仮面ライダーブート   作:脱臼 させ太郎

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第4話「コレが、全ての真相」

滅のアタッシュアローから放たれた矢をフェイクが回避する。

避けたところに迅が斬りかかるのを、また躱す。

お互いに有効打がないまま、互角の攻防を繰り広げていた。

 

「...思っていた以上に手練れだな。」

「フェイク、君の目的はなんだ!」

 

「ハハハッ、目的なんてねぇよ!俺はただ暴れてぇだけさぁ!」

 

「人間の悪意の中でもより悪質な動機だな。なんとしても止めさせて貰う。」

 

「そうだなぁ。でもよ、このままじゃ埒アカねぇからさぁ、そろそろケリつけようぜ。」

 

 

そう言って、一つのプログライズキーを取り出した。

 

 

「?!...それは...」

 

 

フェイクが手にしたのは、「ランペイジガトリングプログライズキー」の模造品だった。

 

 

『ランペイジバレット!』

 

『ミミックライズ』

 

 

『チープライズ』

 

 

 

 

『Gathering Round!ランペイジガトリング!』

『"The power of these progrise keys gather for great power."』

 

 

 

 

 

「フハハァ!」

 

 

フェイクが両手のひらを前に突き出すと、サソリとハヤブサのライダモデルが出現し滅と迅を襲った。

 

「くっ!」

 

 

『スピード!ランペイジ!』

 

 

ライダモデルの処理に手一杯になっている隙に、高速で容赦なく攻撃する。

 

「おらよぉ!!」

 

 

「「ぐわぁぁぁっ!!」」

 

 

 

「コイツも喰らいなぁ!」

 

 

『ランペイジスピード トランセンド!』

 

 

 

チーターのライダモデルが暴れ回り、2人を攻撃する。

フェイクは上空に飛び、2人目掛けて無数の針を射出した。

地上と空中から挟み撃ちされた滅と迅は、変身解除まで追い込まれた。

 

 

「...コレは貰ってくぜ。」

 

 

2人のドライバーから抜け落ちたプログライズキーを、フェイクは回収した。

 

 

 

その時、そこにはもう1人のライダーの影があった。

 

 

「よぉ、よく出来た『偽物』じゃねぇか。...『本物(オレ)』が相手してやるよ。」

 

 

 

 

「...!バルカン!」

 

 

 

『ランペイジバレット!』

 

『オールライズ!』

 

『Kamen Rider...Kamen Rider...』

 

『フルショットライズ!』

 

 

『Gathering Round!ランペイジガトリング!』

『"Mammoth!Cheetah!Hornet!Tiger!Polarbear!Scorpion!Shark!Kong!Falcon!Wolf!"』

 

 

 

 

「へぇ、じゃあ俺は」

 

『ストライプ!』

『ミミックライズ』

 

『チープライズ』

 

『ラーキングゼブラ!』

 

 

「ほお...。それでいいのか?」

 

「あぁ。さ、撃ってこいよバルカン。」

 

「フン!だったらお望み通り...」

 

 

『オール ランペイジ!』

 

『ランペイジオール ブラスト!』

 

 

 

『ラーキング トランセンド!』

 

 

 

「喰らいやがれ!!」

 

 

 

 

 

虹色の弾丸をバルカンが撃ち出す。

 

フェイクは微動だにせずにいた。

 

 

 

そして放たれた弾丸が命中する、その直前。

フェイクは姿を消した。

弾丸は空を切る。

 

 

「何ッッ...?!何処にッ...」

 

 

 

 

バルカンの変身が解けた。

無論、本人の意思とは関係無く。

 

 

「......っなっ...?!」

 

 

その背後には、いつの間にかフェイクが『本物』の「ランペイジガトリングプログライズキー」を持って立っていた。

 

 

「コイツも貰っとくぜぇ...!」

 

 

「貴ッ様ぁ...!!」

 

 

「さてと。じゃ、俺もう帰るわ。

 ハハッ、あばよ御三方。」

 

フェイクは踵を返す。

 

 

 

「くそっ!!おいッ!待ちやが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ってくれっっっ!!!箔っっっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイクの足が止まった。

 

 

 

 

 

「......今更来てどうしたんだよ、扇豆。んなこと言われても待ってやんねぇぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「思い出したんだ......全部...!!」

 

 

 

 

 

 

「っ......!...へぇ...。じゃ、...俺の『嘘』にも、気付いちゃった感じ?」

 

 

 

 

「あぁ...。お前はこの前、街を破壊する計画を立てたのは、僕とお前の『2人』って話した。でもそれは嘘だ。僕は一度もお前から計画について話されたことは無かった。お前はずっと『1人』で企ててた...。

 

 

 

 

 

 

