GOD EATAR 〜血と意志を継ぐ者〜   作:?BOX

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一気に人物が6人もでてくるところは大変でした。
うまく書けてるといいですが…

今回が今までの中で一番シリアスかもしれません。
アラガミどころか神機もでてきませんが…


No.011 ふたつの家族

 

 

ソウル達は準備を済ませてエントランスに戻ってきている。

ソウルは着替えを済ませて包帯がなるべく見えないようにしている。

 

「よし、外出許可をもらいにいくか!!」

 

2人は許可をもらいにヒバリのいるカウンターへ向かう。

 

「ヒバリさん、2人分の外出許可お願いします」

「はい、わかりました。自宅に帰られるのですよね?」

「はい、そうです」

「申請しておきますね」

「ありがとうございます。もう行って大丈夫ですか?」

「はい。気をつけて行ってきて下さいね」

 

ソウルとコウタはアナグラをでて自宅のあるE26エリアへ向かう。

 

「ソウルー、ちゃんと道覚えとけよー」

「わかってるって」

「家着いたら別々に自分の家行くか?」

「それでいいんじゃない?話がひと段落したらうちに来てよ」

「わかった!!オレもソウルの母さんに挨拶しないとな」

「俺も家族ぐるみでお世話になってるから是非挨拶したいよ。久しぶりにノゾミちゃんにも会いたいし」

 

ソウルはヒカルの友達ってノゾミちゃんなのかなと考えながらいう。

 

「ノゾミが可愛いからって手ぇ出すなよ?」

「そんなことしないよ。まだ11歳でしょ?」

「じゃあ、歳もっと上だったらいいのかよ⁈」

「別にそういう問題じゃないよ!!」

 

たわいない会話を続けながら自宅へ向かう2人。

そのうち自宅の近くへ辿り着く。

 

「オレんちはあそこだからその隣だな」

 

コウタは自宅を指差していう。

 

「久しぶりに母さんとヒカルに会えるよ!!」

「オレも1週間以上は会ってないからなー」

「じゃあ、行こうか!!」

「おう、またあとでな!!」

 

2人はそれぞれの自宅へ向かう。

 

「ただいまー?」

 

ソウルは恐る恐る自宅のドアをノックする。ほんとに自分の家族がいるのかどうか不安なようだ。

 

「ソウル?おかえり」

「おにいー、おかえりー」

 

ソウルの母親のノゾミがドアを開けて出てくる。

母親のノゾミはストレートで肩より少し長い黒髪にソウルと同じ青い目を持っていた。

足元から7つ歳の離れた弟が出てきてソウルに抱きつく。

 

「うん、ただいま」

 

ソウルは家族の顔をみてホッとした顔になる。

そして中へ入り椅子に腰かける。

 

「いきなりメールで今日来るっていうからびっくりしたわー」

「いきなりでごめんね。今日たまたま休み取れたからさ」

「まあ、神機使いは忙しいものね」

「おにいは彼女できた?」

 

いきなり弟のヒカルが無邪気に尋ねてくる。

ヒカルは少し茶色がかった黒髪で目は黒である。

 

「い、いきなりなんてこと聞くんだよ⁈できる訳ないよー」

 

ソウルは慌てて返事をする。

 

「じゃあ、好きな人くらいはできたかしら?」

「それもいないってー」

 

普段は人をからかうのが得意なソウルだが、家族の前では立場が逆なようだ。

 

「いい年頃なんだからどんどん恋しなさいよ」

「もー、母さんはうるさいなー」

「そういえば、初恋のアンナちゃんには声もかけられなかったのよねー」

「そんな昔のこと言わなくてもいいじゃん!!」

 

ソウルは顔を赤くしながらいう。

 

「あの頃のソウルは可愛かったわねー」

「そんなことよりいまの話!!アナグラにもたくさん友達できたよ!!」

 

ソウルは無理矢理話題を変える。

 

「例えばどんな人?」

「一番仲良しなのは同期のコウタかなー。この前メールでいった昔の友達だったっていったのもコウタだよ!!」

「コウタくんね。なんか昔話してた気もするわー。神機使い役をやらせてくれないとか」

「そうだったかもね。あと仲がいいのはカノン先輩かなー。手作りのお菓子をくれたりするし、優しいし」

「あら、意外とモテるのね!!」

「おにい、モテモテー」

「カ、カノン先輩はただの先輩だよ!!先輩として優しくしてくれてるだけだよ!!」

「そうかしらねー」

「あ、あとはリッカさんとか!!整備士の人でね、神機のことが大好きで俺にもすごくよくしてくれるんだよ!!」

「やっぱりモテるじゃないのー」

「だから、違うって!!ヒカルだって女の子の友達できたんでしょ?」

「うん、できたよー。すごくやさしくてたのしいおねえちゃんなんだー」

「ヒカルはその子のこと好きなの?」

「うん、好きだよ!!」

 

