仮面ライダーブート   作:脱臼 させ太郎

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第3話「そしてヤツは動き出す」

 

大学1年の春、講義に遅刻しそうになり焦っていた。

走るスピードを減速させず曲がり角を曲がろうとして、男性とぶつかってしまった。

 

「あぁ!すみません!」

「いえいえ。」

 

バックを落として散らばってしまったノートを拾っていると、

 

「...君さぁ、プログラミングとか好き?」

 

と男性に聞かれた。

 

「...へ...?」

 

突然の質問に間抜けな返事をしながら、男性の顔を見上げた。

髪の色は銀で、ニヤリと口角を上げた、胡散臭い笑顔を浮かべていた。

 

これが僕と箔の出会いだった。

 

 

箔には色んな技術を教わった。

飛電ドライバーの模造品を作ってやろうと言われた時は、いくらなんでも無茶だと思ったが、2人で協力して開発を進めると、それらしい形になってきた。

 

なんとなく、人より得意だからという理由で進んだ技術者の道だったが、

そんなふうに2人でプログラムを作るのは、とても楽しかった。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めて、ベットの上で身体を起こす。

 

どうやら、記憶の一部を取り戻したらしい。

 

そうだ、そうだよ。思い出した。

彼は深田箔だ。

 

俺と一緒にこのドライバーを作った、深田箔だ。

 

でも、肝心なところが思い出せない。

何故俺は、このドライバーを持って逃げて来たのだろう。

そこまではまだ、思い出せない。

 

待つしか無いか、記憶の戻るのを。

 

大きく欠伸をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街で働くヒューマギア達の動きが突然、一斉に止まる。

そして一斉に、目を緑に発光させた。

 

マギア化し、周りの建造物を破壊し始めた。

街は悲鳴と逃げ惑う人々で溢れかえった。

 

 

その様子を少し離れた場所のビルの屋上から、

双眼鏡片手にうすら笑いを浮かべながら、箔は見ていた。

 

 

「貴様が仮面ライダーフェイクか。」

 

 

後ろから聞こえた声に、振り返る。

 

滅と迅だった。

 

「フハハ、あんたらが来んのはちょっと予想外だったわ。

 そうだよ、俺がフェイクだ。」

 

「そうか、なら」

「君を止めさせて貰う。」

 

 

 

 

 

『ポイズン!』

『インフェルノウィング!』

 

 

 

『バーンライズ!』

『Kamen Rider...Kamen Rider...』

 

「「変身」」

 

 

『フォースライズ』

『スラッシュライズ』

 

 

『スティングスコーピオン!』

『バーニングファルコン!』

 

『"Break down."』

『"The strongest wings bearing the fire of hell."』

 

 

 

「ハハハッ、いいぜ。」

 

 

 

 

 

『チープドライバー』

 

 

『ストライプ!』

 

『オーソライズ』

 

 

 

 

「変身」

 

 

 

 

 

 

『チープライズ』

 

 

『グレースケール!ラーキングゼブラ!』

『"Easy to lurk and escape."』

 

 

 

滅と迅は武器を構え、フェイクはヘラヘラと2人の方へ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、街では、暴走するマギア達の進行を

仮面ライダーバルカン、バルキリーが阻止していた。

 

「不破!私は住宅街に流れた奴らを食い止める!ここは頼んだぞ!」

「あぁ、任せろ!」

 

「不破さん!」

「遅えぞ社長!それに海原!」

「は、はい、すみません。」

「滅と迅が野郎を見つけた!向こうのビルだ!こっち片付けたら応戦するぞ!」

「分かった!海原君、いくよ!」

「はい!」

 

 

 

 

 

『Every body、ジャンプ!』

『ファング!』

 

 

『オーソライズ』

『ミミックライズ』

 

 

「「変身!」」

 

 

 

 

 

『メタルライズ!』

『チープライズ』

 

 

『Secret material 飛電メタル!メタルクラスタホッパー!』

『キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!』

 

『"It's High Quality."』

『"Fangs that can chomp through concrete."』

 

 

「はあぁぁぁっ!」

 

マギアの群れに突っ込んだ。

右から、左から、次々と襲い来る敵の身体を

休むことなく斬りつける。

ゼロワン、バルカンとの共闘。

僕は正直、興奮状態だった。

 

 

かなりマギアの数も減ってきた。

もう少しで片付けられそうだ。

 

その時、一体のヒューマギアがこちらへ歩いて来るのが見えた。

マギア化はしていなかったが、目は緑に染まり、ハッキングされた様子だった。

不審に思っていると、両手に謎のドライバーらしきものと、プログライズキーを持っていることに気付いた。

あれは...『ライジングホッパー』キーだろうか。

 

そのヒューマギアはドライバーを装着し、キーを装填した。

 

 

『フェイクライズ』

 

 

『ライジングホッパー!』

 

 

 

見たことの無いマギアの姿だった。

恐らく、あのキーは模造品だろう。

『海賊版』の『ライジングホッパー』で変身したマギア、

『ホッパーマギア』とでも呼ぶべきか。

 

 

一瞬で僕との距離を詰め、殴りかかって来た。

あまりの俊敏さにガードが間に合わず、後方に吹き飛ばされた。

なんてスピードだ。今までのマギアとはまるで動きが違う。

僕はすぐに立ち上がり、反撃をする。

が、その攻撃は素早い動きで躱され、逆に一方的に反撃を喰らった。

こちらが一発入れる間に、向こうは三発入れてくる。

完全に押し負けている。

 

大きく跳び上がり、強烈なキックを見舞われた。

僕は吹き飛ばされ、後ろにあった長い階段の上から転げ落ちた。

そして、地面に頭部を強打した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、全てを思い出した。

 

 

頭を打って飛んだ記憶を、頭を打って取り戻すというのは滑稽なことで

にわかには信じがたいが、本当に、全てを思い出したのだ。

 

ようやく、全てを。

 

あぁ、早く、早く、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての真相を、箔に伝えなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホッパーマギアが階段を降って来る。

 

僕は立ち上がり、ドライバーに刺さったキーを押し込んだ。

 

 

『バイティング トランセンド!』

 

 

両腕から直線上に無数の刃を生成し、

左右に振り回した。

マギアに逃げる間も与えず、斬りつける。

ダメージを限界まで喰らったマギアは爆散した。

 

それを見るや否や僕は、

箔のいるビルへ走り出した。




transcend(トランセンド)
訳:超越する、上回る
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