戦姫絶唱シンフォギアにダブルクロスのキャラを混ぜてみた   作:ヨン

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0-3話という名の説明会


0-3話

【特異災害対策機動部二課へようこそ!!】

 

 歓迎の声と拍手に出迎えられ呆けていたら、肩を叩かれたので振り向くといつの間にか弦十郎さんがシルクハットを被りステッキを手にしていた。似合わねぇ。

 

「ようこそ早乙女仁くん!歓迎しよう!盛大にな!!」

 

 銃弾の雨とミサイルカーニバルを貰いそうな予感がしたがそんな事は無く、室内にはテーブルの上に様々な料理とグラスと飲み物が置かれ、スーツや研究者のような白衣を着た者達が大半で、「よく来てくれた」とか「とても格好良かった」等と声を掛けられ、写真まで撮ろうとする者まで出てくる。最終的には中央に俺と弦十郎さんにツヴァイウイングの二人を据えて全員で集合写真みたいになった。後で焼き増しして貰おう。

 

 三日間も飲食していなかった為、撮影会が終わった後、早速立食パーティーとさせてもらおう。美味い料理に舌鼓を打ち、備え付けのパセリや茹でたブロッコリーまでキレイに平らげた為、料理を作ってくれたスタッフが満足そうに笑顔でいた。

 食事を終えると源十郎さんにソファーに座るように促されると、テーブルの上に飲み物を差し入れしてくれた女性、友里あおいさんが珈琲を置いてくれた。

 

「まず早乙女仁くん、先の戦い含めて君が何回もノイズと戦ってくれたおかげで何人もの人が救われた。礼を言わせてくれ。ありがとう!」

「・・・私は礼を言われるほどの事はしてません。救えなかった命もあった・・・」

 

 実際に俺は警報が鳴ってからしかノイズの発生場所は分からない。それはつまり、犠牲者が出てからしか行動出来ないという事。

 灰の山に涙を流す人達の姿が脳裏を過る。

 そんな心情を察したのかツヴァイウイングの二人が俺の前に出てきた。

 

「そんな悲しい顔をしないでくれ。アンタの御蔭で助かった人だって居るんだぜ!」

「奏の言う通りです!私達では救えなかった人を貴方は救ったんです!もっと胸を張って下さい!」

「・・・推しの御二人に言われると何とか気持ちが軽くなりました。こちらこそ、ありがとう」

「早速だが本題に入らせてもらう。君には我々の協力者になってもらいたい」

 

 その言葉は予測出来たが、どの様に答えれば良いか・・・。

 

「・・・何か私達に協力出来ない理由があるのですか?」

 

 顔を上げるとツヴァイウイングの二人が悲しそうにこちらを見つめていたので慌てて俺の胸の内を明かした。

 

「あっ!いや!原因は俺にあるが選択する決定権はそちらにあるというか・・・」

 

 まあ、二課の人達は首を傾げるよな。

 

「俺のようにレネゲイドに感染・発症しオーヴァードになった者には、特定の❮衝動❯を内包します。この湧き上がる衝動を全くコントロールできなくなった時、オーヴァードは破壊衝動や殺戮衝動など、自らの衝動を満たすことに一切の心理的躊躇がなくなった❮ジャーム❯と呼ばれる文字通りの化物になります。ジャームの中には湧き上がる衝動に理性が飲み込まれて獣のようになる者もいる一方、それまでとまったく雰囲気が変わらずに社会生活を送れる者もいます。しかし、どのような者であっても自身の衝動を満たすことを生存目的にすることだけは変わらない。そして、私の衝動は❮闘争❯です。それに飲み込まれた時、戦いを争い求める怪物。人類種の天敵になるでしょう。そのような危険性がある事を理解した上で判断して欲しい」 

 

 危険を承知し戦力の強化を計るか。安定を取るか。

 二課が。源十郎さんがどのように判断するか。思案しながら珈琲を口にしていると近くに居るツヴァイウイングの二人がメッチャ不安そうな顔で見つめている・・・。

 

「OK、わかった!そんな泣きそうな顔しないでくれ」

 

 泣いて無いだの。そんな顔して無いだの抗議の声を上げる二人をあやすと俺は先の戦いを経て感じた事を伝えた。

 