ヒカルは無邪気に笑う。

ソウルはからかえそうにないなと思う。

すると、コンコンとドアを叩く音が聞こえてくる。

 

「はーい」

 

母親のノゾミが出迎える。

 

「あら、藤木さん!!どうぞ上がって」

「ありがとうございます、娘と息子も大丈夫ですか?」

「どうぞどうぞ」

 

コウタとコウタの母親と妹のノゾミが入ってくる。

 

「コウタ!!」

「おう、ソウル。おじゃまします」

「あら、知り合いだったの?」

 

ソウルの母親が問う。

 

「さっき話した同期のコウタだよ」

「まあ、お隣だったなんてすごい偶然ね!!うちも藤木さんによくしてもらってるのよ」

「やっぱりメールの隣の家の人はコウタの家族だったんだね!!」

「ヒカルくーん!!」

「あ!!ノゾミおねえちゃん!!きょうもあえたね!!」

 

ヒカルがノゾミの元へ駆け寄る。

 

「ヒカルくんは甘えん坊だねー」

 

ノゾミはヒカルの頭を撫でる。

 

「えへへ」

 

ヒカルはとても嬉しそうにしている。

 

「あ、俺のノゾミにデレデレするなよな!!」

 

コウタはヒカルに向かっていう。

 

「コウタ、大人気ないでしょう?ノゾミも弟ができたみたいって喜んでるんだから」

 

コウタの母親がコウタを止める。

 

「まあ、みんな、とりあえず椅子に座ってもらえます?お茶を入れますから。ソウルは奥から足りない分の椅子を持ってきて」

「わかったよ、母さん」

 

ソウルは奥の部屋に向かう。

 

「いきなりすみません。こんな大人数で。私も手伝います」

「ありがとうございます。でも、たくさんいた方が楽しいですから気にしないで下さい」

 

親同士がお茶を入れ始める。

ソウルは奥から椅子を持ってきて机の周りにおく。

 

「まあ、コウタ、ノゾミちゃんも座ってよ」

「おう、ありがとな」

「ノゾミちゃんは俺のこと覚えてる?」

「うーん、ちょっとしか覚えてないんだー」

「そっかー、仕方ないね。ソウルだよ、よろしくね」

「うん、ありがと。ソウルお兄ちゃん」

 

4人の子どもは椅子に腰掛ける。

 

「ノゾミは可愛いだろ?」

「そうだね。昔よりすごく可愛くなったよ」

 

ソウルはヒカルと楽しそうに話すノゾミを見ながらいう。

 

「お茶が入ったわよー」

 

ソウルの母親がお茶を運んでくる。

 

「ありがとうございます」「ありがとー」

 

藤木兄妹はそろってお礼をいう。

 

「じゃあ、さっそく2人の仕事の話を聞かせてもらおうかしら?」

 

ソウルの母親が話を振る。

 

「わたしも聞きたいー!!」

「ぼくもー!!」

 

年下2人は目を輝かせ、興味津々な様子で聞いてくる。

 

「じゃあ、いいよ!!この前ちょうどコウタと2人でミッションにいったんだよ!!ね?コウタ?」

「そうだな!!オレがコンゴウに向かってズドーンって撃ってダウンさせたところを…」

「俺がズバズバって斬って倒したんだ!!」

 

2人はジェスチャーを使いながら大袈裟に話す。

 

「お兄ちゃん達すごーい!!」

「すごいすごーい!!」

 

ヒカルとノゾミは楽しそうに話を聞いている。

 

「だろ?オレ達はすげぇ強いから心配いらないぜ!!」

「うん、俺達は無敵のコンビだよね!!」

「なにいってるのよ、心配するに決まってるでしょう」

 

コウタの母親が口を開く。

 

「大丈夫だって!!」

「まあ、こうやってうちにいる間は心配しなくて済むんだけど…」

「そうですよね。ユウマも神機使いだったから少しは慣れてはいるけどやっぱり心配なものは心配よねー」

 

ソウルの母親もコウタの母親に同意する。

 

「母さんまでー。そんなに心配しなくても俺達は大丈夫だって!!」

「わかったわ。ユウマと同じでどうせなにいっても無駄なんでしょ?」

「そうかもしれないね」

 

ソウルとソウルの母親は笑いながらいう。

 

「それより、ソウルはいつの間に一人称が俺になったのかしら?」

「え?いや、これはー…」

「なんか変よね?」

 

ソウルの母親はヒカルに同意を求める。

 

「うん、おにいカッコつけー」

「あ、それオレも思ってた!!なんか違和感あったんだよなー」

「え?コウタまで?」

 

ソウルは少しばつが悪くなっている。

 

「なんか理由があるの?」

 

ソウルの母親が問いかける。

 

「実は…僕のままだと嘗められると思って…」

 

それを聞いてコウタは笑いだす。

 

「あはは、なんだよそれー」

「だって、まだ13だし、子どもっぽいし…。だから敬語も頑張って使ってたんだよ!!」

「ソウルはそんなこと気にしてたのかー」

「そんなことじゃないよー」

 

珍しくコウタがソウルをからかっている。

するとコウタの母親がいう。

 

「アナグラにはそんなことでソウルくんのこと嘗める人なんていないでしょう?