  "飛電を潰す計画"を......!!」

 

 

 

 

 

 

「な...んだと...?!」

 

「飛電を...」

 

「潰す......?!」

 

 

 

 

 

 

 

「...やっぱバレてたのかよ。...そうだ、俺はずっと飛電インテリジェンスを潰す計画を立ててた。お前を俺の家に通わせてプログラムの組み立てに誘ったのも、本当の目的は教えないままお前を騙し、利用して、ドライバーとプログライズキーを完成させる為だった。...筋が良さそうな奴だと思ったんだよ。扱いやすそうだとも思った。実際、出来上がったものは期待以上だったよ。...この間あんな嘘をついたのも、お前を引き戻して、また利用してやろうと思ったからだ。丁度都合良く記憶が飛んでたからなぁ...ハハッ。...で?いつ気付いたんだよ?」

 

 

 

 

 

「...ハサミを借りようと思ったんだよ。お前の机の棚を開けたんだ。そしたら、ノートが出てきた。飛電を襲撃して、崩壊させる計画が綿密に書かれたノートが。とんでもない情報量だった。尋常じゃない程の労力が注ぎ込まれてるのが、一目で分かるような。...街のヒューマギアをハッキング、暴走させることで仮面ライダー達をおびき寄せ、プログライズキーを奪う。そのプログライズキーに蓄積された戦闘データから、新たに強力なプログライズキーを生み出し、その力で飛電を破滅に追い込む。これがお前の計画だ。」

 

 

「...ただ暴れることだけが目的というのも、嘘だったか。」

 

「お前がそこまでして飛電を潰したい理由はなんだ?」

 

 

「...『復讐』だよ。14年前のデイブレイク、あの街の中にあった工場と提携を組んでた俺の父親の事業は大失敗!ついでに、期待を込めて買ってた飛電の株価も大暴落。おかげで、当時少しばかり小金持ちだった俺の家はあっという間に貧乏生活に様変わり。裕福だった頃調子に乗って周りのヤツを見下してた俺は、それをきっかけに今まで見下してたヤツらからいじめを受けるようになった。あぁ、なんもかんもあんなものを計画し出した飛電が悪い!だからぶっ潰す!!ガキの頃からずっと、そう考えてたんだよ。」

 

 

「それが、動機だったのか。」

 

 

「あぁ。で、お前はそんな俺の企みに気付いて、計画を阻止する為にドライバーとキーを持ち出して逃げたって訳か。扇豆。」

 

 

 

 

「...いいや。少し、違う。」

 

 

 

 

「......何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...お前の計画に気付いて僕は最初、見なかったことにしようと思った。お前が飛電を潰すなら、ラッキーだと思ってた。」

 

 

 

 

 

 

 

「僕も飛電が嫌いだった。僕には優秀な兄が2人いて、どっちも優れた才能を持ってて、2人とも飛電の社員になった。でも、僕は兄2人とは違った。特に優れた能力も持ってなくて、家族からも兄達と比べられて、何も出来ないヤツだって馬鹿にされた。それがきっかけでAI社会が、飛電が、ヒューマギアが嫌いになった。だから、お前が飛電を潰して僕の兄達が痛い目を見るんなら、それも気持ちがいいと思った。もし仮にお前が計画に失敗したなら、僕はその計画を知らなかったって、責任逃れをすれば良い。そう思ってた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも気付いたんだよ。それも結局は、自分の無力さを目の当たりにするだけだって。そうだ、僕は......

 

 

  僕は、アンタに、嫉妬してた。」

 

 

「嫉妬...?」

 

 

 

「あぁ、そうだ。僕は嫌いなものがあるくせに、気に入らないものがあるくせに、自分の力でどうかしようともしなかった...。でもアンタは...自分の力で飛電を潰そうと計画を立てた!考えに考えて、綿密な計画を立てて、そんで、あのゼロワンドライバーの技術を模倣してみせて、あの飛電インテリジェンスを陥れる程の力を手にした!アンタはとんでもない才能を持ってた。僕は、アンタのことを凄い人だと思った!あれだけ嫌いだった技術者の道も、プログラミングも、アンタのおかげで好きになれた!

 

 

僕はアンタに憧れた!!アンタみたいになりたいと思った!!

そしてアンタを、超えたいと思った!!!アンタに、勝ちたいと思ったんだ!!!

だから逃げた!!アンタを倒したくて、他の誰でもない、僕の手で!

アンタを倒したかったからっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから...だから僕は...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタの、『敵』になるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...そうかよ......じゃあ、まぁ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...楽しみにしといてやるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って、箔は姿を消した。

 

 

 

 

 

姿を消す間際、仮面で見えなかったけれど、

その表情は少し、笑っていたような気がする。

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