「希望が無い訳じゃない。根拠は二つ。向こうでは俺より若い歳でオーヴァードに覚醒し老衰で天寿を全うした人も確かに居た。もう一つは・・・」

 

 俺は真っ直ぐにツヴァイウイングの二人を見つめる。

 

「君たちだよ。天羽奏さん、風鳴翼さん」

 

 二人は心当たりがあるのか真剣に見つめ返していた。

 

「これは感覚的な事だか、この世界に来てから一人で戦っていた時と比べても、今の俺の身体に掛かる負担がいつもより軽いんだ。だから君達にレネゲイドに作用する何かが有ると思うんだが?」

「そこからは私から説明しましょう」

 

 白衣を着た眼鏡の女性、櫻井了子さんが説明してくれた。

 彼女がノイズに対抗する為に提唱した理論に基づき運用される『シンフォギア・システム』。それによって奏達はパワードスーツ、シンフォギアを纏う。そしてそれは、フォニックゲインという歌によって発生するエネルギーを使用している。一般的な物理エネルギーの効果を減衰〜無効するノイズに有効打を与え、炭素転換を無効化させる。だが、そのシンフォギアを纏うことができる人間は非常に希少で、日本国内で確認されてるのは奏と翼の二名だけであった。

 そりゃ、今まで二課のバックアップがあったとしてもたった二人でノイズと戦っていたんだよな。そこに共に戦ってくれるかもしれない人が現れたんだか期待も合ったんだろう。

 ノイズに付いても市井で入力した情報とそれ程差異がない事が分かった。

 

「成程。彼女達の歌がレネゲイドに良い効果を与えるなら二課に協力した方が良いですね。弦十郎さん・・・いや、風鳴指令。私を二課に協力させて下さい」

 

 僅かだが希望が持てた俺は二課に所属することを選んだ。

 

「天音さん、風鳴さん、これからよろしくお願いします」

 

 改めて共に戦う二人に挨拶したのだが何故か不機嫌だ。

 

「一緒に戦っていく仲間なのにアタシ達の事、名前で呼んでくれてたのに、他人行儀だよね?」

「そうです。私達の事は奏と翼と呼んでください」

「いや~・・・オジサンとしては若い娘を名前で呼ぶのはハードルが高いと言いますか・・・恐れ多いと言いますか・・・」

 

 俺が困っていると何故か壁面のモニターが起動すると先の戦闘の映像が流れ出した。丁寧に音声付きで。

 

『奏は左翼!翼は右翼に展開!正面は俺が抑える!』

『奏!突出し過ぎだ!囲まれて袋にされるぞ!翼!奏の後退を援護しろ!右と正面は俺が10秒持たせる!』

『前に出過ぎるな!避難が完了するまで時間を稼げ!それまでは積極的に攻勢には出るな!耐えるんだ!!』

『飛行型を中心に叩け!絶対に俺達の後ろには通すな!!』

『ヨシッ!避難完了したようだな。これより殲滅戦に移行する!一匹も逃すな!』

『残りの大型は一体・・・!?クソッ!アイツ、ノイズを吐き出してやがる!!奏!翼!援護しろ!あのデカブツを仕留める!!』

 

「改めて見ても素晴らしい前線指揮だな。エージェントリーダーを務めていたのも納得・・・どうした?」

「俺メッチャ命令してんじゃん・・・しかも初対面の娘、呼び捨てしちゃってるし・・・こんなオジサンに・・・穴があったら入りたい・・・虫になって土の中に埋まっていたい・・・」

 

 マジで凹んだ俺を二課の皆が慰めた御蔭で何とか気持ちを持ち直せた。

 

「お恥ずかしい所を御見せして申し訳ありません・・・」

 

 周りは苦笑交じりで気にしないように言ってくれる。メッチャいい人達だ。

 

「それに自分でオジサンって言ってるけど、全然若いじゃん」

「いや、君達から見たらオジサンだよ。もう30越しちゃってるし」

 

 その時、場の空気が変わった。皆がこちらを凝視している。

 

「嘘・・・」

「20代前半位だと思ってた・・・」

「下手したら未成年でも通じるぞ・・・」

 

 誰が言ったか、そんな声が聞こえてきた。流石にこのままでは締まらない為、一つ咳払いすると立ち上がり二課の皆に向き直り出来るだけ真剣に行う。

 

「元UGMエージェント・早乙女仁。これより二課の指揮に入ります。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」

 

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