だって、ソウルくんはそんなに生き生きと楽しそうにしているんだから」

 

真面目で落ち着いた口調でソウルに語りかける。

 

「…そうですね!!これからは強がるのやめて一人称僕に戻します!!」

「それがいいわ」

 

コウタの母親が微笑む。

 

「わざわざうちの息子を諭してもらってありがとうございます」

「いえいえ、少し出過ぎた真似をしてしまいましたね」

 

ソウルの母親はお礼をいう。

 

「お…僕のことはもういいから母さんとかヒカル達の話も聞かせてよ!!」

 

そんな風景を見ながら家族が増えたみたいで楽しいなと感じているコウタであった。

 

 

その後ソウル達は話し込み、時間も遅くなったので晩御飯を6人で食べた。

そうしてひと段落ついたところでアナグラへ帰ることにした。

 

「じゃあ、母さん、ヒカルそろそろ行くね。コウタのお母さんも今日はお世話になりました。ノゾミちゃんもヒカルのことよろしくね!!」

「こちらこそソウルくん達にはお世話になったわ。晩御飯までいただいてしまったし」

 

コウタの母親は少し申し訳なさそうにいう。

 

「わかったよ、ソウルお兄ちゃん!!ヒカルくんのお世話はこのノゾミお姉ちゃんに任せて!!」

 

ノゾミは胸を叩きながらいう。

 

「ソウル達も今度はうちに遊びにきなよ。っていってもすぐ隣だけどな」

 

コウタは笑いながらいう。

 

「ありがと。今度はお世話になるね」

「ぼくもまたノゾミおねえちゃんのうちいきたいー!!」

 

ヒカルははしゃぎながらいう。

 

「また休めるときは連絡ちょうだいねー」

 

ソウルの母親は軽い口調でいう。

 

「わかってるよ!!じゃあ、そろそろ行くね。またねー」

「今日はほんとにお世話になりました!!さようなら。ノゾミも母さんをじゃあなー」

 

2人は手をふりながら歩きだす。

そのまま曲がり角に着くまでみんなが手を振っていた。

 

「ヒカルはそろそろ寝るわよー」

「…うん、ぼくもうねむいー」

「わたしも眠くなってきたー。ねぇ、お母さん。今日はヒカルくんと寝ていい?」

「それは天星さんに迷惑だからダメよ」

「うちなら大丈夫ですよ。子ども2人なら十分寝れますし」

「いいっていってるんだからお願いー!!」

「じゃあ、お願いしてもいいですか?」

「はい、もちろん。ヒカルも喜びますし」

「わーい、ノゾミおねえちゃんといっしょにねれるー」

 

ノゾミとヒカルは手を取り合って喜んでいる。

 

「じゃあ、布団に行こうねー」

 

ソウルの母親は寝室へ行き、2人を布団に入れる。コウタの母親も着いてくる。

 

「はい、おやすみなさい」

「うん、おやすみー…」

「おばさん、おやすみなさい」

 

しばらくすると2人は手をつないだままスヤスヤと寝息を立てて眠り始めた。

 

「おにい…」

「お兄ちゃん…」

「寝ちゃいましたね」

 

2人を起こさないように小さな声でソウルの母親が話す。

 

「はい、たくさん話して疲れてたみたいですね。

…ソウルくん、左手にケガしてたみたいですね」

「そうですね。まあ、神機使いなら仕方ないですよ。ソウルも父親のユウマに似て無理するタイプですから」

「そうですか。余計心配ですよね」

「まあ、心配ですけどもう少し諦めてますよ。そんなもんだって。いくら心配してもダメなときはダメですからね」

 

ソウルの母親は少し暗い表情になる。

 

「……」

 

コウタの母親はなにもいえなくなっている。

 

「少し暗くなってしまってごめんなさいね。私は大丈夫ですから」

「そうですか…。これからはお互い支えあっていきましょうね」

「はい、ありがとうございます!!じゃあ、そろそろ私達も」

「ですね、おやすみなさい」

「おやすみなさい」

 

コウタの母親は自宅へ戻る。

 

「…ちゃんと元気に帰ってきてね」

 

