壁』となった。この変化により展開される盾の変質、数の増加、操作性の向上が見られ、他のプリンツ・オイゲンと比べ大きな性能差を見せている。
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