とソウルの母親は小さな声で呟く。

 

 

ノゾミやヒカルが眠りに就いた頃ソウル達は帰りながら話していた。

 

「そういえば、ケガのことばれなくてよかったな!!」

「うん、なんとか誤魔化せたよ!!」

「オレもケガしないようにしないとなー。母さんにもノゾミにも心配かけたくないし」

「僕も母さんとヒカルには心配かけたくないし、もうあんな思いは絶対させたくないよ。もちろんコウタのお母さんにもノゾミちゃんにもね」

「ソウルのお父さんのことか…。オレもだ。家族は絶対オレが守る」

「うん、そうだね」

 

〈僕はみんなを護りたい。コウタもアナグラのみんなも。もう誰にも失う悲しさは…〉

 

ソウルは満天の星空を見上げながら想う。

 

「ソウル、どうかした?」

「いや、なんでもないよ。

…ねえ、コウタ。アラガミが現れてから世界はどんどん壊れていってるけど、その中でも壊れてないものってなんだと思う?」

「壊れてないものか……」

「…それはね、この星空なんだって。昔父さんがいってた。壊れてないだけじゃなくて昔よりずっと綺麗になってるんだっていってた」

「確かに綺麗だよな。そんなにじっくり眺めたことなかったけど。すごいな」

「それとね、もう一つ壊れてないものがあるって」

「それってなに?」

「人の心、だって。これはまだ僕には理解できてないんだ」

「確かに犯罪とかはずっと起こってるし、アラガミの恐怖に支配されてるもんな」

「でも、父さんはこの星空みたいに綺麗になってるって信じたいっていってた。こんな時代だからこそ人の心を信じたいって」

「なんかソウルの親父ってすごいな」

「うん、神機使いとしてもすごかったみたいだし、人としても僕じゃ全く敵わないよ。だから僕はこの星空みたいになりたいんだ。父さんが信じたがっていた星空みたいな人間に」

「…ソウルならなれる気がするよ。

夜でも明るく照らしてくれる星空みたいな人間に」

「ありがと、コウタ。これからも一緒に頑張ろうね!!」

「おう、当たり前だ!!さっさと帰るか!!」

「なんかしんみりしちゃったけど明日からも頑張ろうね!!」

「よし、アナグラまで競争だ!!勝った方が今度ジュース奢りな!!」

「あ、先に走っといてそれはずるいよ!!」

 

コウタとソウルは追いかけっこをしながらアナグラへ向かう。

満天の星空の下で。

 

 

「ヒ、ヒバリさんただいまー!!」

「ソウルさん⁈そんなに息を切らしてどうしたんですか?」

「ちょっとコウタと追いかけっこしててね…はあ」

 

ソウルはカウンターに突っ伏している。

 

「ソウルー、早すぎるぞー…」

 

後からコウタがヘトヘトになって追いついてきた。

 

「僕の勝ちだからちゃんとジュース奢ってよね!!」

「わ、わかったよー」

「意外と遅いお帰りでしたね」

「みんなで盛り上がっちゃいましてね」

「ずっと話してたよなー。あの後ソウルの初恋の話も聞いちゃったしー」

「だから、それはもういうなってー」

 

2人の会話を見てヒバリは微笑む。

 

「なんだか、ソウルさん少し変わりましたね」

「僕ですか?」

「はい、一人称も変わりましたし。俺だった頃はなんか違和感がありました」

「ヒバリさんもだったんですか⁈なんか負けた気分だー」

「ほら、やっぱりソウルは僕の方がいいんだって!!強がりもバレバレだったみたいだしな」

 

コウタはソウルをからかい続ける。

 

「だからー、強がりじゃないしー!!」

「はいはい、今日はもう疲れたしそろそろ寝るか?」

「話逸らしてー。まあ、眠いからいいけど。じゃあ、おやすみなさい、ヒバリさん」

「おやすみなさい」

「もう眠いとかやっぱりソウルは子どもだなー」

「コウタが寝るっていいだしたんでしょ!!」

 

そんなやり取りをするコウタとソウルを見てヒバリはすごく微笑ましく思う。

 

 

コウタと別れて部屋に戻ってきたソウルはまずシャワーを浴びることにする。

左腕の包帯をほどくと傷はほぼ完治していて明日からは十分戦えそうだ。明日からは頑張らないとと思うソウル。

シャワーを浴びて着替えたらそのままベッドへ倒れ込む。

 

〈今日は楽しかったなー…〉

 

ソウルはそのまま、アナグラへ来てから一番深い睡眠へいざなわれた。




ソウルの一人称に違和感あった人いましたかね?
わかるように書いたつもりなんですが…

ソウルの(?)セリフは人間が少なかったら星空はやっぱり綺麗なのかなと思って思いつきました。

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